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映画「マルクス・エンゲルス」を観る
マルクス(中央)とエンゲルス(右) 映画.comのHPより
マルクス(中央)とエンゲルス(右) 
映画.comのHPより
「一つの妖怪がヨーロッパを歩き回っている――共産主義という妖怪が」の一節で始まるカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスの共著「共産党宣言」。1848年、「共産主義」の目的と見解を明らかにした最初の文書とされています。
1848年といえば、日本では明治維新の20年前で江戸時代、嘉永という元号の時代です。
特に日本においては「共産主義」という言葉は古くから忌み嫌われている言葉となっていました。私自身も高校生の途中まではそのように考えている一人でした。
テレビドラマなどで共産主義者と思われる人たちが、「アカ」と言われて追いかけられている描写は多くありました。しかし、それが何故か?という疑問はあまり持ちませんでした。
改めて考えてみると、共産主義者と言われる人たちは、「天皇制反対!」「中国や朝鮮への侵略反対!」「労働者の権利を守れ!」「農民の暮らしを守れ!」と唱えていました。それは、当時の体制と財閥や財閥の利権を守る政府と官憲にとって許すことの出来ない主張と活動でした。
政府と官憲は、こうした許しがたい活動をする共産党員やその同調者を「アカ」というレッテルを貼り、追い掛け回します。でっち上げ事件も起こします。例えば関東大震災のおり、災害救助で活動していた川合義虎(日本共産党員 当時21歳)などを震災の混乱に乗じて、「アカや朝鮮人が暴動を起こしている」とのデマを流し、銃剣で殺害し、河原に遺棄します。小説家で日本共産党員の小林多喜二も、1933年29歳で、「お前が小説で書いたように拷問する」と警視庁特高係長中川成夫(警部。後に滝野川区長、東映取締役)の指揮下で、拘束されて数時間で殺害されました。
こうした事件が引き起こされていく中で、知らず知らずのうちに、共産党というのは「何か怪しい」「悪いもの」という風潮が広がっていったのではないでしょうか?

さて、1999年にイギリス国営放送BBCが「過去1000年間で最も偉大な思想家はだれか?」という世界的な世論調査を行い、その結果1位がマルクス、2位がアインシュタインとの結果を発表しました。ちなみに3位ニュートン、4位ダーウィンとのこと。
私たちが日常的に使っている「資本主義」という言葉も、マルクスが1867年に出版した「資本論」第1巻ではじめて使った呼び名です。
1%の人々が99%の人々を支配している。富の蓄積が1%の人々に集中していると言われて久しくなりますが、そうした中でマルクスやエンゲルスの考えが改めて注目されています。
今度の映画「マルクス・エンゲルス」もそうした中で注目されています。製作は2017年、フランス、ドイツ、ベルギーの合作です。
マルクスとエンゲルス、生活状況も全く違った二人が、偶然に知り合い、書籍「共産党宣言」を完成させるまでのドラマ、とても良かったです。
私が観た金曜日の16時も神保町の岩波ホールはほぼ満席。中年の男性、女性ばかりではなく、10台後半から20台と思われる男性、女性が多いことにびっくりと喜びでした。岩波ホールでの上映は6月15日までです。

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