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2016年杉並区議会第三回定例会一般質問(金子けんたろう) |
日本共産党杉並区議団を代表して、①障がい者差別解消への取組について、②久我山東原公園について質問します。 1.障がい者差別解消への取り組みについて 障がいを持っている人にとって、一人一人の尊厳を守り、暮らしやすい地域社会を作ることを目的とし質問致します。 7月26日、神奈川県相模原市の障がい者施設「津久井やまゆり園」で、元施設職員の男性によって入所者19人が殺害され、27人が重軽傷を負った事件が、深い悲しみと憤りを広げています。多くの人命を奪った戦後最悪の殺人事件そのものの残忍性に加え、おおきな衝撃を与えているのは、容疑者の元職員が事件前から「障がい者なんていなくなればいい」という趣旨の言動を重ねていたとされることです。この事件は「障がい者に対する嫌悪」「障がい者の生命や尊厳の軽視」を原因とした憎悪犯罪、ヘイトクライムです。そのことは、事前に容疑者が衆院議長に充てた手紙からも明らかです。障がい者の命と尊厳、存在を否定する考えを絶対に認めることはできません。 私自身がこの事件で感じたことは、容疑者の差別的な動機や犯行もさることながら、私たちの社会がこのような犯罪を生み出してなったのだ、という深い後悔と反省であります。私たちがすべきことは、「障がいの有無や人種等を基準に人の優劣を定め、優秀な者にのみ存在価値を認める」という優性思想の根の絶ち許さないことです。 どんな人間にも、相手を社会から「排除」する権利は持っていません。それは、「すべての人々を平等な者として処遇する」、相手を排除してはならないという大前提をつくらなければ、個人の生命や尊厳が脅かされ社会で安心して暮らしていけないからです。 相模原の障碍者施設で起きた殺傷事件について、障がい者に対する憎悪や軽視の意識から、排除の標的にするという言い分は決して許されません。あらためて、一人一人の尊厳が守られることが大切であると考えるが、人権についての区の見解を求めます。 障がい者差別解消法の施行を受け、差別解消に向けた取り組みの具体化や差別を根絶するために、相談と救済機能を果たす機関の設置が必要と考えるが区の見解はどうか? 今年4月から障がい者差別解消法が施行されました。この法律は、障がいを理由とする差別の解消の推進に関すること、又、国や地方公共団体、及び民間事業者が、障がいを理由とする差別を解消するための措置などについて定めています。このことにより、すべての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を尊重し合いながら一緒に生きていく社会を実現させることを目的としています。 日本も遅まきながら批准した「障がい者権利条約」に定義が示され、当該法でも明記されている「合理的配慮」について伺います。合理的配慮とは、障害者から何らかの助けを求める意思の表明があった場合、過度な負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な便宜のことです。例えば、自治体では、来庁者数に応じて施設に近い一般車両区画も障害者用とし、庁舎への移動に配慮すること、民間では、券売機の利用が難しい場合、操作を手伝ったり、窓口で対応したりするなどの例が挙げられます。 たとえ障がいのある方であっても、適切な配慮を受けることが出来れば、自分の力をより発揮しやすくなり、日常生活や地域社会での生活を営むことがスムーズになります。当該法によって義務付けが進む「合理的配慮」を、地域社会でも進めていくことが必要です。 当該法にのっとり、物理的配慮や意思疎通への配慮など、あらためて合理的配慮について区の取り組みや考えについて伺います。 当該法では、合理的配慮について民間では努力義務となっていますが、区立以外の障碍者施設など民間でも対応が必要と考えます。合理的配慮の周知も含め、法の第15条における啓発活動について、区の取り組みや見解を伺います。 ある全盲の方からお話しを伺いました。欲しいおにぎりの数量が多かったため、事前に予約しようと考え、コンビニエンスストアで依頼したところ「この予約表にお書きください」と店員に告げられました。この方は全盲であり、コンビニ指定の予約表に記入することが出来ない旨を伝えると「ご本人で記入することが決まりなので」と断られたそうです。日常生活を送っていて起きる、障がい者への合理的配慮がまだまだなされていない現状があります。こういうときこそ、官民上げて、力をあわせていくべきです。 当事者やご家族の団体からお話を伺うと、障がい者のケアが家族や介助者に多くの負担をかけること、ときにそのことへの耐え難さを表明されることがあります。 私も話を聞く中で、家族や施設職員の?複雑な思い、切実な実態”を耳にします。ある方は、知的障がい者のお兄さんがいることで同級生にいじめられた経験や、移動するときにお兄さんが失禁し周囲の心無い言葉に対し「障がいを持っている兄を恥ずかしいと思おうことがあった」と率直に聞かせてくれました。しかし今は、自身にもある差別を払拭することが出来たそうです。