「わろてんか」をわらえない
前川喜平 文部科学省前事務次官が名古屋市の公立中学校で授業をしたことについて、文科省が名古屋市教育委員会に対し、「何故、前川氏を招いたのか」とその意図や録音テープの提供まで求めていた。さらに第2回目の要請では前川氏の講演に際し「交通費や謝礼金の額」「講演会への動員の有無」「講演録」なども求めた。
治安維持法の再現か?
信じられない事件だ。教育に対する外部からの圧力をさせてはならない、もしそうした圧力があれば、先頭に立って排除すべき文科省が、自らその責務を投げ捨て、教育への圧力を加える。信じがたい事件。まさに戦前の思想調査まがいの蛮行だ。
名古屋市教育委員会は臆することなく堂々と対応しているようだが、こんなことがまかり通ったら、各自治体の教育が国の意向でゆがめられていく。戦前の治安維持法制定時にあったように、前川氏の講演中に、警察官が立ち会って、何か安倍政権を批判したり、疑問を投げかけたりしたならば「弁士、中止!」の声が飛ぶのではないか?と。あながち冗談ではないぞ、という気さえする。
安倍政権は「憲法99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」を全く無視している政権だ。この間、「集団的自衛権を発動することを決めた安保関連法」「特定秘密と指定したものを漏えいした場合、罰則などを定めた特定秘密保護法」「現代の治安維持法と言われる共謀罪法」など現行憲法を否定する法律を自民党、公明党、維新の会等と共に、次々と強行してきた。
中国・北朝鮮批判する前に、自ら律せよ
彼らはよく中国の人権問題を取りあげ、批判する。この間の中国全人代で決定された国家主席、副主席の2期10年制の廃止」で、「独裁色が強まる」という論調も安倍政権から、マスコミへ連鎖しながら報道されているようだ。私も一人の日本人として思う所はある。しかし、「安倍さん、あなたにそれ言えるの?」「他国の事より、自国の独裁政治をやめろヨ!」と言いたい。
北朝鮮だって大いに問題ある。だからと言って安倍さんの独裁政治、お友達政治を許していいとは言えない。
「わろてんか」の時代に戻さない!
NHKの朝ドラ「わろてんか」が大詰めにきている。この間、映画製作中の作品が検閲される場面が描かれている。また、国防婦人会のおかみさんたちが映画の内容に抗議して主人公とぶつかり合う場面などもあった。戦地に出征する青年を「万歳!万歳!」と言って送り出す場面も。何が、万歳か!人を殺さなければならない、あるいは、自分が殺されるかもしれない戦地に、何故行かなければならないのか。そこでその青年の人生は終わってしまうかもしれない。たったの20年そこそこしかまだ生きていないのに。一体、誰のために戦争に行くの?誰のために死にいくの?その彼が生きていれば、どれだけ素晴らしい人生を送り、社会に貢献できたのかもわからないのに。
そんな時代を繰り返してはならない。繰り返そうと言う一部の人間は、絶対に自分は犠牲にならないように立ち回る。繰り返すことによっての利益を虎視眈々と狙っている連中の思い通りには絶対させない!!