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2022年杉並区議会第三回定例会代表質問(富田たく) |
新たに就任した岸本聡子区長の所信表明を受け、今後の区政運営の基本姿勢や、直面する喫緊の課題等について、日本共産党を代表して質問いたします。 1.選挙結果に示された民意をどう受け止めるか (1)区長選挙の受け止めについて 最初に、区長選挙の受け止めについてお聞きしたいと思います。 区長選挙は主権者である区民が区長を直接選ぶという、直接民主主義の選挙です。それだけに私たち区議会議員も、区長選挙で示された区民の思い・民意をどう受け止め、区政をどのように進めていくのかが問われていると思います。 私は、選挙によって前区長にNOの審判が下されたことを、まず重く受け止めるべきだと思います。 前区長の3期12年を全て否定するものではありませんが、区民はこの12年間を通じて、住民の声を真摯に受け止めずトップダウンによる強引な区政運営や、区政の私物化といった前区政の姿勢に強い懸念を感じたのではないでしょうか。 それに対し、岸本区長の選挙での主張は、今までの区政運営からの転換を明確に打ち出していました。なにより強調されたのが対話からはじめること、そして情報を隠さず公開し、住民合意のもとで命とくらしを支える区政運営を進める事でした。 岸本さんは杉並に多くの知人がいるわけでもなく、事実上無名の新人であり、立候補表明は告示日まで2カ月を切っていました。その岸本さんを区民が選んだのは、その主張に共鳴し、希望を感じたからではないでしょうか。この区民の思いを私たちは謙虚に受けとめるべきだと思います。 【問1】 区長選挙の受け止めについて ○岸本区長自身、区長選挙で示された区民の民意、区政への願いをどのように受け止めているのか伺います。 私たち日本共産党杉並区議団は、区民の皆さんと力をあわせ、区長選挙で示された民意に応えた区政改革を進め、杉並から住民自治の新たな扉を切り開くために全力をつくす決意です。 (2)自転車での登庁、区長専用車の公用車について さて、区長選挙後、岸本区長は公用車を使わず自転車で初登庁されたことが話題となりました。 我が党区議団は、前区長が毎晩のように夜の会合に公用車を使用し新宿に通っていた実態や、到底公務とは言えない他自治体の選挙応援への使用など、区長公用車の私物化、乱用の実態を議会で告発し、改善を求めてきました。前区政下でも区長公用車の運用基準は作られたものの、依然として問題のある運用だったと考えております。 【問2】 区長専用の公用車の今後の扱いについて ○既に区長就任後、公用車の運用方法については変更されたと聞いていますが、所信表明では言及されていませんでしたので、あらためてお聞きします。前区政での公用車運用については、区民から厳しい目が向けられていましたが、岸本区長は、それをどう受け止め、どう生かして取り組んでいくのか伺います。 2.対話の重視、情報公開の徹底について (1)情報公開について 区長が所信表明で、隠し事のない透明な区政、日本一の情報公開を掲げたことを歓迎するものです。前区政での情報公開の実態は、隠し事だらけでした。情報非公開条項をつかって、明らかにしたくないと思われる情報は、ことごとく黒塗りにする決定が多発されてきました。 それがいかに不適切だったかは、同僚議員の提訴によって下された東京地裁判決でも浮き彫りになっています。 法人等の利益を損なうおそれなどの理由による非開示という決定は、一般的、抽象的理由でなく、その蓋然性を明確にすることが求められていることが、自治体向けのハンドブックでも明記されています。 また、開示期間の異常な延期も問題です。我が党議員の開示請求で開示された文書はわずか61ページでしたが、開示されたのは請求から70日も経過した後でした。本来、14日以内の開示が原則ですから、あまりにも異常と言わざるを得ません。 【問3】 情報公開の基本姿勢について ○区長はどのように、日本一の情報公開を実現しようとするのでしょうか、その基本姿勢を伺います。 ○情報公開請求については原則公開、開示は14日以内の原則を徹底していただきたいと思います。そのために、前区長決済で行われてきた情報公開の不適切な非公開や、異常な開示期間の延長の実態を精査するとともに、今後、非開示規定や延長可能規定の乱用が行われないよう、情報公開条例及び、区が作成している事務手引きに則った運用を職員に徹底する事を求めますが、いかがでしょうか。 ○また、非開示や期間延長の判断が恣意的なものとならないよう、条例や手引きの運用に則っているかチェックする仕組みの構築などの検討も必要だと思いますが、区長の見解は如何でしょうか。 (2)区民の声の尊重について 岸本区長が対話・区民の声を聴くことを打ち出したことも、区民の願いに沿ったものだと思います。前区政でも区民の声を聞く仕組み、制度は一応ありました。しかしその運用において、区民の声や要望を受け止め区政にどう生かされたのか、きわめて疑問です。 その典型的な例がパブリックコメントです。例えば、実行計画等にたいするパブリックコメントでは、児童館廃止に対し、保護者等から廃止され小学校内での放課後居場所事業に移され子ども達がどうなったか、生々しい事例が紹介されました。 ゆうゆう館の廃止に対しても、利用者である高齢者から「生きがいを奪わないで」など、切実は声が多数寄せられました。しかし、前区政では、こうした区民の切実な声に対し、従来見解をただただ繰り返すだけです。これではパブリックコメントの意味が無いと指摘せざるを得ません。 【問4】 区民の声の尊重について ○区長として、これまでの区民意見への区の対応の実態を調査し、区が全体として主権者区民の意見を尊重し、区政に生かすことを徹底するよう要請しますが、区長の見解を伺います。 