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議員だより
猪股嘉直
参議院選挙、ご支援ありがとうございました
ー隣の国の民主主義をつくる力から何を学ぶかー

 21日投票の参議院選挙、皆様のご支援、本当にありがとうございました。
比例選挙での後退は残年で、課題は残しましたが、「伊藤岳」という財産を勝ち取ったことは大変大きいです。

韓国映画に感動 民主化はどうやって

開票結果の出た次の日、選挙結果についての会議を終えて、夕方から浦和に向かいました。埼玉会館で行った夜の映画会に行きました。「1987、ある闘いの真実」という韓国の民主化闘争の実話を描いた映画です。韓国では723万人が観た映画です。
1987年1月、一人の大学生が警察の取調中に死亡しました。時は全斗煥(チョン・ドゥファン)軍事政権時代。1980年5月にも全斗煥軍政下で光州(クワンジュ)事件という民主化を求める運動を弾圧した事件の7年後の事件です。
大学生の不可解な死を、警察は心臓麻痺と発表しますが、新聞は「拷問中に死亡」とスクープし、大騒動になります。この衝撃の事実を隠蔽するために、明らかにしようとする者に次々と襲いかかる権力。それに立ち向かい、必死に闘う人々、学生、マスコミ、宗教者、牢獄の監視員、検事など。暴行を受けながらも闘い続けていく姿が描かれています。
これらの闘いを経て、この年の6月、後の大統領に就任する盧泰愚(ノ・テウ)民正党代表最高委員によって発表された6.29民主化宣言を、全斗煥大統領は受け入れます。
映画はここで終わりですが、大統領の直接選挙が12月に施行され、盧泰愚氏が当選します。

日本には国民の運動は無いのか?イヤ、あるでしょ

この映画を観て、私たちの国、日本を見つめ直すことがとても大事だと、改めて思います。「日本は民主的な国」と言い切っていいのか?という疑問もあります。
例えば、香港などでの民衆のデモやそれに関しての暴動は日本のマスコミは報道しますが、沖縄の新基地建設に反対する住民の座り込み、それに対する警察・機動隊などの排除、引き抜きはまず報道しません。日本のマスコミはよほど、隣の国の運動やそれに対する弾圧に関心があって、日本の住民の運動やそれに対する圧力にはあまり興味を持たない。
8年目に到達した毎週金曜日の「原発再稼働反対!首相官邸前抗議」については最近のマスコミから報道されたことはありません。
私たちはマスコミだけの報道に動かされがちになっていることにも危惧します。今は「吉本興業」オンリー、昨年の今頃は「日大のアメフト」とスポーツ界のパワハラ。これらのマスコミ報道はどこを観ても同じで、その報道に我々が動かされ、世論がつくられていることを実感します。
この方法でいくと、戦争賛成世論、憲法改正賛成世論もつくられていくように思います。民主主義とは何か、今こそ見つめ直すことが必要ではないでしょうか。
このままでは、いつか来た道をまた歩むことに……


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