住民のために働く議会に 市議会特集 定数削減案 否決! 議会制民主主義の土台まもる
イラスト 市議会最終日の二〇日、市議会定数三六を三四に削減する市民クラブ(保守会派)と公明党などの改正案を、賛成一五、反対一八の賛成少数で否決しました。日本共産党市議団は、定数削減は市民の意見を市政へ反映させるしくみを破壊すること、民主主義の根幹にかかわる議員定数は、住民の意見を聞かずに審議すべきではないことを主張し、議会内外で奮闘しました。

全国市議会議長会
「相当の議員数は必要」

 二〇〇六年二月二五日付の「全国市議会旬報」では、地方分権時代の市議会の役割について「議会の執行機関に対する監視の役割が一層重くなり」「議会の構成も都市全体を見渡すことのできる議員で多く構成されるようになることが求められる」こと、「執行部に負けないほどの政策論争を重ねることが必要」であり、「監視・政策立案機能の向上を果たす上においても相当の議員数は必要である」と述べています。

「議員が多すぎる」の声は
議会への不信感

 「議員が多すぎる」という声の背景には何があるのでしょうか。それは議員に対する不信感があるからではないでしょうか。
 住民の中に「高い給料をもらっていて、どんな仕事をしているのかわからない」「介護保険料や住民税を上げるだけが議員の仕事か」という声があります。
 このことは、議会の質が問われていることです。
 いま必要なのは「定数削減」ではなく、このような議員に対する不信感を取り除くための議会改革であり、議員全体の質的向上です。党市議団はこれまで「市議会だより」に発言議員の氏名を明記することや、本会議を市民にとってわかり易くするため、一般質問を一問一答方式にするなどを提案しています。

所沢市議会は政令市除く
一般市で三番目に少ない

 所沢市は、埼玉県内四〇市中一〇万人以上の一般市で議員一人あたりの人口が多く、議員数は三番目に少ないのです(下の表)。
 現在の市議会定数は一六年前、人口三〇万三千人当時に決められたものです。その後の人口増を考慮すればむしろ定数増こそ図るべきです。

議員が少ない自治体順
議員あたりの住民数で比較(人口10万人以上の市)
自治体名 議員数 法定上限議員数 人口 議員一人あたりの住民数
川口市 44 46 480,524 10921
越谷市 32 46 318,097 9941
所沢市 36 46 335,383 9316
川越市 40 46 328,386 8210
草加市 30 38 234,203 7807
上尾市 32 38 221,563 6924
春日部市 36 38 242,383 6733
入間市 24 34 148,374 6182
狭山市 27 34 157,699 5841
新座市 30 34 151,716 5057
三郷市 26 34 130,811 5031
富士見市 21 34 103,324 4920
朝霞市 28 34 123,205 4400
戸田市 27 34 117,296 4344
鴻巣市 30 34 118,767 3959
熊谷市 61 34 192,317 3153
ふじみ野市 44 34 102,843 2337
深谷市 75 34 145,634 1942
※人口は2006年6月1日現在

(「新しい所沢」2006年12月27日 号外から)