【問5】 予算編成への区民参加、意見反映について 区民の声を区政に活かすという意味では、岸本区長が予算編成について、区民参加を促進するために「区民参加型予算」を提案したことは、区政改革への新たな一歩だと思います。 ○あわせて改革すべきことは、予算を編成する過程を公開することだと思います。多くの自治体でも積極的に取り組まれており、杉並区でも一応実施されていますが、予算確定前にわずか1回のみの公開で、公開されていること自体も区民に周知されていない実態があります。予算編成過程の公開を複数回にし、広報などでもわかりやすく紹介する改善が必要です。また、編成過程を公開するだけでなく、予算編成の際に区民が意見を言える仕組みも必要だと考えますが、いかがでしょうか。 3.民営化、民間委託の検証・再検討 次に、民間委託、民営化についてお聞きします。 岸本区長は、国際政策シンクタンク職員として、世界各国の水道事業の民営化問題を研究し、水道利用者への悪影響から再公営化を進める活動をされておりました。 日本での公共施策の民営化は、新自由主義経済を求める財界の主導のもと、新たな市場の拡大による企業利益の確保を目的に進められ、杉並区でも民間活力の導入との掛け声で、結果的には人件費の削減が目的として進められています。 しかし民間委託、民営化については、区民サービスの低下や、企業の急な撤退による事業の継続性の問題、区職員の業務継続能力の低下や企業利益確保を優先とした人件費削減による官製ワーキングプアの増加など、多くの問題点が指摘されています。 【問6】 民間委託、民営化の検証を そうしたなかで、区長が所信表明で、指定管理を導入したサービスを中心に検証に向けた準備を進めていることを表明したことは重要です。 ○ただし、指定管理者制度だけでなく、放課後居場所事業や学童クラブ、国保年金課等の窓口業務の民間委託などについても検証が必要と考えます。指定管理、民間委託、民営化それぞれについて全庁的に検証を行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○また、検証の際は経費削減などの財政的な視点だけでなく、区職員の業務継続能力の維持や、区民サービスの向上・低下、個人情報の取り扱いについてなど、多面的な検証を求めますが、いかがでしょうか。 4.児童館・ゆうゆう館について 次に、今回の杉並区長選挙において、重大な争点となった、児童館やゆうゆう館の廃止方針、都市計画道路の整備について、何点か確認いたします。 (1)児童館・ゆうゆう館等の再編整備計画の見直しの手法について まず、児童館とゆうゆう館の再編整備についてです。 岸本区長は、「杉並区の強みは、長年培ってきた小学校区を中心とする地域社会である」と共に「地域における子ども達の拠点である児童館、高齢者の活動の拠点であるゆうゆう館」があることだと述べました。非常に重要な指摘だと思います。 しかし、前区政では、施設再編整備の名のもとに、児童館やゆうゆう館が廃止されてきました。 児童館は41館あったものが14館廃止され27館に減少し、前区政下で示された計画が今後も進められれば、さらに6館が廃止され、21館にまで減少することになります。 ゆうゆう館についても32館あったものが、既に4館廃止され28館に減少。今後7館の廃止方針が進められれば21館に減少します。 子ども達や保護者、高齢者からは、施設の存続を求める声が高まるなか、岸本区長が「これまでの取組をしっかり検証した上で今後の進め方について検討したい」と表明したことは、非常に重要だと受け止めています。 【問7】 児童館やゆうゆう館の在り方検討会等の設置 ○まず、区立施設再編整備計画の検証と見直しに向けた具体的な手法について、現在の検討状況を伺います。また、児童館やゆうゆう館の検証や見直し、各施設の今後について、有識者と関係者、現場職員等を含めた「在り方検討会」等を設置して、検証を行うべきと考えますが、認識を伺います。 【問8】 住民参画のもとでの計画策定 ○検証と見直しにあたっては、計画を決定する前の段階から住民への情報提供と住民意見の反映、住民参画のもとですすめる必要があると考えますが、区長の認識を伺います。 ○その際、既に決定された計画についても、柔軟に住民意見を聴取していくべきと考えますが、認識を伺います。 (2)この間の児童館再編の実態と子どもの居場所について 直近で廃止となった西荻北児童館・善福寺児童館は、当初の再編整備計画にも示されず突然、廃止計画が決定されました。計画見直しを求める声は住民説明会でも相次ぎ、議会には陳情署名851筆が寄せられました。該当する小学校や近隣小学校のPTA、学童クラブ父母会からも計画の見直しを求める要望書が寄せられました。児童館最後のお餅つきでは、長年お餅つきを担ってきた町会関係者は涙で声を詰まらせ、ある参加者は「杉並区の愚策によって」地域の繋がりを断たれないようにする旨の発言がありました。こうした声や実態を踏まえずに児童館が廃止されたことは、極めて問題であったと指摘するものです。 【問9】 地域コミュニティの核としての児童館の役割 ○児童館は、これまで地域住民と子ども達を繋ぐ事務局機能の役割を果たしてきました。各小学校区に配置されてきたからこそ、子ども達を中心とした地域コミュニティが形成されています。こうした地域コミュニティの核としての児童館の役割について、今後、再検証して頂きたいと考えますが、認識を伺います。 (3)児童館の役割と子どもの権利条約について 児童館は子ども達の日常生活の拠点となっており、家とも学校とも異なる場所に子ども達の拠点があることに大きな意味があります。