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2019年杉並区議会第二回定例会一般質問(酒井まさえ) |
日本共産党杉並区議団を代表しまして、 ・国民健康保険について ・補聴器の購入助成について ・都市計画道路補助133号線について 質問をいたします。 ●国民健康保険について 私は看護師として、医療、介護の現場で40年間働いてまいりました。 看護師時代、お金の支払いを心配しながら受診する患者さんに数多く接するなかで、誰もが、安心して医療、介護が受けられるようにしたいと、痛感してきました。 区議会議員選挙では、国保料の値上げストップ、引き下げを、と訴えて、区民の皆さんから強い期待がよせられました。それだけに、初質問で、国保問題をとりあげることにしました。国保料の負担の軽減に向けて、杉並区が、全力を尽くすことを求める立場から質問します。 まず、保険料負担について、区の認識をうかがいます。 近所に住む50代のAさんは、4年前に正規の仕事をやめ、飲食店で働いていました。4年前までは、協会けんぽに入っていましたが、退職してからは国保料が払えないため、保険証がありませんでした。昨年、道で歩行中に転倒し右足を打撲、その後痛みが続きましたが、保険証がないため、医療機関にかからず、我慢していました。病状は悪化し、ついに歩行困難となりました。結局、Aさんは生活保護を受けることになりましたが、もっと早く医療機関にかかっていれば、歩行困難にはならなかったのではないか、と悔やまれます。保険料を払いたくても払えず、その結果、無保険となり、病気になっても病院にかかれない、最悪の場合、命を落とすというような事態を引き起こすことになります。国保料の引き下げは急務ですが、保険料は毎年値上げされています。 国保料のうち、所得に関係なく、世帯人数、いわば頭割りで、一律に負担が求められる均等割りは、今年度も値上げされ、ひとりあたり5万2200円、介護分も含めると6万7800円となりました。17年連続の値上げです。 1人当たり平均保険料は、15万9154円で、2010年度の10万1567円から、1.5倍の値上がりです。年収によって一概には言えませんが、子どもがいる世帯では9年前の2倍にも値上がっている世帯もあります。 その結果、子どものいる世帯の収入に占める保険料の割合は、年収400万で12.5%の負担にもなり、「高すぎる」「払えない」といった声が多数寄せられています。 東京都の調査でも、暮らしが苦しくなった理由の第1に挙げられているのは、税と保険料負担でした。 Q−1、そこで、お伺いします。子どもがいる世帯では、国民健康保険料が9年間で2倍になり、年収の1割以上にもなっている事態について、どう認識しているのでしょうか。保険料が、暮らしに重い負担、暮らしを圧迫している状況だ、という認識はないのか、お答えください。 許せないことは、今でも保険料は高すぎるのに、法定外繰り入れを廃止して、さらなる値上げを計画していることです。平成30年度第2回杉並区国民健康保険運営協議会の資料を見て、私は大変驚きました。今後5年間の年度ごとの平均保険料案がすでに記載されていました。 Q1−2、2018年度から2024年度までの、年度ごとの保険料引き上げ額、2018年度と、国保に対する一般会計からの法定外繰り入れを廃止する計画の2024年度で、保険料がいくら増額になるかを明らかにしてください。 資料を見るかぎり、1人あたり保険料は2024年度が、17万9000円と示されています。 Q1−3、法定外繰り入れの段階的廃止で、1人当たりの保険料が6年間で、2万4000円も上がり、17万9000円にもなるようですが、区は、区民が支払い可能だと考えているのですか。区民生活への影響は考慮しないのですか。 法定外繰り入れを廃止し、その分保険料を上げても、何ら区民生活への影響はないと判断するのであれば、その根拠を示してください。 第2回国民健康保険運営協議会の議事録を読みましたら、法定外繰入廃止による影響を心配する発言がありました。「年収500万とか、基礎数値がある方の場合には、もう非常に大きな保険料アップになっていきますので、その辺をできるだけ今後も増えない方向で考えていただきたい」「ちょっと強引すぎるところがあるかなと思う」というものです。 法定外繰入額は、2015、16年度は、30億円台、2017年度は、約11億6000万円でした。これを段階的に縮小し2024年度にはゼロにしようとしています。 今でさえ高すぎる保険料を、さらに引き上げることになる法定外繰入の廃止は強引すぎます。再検討すべきです。