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2018年杉並区議会第三回定例会一般質問(金子けんたろう) |
日本共産党杉並区議団を代表して、防災対策、水害対策について質問いたします。 1.防災対策について 区長は、区政運営の基本姿勢の第1として、区民の暮らしの安全・安心の確保を掲げ、安全・安心のまちづくり、災害から区民の生命、財産を守る課題について、危機感とスピード感を持って取り組むと決意を表明されました。そう決意するのであれば、まず、これまで掲げた震災・水害対策の計画の到達を総点検し、切迫している首都直下地震、連続する短時間豪雨が起きても区民の生命、身体、財産を守れるよう、対策の抜本的強化を図ることが求められていると考えます。 以上の立場から、課題ごとに質問してまいります。 この半年足らずでも、大阪北部地震を初め、全国各地で地震が発生しています。今月6日には北海道胆振東部で最大震度7の地震が発生し、道内全域約295万戸で停電。まちでは信号や街頭の電気が消え、断水など広い範囲で市民生活に影響を及ぼし、都市インフラに大変な被害が起きました。今回の震災を教訓に、区として都市インフラ対策についても新たな対応が求められます。 6月、地震調査研究推進本部が発表した「全国地震動予測地図2018年版」でも、30年以内に首都直下地震が起きる可能性は高まっているとともに、南海トラフ巨大地震が起きる可能性が切迫しています。その対策として急がれるのが住宅の耐震化であり、不燃化の促進です。 区の計画では、2015年から17年の3年間で住宅耐震改修助成を480件行うことを計画していましたが、その結果実績はどうか。また、住宅の耐震化は何%までいったのか、確認いたします。 区長はスピード感を強調されましたが、区内の木造住宅の耐震化をどのようにスピードアップするのか、また、進まない要因をどう分析し、今後おくれを打開するためにどのような対策を検討しているのか、答弁を求めます。 国分寺市では、災害に強いまちづくり推進のため、市長が認定した耐震診断士を昭和56年5月31日以前に建築された市内にある木造住宅へ派遣し、耐震診断を行う耐震診断士派遣事業を行っています。地域に根差し、地域ぐるみで建物の耐震化に取り組む環境づくりのため、自治会や町会などで地域ごとに地域耐震講習会を開催しています。杉並区にも登録木造耐震診断士の派遣事業がありますが、こうした制度をさらに発展、活用することが重要と考えます。 耐震改修助成が進まない原因についての調査研究では、助成があっても少なくない負担があり、その効果や必要性、信頼性などの疑問が挙げられています。区民への啓発活動は重要と考えます。 区長の発言や実行計画では、地震被害シミュレーションの活用や、また戸別訪問も強調されていますが、個々の住民への啓発、説得にとどまらず、地域ごとに危険性と対策の重要性を話し合い、地域全体で耐震化促進の機運醸成、耐震化の勉強の機会をつくる必要があるのではないか、答弁を求めます。 国土交通省が耐震化の阻害要因、課題として1番目に挙げているのが、耐震化に要する費用負担です。この課題への対応では、支援策の充実による耐震化に要する費用負担の軽減を挙げています。 さらに、耐震改修助成の促進では、助成実績が増加している自治体が努力しているのは、助成額の引き上げです。部分的調査ではありますが、例えば静岡市の2017年度の助成実績は230件、3年前に比べ2倍以上に増加しました。静岡市に聞くと、熊本地震を機に助成額を引き上げたことを挙げています。横浜市でも熊本地震後、助成額を引き上げました。 こうした取り組みも調査し、区としても助成額の引き上げを検討すべきではないか、答弁を求めます。 次に、不燃化対策です。 木造住宅密集地がある杉並区の場合、火災による被害が大きく予想され、区のシミュレーションでは、マグニチュード7.3の地震が冬の午後6時に発生した場合、区東部で震度6強の揺れを観測する地域が集中するとしており、区全体では、木造住宅が密集する地域を中心に、全建物の2割に当たる約2万7,000棟の焼失が予想されています。火災や建物の倒壊で、500人を超す死者、3,000人を上回る死者が出ると見込んでいます。それだけに不燃化対策は特別に重要であります。 区も、地域限定ではありますが、住宅不燃化助成に取り組んでいますが、不燃化助成の到達及び今後どのように強化しようとしているのか、答弁を求めます。 不燃化を促進するためには、この助成地域を積極的に拡大していくべきと考えます。杉並区の地震被害シミュレーションでは、減災対策をとれば、和泉や下高井戸地域も、50メートルメッシュで5から10棟焼失するメッシュは大幅に減少することになっています。しかし、この地域は不燃化助成の対象から外されています。 減災対策の重要性、有効性を強調するのであれば、こうしたエリアも助成対象にすべきではないのか、見解を求めます。 不燃化のために住宅を建てかえることは容易なことではありません。この点で、墨田区などでも始まっている部分的な不燃化改修への助成も重要であります。 これまでも提案してきましたが、改めて学者など専門家に調査を依頼するなど、検討を始めることを提案しますが、どうか、答弁を求めます。 また、不燃化促進では、感震ブレーカーの普及促進は重要と考えます。我が党は2012年の第2回定例会で初めて感震ブレーカーの普及支援を提案し、2016年度から助成が始まり、地震被害シミュレーションでも、焼失戸数が大幅に減少することが予測されています。 