児童館を廃止するということは、学校内でも自宅でもない第3の居場所・サードプレイスが無くなることを意味します。 さらに、子どもたちは児童館という子ども達の為の施設で、大人が用意したプログラムだけに縛られることなく、自らの意思に基づき自由に遊ぶことができました。 一方、学校内での放課後等居場所事業は、学校内のルールや学校施設の利用上の制約、職員の引率により場所移動をするため自由な出入りができない、遊びについても職員が幾つかの種類を提案した中から選ぶ、それ以外の遊びをすることや遊ぶスペースを変えることができない等、子どもたちの自由意思に基づいた遊びが制約されています。 【問10】 子どもの権利条約と子ども達への意見聴取の実施 これらの制約は、子どもの権利条約第31条で示されている休息、余暇の権利、遊び、レクリエーションの権利、文化的生活、芸術への参加の権利とも相入れないことではないでしょうか。 ○今回、岸本区長のもとで、児童館再編の検証と共に、児童の権利条例の制定が示されましたが、この機会に、「子どもの権利条約」と照らして児童館が果たしてきた役割の検証および、児童館を利用する子ども達に対する意見聴取を実施して頂きたいと考えますが、いかがでしょうか。 (4)学童クラブの大規模化の解消について 【問11】 学童クラブの大規模化の解消について 学童クラブの在り方についてもうかがいます。 ○この間、学童クラブの需要増に対応するため、定員増が進められてきました。その際、ひとつの学童クラブで100人、150人と大規模化している実態があります。緊急的な対応としてやむを得ない面もありますが、本来の児童の過ごし方や、指導員の負担を考えると大規模化は問題があります。今後の学童クラブの集団単位は40名程度を目指し、改善に取り組むことを求めますが、認識を伺います。 (5)ゆうゆう館等の再編整備計画の見直しの手法について つづいて、ゆうゆう館についてです。 ゆうゆう館が廃止された地域では、コミュニティふらっとに機能が移転されていますが、高齢者からは不便になったなどの声があがっています。 ゆうゆう浜田山館を利用していた高齢者団体は、廃止後にゆうゆう高井戸東館に移動し、これまで通り、月一回の会合を継続していますが「遠くて大変」との声が寄せられました。同じく、ゆうゆう浜田山館で体操を行っていたグループは、ゆうゆう高井戸東館が狭いため、遠くのコミュニティふらっと成田まで移動しているそうです。 【問12】 ゆうゆう館の重要性についての検証 今後も、ゆうゆう館が廃止され、コミュニティふらっとへの転用がすすめば、高齢者の活動場所が遠のき、容易に利用することが困難な事態をうみだすことは明らかではないでしょうか。 高齢者の身近にゆうゆう館を配置してほしいという声は、区立施設再編整備計画第2期・第1次実施プランへのパブリックコメントにおいても多数寄せられました。 ○徒歩で通える場所に、高齢者のための拠点を配置することの重要性について、高齢者の意見を聴取し、検証することを求めますが、認識を伺います。 【問13】 高齢者が「コミニティふらっと」を利用する際の柔軟対応 ゆうゆう館では利用団体が使用する、体操用マットや、楽器、健康麻雀グループの麻雀セット等々、物品を保管することが出来ました。 しかし、コミュニティふらっとでは「個人の持ち物は置かない」ことがルールとなっています。理由について、多世代も使うから高齢者団体の物品は管理できないと説明していますが、高齢者団体から改善を求める声が寄せられています。 ○高齢者の要望を聴取し、柔軟に対応すべきではないでしょうか。この点についても認識を伺います。 【問14】 高齢者からの意見聴取の実施 ゆうゆう館は、高齢者向けの会館であり、高齢者の生きがいの創出の場として重要な機能を果たしてきましたが、ゆうゆう館の減少とコミュニティふらっとへの機能移転により、高齢者向けの講座等の協働事業が減少することを懸念します。 ○施設再編の検証と見直しにあたり、高齢者の拠点や講座等の協働事業が担保されているのか、利用する高齢者も含めた意見聴取を実施するべきと考えますが、認識を伺います。 5.都市計画道路整備について 【都市計画道路整備について】 次に、都市計画道路について伺います。 前区政のもと、都市計画道路整備事業は、近隣住民との合意形成なく進められてきました。計画の多くは、70数年前に決定されたもので、現在では住宅街や商店街が立ち並び、計画が決定された当時とは状況が全く違っています。住民に立ち退きを迫り、暮らしや営業、地域のコミュニティを壊す道路計画に、理解や納得が得られないのは当然のことだと思います。 莫大な税金が投入される点でも重大です。補助132号線では250億円以上、補助221号線では50億円以上等々、コロナ禍や物価高騰のもとで、税金の使途を検証する必要があります。 (1)全国で進められる都市計画道路の見直し方針 7月15日、杉並区都市計画審議会が開催され、都市計画マスタープラン骨子案が示されました。その内容は、前区政下で立案されたもので、都市計画道路整備や駅前再開発を推進する内容でした。 岸本区長は、自ら審議会に参加し、ゼロカーボンを骨子案の柱に位置付ける必要性を強調し、審議会委員にも、その観点を踏まえての議論を求め、その方針に基づき、骨子案の修正や説明会などの策定スケジュールの変更が行われることになりました。 骨子案の変更が打ち出されたことは、地球温暖化対策への積極的な挑戦であると共に、住民合意無く進められる都市計画道路整備の見直しを求める住民の切実な願いに沿うものと考えます。 【問15】 都市計画道路の見直し ○都市計画マスタープラン骨子案の修正については、ゼロカーボンを実現するべく、従来の取り組みに留まらず、地球温暖化対策に杉並区が本気で取り組む方向性を打ち出す必要があると考えますが、改めて区長の決意を伺います。 ○また、都市計画の中心にゼロカーボンを位置付けるのであれば、これまで計画されてきた都市計画道路については、完成後の車両交通によるCO2排出量や、道路開発時におけるCO2排出量等の観点から精査することが求められます。こうしたCO2排出量の調査・見積もりについて、必要に応じて実施していくべきと考えますが、認識をお聞かせください。 ○全国の自治体で、都市計画マスタープランにおける都市計画道路の見直し方針が示されています。「東京における都市計画道路の整備方針・第四次事業化計画」が示された2016年度時点でも、全国では2,356路線が廃止されていました。それらの事例も検証し、骨子案に反映することを求めますが、認識を伺います。 岸本区長は都市計画審議会において、道路整備による防災対策の課題についても言及しました。 延焼遮断帯の効果については、「NPO法人くらしの安心安全サポーター」理事長の中村八郎氏は、焼失面積が3.3ヘクタール以上となる市街地延焼火災・いわゆる大火の場合、飛び火により100メートルから300メートルは燃え移り、20メートル幅の都市計画道路はほとんど効果がなく、「道路の幅を広くすることは延焼遮断に役立たないということはないが、膨大な予算をかけ、居住する住民を立ち退かせてまで整備する必要性が有るのかは疑問がある」と、その効果を指摘しています。 【問16】 道路整備に頼らない防災力の向上を 東京都における都市計画道路整備では「延焼遮断帯の形成」や「防災対策」を理由とした整備が行われていますが、中央防災会議の「首都直下地震の被害想定と対策」では、震災予防は建物の耐震化・不燃化や家具等の転倒防止、感震ブレーカー等の設置による出火防止対策や初期消火成功率の向上等に重点を置いています。 ○その点からも、本来の首都直下地震への対策は「延焼遮断」のための道路整備が中心課題ではありません。都市計画道路の整備による防災効果の検証と共に、道路整備に頼らない建物の耐震化、不燃化等の防災対策を推進する必要があると考えますが、区長の認識を伺います。 ○あわせて、全国の自治体、特に観光地や下町等を中心に、既存の街並みを維持した防災まちづくりの検討が始まっています。そうした事例研究も進め、市街地を維持した防災の検討を求めますが認識を伺います。 【問17】 事業化された都市計画道路について ○既に事業認可された都市計画道路用地については、一部用地が買収され事業用地となり、長期間、空地となります。既に補助132号線事業用地においても、一部用地は空地となっています。これらの空地は地域の美観を損ね、町並みが寂れた印象を受けると、地域住民からも意見が出されています。地域のまちづくりに関わる団体からも、事業用地を空き地のままにすることなくポケットパークやベンチを設置するなど有効活用する要望も出されており、地域住民と共に有効活用等を検討するべきと考えますが、認識を伺います。 6.区民の声が無視・軽視され23区で低水準となった区民施策の改善 (1)区民生活直結の施策に光を 前区政の大きな歪みに、区長トップダウンの施策は優先しながら、自治体として大切な区民生活に直結した施策を蔑ろにしてきたことがあります。 学校トイレの洋式化促進は防災対策としても緊急課題であるにもかかわらず、力をいれず、23区での整備率の順位は年々後退し昨年は22位となりました。区立集会施設の廃止をつづけ人口当たりの施設面積は22位です。 家賃助成や高齢者の補聴器助成も多数の区が実施に踏み出したにもかかわらず前区長は背を向け、高齢者向け日常生活支援サービスの福祉用具給付の今年度当初予算額は、わずか107万円しか計上しませんでした。 【問18】 区民生活直結の施策に光を ○区長選挙でしめされた区民の思いは、こうした前区政の異常な歪みをただし、区民のくらしへの支援にこそ力をいれてほしい、ということではないでしょうか。23区でも異常な遅れを是正し、命とくらしを最優先する区政へと進めることを求めるものですが、いかがでしょうか。 (2)施設使用料について 施設使用料について、「区民が気軽にいつでも使える」という原則に立ち使用料の検討を行うとの考えは重要です。前区政12年間では「未利用者との公平性」との掛け声で、使用料が大幅に値上げとなりました。そもそも、区立施設は民間企業が行っているレンタル会議室やレンタルスペースと違い、様々な団体・個人の活動による社会教育の推進、文化芸術の振興、健康増進など、区民福祉増進のために作られており、税金で維持すべき施設の人件費を含めた経費まで利用者負担としていることは問題ではないでしょうか。 【問19】 施設使用料について ○あらためて、施設使用料の在り方を検討する際は、「区民福祉増進の観点」を大前提として利用しやすい金額へと引き下げるべきと考えますが、いかがでしょうか。 【問20】 登録団体半額制度の復活を ○また、前区政下において登録団体半額制度が廃止され、少なくない団体の活動に影響が出ています。あらためて、登録団体半額制度の復活を検討すべきと考えますが、区長の見解は如何でしょうか。 (3)財政調整基金残高について 前区政下では、コロナで区民の生活や事業者の経営が大変な時期に、財政調整基金の積み立てを強行し、昨年度末には杉並区として過去最大となる486億円もの残高を積み上げ、23区では2位となっています。 その一方で、かけがえのない区民福祉が削減されてきました。本来であれば、積み立てた基金を区独自のコロナ対策に活用するとともに、コロナ過だからこそ住民福祉の向上に活用すべきでした。 【問21】 財政調整基金残高について ○こうした前区政のいびつな財政運営を転換し、住民福祉を最優先にすることが求められていると考えますが、区長の認識はいかがでしょうか。 7.