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2021年杉並区議会第一回定例会一般質問(金子けんたろう) |
1、中小飲食業について 日本共産党杉並区議団を代表して、区内中小事業者支援について、地域公共交通について質問します。 まず、区内中小事業者支援について、コロナ禍の直撃を受けている飲食業への支援についてうかがいます。杉並区統計書(令和元年版)で紹介されている、経済センサスを見ると、区内の「宿泊業・飲食サービス業」は、事業所数3,100余及び従業者数18,900余で、「卸売業・小売業」に続いて二番目に多い数となっています。総数に占める宿泊業、飲食サービス業の割合は事業所数で16%余。従業者では約12%と、区内経済及び雇用に大きな比重、割合をもっています。 飲食業は、住民の安らぎの場であるとともに、人と人とのつながり、交流の場です。仕事に疲れた人々の憩いの場、オアシスのような役割を果たしてきました。魅力ある飲食街が他区からの集客という点でも重要な役割を果たしており、コロナ禍のもとで区内飲食業を衰退させてはなりません。 問1) 区内飲食業について、区内経済での割合、役割についてどう認識しているのか。区の基本認識をうかがいます。 ① コロナの深刻な影響への認識を問う 事業者、個人商店からは「本当に困っている」「いまも地獄だけど、これからさらに地獄になると思う」という声、また個人事業主やフリーランスのかたからは「不安で不安で仕方ない」「精神的にやられている」「請求書が届くたび、緊張しながら封を切っている」と切迫した実態を伺ってきました。 2020年12月17日付、中小企業庁業況判断では、「2021年3月には再び悪化の予測となっている」「特に、宿泊・飲食サービス業の業績予測が厳しい」としています。その要因として、飲食業は、一つに営業時間短縮要請による大幅な減収です。昨年3月都知事の「当面の間、若者はカラオケやライブハウス、中高年の方はバーやナイトクラブなど接待を伴う飲食店の自粛をお願いしたい」との飲食店自粛要望、同年4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言を行い、同月11日東京都からの時短要請の影響をもろに受け、しかも現在も要請が続いており長期に及んでいます。二つめに、一部大手を除き、飲食業は零細企業が多く、しかも家賃負担が重いことです。 問2)区内飲食業は、最も深刻な事態に追い込まれていると思いますが、区はどう認識しているのかうかがいます。 ② 国・都の支援策について 問題はこうした深刻な事態に対し国の対応がふさわしいといえるかどうかです。国の代表的な支援策では、持続化給付金がありますが、1月31日で申請は締め切られました。給付額は最大で個人事業者100万、法人200万で2019年以前から事業を開始していること、感染拡大の影響で、前年同月比で事業収入が、50%以上減少した月があること、などの要件があります。いっぽうで、2020年1月開業した小売業者は持続化給付金の対象外となっており、申請したのにいまだに給付されないという切実な声も届いています。 また、家賃支援給付金については、2月15日が申請期限です。どちらの給付金も給付は一度限りとなっており、「国の持続化給付金の第二弾をやるべき」「とくに家賃補助も重要」という声も寄せられています。打ち切りを撤回し、国は第二弾を実施すべきです。 問3)飲食店への時短要請はいまも続いており、飲食店の売り上げは減少し続けています。国の支援策は飲食店の実態にかみ合い、充分なものといえるのか。区の認識はどうか答弁を求めます。 さらに今年から行われる支援策についてです。国では、緊急事態宣言やそれに準じた措置がとられた地域で営業を短縮した飲食店の取引先や外出自粛の影響を受けた事業者に対して、売り上げの50%以上減少を条件に、緊急事態宣言延長に伴い中堅・中小企業は最大60万円に引き上げられ、個人事業主については最大30万円の一時金を支給する方針を打ち出しました。しかし、「もらえるのはありがたいが、焼け石に水」という声が聞かれます。 東京都においては、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金があります。営業時間を夜八時に終えた店舗に対し1日最大6万円、31日間全面協力した店舗に186万円支給されます。なお、営業時間の短縮に向けて準備等が必要な場合において、令和3年1月12日から2月7日までの27日間、全面的に協力の場合(27日間) は、一店舗当たり162万円。緊急事態宣言の延長に伴い、支給期間も延長となりましたが、この協力金は、業者の規模にかかわりないため事業者の規模によってはまったく不十分という現状です。 わが党区議団の代表質問でも述べましたが、国に対し、持続化給付金や家賃支援給付金の第2弾の実施、時短要請に応じた飲食店への補償などをあらためて要望しておきます。 ② 飲食店に対する区独自の支援策〜他区の事例 つぎに、昨年区が行った、アルコール等の消耗品や衛生用品等の購入などの環境整備支援事業についてうかがいます。