議会質問 |
> indexに戻る |
2015年杉並区議会第四回定例会一般質問(上保まさたけ) |
質問に先立ち、田中区長のご尊父様、また、上野議員のご尊父様のご逝去の報にふれ、会派を代表して慎んで哀悼の意を表します。 それでは日本共産党杉並区議団を代表しまして、安保法制と横田基地へのオスプレイ配備について、杉一小複合化計画について質問します。 安保法制、横田基地へのオスプレイ配備について まず、安保法制と横田基地へのオスプレイ配備についてです。 9月19日、「安全保障関連法」いわゆる安保法制が強行されました。この法制は、集団的自衛権の行使と共に、戦闘地域での兵站という軍事活動、戦乱が続いている地域での治安活動など、憲法9条を踏みにじり、自衛隊の海外での武力の行使に道を開くまさに戦争法そのものです。日本国憲法に真っ向から背く紛れもない違憲立法であり、圧倒的多数の憲法学者、元内閣法制局長官や元最高裁長官を含む広範な人々からも憲法違反だと指摘をされています。 どんな政権であっても、国民から負託されているのは、憲法に基づいて政治を行う事であって、これまでの憲法解釈を勝手に踏みにじり、ねじ曲げ、安保法制を強行することは、立憲主義・法治主義の破壊に他なりません。 安保法制が成立してから今日でちょうど2ヶ月となりますが、この法律の廃止を求める声と世論は縮まるどころか、さらに大きく広がっています。 11月8日にフジテレビ系で「日本のダイモンダイ」という視聴者参加型のバラエティー番組が生放送されました。この番組は「日本が抱える大問題」について、視聴者がテレビのリモコンボタンやスマートホンなどを使って「2択」で回答する仕組みとなっています。その中で「間もなく成立して2カ月の安全保障関連法」についての問いが行われ、約24万人が回答し、その中のなんと65・7%が「廃止すべき」と答えました。俳優の松坂桃李さんやAKB48の指原莉乃さん、タレントの長嶋一茂さんらスタジオのゲスト回答者も11人中8人が「廃止」と答えています。 そして国会前を始め、全国各地で、高校生や学生などの若者から高齢者までが、党派や立場の違いを超えて、戦争法に反対する行動が毎週行われています。 加えてこうした個人や団体が統一して安保法制の廃止を求める署名を作り、全国で2,000万筆を目標に取り組まれています。 Q1 区長はこれまで、この法制に対する認識の言明を避けてきましたが、区民の安全を守る立場にある基礎自治体の長として、この法制に対する認識を表明しないのは、容認しているのと同じです。改めて安保法制に対する区長の認識を伺います。 この安保法制は日本の安全を保障するためでも、国を守るものでもなく、他国の戦争に日本の自衛隊を巻き込み無制限に武力行使を可能にするものです。そのことが、この間、深刻な形で明らかになっています。 安倍政権は戦争法の成立を受け、アフリカ・南スーダンの国連平和維持活動、いわゆるPKOに参加している自衛隊の任務を拡大し、「駆け付け警護」などを可能にすることを検討しています。 そもそもこの「駆け付け警護」というのは、PKOに参加している他国部隊などが武装勢力に攻撃された際、自衛隊が現場まで駆け付け、武器を使って守るという任務です。安倍政権が成立を強行した戦争法によって、自衛隊と他国軍隊による宿営地の「共同防衛」などと併せて初めて可能になりました。 南スーダンでは、政府と反政府勢力との武力衝突で、事実上の内戦状態となっています。ここに展開する国連PKO部隊への自衛隊派遣は2011年11月、当時の政府が「武力紛争が発生していない」との判断に基づき決定し、翌12年1月から陸自部隊が活動を始めました。しかし、13年12月には南スーダン政府と反政府勢力の武力衝突が起こり、特定民族などへの攻撃にも発展し、各地で戦闘が激化しました。 その後、複数回、停戦が合意されたものの、そのたびに戦闘が再開され、今年8月下旬の停戦協定後もいくつかの地域で戦闘が発生しているとされています。国内避難民は200万人を超え、事実上の内戦状態が続いています。 こうした深刻な武力紛争が起こっているこの地域で実際に「駆け付け警護」が行われれば、自衛隊員が南スーダンの国民に銃口を向けて発砲・殺害したり、自衛隊員も攻撃を受けて戦死者が出たりする危険は明白です。国会審議では、宮崎礼壹(れいいち)元内閣法制局長官が「停戦合意が崩れれば、たちまち深刻な混乱を招き、結果的に憲法違反の武力行使に至る恐れが大きい」などと述べるなど、重大な問題点が指摘されていました。自衛隊員が海外の戦闘で「殺し、殺される」という戦後初めての事態を絶対に起こさせてはなりません。 そうした意味でも、安保法制そのものを廃止することはいよいよ急務です。日本の平和と国民の命を危険にさらすこのような法律を、一刻たりとも放置するわけにはいきません。 