物価高騰対策について (1)物価高騰対策について 次に異常な物価高騰の問題について、何点か確認していきます。 東京都は毎月区部の物価指数を発表していますが。生鮮野菜は10%を超える値上げが続き、電気、ガス代は20%を超える上昇が続いています。その結果、東京都の生計分析調査では、全世帯での消費支出、勤労世帯の消費支出、実収入とも、3〜5月の3か月間連続で大幅減となっています。 深刻な事態の背景に、物価上昇とともに、長期にわたって賃金の抑制、年金の削減、消費税の連続引き上げ、さらに社会保障負担の増加があることを見て、必要な対策をとることが求められていると思います。 【問22】 物価高騰対策として、公的負担の軽減、値上げ抑制 物価高騰対策は主に国の責任ですが、そのなかでも区長が臨時交付金を活用し、区独自の給付金や、学校給食費の4月に遡った引き下げや、プレミアム付商品券事業の実施、燃料高騰が直撃している公衆浴場への燃料費の助成などを打ち出しことは、区民を励ますものだと思います。 ○そのうえで、物価高騰対策として求めたいことは、区が徴収する各種公的負担の軽減、あるいは値上げ抑制のために全力を尽くすことです。国民健康保険料については、あとで詳細に提案しますが、各種公的負担の軽減、値上げ抑制について、区長の基本姿勢を伺います。 【問23】 プレミアム付商品券 ○プレミアム付商品券の発行については、区民にとっては買い物への支援であり、事業者にとっては売り上げ向上となる重要施策です。今まで以上に商店会連合会の意見を聞き、連携を強化し、消費者にも事業者にも喜ばれる取組となるよう求めるものです。区長の認識は如何でしょうか。 ○プレミアム付商品券事業は、区内消費を喚起することで区内事業者への支援にもつながります。区内消費を活性化させるためにも、単年度にとどまらず複数年度継続的に行うことが効果的と考えますが、区長の認識は如何でしょうか。 ○プレミアム付商品券に関連して、商店会連合会が発行している「すぎなみギフトカード」についても質問いたします。区役所や町会・自治会等でのギフトカード利用が近年増加しており、発行高が増加傾向にあるそうです。大変喜ばしいことではありますが、500円のギフトカードを1枚発行するのに数十円の費用が発生し、連合会がそれを負担しているのが現状です。今後も継続して安定的にギフトカードを発行するためには、商品券事業にたいして区からの支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。 日本共産党は、コロナ対策としても物価高騰対策としても、最も有効な手立ては、消費税の10%への緊急減税と主張してきました。また、来年10月から導入が予定されているインボイス制度については中止を求めています。 【問24】 消費税のインボイス導入による影響について インボイス制度が導入されれば、区内事業者やフリーランス、個人タクシー、一人親方などの建設産業労働者など、個人で仕事を請け負う職種を中心に多くの免税事業者に影響が発生します。 とりわけ、杉並区のシルバー人材センターでは会員の高齢者にインボイスの発行を求めることは困難なことから、年間取引額約8億円に対する消費税分の約8000万円をシルバー人材センターセンターが納税しなくてはならなくなると見積もっています。センターでは剰余金等があるわけではないので、結果的に利用料の値上げを依頼者にお願いすることになるとのことでした。 ちなみに、年間取引8億円のうち区役所からの発注は約5億円とのことですので、インボイス制度によって、区の負担も約5000万円近くも増える計算になります。 ○このようなインボイス制度による影響について、シルバー人材センターも含めた区内の事業者に対してヒアリングも含めた調査を行い、実態を把握し、事業者や区民にも伝えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 (2)物価高騰での区民負担軽減に関連して、国保料について 物価対策に関連して、国民健康保険料について質問します。 杉並区が物価高騰を抑制することは困難ですが、区が区民から徴収する国民健康保険料など公的料金を抑制することは可能であり、区の責任が問われることではないでしょうか。 【問25】 国保の値上げの現状をどうとらえているか、また抑えるために全力を とりわけ国民健康保険は、年金生活の高齢者や零細事業者、さらに非正規労働者が加入しており、国も区長会も、年齢構成が高く医療費が高くなるが、加入者の所得水準が低く保険料負担は重い、と認めています。 にもかかわらず、そうした被保険者にたいし、異常な連続値上げが押し付けられてきました。最近の4年間でも保険料は家族4人なら6万6000円の値上げ。年収500万円で夫婦子ども2人の4人世帯では、2010年の年額保険料が4人分で約33万円だったのに対し、本年度は年額約62万円へと、12年間で2倍近くの値上げとなり、年収に占める保険料負担は約12%と家計への負担が大変重い状況となっています。 ○区長は、こうした国保料の経過と現状をどう認識していますか。また、物価高騰が家計を直撃する事態のもとで、国保料の値上げを抑えることの必要性をどのように認識しているのか、見解を伺います。 【問26】 一般会計からの繰り入れ廃止の押し付けに毅然と対処すべき 国保料の値上げを抑えるためには、杉並区の努力とともに、国と東京都の責任が問われるべきです。かつては、国庫支出金と都支出金は区の国保会計歳入の67%を占めていました。しかし2017年度では25%に激減しました。 さらに国は2018年度から保険料抑制のために3400億円を投入したと強調しましたが、杉並区の決算でみると、国、都の支出金は増えてないどころか19億円も減額だったことが、わが党区議団の調査で確認されました。 