対象店舗はおおむね区内に約9,500店舗あり、そのうち申請するのは3,800店舗想定しているとのことでしたが、昨年の第四回定例会区民生活委員会の報告では、9月末時点での申請実績は1,131件であり、区の想定に対し3割程度の申請実績です。 問4)手続きの煩雑さ、申請書類等の原因が浮き彫りになっているのではないでしょうか。こうした原因を解決し次の施策に力を注ぐべきと考えるが区の認識はどうか答弁を求めます。 他の区では、今年に入り新たな飲食業への支援策が打ち出されている。葛飾区は、都の「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」への独自上乗せとして協力金10万円を追加支給することを表明し、文京区では、飲食店の宅配や持ち帰りを支援する新たな制度を設けました。テイクアウト注文時における割引などに対する支援で、正規料金との差額や容器代を最大10万円補助するもので、飲食店に対する資金面での支援に加え、割引を通じた消費者側の需要喚起も狙う支援策です。 また、荒川区では、中小企業のテレワーク、飲食店テイクアウト取り組支援する「コロナ対策設備投資支援事業補助金」、雇用調整助成金の申請代行費用の補助の支援事業の継続を行っています。 問5)他区の飲食業への支援・取り組みを、杉並区としてどう認識するか。 問6)他区の事例も参考に、杉並区として思い切った施策を早く打ち出す必要があると考えるがどうか答弁を求めます。 ③ 雇用問題 つぎに、従業員への支援についてです。令和2年10月分東京都勤労統計では宿泊業、飲食サービス従業者の給与額は全業種のなかで最低かつ減少していることが分かりました。全業種の月額給与額は33万9千円余に対し、宿泊業・飲食サービス業は12万2千円余と約3分の1で、その差は21万円余にものぼります。経年変化で見ると宿泊業・サービス業は、少ない給与額からさらに減額しており、平成29年10月の現金給与総額は14万1千円余でしたが、令和2年10月は12万2千円余で、1万7千減っています。飲食業では働く人の賃金は、そもそも業界でも最低水準となっています。 働く人への支援として、国では雇用調整助成金、緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の制度があります。制度周知が区のホームページや広報での積極的な周知は見られません。区ホームページでは一覧をつくっていますが、中小事業・商店街への支援㌻に個人向け支援が掲載されておりとても分かりにくい状態です。我が党区議団のアンケートでは、「制度内容が分かりにくい」「どのような支援制度があるかわからない」という声が多く寄せられています。制度を積極的に周知し活用を促す必要があるのではないでしょうか。 問7)国の助成金・給付金について、区内事業者や働く人、アルバイト・パート従業員も対象となり給付をうけることが出来ることなど、制度周知が一層求められる。区民に向け、制度活用してもらうよう周知徹底するよう求めるが区の認識はどうか答弁を求めます。 2、コロナ禍における商店会イベントについて つぎにコロナ禍における商店会イベントについてうかがいます。昨年、都の補助事業を活用したいくつかの商店会イベントがコロナの影響により中止となっています。ある商店会関係者に話をうかがったところ、「都に3つのイベントを申請した。8月再申請の際、都と区に相談した。冷たくあしらわれるということはなかったが、イベントを開催するか否かの判断するのは商店会ということは言われた」「結局、人が集まってしまうこと、くじを引くという行為は衛生管理の面からやめようと考え、年末のくじ引きは行わないという自主的に判断」したとのことでした。その結果、準備費用について、都補助では費用負担してもらえず、主催者である商店会の持ち出しとなっているということです。こうした事態は、私が聞いた商店会以外にもあるのではないでしょうか。 都の補助金要綱にはイベント中止による、準備費用への保証に関する要綱が存在せず、イベント開催にあたっての感染拡大防止のガイドラインもありません。年が明けて来年度の商店街事業への補助金申請もこれから始まります。区として、コロナの影響への支援策として、損害への支援をなんらか検討をすべきではないでしょうか。 問8)コロナ禍における商店会イベントの中止の実態はどうなっているのか。都の補助事業を活用したイベントも含めて確認します。 商店会関係者からは「準備費用はかかったが、もともと3分の1は商店会負担なので、そこは仕方がない。」「昨年一年間は、コロナで大変な状況もあり、制度の周知や都からの変更など、いろいろバタバタした」という声からもみえるように、大変な状況下であったこともうかがえます。しかし今後は、区と地元商店との意見交換、制度の中身や周知を話し合ことが大切なのではないでしょうか。 問9)商店会からは東京都から感染拡大防止等のガイドラインも示されなかったと聞いています。コロナの影響への支援策として、今後の対応としてイベント準備費用が商店会の持ち出しにならないよう区としてなんらかの対策は必要ではないか。区の認識はどうか答弁を求めます。 3、商工費について 中小事業者支援の質問の最後に、商工費についてうかがいます。来年度杉並区の商工費予算額は前年比約130%と増えたことを予算書で確認しました。