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2022年杉並区議会第四回定例会一般質問(酒井まさえ) |
日本共産党杉並区議団を代表して、ゆうゆう館の再編について、計画道路補助133号線等について、区立公園のトイレについて質問します。 最初に、ゆうゆう館について質問します。 (課題① 距離が遠くなる) ゆうゆう館の再編について、昨年10月から12月にかけて行われた「新たな杉並区総合計画等の計画案」に対するパブリックコメントでは、再編の反対・存続を求める声は67件にのぼりました。多くが存続を求めつつ、距離が遠くなることに不満を述べるものでした。ゆうゆう館がなくなることで、いきいきクラブが消滅の危機になるという、切実な声も寄せられました。 Q1、たとえば、西荻圏域では、西荻北と上荻窪の各ゆうゆう館を廃止し、コミュニティふらっと上荻窪に機能継承される計画に対し、ゆうゆう西荻北館より西側に住む高齢者から、単純に距離の遠さを懸念する声があがっています。区長は、11月8日、コミュニティふらっと上荻窪への機能継承に向けた取組については、いったん休止する方針を示しましたが、ゆうゆう館を廃止し、コミュニティふらっとへ機能継承することによって、距離が遠くなるという声をどう受け止め、どのように検証するのか、うかがいます。 Q2、方南地域でも、ゆうゆう方南館を廃止し、方南区民集会所にコミュニティふらっととして統合する計画が進められています。昨年のパブリックコメントには、ゆうゆう方南館の存続等を求める意見が15件も寄せられました。 パブコメでは、「方南一丁目は、区境のため不便である。方南ゆうゆう館は残してほしい。」との意見をはじめ、「方南に住んでいる。区の中心エリアと異なり諸施設が少なく、不便さ不公平を日頃より痛感している」との地域的な不便さを訴える声が寄せられています。また、「老人が散歩するような息がつけるような公園もない。今度はゆうゆう館までも使えなくなることがどんなことを意味するか」との声、「将来ある児童も大切であろうが、今まで区民として過ごした私たちの楽しみの時間を取り上げないでほしい。」などです。渋谷区と中野区の区境のため地域住民が利用できる区立施設が少ない方南地域で、ゆうゆう方南館は高齢者にとって地域の重要な施設であることが示されていると思います。 前区政はこうした地域の声を聞かず、廃止計画を進めてきました。ゆうゆう方南館については、計画通りまたは一部修正して実施することが示されましたが、現在でも区立施設が少ないと指摘されている方南地域で、「コミュニティふらっと」とは別に、高齢者を含めた区民の新たな居場所を配置することも考慮に入れた検証が必要と考えます。区長の認識はいかがですか。 (課題② 利用団体が増加) 施設の再編、統合によって、利用団体が増える問題が懸念されています。西荻圏域で見れば、現在、ゆうゆう上荻窪館を利用しているのは25団体、西荻北館は46団体で、71の団体が一つのコミュニティふらっとを利用することになります。 Q3、利用団体の増加により、活動場所が競合する事態になりかねず、これまで通りに利用できなくなることも懸念されます。これらの実態にどのように対応するのか、検証の上での区の認識をうかがいます。 課題③(道具が置けない) Q4、コミュニティふらっとに統合されることによって、ゆうゆう館で人気のあるマッサージチェアやスカイウェル等が設置されない、また、ゆうゆう館では置いておくことが出来た麻雀の台や体操のマットを置いてもらえないなど、高齢者から不満の声があがっています。高齢になると移動そのものが大変で、ましてや重いものを持っての移動は困難です。改善を求めますが、いかがですか。 課題④(高齢者向け協働事業が無くなる) ゆうゆう館での協働事業は「いきがい学び」「ふれあい交流」「健康づくり」などについて、創意ある取り組みが実施されてきました。