結局、国と都が保険料抑制の責任をまったく果たしていないのです。その一方で、保険料抑制のための一般会計から繰り入れを廃止するよう国は自治体に求めているのです。 ○被保険者にだけ負担を強いるのでなく、国と都が財政責任を果たすことを迫るとともに、不当な一般会計からの繰り入れ廃止の押し付けに対しては、毅然と対処すべきですが、いかがでしょうか。 【問27】 国や都に早急に財源措置を求めるとともに、区選出の都議への働きかけも さらに、今年度の国保料大幅値上げは、新型コロナ感染症によって昨年度の医療給付が急増し、東京都が杉並区に請求した納付金額が急増したことが原因です。現在の新型コロナ感染症の拡大状況をみれば、来年度も納付金のさらなる引き上げが予測されます。 ○この新型コロナウイルスによる感染は、法的には指定感染症であり、非常事態ともいえる性格です。特例的対応として国、都が財政支援を図るべきと考えますが、区長の認識はいかがでしょうか。 ○区長会も昨年末に、国、都に必要な財源措置を特例的に講じるよう求めましたが、取組時期が遅く、かつ総力を挙げた取組ではありませんでした。国、都に財源措置を求めるためには、この9月段階から、国、都に働きかけること。また、要望書を提出するだけでなく、各区が地元選出の都議会議員に対しても、都議が東京都に働きかけるよう要請するなど、総力をあげた取組が求められると思いますが、いかがでしょうか。 【問28】 国保の値上げを抑えるために全力を ○もちろん、最終的には「保険者」である区自身の努力が決定的です。国の一般会計からの繰り入れ廃止の圧力に屈することなく、一般会計からの繰り入れを継続し国保料値上げ抑制のための最大限の努力が求められますが、区長の認識を伺います。 (3)物価高騰に関連して、教育にかかる保護者負担の軽減を 物価高騰対策に関連して、教育にかかる保護者負担の軽減についても質問します。 【問29】 保護者負担の軽減を 前区政のもとで引き上げられた学校給食費の値上げ分について、区長が4月までさかのぼって値下げを行うとしたことは重要ですが、給食費のみならず、教育にかかる保護者負担の軽減が求められています。 ○前区政下で廃止された中学校修学旅行費補助金の復活など、保護者負担の軽減を進めるべきですが、区長の認識はいかがでしょうか。 (4)就学援助の拡充について 【問30】 就学援助の拡充の検討を ○また、前区政下において引き下げられてきた就学援助の認定基準について、2012年の水準に戻し、より多くの世帯が受給できるよう対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○世田谷区で導入されている給食費のみの援助など、費目認定の実施とともに、入学準備金の引き上げと、年度途中の申請でも入学準備金が受け取れるよう制度設計を改善するよう求めますが如何でしょうか。 8.新型コロナ感染症対策について (1)感染拡大第7波の状況と受け止めについて つづきまして、新型コロナウイルス感染症対策について、何点かうかがいます。 杉並区でも、第7波は猛威を振るいました。6月下旬から感染者数は増加に転じ、7月に入ると週間感染者数は週を追うごとに倍増。7月最終週には週8411人となり、過去最高を記録しました。国が特段の対策をとらないもとで、岸本区長は、受診・相談センターの回線増強や50代への抗原定性検査キットの配布、コロナ情報を掲載した広報すぎなみの全戸配布、保健所の応援体制の強化などが進められたことは重要です。 【問31】 感染拡大第7波の状況と受け止めと対策強化について ○改めて、感染拡大第7波の状況をどのように受け止めているのか、また、感染拡大の防止と区民の健康を守るために何が必要と考えているのか、区長の認識を伺います。 ○我が党が求めてきた駅前でのPCR検査などが実施されていることは重要ですが、原則無症状の方向けで、濃厚接触者や症状のある方は発熱外来を通して検査を行うこととなります。しかし、医療機関の逼迫により、本来PCR検査が必要な方がすぐに受診、検査できない状況が発生していました。 8月9日に区HPに掲載された区長メッセージの内容は大変重要と考えますが、検査体制の拡充の必要性をどう認識しているのか。また、第7波にとどまらず、今後発生すると考えられる第8波に向け、検査体制を強化していくことを求めますが、区長の認識をうかがいます。 ○医療機関の逼迫についても、区医師会との連携を強化して医療現場の実態把握を進めるとともに、医療機関が求める対策等をしっかり聞き取りすることが必要と考えます。区長の認識は如何でしょうか。 ○第7波で陽性となった方からは、基礎疾患が有っても保健所からの経過確認の連絡はほとんど来なかったとの話がありました。1990年代から全国的に保健所体制の削減が行われ、杉並区でも保健所の常勤職員が95年の246人から2020年には177人へ、70名近く削減されてきました。今後、保健所体制の恒常的な強化があらためて必要と考えますが、いかがでしょうか。 (2)医療機関の逼迫は深刻。診療報酬の引き下げ中止を この間、PCR検査等を行った医療機関に支払われる診療報酬が、昨年末から連続して大幅に引き下げられています。また、医療機関を支援するための診療報酬上の加算の縮小、廃止も続いており、今後も予定されています。ひっ迫する医療現場を支え医療体制を強化するためには、これ以上の引き下げをやめ、診療報酬を引き下げ前に戻し拡充することが不可欠ではないでしょうか。 【問32】 診療報酬の引き下げ中止を求めるべき ○国に対し、今後の診療報酬の引き下げを中止することともに、引き下げ前の状況に戻すとともに拡充することを求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 9.