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2019年杉並区議会第三回定例会一般質問(金子けんたろう) |
日本共産党杉並区議団を代表して、地域交通の整備・拡充について、公園遊具について質問いたします。 まず、地域交通の整備・拡充についてです。 私は昨年の第四回定例会で、地域交通の整備・拡充を求めて質問を行いました。それは、バス停が遠く、高齢者は病院や買い物に行くのが大変などの声が寄せられたからです。私は、区に鉄道影木やバスの停留所までが遠い公共交通空白地域ともいえる地域が区内に少なからずあることを示すとともに、世界的にも国内的にも、住民の移動の保障は行政の責務と位置付けて取り組んでいる事例を示し、区に公共交通空白地域対策の強化などを求めました。 〇区内の空白地域について 前回の私の質疑に対し、区は「今後の地域交通施策の基礎資料とするため、現在の公共交通について、利用実態やニーズ等を把握するアンケート調査を行う予定。」と答弁しました。そして質問後、調査が実施され、今年度、地域交通のアンケート調査「平成30年度杉並区公共交通現状調査業務委託 報告書」がまとめられました。このような取り組みは重要だと考えます。今回はその調査結果に基づいて、質問いたします。 Q1、調査は総合的なものですが、私が注目したことは、路線バス、すぎ丸が地域ごとにどれだけの区民が利用しているかという「カバー率」を詳細分析し、低い傾向にある地域を示したことです。さらに、区民に対し、すぎ丸の運行本数や時間、路線などについて詳細な要望調査がされていることです。今回の調査において、すぎ丸運行についての意見・要望では、どのよう要望が主だったのか紹介してください。こうした分析と把握した要望は、当然今後の対策の出発点にすべきと思いますが、いかがですか。 Q2、本調査では、路線バス、すぎ丸が地域ごとにどれだけの区民が利用しているかという「カバー率」を詳細分析し、低い傾向にある地域を示しました。地域ごとのカバー率はどうだったのか、伺います。 〇運行改善 報告書は、今後の施策について、具体的な計画や施策までは示されませんでしたが、「課題と整理」として今後の方向性が示されました。そこで注目できたことは、「課題と整理」のなかで、「運行本数や運行時間帯の拡充が要望として挙げられており」「南北バスすぎ丸のニーズは今後も大きいと考えられる」とし、「運行サービスの拡充」をあげたことです。要望からすれば本数や運行時間、路線拡充が対象と思います。 〇空白の現状と対策 Q3−1、昨年の第四回定例会で、私が要望したことの一つは、空白地域への対策です。すなわち、鉄道駅、路線バスの停留所、さらにすぎ丸の停留所からも遠く、買い物は病院への通院も大変な地域への対策です。その現状を確認するために、独自に空白地域を地図に落として、この場でも紹介しました。 今回の調査結果では、空白地域についての記載はありませんが、示された図表を精査すると空白地域が浮き彫りになります。私なりに、報告書に掲載された地図をもとに、空白地域を色塗りしてみました。ごらんください。 区としても把握したわけですから、空白の主な地域、およびおよその世帯数をどのように把握しているのか、お答えください。 Q3−2、また、空白地域対策についても、要望が把握されたと思いますが、空白地域対策に関してどのような声が寄せられたのですか。お答えください。 Q4−1、今回の報告書でも、「荻窪地域、高円寺地域、方南・和泉地域の一部で公共交通のカバー圏域から外れる施設がある」と記載しています。私の推計では、まとまった空白地域が、南荻窪や天沼、上高井戸、和泉、堀之内、松ノ木など、18箇所もあります。けっしてごく一部の例外的な問題ではないと思います。空白地域の現状と、対策の必要性について、区はどう認識し、どう対応するのですか。見解を求めます。 Q4−2、空白地域対策の具体的要望として、アイプラザ近くを通るバス路線の新設要望が、視覚障害者団体から出されています。この地域はバス路線が廃止され、空白地域になっており、視覚障害者にとっても、アイプラザ利用者にとっても、大変不便な地域になっています。