各ゆうゆう館の施設運営業務を担う、NPO法人などの地域の公益団体が運営する事業で、安い価格で利用することもできました。ところが、コミュニティふらっとでは同様に高齢者向け事業を、これまでの回数や手法などで実施できていません。 Q5、これまでゆうゆう館で培ってきたNPO法人の協働事業は、コミュニティふらっとにおいて、どのように継承されるのか、区長の考えを伺います。また、その点での検証も必要と考えますが、あわせてお答えください。 課題⑤(高齢者施策課の関与が弱い) コミュニティふらっとを担当する所管が地域施設課となったため、ゆうゆう館の機能継承について、高齢者施策課として実態把握が出来ていないのが現状ではないでしょうか。先の第2回定例会では、所管部長から「コミュニティふらっとに対する高齢者部門の関わりが薄かったような気もいたします」。との率直な見解が示されました。 Q6、機能継承とするのであれば、高齢者施策課の関与を徹底するべきです。少なくとも、コミュニティふらっとの機能を貸館とするのではなく、高齢者や児童の所管が利用状況を把握し、関与を強めるべきですが、区長の認識を伺い、次の質問に入ります。 計画道路補助133号線等についてです。 まず、都市計画道路補助133号線と「杉並区まちづくり基本方針」(骨子案)についてお聞きします。 10月1日に発表された「杉並区まちづくり基本方針」(骨子案)に対し、区民から549件の意見が寄せられ、公表されました。 補助133号線については、私が数えたところ、135件ありました。そのうち反対・見直しは126件で、「まちを壊さないで、自然を守ってほしい」が68件、「住民意見を無視したやり方、住民意見を尊重してほしい」が42件でした。 Q1、まちを壊さないで、自然を守ってほしいとの意見には 「道路計画が策定された70年前と違い、現在そこには、商店や住宅があり区民の暮らしがあります。今、住民を立ち退かせ、住宅地と緑を破壊し、地域コミュニティを壊してまで進める必要がどこにあるのでしょうか。」との意見がありました。同趣旨の意見が多数確認できますが、住民の悲痛な声に対する区長の認識を伺います。 Q2、ほかにも、「住民の意見を聞かず無理やり実行することは住民を無視したお役所仕事だと思います。」「住民意見を無視したやり方、住民の意見を聞かないで道路計画を進めている。」等の意見が多数あり、まちづくりに住民の声が反映されていないということが分かります。岸本区長が目指すまちづくりとも相容れないと考えますが、いかがですか。 Q3、当初出された骨子案と、11月9日に出された修正案を比較すると、大きな変更があります。 「都市計画道路補助133号線の整備」としていた項目から「整備」の文言が取れました。これは「整備することが前提ではない」「補助133号線ありきではない」と考えてよいのでしょうか。お答え下さい。 Q4、次に、延伸計画の実質的な理由の一つとなっていた、南阿佐ヶ谷駅周辺まちづくりについてお聞きします。133号線を優先整備路線に選定した理由について、前区政は「交通処理機能の確保」「延焼遮断帯の形成」等と共に、周辺公共施設の再編も含めた南阿佐ヶ谷駅周辺街づくりを推進するためとしていました。 「阿佐ヶ谷駅等周辺まちづくり方針」では、中杉通りの延伸と合わせて、周辺の公共公益施設の更新を契機に、施設の複合化、多機能化をすすめ、南阿佐ヶ谷駅前にバス停等の交通機能を兼ねた広場を整備すると示していました。 しかし、私が情報公開請求した資料で、区が行ったアンケートでは、近隣の警察署・消防署・都税事務所・杉並税務署・水道局・杉並郵便局等の公共公益施設は、単独改築を望む声が多く、施設の複合化・多機能化の見通しは困難になったことを確認することができました。 杉並区の思惑に反する事態であり、南阿佐ヶ谷駅周辺まちづくりは見直すべき時だと思いますが、いかがですか。 Q5、新たに示された修正案の南阿佐ヶ谷駅周辺の項目では、「広場機能などの基盤整備」の記載が削除されると共に、「都市計画道路補助133号線の整備にあわせて」という記載も削除されました。