区が努力していることは承知していますが、あらためて個店、中小企業支援に関連して、商工費の他区比較についてうかがいます。 問10)平成30年わが党区議団の代表質問で、東京都総務局が発表している23区の決算状況で、杉並区は歳出に占める商工費の比率が23区で最低水準であることを指摘しました。直近の令和元年度決算でも、私が見た限りでは低い傾向は変わらないと思いますが、杉並区の商工費について歳出額に占める構成比及び、区民一人当たりの額はそれぞれ何位だったのか確認します。 問11)商工費が低いと指摘したことに対し区は「都がまとめた商店街振興経費だけ見ると、杉並区は4位と高い」答弁しました。これはそもそも非公式資料だと思います。私の計算では、令和元年度決算では、歳出総額に占める比率で9位、人口比率では12位。令和2年度予算では、歳出総額に占める比率で10位、人口比率では14位となりましたがいかがですか。答弁を求めます。 問12)しかも、これは主に商店街イベント支援などを対象としたもので、必ずしも相談や融資支援など商業対策全体を示したものではない、と思いますがいかがですか。 問13)また、区は「杉並区のような住宅地においては、商工費のうち工業に関する予算がどうしても少なくなり、他自治体に比べて、予算総額に占める割合が低くなる」と答弁しました。しかし、工業の比重が少ない区でも、たとえば台東区など商工費が高い区があることをどう見るのですか。また、工業が少ないというなら、他区が工業に充てている予算を商業支援に振り向けるべきです。これまでわが党が求めてきた個店支援に踏み出すべきです。他区の事例をあらためて紹介します、江東区では、生鮮三品を取り扱う店舗の改修経費や設備購入費の一部を補助する事業を行っています。台東区では、商店街個店魅力向上支援として、商店街を構成する個店の魅力を向上し、情報を発信することにより商店街の活性化を図る事業を行っています。昨年区が行った区民意向調査では「個人商店への多面的な援助を強く希望します」「個人店がもっと入るよう工夫して」などの声が寄せられています。杉並区でも個店支援、商業支援に予算をまわし厚くすべきではないか。答弁を求めます。 4、地域公共交通について質問します。 この間、わたしは2度にわたりこの問題を取り上げてきました。地域を訪れるといまも、コミュニティバスを増やしてほしいなどの声が多数寄せられます。令和12月末に配布された杉並区区民意向調査では、交通不便地域の解消を求める切実な声が寄せられています。「環八の高井戸を中心に上下交通網(すぎ丸くん)を増やしてほしい」「南北交通の便の向上について検討してほしい」「すぎ丸バスをもっと充実させてほしいです」「老人が多くなっているので、すぎまるくんなど、足となるバスを充実させてほしいです」との声です。 我が党区議団が行ったアンケートにも「南荻窪3丁目、4丁目に、荻久保、西荻窪間のバスがなくなったため、高齢者は、買い物にも病院にもタクシーを使わなければなくなった。」「すぎ丸を南荻窪3丁目・4丁目から荻窪間にも通してほしい」「すぎ丸のかえで路線の増便をお願いした」「高井戸駅から高円寺に行くバスがあればいい」などの要望が寄せられました。 基本構想審議会の審議状況資料を見ても、「区内の交通不便地域の解消が今後10年間の目標として必要であり、メッセージとして区民に届けることが大事」という意見が出されています。こうした多くの区民が要望する地域交通の拡充は、区の重要課題と考えます。来年度予算編成方針に示された地域公共交通計画策定について4点質問します。 問14)第一は、前提として、どの地域の区民であっても、公共交通サービスを利用でき、移動の権利が保障されることです。私はこれまで二度区内の公共交通空白地域、交通不便地域を示しました。その克服は優先課題だと思いますが、公共交通空白地域、交通不便地域についての最新の認識、その解消についての基本姿勢をうかがいます。 第二に確認したいことは、交通不便地域の解消など地域交通の整備拡充にどのような観点から取り組むのかについてです。近年、交通移動を権利として保障することを法的に明確にする努力が広がっていることは、平成30年の一般質問で紹介しました。高齢者人口が増加する中、買い物などの移動の支援を初めとして、高齢者の積極的な社会参加を促進する上で、地域交通の整備、中でもコミュニティーバスの役割は高まっています。 問15)移動を保障するためには、年金生活高齢者、低所得者も、安心して用できる負担にすることが前提になるべきであり、利用者にとって使いやすい負担に配慮することを求めますがどうか答弁を求めます。 問16)第三は、関係住民参加での計画策定ついてです。国土交通省の、計画作成と運用の手引きでは、交通事業者や住民など地域関係者と協議しながらマスタープランを作成することが必要と記載しています。ぜひ関係者参加のもとで策定を進めることを求めるがどうか答弁を求めます。 問17)4点目はスケジュールについてです。地域公共交通の整備拡充は多くの住民が待ち望んでいることです。計画策定のスケジュールはどのように考えているのかあらためてうかがい、再質問を留保し質問を終わります。 |
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