この方は「私自身も成長し、いま兄の家族や地域への思いが分かるようになってきて、私自身も励まされる思いだ」という声を聴かせてくれました。我が国も遅まきながら「障がい者権利条約」を批准し、「障がい者差別解消法」が施行されました。あらためて今必要なことは、障がいの有無と関係なく人が生きる中でのバリア、障壁や差別を取り除くことです。 障がい者差別解消法では、各地方公共団体において、差別に関わる相談や紛争解決する支援組織として、障がい者差別解消支援地域協議会を任意ではありますが設置できるようになりました。この協議会を通じて、いわゆる「制度の谷間」や「相談のたらいまわし」などが生じないよう体制の構築や地域での相談、つ紛争解決機能の向上を図ることが可能となります。 本年3月の予算特別委員会では、他の会派質問に対し区は「地域協議会と同様の役割を組織体を地域自立支援協議会のもと設置するよう考えている」とし、人選についても今後図っていくと答弁しています。 障がい者差別解消支援地域協議会について、設置に向けた現在の進捗状況やメンバーの人選はどうなっているのか伺います。 また、障がいをもつ当事者からも、地域協議会をはやく設置すべきとの声が届いています。区の見解はどうか? さきほど紹介した、中度障がいのお兄さんをもつ方は「自分も正社員として働いているため、兄を区外のグループホームにお願いしており、大変感謝している。兄は、月にたった1度や2度の回数でも地元や家に帰ってくるととても喜ぶ。」と話してくれました。障がいの有無に関係なく、皆が地域で等しく、暮らしやすい地域社会を作っていく事が重要です。 それは、障がいをもった人と地域の住民とが交流し合い、みんな地域の一員である、構成している一人ひとりだという当たり前の社会を作ることが出来るからです。障がい者差別解消法の中身を発展させ、この杉並で条例を作り地域社会で活かしていくことが、地方自治体の役割である「住民の福祉向上」に繋がっていくと確信しています。 障がい者差別解消の条例化を検討すべきと考えますが、区の見解はどうか? その際には、当事者団体へのヒアリングなど、当事者をいれて決定していくべきと考えますが、区の見解を求めて、次の質問に移ります。 2.久我山東原公園について 第二回定例会以降に、久我山東原公園の一部閉鎖や樹木の伐採、新聞やテレビ報道などで東原公園の工事や計画についての住民の反応を伝える報道がされるなど、様々なことが起きています。7月25日の住民説明会や区立施設再編整備計画改定案の説明会にも参加し、住民の方から多くの意見が出されていました。区も、これまで説明会で出された住民意見を聞いていると思いますので、あらためて住民の皆さんの声を含めて質問いたします。 7月25日の久我山小学校の事業者説明会では、多くの住民が参加し「この公園は22年間、地元に密着して育ててきた公園」「拙速に話を進めるのではなく、住民と対話をしてほしい」と地域の育ててきた公園を守ってほしい」、子どもたちからも「この公園をなくさないでほしい」と切実な声が出されました。先日も日経新聞にて報道され、今でも新聞やマスコミ、インターネットなどでも報道が継続されています。 7月25日の久我山小学校での住民説明会では、新聞やテレビ局なども取材にくる事態となり沢山の住民からも意見が出された。なぜこうした事態になったのか?区の見解を求めます。 区の待機児童緊急対策が発表されてから、東原公園の保育所転用問題に関して、一部から住民の皆さんに対し「住民のエゴ」、ここでいう事も憚れるような誹謗・中傷のコメントが見受けられ、マスコミ報道でも「住民が猛烈に反対」という言葉がいまだに使われています。ここは22年前、地域住民の皆さんが奔走し、一緒に作り上げ育ててきた「子どもたちの遊び場」であり「地域の交流の場」です。6月6日に行われた保健福祉委員会での陳情審査の補足説明において陳情者が述べられた、保育園の増設を反対するものではなく、公園の存続を求めている、という内容からも明らかです。 一部に散見される住民への心無い誹謗・中傷や、一部のマスコミ報道が、事実と異なりまったく的を得ていない、この問題の本質を捉えていないということを指摘しておきます。 公園存続を求める住民の意見は、住民エゴでやっているのではなく、保育園も公園どちらも大切だと言っている。それに対し区はどう考えるのか? また、区は来年4月までに整備すると言っているが、近隣の保育園でも東原公園を拾ったりお散歩コースとして活用しており、子どもたちが公園の葉っぱを拾うなどのびのびと。保護者からも「何を作るから何を潰すというのはおかしい」という声が上がっている。それに対し区はどう考えるのか?見解を求めます。 近隣住民の方々にお話しを伺うと、いまの区政について疑問点ややり方の問題についての声が聴かれます。先ほども申し上げた通り、住民の方々は、保育園建設に「反対」ではなく、東原公園を残してほしい、住民からの代替地案の提案など、住民の話や意見を聞いて、区政との対話を願っているのです。ある保護者は「区長は、議会で決まったからこれが民主主義と言うけど、これが本当にそうなのでしょうか?」「住民との間に溝を作っているのは行政側なんじゃないだろうか」と怒りを語ってくれました。 