これまで南阿佐ヶ谷駅周辺まちづくりは、補助133号線の道路整備と一体的に検討されてきましたが、道路整備は前提としないまちづくりを検討する、ということでよろしいのでしょうか。お答えください。 Q6、次に区長と住民との話し合いの場についてです。 133号線の計画沿線地域では、2018年、「都市計画道路補助133号線に反対する会」がつくられ、定期的に集まり、まちづくりの学習会なども開催しています。 計画見直しを求める署名は、現在3315筆にのぼり、住民は「静かな街を壊さないで」というのぼりを立て、「測量一切お断り」のプレートを貼っています。 私は、前区長に住民との話し合いの場を持つよう何度か求めましたが、実現しませんでした。 岸本区長就任後、住民が要望した話し合いが実現しました。話し合いには、地権者、関係住民10名が参加し、「どうしてこの道路を造るのか?私たちを追い出して、まち壊わしにもなる。自然破壊にもなる」など、悲痛な意見が出されました。懇談にたいする区長の率直な感想を伺います。 Q7、懇談の中で、岸本区長は、「みなさんが主導で、現地を見てもらう機会に、私たちが参加するということができたらいいのではと感じました。」と話しました。 住民の声を聞くだけではなく、実際に現地を観ることにより、まち壊しになる実態をよりリアルに確認することができ、東京都にも伝えやすくなると思います。私からも、区長が住民とともに補助133号線の視察を行うことを要望しますが、いかがですか。 次に主要生活道路について質問します。 杉並区は、2017年の道路整備方針で、主要生活道路の拡幅計画を発表しました。計画のなかで、五日市街道から高千穂大学までの道路を主要生活道路とし、道路幅を、約5.5mから左右広げて9mにすることが示されました。拡幅工事が行われれば、成田東1丁目、2丁目の住民の約150世帯の方が、立ち退きを迫られる恐れがあります。 区は、道路拡幅の目的に防災性や安全性をあげ、住民の声は聞いていると言いますが、住民からは「現在のままでも特に防災上問題はない」「長年住み慣れたところから、今さら立ち退きと言われても困る」など、私は多くの声を聞いています。道路を拡幅すれば、交通量も増え、反対側への行き来も不便になり、交通事故の心配も出されます。 このほど、善福寺川改修工事に合わせて、この主要生活道路にかかる大成橋を、拡幅されることが発表されました。事実上、道路計画が一歩進められることになります。 Q1、主要生活道路の拡幅計画は、住民の声を聞いて進めていると区は話していましたが、どのくらいの住民の意見が出されたのですか?住民の意見に基づく検討は行なわれたのでしょうか。 Q2、大成橋の拡幅について、区は「橋の工事は100年に1回のことで、この機会を逃さず工事をする。拡幅した道路に合わせて、現在の5.5mから9mにする。」としていますが、橋に接して民家があり、車の接触などの危険もあります。 住民の要望を考慮するとともに、道路の拡幅がなされていない中で、今回の橋の付け替えは、今までの5.5mにすることを求め、区の見解を伺います。 【区立公園のトイレについて】 最後に区立公園のトイレについて質問します。 区が実施している区民意向調査の自由意見欄には、毎年のように公園の維持管理、なかでも公園トイレに関する要望があがっています。 Q1、公園は、区民の身近な地域にあって、遊びや健康活動、リクレーションなど、区民の憩いの場であり、子ども達の成長にとっても、重要な施設です。あわせて、災害時の避難や復旧の拠点としても重要な施設だと思います。それだけに、子どもから高齢者、障害のある人でも、安心して利用できるよう、トイレの整備や維持管理など重要な課題だと思います。 まず、区は、公園の役割、トイレなどの施設の整備と維持管理についてどのように認識しているのでしょうか。伺います。 Q2、トイレ等の維持管理に関して、区民意向調査では、毎回のように「汚い」「きれいにして」という意見が寄せられています。 