財政的にも法定外繰り入れは、困難という事態ではないと思います。 Q1−4、2017年度の国保に対する一般会計からの11億6000万円という法定外繰入額は、今年度予算でいえば、歳入増総額の何パーセント程度になるのでしょうか。お答えください。 過去5年間の収支決算では、前年度比70億から90億円の歳入が増えており、今年度は約91億円の歳入増を見こんでいます。その増額分のわずか一部をあてるだけで、値上げを抑えることができます。 問題は、国、都いいなりで区民生活を守ろうとしないのか、それとも自治権を行使して、区民生活を守るのか、区としての基本姿勢が問われます。 法定外繰入の廃止は国や都の方針であっても「法的に縛るものでない」ことは、区の課長も、我が党区議団の質問に答弁しています。 Q1−5、あらためて確認します。法令上では、区の判断で国保に対する一般会計からの法定外繰り入れは可能ですが、区はどうお考えですか。 Q1−6、法令上可能なら、国、都の言いなりではなく、国保に対する一般会計からの法定外繰入れの継続で、保険料値上げを抑える方向に転換すべきではないでしょうか。いかがですか。 緊急優先課題として多子世帯の均等割りの課題があります。制度の根幹にかかわり再検討が必要です。 Q1−7、区長会も、東京都に多子世帯への支援要請をしていますが、区長会が今年度予算に向けて、都に提出した予算要望書の、医療保険制度の中の、多子世帯支援に関する要望内容を紹介してください。 日本共産党区議団は、昨年、多子世帯に対する均等割軽減条例提案をした祭、必要な予算を調査しました。対象を第何子からにするかで、必要な予算は違いますが、区の財政からすると実施困難な状況ではないと思います。 Q1−8、区は、多子世帯の均等割軽減に関し、どのように考えるのですか。また、そのためにどのような行動をしてきたのですか、今後は行動しようとしているのでしょうか。お答え下さい。 Q1−9、保険料の均等割の免除対象を第3子から行った場合、第2子から行った場合の免除となる総額を示してください。 Q1−10、区も、多子世帯への均等割り軽減が必要というなら、都の対応待ちではなく、区として実施すべきです。都の見通しはどうですか。実施が確定しないのなら区として実施に足を踏み出すことを求めます。いかがですか。 ●補聴器の購入助成について 次に、補聴器の購入助成について質問します。 70歳以上の高齢者の半数は加齢性難聴と推計されています。 難聴になると、コミュニケーションがとりにくくなり、家庭のなかでも、社会的にも孤立しやすくなり、ひきこもりやすくなります。慶応大学の小川教授は、「難聴の影響で、認知機能の低下やうつ病になる危険性がある」と指摘しています。同じく慶応大学の増田教授は、「聞こえないから不便だというだけの問題ではない、人間の心身全般の健康、ひいては命にかかわるからである」と話しています。 聞こえが悪くなった場合の対処としては、補聴器をつけることです。適切な「聞こえ」を維持し、脳を活性化させ、コミュニケーションができれば、認知症予防や、発症を遅らせる可能性が高いと専門家は指摘しています。しかし、日本では、欧米に比べ、補聴器の普及が大きく立ち遅れています。保険適用外で高額で手が出ないためです。 先日、地域の方が取り組んでいる体操教室に伺いました。集まっていた方は15人、平均年令は、85歳で、聞こえにくいという人が8人いらっしゃいました。内3人は補聴器をつけていました。補聴器の購入費用は20万円が2人、25万円が1人でした。参加された人は、その高さにはびっくりしていました。また私の知人は60万もかかったとのことでした。 日本共産党東京都議団が現在取り組んでいるアンケートでも、「補聴器は高くて買えない」また、購入した人でも「高くて大変だった。保険適応してほしい」などの声が多数寄せられています。 補聴器購入の保険適用、または助成制度などの公的支援は重要だと考えます。 Q2−1、区は、難聴の高齢者への支援の重要性について、どのように認識していますか。 全国では、難聴者への補聴器購入助成を実施している自治体が増えており、都内でも助成を行っている自治体があります。 Q2−2、23区での助成の状況について、実施している自治体と、助成内容について、お答えください。 わが党区議団は、今年の予算特別委員会で、都の包括補助事業も活用し、補聴器購入の助成の実施を求めました。区は、「生活の自立支援のための福祉用具については、費用対効果、それからニーズ、ケアマネとか現場の声を聞きながら幅広く検討すべきことというふうに考えている」と答弁しました。