交通対策がとられれば「利用者増加も期待でき、三療に従事している視覚障碍者の就労支援につながる」と訴えていました。団体からは、毎年区に要望しているとのことですが、区は認識していると思いますが。どのように検討していますか。 〇具体的な空白対策 前回の質問で、私の空白地域への対策要望にたいし、区は、車両制限令の厳格化や運転手の確保、さらに道路整備の遅れなどを、課題としてあげました。私は、今回の質問準備にあたって、あらためて、他自治体の取り組みについて、調べてみましたが、杉並区としても参考にすべき取り組みを知ることができました。 たとえば、国立市では、車両を車幅1.88mのワゴン車両に変えることで、従来運行出来なかった地域にも運行ルートを拡大しています。また、葛飾区では、地域乗合タクシー「さくら」を平成12年から導入していますが、ワンボックスタイプの車両で決められた路線を運行しています。区が、乗合タクシーを選択した経過としては、①路線バスが撤退した地域で、②道路幅員から小型車両が望ましいこと等から、数パターンの検討をし、需要量及びコスト等の面から、乗合タクシーの運行を民間事業者に依頼することを選択しました。こうした取り組は、空白対策として参考にできるのではありませんか。 Q5、運転手確保では、葛飾区は「運転手不足の交通事業者への支援策を」と、ハローワークやバス事業者、タクシー事業者と協働し、体験型面接会を、2019年度から実施。また墨田区では、平成30年度からハローワークにおいて、運輸や建設、警備などの人材不足業種専門の支援窓口を開設しました。区として、交通不便地域対策として、他自治体の取り組みや先進的な取り組みを、区は参考にすべきではないでしょうか。見解を求めます。 〇財政、運賃問題 今回の報告書では、積極的にいかすべき指摘がありますが、見過ごすことのできない記載もあります。それは、「課題の整理」のなかで、「運行サービスの拡充とセットで、現在の財政補助額を維持し得る運賃体系の見直しを行う事が望ましい」と記載していることです。すなわち、拡充はするが、現在の補助金は増やさず、現行の運賃100円を値上げするかのような記載です。 Q6、また、特別区でコミュニティバスなどを運行している18区の運賃が紹介されています。100円が多数ではありませんか。100円の区は何区あるのか紹介してください。 Q7、しかも、今回の調査で、区民の声として100円を歓迎し継続を求める声が確認されたのではありませんか。私が見た限りでも、「すぎ丸の運賃について利用料金100円は安いので有難いです」「料金100円はとても良い」「すぎ丸しか交通手段のない住民に対して料金値上げとは何事か」などありました。前回の質問でも紹介しましたが、杉並区の補助額は、他区とくらべても低いのが現状ではありませんか。にもかかわらず、低い補助額を固定し、拡充分は運賃引き上げを区民に迫るべきではありません。 現行の100円を望む、区民の声を区はどう受け止めているのですか。答弁を求めます。 〇計画の策定 Q8、地域交通問題の最後に強調したいことは、計画の策定です。今回の調査が、今後の計画に活かされなければ、意味がありません。前回も指摘しましたが、少なくない自治体が地域交通対策に対し、中長期的な計画を策定してとりくんでいます。調査結果にもとづく、計画策定の検討、準備にかかるべきと思いますが、いかがですか。区の見解を求め、次に公園遊具について質問します。 次に、公園遊具について質問します。 今年の第一回定例会で私は、地域の父母や児童から、井荻公園の木造遊具を壊さないで、住民の声を聴いてという声が寄せられたことが契機となり、区内の公園を調査すると、遊具のリストラともいえる事態が進んでいることを知ったからです。 私は、子どもの遊び場が減少しているとき、貴重な遊び場であり、成長にとって重要な役割をもつ公園遊具を財政的理由で削ることは許せないと思い、そうした立場から質問しました。 井荻公園に関し、私の質問に対し、区は「一部公園での遊具改修について不手際があった点についてはおわびを申し上げます」と、誠実に答弁しましたが、8月の改修工事のお知らせでは、住民要望による計画の見直しが実行されたことを知りました。 Q1、経過、およびどのような遊具が整備されたのか紹介してください。 