議会質問 |
> indexに戻る |
2019年杉並区議会第一回定例会一般質問(金子けんたろう) |
●日本共産党杉並区議団を代表して、公園の遊具について質問いたします。
今、利用児童、保護者、近隣住民が知らず、合意もなく、不十分な通告で公園遊具の撤去が始まり、利用児童、近隣区民から怒りが広がる事態が起きています。住民からの通報に基づき調査をしたら、一昨年、2017年(平成29年)10月に遊戯施設の改修に絞った杉並区公園施設長寿命化計画を策定し、これに基づき、現在、11公園を対象に撤去・改修を進めていることを知りました。少なくとも我が会派にはこの計画について全く報告がなく、見過ごせない問題です。 まず、今回の遊具の撤去・改修の経過と全容について確認いたします。 第1に、住民との合意の問題についてです。 区の説明では、住民に知らせ、了解は得ているとの説明を受けましたが、利用者、近隣住民の多くは直前まで知らなかったケースが多くあります。対象公園を視察しましたが、木製遊具をとらないでほしいなど、子供たちからも声が寄せられています。 利用者、近隣住民への周知と合意形成はどのように行ったのか、そして合意を得たというなら何をもっていうのか、具体的にお示しください。答弁を求めます。 我が党が行った緊急の申し入れでも強調いたしましたが、国土交通省の都市公園における遊具の安全確保に関する指針では、保護者、地域住民との連携を重視し、計画段階から情報を共有、交換することを重視しています。 区はこの指針についてどう認識しているのか。今回の対応は指針に沿ったものとは言いがたいものですが、区はどういう判断か、答弁を求めます。 第2は、遊具の配備計画についてです。 今回の遊具撤去・改修は、安全確保、長寿命化の観点から計画、具体化されたものと思いますが、全体的に遊具リストラ計画でないかと感じます。 今回の11公園で撤去する遊具の数を種類別に答えていただきたい。また、整備する遊具についても種類別に数を伺います。 私が資料を見た限りでは、撤去が26、整備が18、差し引き11公園から8つの遊具が撤去されると思われます。撤去の中でも、利用児童、父母から批判の声が上がっているのが木製複合遊具の撤去です。区内小学校のあるクラスの児童たちは、クラス全員が木製遊具の存続を求める声を上げています。理由は老朽化ですが、木製遊具は、子供たちが手に触れた感じも、また安全対策からも重要かと思います。 木製遊具は経年で撤去する方針なのか、その理由は何か、既に撤去している木製遊具はどの公園か、答弁を求めます。 井荻公園、通称どんぐり公園では、木製複合遊具2基を撤去し、ザイル遊具1基に変える計画がされ、近隣住民説明会が実施されました。その際、木製遊具は200万円から300万円、ザイルは80万円との説明があったと聞いています。杉並区が都市整備費の中でも公園整備を重視していることは承知しています。 子供たちのため、子供の遊び保障のために必要な財政投入を求めるものですが、どうか、区の答弁を求めます。 国土交通省の指針では、「基本的な考え方」として、「遊具の安全確保に当たっては、子どもが冒険や挑戦のできる施設としての機能を損なわないよう、遊びの価値を尊重して、リスクを適切に管理する」ことを求めています。 当然のことと思いますが、区もこうした考えで対応しているのか、確認いたします。 どのような遊具を配置するかは、子供の遊びをどう保障するかの観点から検討すべきです。しかも公園は、乳幼児から低学年、高学年の小学生など、年齢によって遊びのニーズ、道具のニーズも変わってきます。遊具の撤去・改修計画は、子供や親のニーズを調べた上で、子供の遊びをどうプラン化するのか、あるいは公園ごとで分担するのか、いわば乳幼児、児童の育成の観点から、専門家の参画を得て進めるべき課題と考えます。 撤去・改修計画はどのような体制で策定されたのか、答弁を求めます。 今回の経過の上で、2017年、平成29年10月に遊具に関して杉並区公園施設長寿命化を策定しながら、報告されなかった問題は見過ごせません。地域の公園のあり方にかかわる問題であり、児童の育成の保障に係る問題です。 それを単なる事務手続上の問題というなら、その認識を問わなければならないと考えますが、いかがか、答弁を求めます。 遊具撤去・改修の理由に安全確保とありますが、安全確保というなら、地域、父母等の協力が重要であり、リスクと注意事項などを共通認識にする必要があると考えます。 また、公園管理者による定期巡回はどのような頻度で行っているのか。この巡回指導もより強化する必要があると考えますが、どうか、区の答弁を求めます。 次に、改めて区長は、子供の遊び場、成長の場として公園をどう整備し、遊具をどう整備しようとしているのか、その基本姿勢について質問いたします。 