最新の設置数及び今後の普及策について答弁を求めます。そして、普及促進のために助成地域の拡大検討を提案しますが、どうか、見解を求めます。 次に、ブロック塀対策を伺います。 大阪北部地震でブロック塀の危険性、対策の重要性が改めて浮き彫りになりましたが、これまでも震災対策上の課題になっていたことです。7月、我が党区議団も区に対し、ブロック塀等の安全対策を求める緊急の申し入れを行いました。地震によるブロック塀倒壊の危険性が広く認識されることになったのは、昭和53年の宮城県沖地震と言われており、杉並区は、同地震によるブロック塀倒壊事故を受けて、早くから危険ブロック塀の区内調査に取り組んできたと聞いています。被害想定では、ブロック塀倒壊による区内の人的被害も示されていました。 我が党は、2012年の第2回定例会でくすやま議員がブロック塀対策を提案し、区も取り組んでいくと答弁していました。この答弁以降、区は、ブロック塀問題についてどのように取り組んできたのか。民地に建てられているブロック塀や万年塀の実態調査の到達、現状を明らかにしてください。 また、ブロック塀倒壊による人的被害予測を明らかにしてください。答弁を求めます。 区長は、議会からの要望を踏まえて、区立小学校の通学路等に面した倒壊の危険性のあるブロック塀等を対象にした助成制度を設けることを表明しました。一歩前進であります。都内では文京区など以前から助成を実施してきた区がありますが、小学校通学路などの限定ではないと思います。また、今回助成を拡充した横浜市は、全地域を対象にしたのではないでしょうか。 杉並区の新たな助成制度は一歩前進ではありますが、他自治体の状況をどう把握しているのか、見解を求めます。 通学路や避難所への道路は最優先であっても、他自治体と比較しても、小学校の通学路等に限定する杉並区の対応は消極的であります。区民全体の生命、身体を守る立場を貫くのであれば、区民が通る道路沿いのブロック塀に対する撤去・改修助成を行うべきと考えますが、見解を求めます。 2.水害対策について 次に、豪雨対策について質問いたします。 杉並区内では、短時間豪雨によって8月13日には久我山駅北口が浸水し、27日にも阿佐ケ谷駅南口、井荻小横など初め区内各地で道路冠水、商店街への浸水等の被害が起きました。今回の水害は、久我山でも10分間の降雨量が、8月13日には22ミリ、27日には42ミリなど、局地的な短時間豪雨によって下水管が雨水をのみ込めず、マンホールから雨水が噴き出すなどの事態が起きました。 これを受けて我が党区議団は8月29日、東京都に対し緊急の申し入れを行いました。これまでも水害のたびに日本共産党杉並区議団は対策を要望し、都や杉並区も雨水貯留施設の整備などの一定の対策をとってきましたが、局地的な集中豪雨時の浸水被害を最小化する対策を強化するため、今回の局地的な短時間豪雨がたびたび発生する状況に即して、より抜本的な対策を強化するよう求める立場から質問をいたします。 最近の気象状況では、こうした短時間の局地的豪雨が今後も起きることは否定できません。今回のような事態への対策の強化が求められていると考えますが、どうか。 対策の検討に当たっては、従来の対策にとどまらず、10分間で20ミリから40ミリなど短時間豪雨への対応を新たに検討することが必要と考えますが、どうか、答弁を求めます。 また、東京都と杉並区が連携し、8月13日、27日の豪雨被害の結果と、各地ごとの原因を調査分析し、対策を検討することが必要と考えますが、どうか。現時点でわかったことを明らかにしてください。 久我山駅北側には都営住宅などの公有地があり、敷地内にはオープンスペースも存在します。そうした土地を活用し、雨水流出抑制対策をとることも視野に入れるべきではないでしょうか。 抜本的対策も必要ですが、緊急対策として雨水浸透対策、雨水ますの増設など、区として直ちに実施できる対策をとるべきと考えますが、区の見解はどうか。 また、久我山駅前の水害でも、下水管本管の改修や貯留施設の整備など本格的な対策が必要です。都に対し、豪雨対策下水道緊急プランの緊急対策地区に、久我山地域など、今回の被害発生地域を追加することを求めるべきと考えますが、区の見解はどうか。 8月13日、27日発生の久我山駅前水害について、下水管改善策、雨水ますの増設など直ちに実施できる対策について、区と東京都が協力し実施することが必要と考えますが、区の見解はどうか。 また、昨年、29年第3回定例会において我が党の山田議員が求めた区内西荻北4丁目水害対策について確認をいたします。 当該地域は、武蔵野市側高所から都下水道が接続、流入しており、集中豪雨の際には杉並区側の低所に大量の雨水が流れ込み、浸水被害が発生する状況です。停止している武蔵野市の下水道管増設が進められるよう、区は武蔵野市に働きかけるよう求めるが、どうか。 また、水害対策で区の責任として重要なことは、総合的な雨水流出抑制対策です。計画では抑制対策量を58万8,000立方メートルとし、2021年までに60%達成を目指しています。現状と対策はどうなっているのか、確認をいたします。 さらに目標引き上げの予定はないのか。促進する上で、都に対して区が行う施策への補助制度を抜本的に拡充するよう求めることが必要と考えますが、どうか、明確な答弁を求め、再質問を留保し、質問を終わります。 |
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