補聴器購入助成に対する要望は多く聞きかれます。 Q2−3、東京都の包括補助事業の活用も含め、杉並区としても、補聴器の購入助成の実施を求めますが、いかがでしょうか。 ●都市計画道路補助133号線(中杉通りからの五日市街道までの延伸)について 最後に、都市計画道路補助133号線について質問します。 補助133号線は70年前に計画された道路で、戦後の混乱期に決定されたものです。中杉通り、南阿佐ヶ谷駅から五日市街道までの延伸で、890メートル、幅は16メートル。閑静な住宅街に、新たにつくる道路です。2016年に東京都が「優先整備路線」にし、10年以内に事業化が望ましい道路とされ、区も進める姿勢です。 補助133号線は、防災力の向上、交通量の軽減から必要性が強調されています。しかし、地域住民は、道路にかかる住宅の立ち退き問題、地域コミュニティの分断、交通量の増大、騒音、排気ガスなどの影響による周辺環境の悪化、住宅地の用途地域変更による住環境の激変、莫大な財政負担など、多くの問題点を指摘し、反対の声が多数あがっています。計画の見直しを求める立場から質問します。 Q3−1.都市計画道路補助133号線の計画は、既存の道路を拡幅するというものではなく、現在住んでいる住民を立ち退かせて造る道路です。道路建設のために、立ち退きを迫られる軒数は何軒になるのでしょうか? 補助133号線は、延焼遮断帯として、防災力の向上のために必要と言われています。区は、地震被害シミュレーションで、焼失予測、減災対策による効果を示しています。 しかし、このシミュレーションによる減災対策の効果は、耐震化率96%、不燃化特区の不燃領域率70%、狭あい道路拡幅整備100%、もあわせて行った場合のもので、133号線建設だけの効果ではありません。 Q3−2、延焼遮断帯を造るために、そこに住んでいる住民を立ち退かせてまでも道路建設をすることについて、区はどう考えているのでしょうか。 Q3−3、防災力向上のためとしていますが、地域防災力の向上は、大型道路建設だけで進められるものではありません。道路建設に偏った防災力向上の取り組みにならないよう勧めるべきと考えますが、区の見解はいかがですか。 補助133号線は交通量の軽減の役割もあると言っています。しかし、周辺地域の車は明らかに減っており、渋滞もしていません。にもかかわらず、道路を造って交通量を減らさなければならない事態なのでしょうか。減っているのであれば、交通量を減らすための道路はいらないと思います。 Q3-4、現在の周辺地域の交通量について、 区役所前(中杉通りと青梅街道の交差点)、五日市街道の成田西児童館前(当時)と梅里2丁目、以上の3カ所の、交差点などを通過する交通量を、平成22年と、平成27年を比較して示してください。 周辺の住民は、補助133号線に反対する会を立ち上げ、賛同署名1552筆 陳情書名は、1659筆集まっています。 今年、2月26日、区議会の会派回りをし、計画の見直しをもとめる申し入れをしました。区議会議員へのアンケート調査では、48人中23名が反対、もしくは合意なしで進めるべきではないという結果が示されました。 さらに、5月16日には、都へ事業化しないように要望書も提出しています。 道路計画にかかる住民からは、「昨年、家を建てたばかりです。建てるとき、都と区に道路計画について聞きにいきましたが、何も話してもらえませんでした」「家を建てて15年になりますが、建てる時に工務店から、70年前の道路計画があるが どうなるかはわからないといわれ、心配していました。」など、不安の声が寄せられています。また、計画線上に、診療所があり「その場所になくなったら困る」と声をあげている方も、たくさんいます。町会からも「まちが分断される、環境破壊になる。計画をとめてくれ」との意見があがっています。 Q3−5、2016年のわが党区議団の質問で、区は「都市計画道路の整備は、周辺地域に影響を及ぼすとともに、多くの時間を要することから、区民の方々のご理解とご協力を得ながら計画的に進める必要がある。今後、事業化に当たっては、区民の方々の意見を伺いながら、丁寧に進めてまいりたいと考えている」と答弁しています。これまで、地域住民の声を聞く場をつくってきたのですか?聞く場をつくっていないのであれば、早急にその場をつくるべきですが、いかがでしょうか。 Q3−6、住民の合意なしに補助133号線を事業化しないように、都に意見書を提出するなど、住民の声を届けることを求めますがいかがですか。答弁を求め質問を終わります。 |
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