まちづくりについて (1)阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについて 次に、阿佐ヶ谷駅北東地区についてですが、区長が情報公開や合意形成に区民から疑問の声があることに目を向け、改めて環境への配慮や情報公開の視点で他事業者と協議すると発言したことは重要と考えます。 前区政が進めたこの計画にたいして、区民から批判、疑問の声があった主な問題は、貴重な屋敷林の樹木の大量伐採による景観と環境への影響、医療廃棄物埋設による土壌汚染の可能性のある河北病院敷地への小学校移転へ懸念、さらに、小学校移転後の高層ビルへの商業施設等の誘致による地域商店街への影響などだと思います。 【問33】 CO2吸収効果を持つ樹木の再生 ○残念ながら、樹木の大量伐採はすでに強行されてしましましたが、カーボンゼロ実現のためには、CO2吸収の効果をもつ樹木の育成、再生をこの地域でどうするのかが求められますが、どのように考えますか。 【問34】 病院敷地の土壌汚染について ○病院敷地の土壌については、前区政はわが党への議会答弁も無視し、土壌調査の結果も明らかにせず、区画整理事業を開始した現在も、いまだに明らかにしていません。わが党の開示請求で示された地図は黒塗りです。土壌汚染調査の現状、現時点で判明していること及び検討している対策案等をまず明らかにすることを求めます。 【問35】 今後の進め方について区民参画で見直す ○小学校の移転後の問題にいては、今後の検討課題ですがが、危惧されることは、北東地区の計画に関して、計画においても、区画整理事業の実施においても、特定の事業者の主導で進められてきたことです。さらに北東地区のこの先の新たな計画まで、事業者に計画策定を依頼しようとしていることは見過ごせません。こうした状況は、区長のいう区民に開かれた新しい都市計画の理念にも逆行するのではありませんか。住民参加のもとで、計画を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか (2)高円寺地域の旧印刷局宿舎跡地の有効活用について 【問36】 【旧問34】高円寺地域の旧印刷局宿舎跡地の有効活用について ○まちづくりに関連して、高円寺地域の旧印刷局宿舎跡地の有効活用についてです。本年3月、高円寺南地域の印刷局宿舎が廃止されました。この地域は「阿佐谷南・高円寺南防災まちづくり計画」で防災力の向上を進める地域となっています。宿舎跡地を活用し、防災空地や防災公園など地域防災力の向上や区民福祉の向上に資する取り組みを進めることを提案しますが、いかがでしょうか。 10.職員の働き方、健康について (1)職員の働き方について 次に、職員の働き方についてです。 杉並区の指揮を執るのは区長ですが、実際に業務にあたるのは約3,500人の常勤職員と、2,500人以上の会計年度任用職員や特別職の方々です。こうした職員の皆さんが心身ともに健康であることが、健全な区政運営に欠かせません。その観点で我が党区議団は以前から、職員の皆さんの長時間労働による健康被害の問題を取り上げ、改善を求めてきました。 【問37】 区職員の働き方の改善を ○管理職を含めた区職員、教職員の長時間労働のさらなる改善をあらためて求めるとともに、1日の業務が終わり次の業務がはじまるまでの休息時間を11時間以上確保するインターバル制度の導入を提案いたしますが、いかがでしょうか。 【問38】 適正な人員配置と兼務の解消を(質問追加) ○また、長時間労働を生まないために、新たに重点的に取り組む施策の所管部署が適正な人数となっているのかを精査し、十分な人員配置を行うことが必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○ひとりの管理職が二つの役職を兼務していると状況があります。管理職の兼務も解消していくことが必要と考えますが、認識をうかがいます。 (2)会計年度任用職員について 【問39】 会計年度任用職員について 次に会計年度任用職員の待遇についてです。 会計年度任用職員制度は、再度の任用の上限回数が5回に設定されているため、6回目の更新を希望すると改めて公募に申し込むこととなり、雇用の継続性が担保されません。 また、介護や育児など様々な事情で会計年度任用職員を選択される方もいると思いますが、常勤職員と比べ低賃金であり、退職手当や勤勉手当が無く、生活に不安を抱えている方も少なくないと思います。こうした、常勤職員と会計年度任用職員の待遇格差の解消が求められていると思います。 ○所信表明では、「会計年度任用職員の待遇の改善にも積極的に取り組んで」いくとのことですが、どういう方向性での改善を考えているのか、区長の認識を伺います。 11.【分野ごと】平和施策について (1)核兵器禁止条約に日本が参加するよう国に求めるべき 最後に、平和施策についてです。 ロシア・プーチン政権によるウクライナ侵略から半年以上が経ちました。ロシアの侵略は、紛争の平和的解決を求めて武力行使の禁止をうたう国連憲章に違反する行為であり、病院や避難所・原発への無差別攻撃はジュネーブ条約など国際人道法に反する戦争犯罪です。 とりわけ、ロシアが核大国であることを誇示し、いざとなれば核兵器の使用も辞さないと脅していることは人類全体への挑戦であり言語道断です。プーチン大統領のような指導者が出てくるもとで、核を持てば抑止力が働いて戦争を止められるという理屈は、いよいよ無力だということは明らかではないでしょうか。 【問40】 核兵器禁止条約に日本が参加するよう国に求めるべき 核兵器による悲劇を二度と生まないためには、核兵器自体を廃絶するほかありません。 