Q2、その一方で、公園遊具リストラが進められようとしていることは、見逃せません。それは新たに出された「多世代が利用できる公園づくり基本方針」で、維持管理費の縮減が打ち出されたことであり、今年度の改修工事が実際に始まっていることです。 維持管理費の縮減とは、具体的に現在の維持管理費をどの程度縮減しようとすることですか。遊具の維持管理費の現状とどれだけ縮減目標額を明らかにしてください。そのために、遊具を具体的にどう見直ししようというのですか、明らかにしてください。 Q3、私は前回の質問準備を通じて、あらためて子どもの成長にとっての遊びと遊具の役割を知るとともに、国土交通省も、その点を重視、留意するよう指針等に示していることを知りました。たとえば、国土交通省の「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」の「基本的な考え方」として、「遊具の安全確保に当たっては、子どもが冒険や挑戦のできる施設としての機能を損なわないよう、遊びの価値を尊重して、リスクを適切に管理する」ことを求めています。区はどう受け止めますか。経費削減優先ではなく、子どもの成長こそ優先する視点ではありませんか。 Q4、しかも、公園も含め区の予算において維持補修費は、他区と比べて低いのが現状ではありませんか。私が調べた結果では、いま、2019年度当初予算では、歳出総額に占める維持改修費の比率は、23区平均が1.2%に対し、0.7%と半分程度で、23区中17位でした。しかも今年度だけでなく、この数年を見ても共通しています。維持管理費の他区比較について区はどう認識しているのですか。何位ですか、低いのではありませんか。他区と比べても縮減ではなく、拡充の努力こそ求められているのではありませんか。 Q5、さらに維持改修費縮減のために、木製遊具をプラスチックに変えることについても再検討すべきと思います。それは事業者の努力によって木製遊具の強度、耐久性が改善されていると報告されています。さらに国が、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を打ち出したことです。区はこうしたことをどう認識していますか。 Q6、そしてすでに始まっている、今年度の遊具改修公園数、及び遊具改修計画、たとえば木製からプラスチックへの変更など材質や遊具自体の変更の全体像を明らかにしてください。 Q7、実際に特別区のなかで、江東区では、「木材利用推進のQ&A」において、「公園のベンチや遊具など公共工作物や(中略)木材及び木材を活用した木製品を積極的に使用していきます。」と実際に公園遊具として木材利用が広がりつつあることです。区はこうした事例を承知ですか、どのように認識していますか。私は大いに参考にすべきと思います。答弁を求めます。 Q8、最後に改修にあたっての住民参加の問題です。今回あらためて、私は公園を回りましたが、改修計画は小さな貼り紙一枚です。どれだけの住民に知らされているのか、改修にあたって住民や児童の声を聴き参考にしたのか疑問です。いかがですか。 Q9、井荻公園の改修は、遊具選定に協力する住民を募り、話し合いの会など住民参加、住民との協議を重視されました。この教訓こそ活かされるべきです。前回の質問でも紹介しましたが、国土交通省は、「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」において、保護者、地域住民との連携を重視し、計画段階から情報を共有、交換すると住民参加を強調しています。こうした指摘を区はどう受け止め、今年度の改修に活かすのですか。 国土交通省の「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」の「遊具における事故と安全確保の基本的な考え方」では、『公園管理者と保護者・地域住民は、連携し、子どもの遊びを見守り、ハザードの発見や事故の発生などに対応することが望まれる。』とされています。この指針の立場を堅持することを求めて、再質問を留保し質問を終わります。 |
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