保健福祉委員会や、5月の総務財政委員会でも指摘しましたが、実行計画で27年度に整備する認可保育所は13園と示されたにも関わらず、実際には27年度に7園しか整備されませんでした。27年度に13園が整備できれば、現状の待機児童をめぐる緊急事態が発生する状況にならなかったのではないでしょうか。「ここまでつり上げる必要はないだろうという判断は、結果的に見通しが甘かった」という区の答弁もありましたし、そのことが今回の大きな問題となっていることを区は真摯に受けとめるべきです。だからこそ、そうした区のこれまでの経緯、自分たちの行いを率直に区民に示すべきですし、真摯な姿勢で住民と対話するべきだったのではないか?と住民説明会に参加した立場から指摘します。 6月6日の保健福祉委員会では「公園の存続を望む意見を頂戴していることがございます。また、その御意見を重く受けとめているところでございます。」と答弁しているが、重く受け止めたうえでどのように生かされているのか?区の見解を求めます。 住民からは、意見を述べても事態が変わっていないことに対して不満や怒りの声がある。区は自らの行いをどう省みているのか?区の見解を求めます。 区長は「私自身は、公園は公園で大事な地域の財産だというふうに思っております。その御指摘を真摯に受けとめて、我々は並行して可能な限り知恵を出して、必要によっては金も出して取り組んでいきたい。」と委員会で述べられていますが、住民からは「自分の土地を提供してもいい、という区民からの代替案にも返事がない」。と声が上がっています。区長のご自身の説明を求めます。 久我山東原公園の暫定代替地となっている久我山5丁目の京王所有の用地は、当初認可保育所建設予定だった。なぜ当該地が『代替地』となったのか?京王電鉄に対し事情を確認したい旨を伝えたところ、杉並区さんに確認してくださいと言われ面談が実現しませんでしたので、あらためて議会の場で区に確認致します。 久我山東原公園の暫定代替地となっている久我山5丁目の京王所有の用地は当初認可保育所建設予定だった。なぜ当該地が『代替地』となったのか?理由と経過を確認します。 住民説明会でも、区側から当該地の認可建設がうまくいっていない旨の発言があった。なぜ上手くいっていないのか?確認します。 私たち区議団はこの場所に暫定的に開放された日から何度も足を運びました。開放された日から草の手入れがされない日が続き、草が伸び放題となっており、草が伸びすぎて滑って、とてもボール遊びができるような状態ではありません。日差しの強い炎天下の中で、区が用意した日陰も座る場所がなく、逃げ場と言えません。子どもたちが遊ぶ姿は見えず、およそ遊び場と言える場所ではないと、いう声が住民からも上がっています。この場所は、 保育定員枠増の一環として、当該地が予算計上されたが急きょ『遊び場』となった。これで当初計画の前提が崩れるのではないか?区の見解を求めます。 久我山小学校にて「2学期からの校庭解放のお知らせ」というプリントが配布されました。「8月30日から区立久我山小学校の校庭開放は、下の表の通りです」とし、開放時間が示されています。ただし書きには「なお、11月〜2月の開放時間は午後4時まで」と記載されています。久我山小学校の校庭開放拡充は、6月6日の保健福祉委員会では、「代替場所の必要性につきまして、区民の皆様の声を区としても重く受けとめて、代替場所の検討をしているところでございます。また、久我山小学校の学校開放の拡充など、そういったところもあわせて検討を行っている」とし、代替地と併せて行われているということが答弁されています。 しかし、今回久我山小学校で配布されたプリントを見ると、「授業が終わって一度家に帰ってカバンを置いてから来校しましょう」「来校する際は、自転車は禁止です」と注意事項を守るよう書かれています。およそ東原公園の代替地検討と併せて行われた内容ではなく、子どもたちの授業が終わる時間を考えれば、遊べる時間や遊びかたに制限があり「拡充」と言えるものではありません。 緊急対策が発表されて以降の久我山小学校の校庭開放について、11月から2月までの開放時間は午後4時までとなっている。授業が終わり、鞄を家に置き、徒歩で向かう時間を除くとどれだけの時間を遊べると考えているのでしょうか?区の見解を求めます。 この校庭開放が代替の策となっているとお考えでしょうか?区の見解を求めます。 8月1日、久我山東原公園の一部が閉鎖されました。私もその場におりましが、住民の方からは「区政、区議会に絶望感しかない」と語ってくれました。私も区議会の一員として、目の前の光景を目の当たりにし言葉になりませんでした。 今回の久我山東原公園の一部閉鎖の大元となっている、来年4月に向けての緊急対策。今計画に限って、小規模保育事業や区保育室など、地域の実情に応じて柔軟に整備を検討する必要があるのではないでしょうか。説明会の中でも区は「断腸の思い」を連発されていましたが、断腸の思いをするのは、区ではなくて住民です。区がこれからでも住民との対話をするよう求め質問を終わります。 |
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