2019年度の調査では、「特にトイレが汚く、子どもが嫌がり用も足せず、漏らしてしまったことが2・3回ありました」、2020年調査では「公園のトイレがきたないことが多い、きれいにしてください」などの意見が紹介されています。部分的かもしれませんが、この意見にどう対応したのか、お答えください。 Q3、内閣官房が紹介している日本公園協会の「公園のトイレついて」という資料では、トイレの管理内容として「日々の汚れを固着しないよう1日1回の日常清掃が望ましい」と記載され、武蔵野市の本田東公園では1日2回朝夕の清掃がされていることが紹介されています。区はどのような頻度、サイクルで清掃を実施しているのですか。 Q4、私は、今回の質問にあたって平成31年1月に発表された「杉並区多世代が利用できる公園づくり基本方針」を読みましたが、トイレなど公園に不可欠な施設の維持管理に関する方針は記載されていませんでした。もっぱら費用の縮減策が強調されている印象でした。清潔なトイレを維持することの重要性を高め、公園協会も示している1日1回の清掃実施を検討すべきと思いますが、いかがですか。 Q5、公園のトイレに関して清掃要望とともにあるのが、洋式化です。例えば、梅里中央公園には、公園と公園内にある集会所にトイレがありますが、両方とも和式です。私のもとにも集会所と公園を利用する住民から、洋式化してほしいという要望が寄せられています。先日発表された今年度の区民意向調査でも、公園トイレの洋式化を求める意見が2件記載されていますので、紹介します。1件目「公園の和式トイレを洋式にしてほしい」、2件目は「多くの公園のトイレが古くて汚い所が多い。男性用には扉さえなく、女性用は和式のみとは時代遅れも甚だしい。つい最近家の近くの公園が改修されたが、遊具やベンチを変えただけで、トイレはまったく手つかずだった。中略 安心して利用できる公園にしてほしい」です。 公園トイレの洋式化促進については、2018年の決算特別委員会で我が党の金子議員がとりあげました。区は「トイレについても、他の自治体なども含めて研究してまいりたい」と答弁しました。 質問時の2019年度時点から現時点まで、公園トイレの洋式化はどれだけ整備され、洋式化率はどこまで上がったでしょうか。また、今年度の意向調査で先ほど紹介したような声が寄せられていることを、区はどう受け止ますか。 Q6、決算特別委員会の資料を見ると、洋式化は公衆トイレも含めてであり、正確な比較はできませんが、50%には到底至らない水準だと思います。これは、区民集会所など区内の他の区立施設の洋式化率と比べ大きく遅れていると思いますが、なぜ公園施設の遅れを放置するのですか。区の認識を伺います。 Q7、決算資料から杉並区の公園トイレ洋式化率は30%程度と思われますが、これは他自治体と比べても、遅れているのではないでしょうか。世田谷区では、2015年34%だった公園トイレの洋式化率は2018年には56%に逆転したと伝えられ、現在では、73%になっています。また、武蔵村山市は、平成30年度から2か年で既存のトイレの洋式化をすすめますとして、対象公園をホームページで示しています。また、さいたま市では、「さいたま市公園トイレリフレッシュ計画」を策定し、2028年度までに和式トイレしか設置されていない74公園の洋式化を進めるとしています。 区として、洋式化への目標と計画をもって取り組むことを求めますが、区長の認識は如何でしょうか。 また、区は昨年度決算では、公園整備費に24億8600万円余も投入しています。整備への財政投入だけでなく、トイレの洋式化への改修に必要な財政投入を行うべきです。区長の認識をお答えください。 Q8、なお、個別箇所についてですが、冒頭紹介しました梅里区民集会所及び梅里中央公園のトイレ洋式化について、改めて対応を求めます。区長の認識を伺い、私の質問を終わります。 |
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