杉並区議会でも、17名の超党派の議員で戦争法に反対するアピールを出し、行動しています。区内でもNoWar杉並や9条の会、戦争させない1000人委員会、JUBILEE戦争法反対杉並など、広範な区民が支持政党や立場の違いを超え、戦争法の廃止を求めて声を上げています。 Q2 このように区民の声が高まるなか、憲法違反の安保法制を廃止するよう国に求めるべきだと考えますが、区長の見解を伺います。 同時に、重大なのは、安保法制と並行して、首都東京にある横田基地が日米一帯の軍事拠点として強化されようとしていることです。 横田基地はこれまでも、訓練飛行により、夜間、深夜、休日も異常な騒音を地域にまき散らしてきました。2013年度は夜間の19時〜22時の間の訓練は2219回で、一日なんと6回以上です。一般的に抑制すべき22時〜翌朝7時までの間の訓練は115回も行われています。2014年度になってからはこうした訓練がさらに増加し、年間11967回です。パラシュート降下訓練も2012年から頻繁に行われています。まさに沖縄と大して変わらないような実態が横田基地周辺に広がっています。 さらに、横田基地には、2005年10月に日米安全保障協議会(日米2プラス2)がまとめた米軍再編計画で決まった「共同統合運用調整所」が2012年3月に設置されており、これまでも在日米軍と自衛隊が毎年訓練を行っています。横田基地は米国からみた極東有事の際の司令塔の役割を果たすようになってきているのです。 それを裏付けるように、この間、安保法制の成立により、日米常設の「軍軍間の調整所」や司令部が、横田基地などを中心に運用されることが明らかとなっています。これにより平時から先制攻撃戦争にいたるあらゆる事態で自衛隊を米軍の指揮下に事実上組み込むものとされ、横田基地が日米一帯の軍事拠点として強化されることになります。 米国の極東及び中東戦略のために、攻撃対象ともなる司令塔的な基地を日本の首都東京に設置強化されている状況は、極めて危険で、独立国として屈辱的な状態だということを指摘しなければなりません。 加えて防衛大臣が、10月15日に公表した米空軍作成の環境レビューと呼ばれる審査報告書では、今後CV−22オスプレイを横田基地に10機配備することが明らかとなりました。これに伴い、横田基地がさらに大増強されることになります。 オスプレイは、真っ先に敵地に乗り込む特殊作戦において使用されるもので、オフィスビル8階に相当する高度30mの超低空飛行で敵地を強襲し、暗殺や拉致など、まさに侵略、先制攻撃のための軍用機です。オスプレイの横田基地配備は、首都東京を海外侵略の出撃地にすることを意味します。 しかもオスプレイは、機体の不安定性などから開発以来、多数の死亡事故を起こしており、住宅や教育、福祉施設が密集する首都圏への飛来など許されません。 このように安保法制成立と並行してきた横田基地強化、オスプレイの配備により、危険な飛行訓練が基地周辺だけでなく、東京はもちろん関東全域に常態化することは目に見えているもとで、杉並区上空をオスプレイが飛来することも十分に考えられます。 こうしたことから、区としてまず、オスプレイの飛来をはじめとした迅速かつ正確な情報収集が急務となっているのではないでしょうか。 Q3 オスプレイの飛行ルートについて、第2回定例会の一般質問では「動向を注視する」という答弁でしたが、先に述べた基地の機能の強化にともない、首都東京が訓練の拠点となる中、改めて区として飛行ルートを確認するべきだが、見解を伺います。 先に示した、米軍作成の審査報告書では、オスプレイの配備をしなければ、特殊作戦部隊、および米国市民の安全に支障をきたすとしており、オスプレイの横田基地への配備とそれに伴う飛行訓練は、日本の防衛とは無関係で、アメリカの無法な戦争のためであることを公然と明言しています。 Q4 このようなオスプレイの配備計画には一かけらも道理がありません。横田基地へのオスプレイ配備計画の中止を国に求めるべきだと考えますが、区長の見解を伺います。 安保法制の成立は、それ自体が憲法に違反するだけでなく、その目的が自衛隊をアメリカの引き起こすあらゆる戦争に巻き込むためのものであることは明白です。わが党は、この戦争法というべき安保法制廃止の一点で、党派や立場の違いを超え広範な人々と共同し、戦後最悪の悪法を廃止するために全力をあげることを表明し次の質問に移ります。 杉一小複合化計画について 次に杉一小複合化計画についてです。 今年度の7月より、「杉並区立杉並第一小学校改築・複合化検討懇談会」が開かれ、産業商工会館と阿佐谷地域区民センターを廃止し、杉一小に統廃合する計画の議論が行われています。 これまでの懇談会では、複合化施設に導入する機能や諸室についてや、施設の整備にかかる基本的な考え方などが話し合われました。