私の父の世代は、地域全体が遊びの場であり、地域によっては道路も遊び場でした。学年の違いを超えて集団で遊ぶことによって成長が育まれてきたと思います。 しかし、そうした場は失われ、しかも保育園まで園庭のない園がふえている中で、まちの中にある公園と遊具は、子供たちの成長、生育にとって大切な場になっていると考えますが、区長はどのような認識か、答弁を求めます。 この問題を調べる中で、日本学術会議の報告書「子どもたちが群れて遊ぶ『公園・ひろば』の復活」の中で、かつての東京都、まだ東京市の時代ですが、子供の遊びを重視し、公園課には児童指導掛という遊びの指導員数十名の専門職員を配置し、公園を回って遊びを指導した経過が報告されています。その後、廃止されましたが、そうした位置づけは重要なことだと考えます。公園と遊具配置については、実務処理的でなく、地域の中で子供の遊び場をどう確保するのかという観点から全体的計画を立案すべきと考えます。 公園の面積によって機能の制約はあり、一律の形にはなりませんが、一定の地域ごとに子供たちが思い切って遊べる大規模な児童公園を確保し、ふさわしい遊具を整備するなども計画すべきではないか、答弁を求めます。 今後の計画に当たって、冒険遊びの検討を提案したいと思います。デンマークのエンドラップ廃材遊び場を起点に設置された遊具だけでなく、自分たちで遊具もつくり、プレーリーダーも配置された冒険遊び場づくりが広がり、東京では1979年に世田谷区で羽根木プレーパークが整備されました。私も高校時代に行きましたが、子供たちの高いところからの飛びおりや木登りなど、リスクをはらんだ遊びに挑戦することもできる自由な遊び場でした。子供たちは冒険心があり、何かに挑戦したいという思いが強い。 そうした冒険遊びができる公園の検討も求めますが、区の見解はどうか。 以上、明確な答弁を求め、再質問を留保し、質問を終わります。 ◆再質問いたします。 まず、住民への周知、住民との連携に関して、御理解をいただいているという趣旨の答弁がありましたが、こうした何の反省もなく今後進めることは認められません。今回の状況を見ると、国土交通省の指針が遵守されているとは言いがたいものがあります。 まず、基本姿勢について確認いたします。 国土交通省の指針が示した保護者、地域住民との連携協議に関する事項を遵守、具体化するのか否かを確認します。 具体的に再度ただします。今回、住民から区の対応に批判が上がったこと、利用している保育園も知らなかったこと、さらに、住民の抗議で井荻公園に関して初めて説明会を開かざるを得なかったことなどなど、こうした事態をどう区は受けとめ、何ら不十分な点はなかったということなのでしょうか、答弁を求めます。 また、井荻公園説明会では参加者からどのような意見が出され、区はそれにどう対応することになったのか、答弁を求めます。 井荻公園についてなんですが、木製遊具撤去に対しては、利用している小学生が廃止反対、存続の声が上がったことは重要です。利用している子供たちの声に耳を傾けるべきです。児童の権利に関する条約第12条では、「締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。」と定めています。 こうした趣旨からも、利用する子供の意見を重視すべきと思いますが、区の見解を求めます。 住民だけでなく、区議会に説明がなかったことも申し述べました。公園と遊具のあり方については、議員にとっては身近な重要な問題です。こうしたことが今後ないように強く要望しておきます。 次に、今後のことについてなんですが、国土交通省の指針に、先ほども申し上げましたけれども、遊具の選定に関しては、2点、検討・決定するとして、その第1に地域のニーズということを上げています。1は、「地域の人口、年齢構成、遊び場の分布、利用状況、地域の要望などを把握する」こと、2つ目に、「特に運動能力やバランス能力が要求される遊具の選定に当たっては、」中略「公園管理者と子ども・保護者や地域住民との間で共通認識を持った上で、子ども・保護者など地域の要望を踏まえることが重要」と書いてあります。 区は指針のこうした指摘をどう受けとめて対応するのか、答弁を求めます。 あと、費用問題についてなんですが、費用200万円、80万円という話が出たそうですが、どのような目的で区が説明したのかは不明ですが、木製遊具とザイル遊具では単純に費用を比較できるものではないと思います。 一定の経費がかかったとしても、子供の成長に最適な遊具を選択するよう区は努力すべきだと思いますが、再度答弁を求めます。 最後に、現行計画について、住民合意、住民との連携が不十分なまま進められたものであり、住民参加で再度検討することを求めておきます。 以上です。 |
Tweet |
このページの先頭へ ▲ |