核兵器の使用だけでなく生産、譲渡、威嚇など核兵器にかかわるあらゆる行為を禁止した核兵器禁止条約へ、全ての国が参加することが求められています。 しかし、唯一の戦争被爆国である日本政府は参加に後ろ向きです。 ○あらためて、原水爆禁止署名運動発祥の地杉並の区長として、日本政府に対して核兵器禁止条約参加を強く求めるべきと考えますが、最後に区長の認識をお聞きします。 12.公明党島田議員の発言にたいする我が党区議団の見解 代表質問の終わりに、昨日の公明党の代表質問について少々触れさせていただきます。 昨日、杉並区議会公明党の島田敏光議員が、代表質問の場を使って、日本共産党を誹謗・中傷する発言を行いました。意図的に事実を捻じ曲げた虚偽の発言であり、区政のための建設的議論が求められる区議会の場で、特定政党への攻撃に終始したことは、杉並区議会の品位を貶めるものです。 地方自治法は、第132条で品位の保持を定め「議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない」と規定しています。また、杉並区議会会議規則は、第104条で秩序及び品位の尊重を定め「議員は、議会の秩序及び品位を重んじなければならない」と規定しています。 島田議員の発言は、こうした法及び規則に反する行為です。よって我が党は、島田議員に対し発言の撤回を強く求めるものです。また、議長におかれましては、地方自治法129条、議場の秩序維持の規定に基づき、発言の取り消しを図るよう要請いたします。 問題のある発言は多岐にわたりますが、最も悪質で卑劣な発言は、ハイエナ攻撃です。 島田議員が石原元都知事の発言を利用して日本共産党にたいし、人の成果を横取りするハイエナと攻撃しましたが、何の根拠もなく、かつ公党を動物に例えるという卑劣な手法で、公党を侮辱する暴言です。 しかも、石原元都知事のハイエナ発言は、知事の自発的発言ではなく、都議会で公明党議員による共産党攻撃質問への答弁として引き出されたものです。この元都知事発言は、各地の選挙で「共産党はハイエナ」という謀略的ビラが配布されたように、作戦として行われたものです。こうした卑劣な攻撃が、杉並区議会の場で行われたことは、議会の品位を汚すものです。 そもそも、当時の公明党都議の発言は、日本共産党のチラシをとりあげて、どれもウソであるかのよう主張したものです。しかし予算特別委員会での杉並区選出の吉田都議の追及で、公明党の主張こそ事実に反することが浮き彫りにされ、石原元知事は反論できませんでした。 当時、公明党都議は、共産党は予算に反対したから、私学助成や乳幼児医療費など成果といえないと攻撃しました。しかし公明党は、野党時代36回にわたって政府予算に反対しながら、児童手当制度、パート減税など成果と宣伝してきたのです。公明党に共産党を攻撃する資格はありません。 他にも、共産党にかかわる発言について多々ありますが、全て取り上げることができませんので、主な3点について言及させていただきます。 まずは、日本国憲法9条の問題です。 日本共産党は、綱領で「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」と明記しているように、内外に憲法9条を守ることを明らかにしている政党です。 島田議員は「憲法9条に反対した唯一の政党」と発言していますが、制定当時は政府が9条について「個別的自衛権もない」と答弁したことから、憲法案に反対したものであります。その後、政府が集団的自衛権の行使は認められないが、個別的自衛権の行使は認められるとしたことから、9条をふくめ憲法の全条項を守るという態度を明確にしたのです。こうした事実も踏まえず日本共産党の立場を、正反対に描きだそうとする島田議員こそ、歴史に対する認識が欠如しているのではないでしょうか。 次に、天皇の制度に対する発言についてです。 日本共産党は、綱領において、日本国憲法の前文と天皇の制度を明記した第1条から99条まで、憲法全条項を厳格に守る態度を公にしています。 天皇条項については「国政に関する権能を有しない」などの制限規定の厳格な実施を重視すると共に「天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである」と党綱領で明記しています。 島田議員がいう「天皇制を否定する立場」との発言は、明確に事実と異なることを指摘いたします。 最後に「共産党が政治を動かしてきたことはない」との発言についてです。 我が党の山添拓参議院議員の政策チラシへの反論の様ですが、2020年5月、当時の安倍首相が、検察の人事を官邸が関与できるようにしようと検察庁法の改悪案を準備したときに、山添議員がその狙いをいち早く見抜いて国会で追及し、大きな世論を巻き起こしました。その世論によって、改悪案の成立を断念するところまで追い込みました。 また、男女の賃金格差の是正のために、山添議員が賃金の公表を求めたことが切っ掛けで、岸田首相は社員300人を超える企業に、男女の賃金格差公表を義務付けると発表しました。 杉並区でも、6月からマンション等のLED化助成が実施され、補正予算では学校給食費の値下げが提案されていますが、日本共産党区議団が先駆的に区議会で提案したことは、皆さんもご存じの通りだとおもいます。 他にも誹謗中傷発言に対して、申し上げたいことはありますが、代表質問の場ですので、ここまでにとどめておきます。 あらためて、島田議員におかれましては、品位の有る発言を求めるとともに、自らの発言を今一度振り返っていただき、謝罪とともに、不適切な部分については取り消しするよう求め、質問を終わります。 以上 |
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