そこでは「阿佐谷地域の新たなシンボル」「ランドマークとなる施設」という言葉等は出されてはいますが、我が党区議団は、これまで、2つの集会施設と小学校を一緒にして、施設の機能は維持されるのか、維持されたとしても、すごく高層化した施設になり、子ども達にとって悪影響を及ぼすと問題点を指摘してきました。 この複合施設には、産業館の機能と区民センターの機能が移されると聞いていますが、決算特別委員会では、「1+1は2にならない」という答弁に象徴されるように、2つの施設が統合されることによって規模は縮小されます。 加えて、義務教育施設と集会施設を一緒にすることで、子どもたちの教育を優先するあまり区民の施設利用に摩擦が生じます。 区民センターと産業館はそれぞれ震災時には、救援施設になりうる施設であり、それを統合してしまうことは、地域からそうした機能が無くなることにつながります。 子ども達にとっては、高層化することで、ビル風邪などの風害、授業中の移動などへの支障、不特定多数が学校に出入りし、安全面でも不安が残ります。区民の集会施設利用の際の騒音の問題など、教育環境に影響が生じます。 施設が統合されれば、先ほど指摘したように区民の演劇やコーラス、学校教育には騒音になります。お互いが活動を抑制されることになってしまいます。施設の改修改築にあたっては、学校施設と集会施設のどちらかを改修する場合双方に、影響が生じます。 このように問題は山積しています。 地域からすれば、2つの施設を現地で改修改築し、区民のニーズにこたえる施設にする方がよっぽど安上がりではないかという声も上がっています。 先月の懇談会では、複合化施設の建物の規模についての案が出されました。建物の規模は3パターンあり、9階建てのものや7階建てのものなど、予想していた通りの高層案が出てきました。一番建物の高さが低い低層案は4階建てですが、敷地を建物で埋め尽くし、屋上を校庭にするものです。 そこで伺います。 Q1 複合施設は9階もしくは7階建てになり、まさに阿佐谷のランドマークタワーといえるものです。しかも、普通の施設とは違い、中にはホールやプールなども入る複雑な工事になります。相当の経費が予想されるが、工事の経費はどのくらいを想定しているのか。また、このような大規模工事ははたして区内の業者が請け負う事が可能なのか、区の見解を伺います。 学校を防災拠点とする観点からも、校舎が9階建て、または校庭が屋上にある学校に震災時安心して避難できるのか、区民から不安の声が上がっています。実際第一回目の懇談会では、ある町会の役員をしている委員から「災害に当たっては逃げ場もない地域なので、その辺も考慮してほしい」というような意見を述べていました。 加えて諸室の機能も削減されることが明らかとなりました。複合施設では区民センターにあった充実した料理室がなくされ、ゆうゆう阿佐谷館の2階にある料理室を代替案とするとしています。区民センターにある料理室は、大型ガス炊飯器のある準備室や、3台のガスコンロ付きの調理台5台、大型オーブン、電子レンジ、小型オーブンから鍋釜、食器類に至るまで様々な調理用具もそろっており、規模、設備共に本格的な料理室です。 区民センターの料理室で食品の安全などの勉強会を開いている方は、地域の方とうどんの会を開いている方は、ゆうゆう館の料理室は、会議室を兼ねた「多目的室」であって、部屋の大きさも半分以下になり、オーブンなどもついていません。料理室の性格が基本的に違います。ゆうゆう館の部屋では代替にならないと語っていました。 さらに、重大なのは、施設整備にかかる考え方の案の中に、「阿佐谷児童館内学童クラブ及び小学生の放課後等の居場所事業が小学校内で連携して実施できるよう必要な環境整備を行う」と阿佐谷児童館の廃止が示唆されていることです。 阿佐谷児童館は、もともと別々の場所にあった児童館と学童クラブを、一緒にできないかという区民の運動がおこり、それによって今の場所につくられました。 それをなくして学校施設に詰め込むとなれば、子ども達の居場所と学童クラブの質が維持されるのか。子どもを児童館に通わせている保護者からは不安の声が上がっています。そこで伺います。 Q2 複合施設建設後、阿佐谷児童館は、現在地に維持されるのか。見解を求めます。 そしてそもそもこの阿佐谷地域の施設再編計画には、多くの区民が疑問を持っています。阿佐谷の南地域にあった区立施設が無くなり、そこで作られたコミュニティが無くなってしまいます。 区はこうした地域住民に対し、計画の説明すら行っていません。そもそも複合化計画先にありきで計画を押し付ける姿勢は大変問題です。 Q3 計画に対し、一部の町会役員や学校関係者による懇談会は開かれているが、住民の意見を広く聞く場がいまだに持たれていません。参加者を限定しない意見交換会を開くなど、幅広い区民の意見を聞く場を設けるべきだが、区の見解を求めます。 |
Tweet |
このページの先頭へ ▲ |