「年金引き下げの取りやめを求める意見書を国に提出する請願」について賛成討論
日本共産党の猪股嘉直です。議長の許可を頂きましたので、議請第1号「年金引き下げの取りやめを求める意見書を国に提出する請願」について、紹介議員を代表して、本請願に賛成の立場から討論を行います。
今回の全日本年金者組合狭山支部からの請願は、年金生活者の止むにやまれぬ想いのこもった請願と考えています。
年金の支給額は物価や賃金に応じて決められることになっています。2014年は物価が2.7%、賃金上昇率は2.3%。これまでなら低い方の賃金伸び率にあわせて改定するため、2.3%が本来の改定率でした。
マクロ経済スライドを導入
しかし、「マクロ経済スライド」を初めて発動することで0.9%、過去の物価下落時に引き下げなかった分を取り戻すとして0.5%をそれぞれ差し引いた結果、0.9%の引き上げにとどまったのです。
それではこの「マクロ経済スライド」とは何か?これは物価や賃金が上がっても、労働力 人口の減少分などを反映した「調整率」を差し引いて支給額を抑える仕組みです。
物価が上がっても年金水準は切り下げるこの「マクロ経済スライド」によって、年金が大幅に目減りします。老齢基礎年金額が基礎的消費支出(必需品的なもの)にすら追いつきません。国民年金法第1条には憲法25条第2項に基づくとあるのに、最低限度の生活を保障することができません。
「社会保障充実のため」も「100年安心年金」もどこへ行った?
文教厚生常任委員会の審査では「制度を持続可能なものにするために必要な措置ではないか」という意見が複数の委員から出されました。
しかしこの間、消費税の創設そして2回の増税が行われてきましたが、その都度「社会保障の充実のため」ということが理由とされてきましたが、結果としてそうなっていないのではないかと思わざるを得ません。
特に昨年4月に5%から8%に増税されましたが、社会保障費の自然増分は減額されています。また、285兆円の内部留保を持っている大法人に2年間で1兆6千億円の減税をする計画です。また、軍事費は毎年増額で新年度は今年度の補正と合わせて5兆円を超える予算となっています。
政府や政権与党が「100年安心、年金」と宣伝してきた現役世代の収入対比50%の年金給付水準は受給開始後低下して割り込み、基礎年金は3割まで減っていくことになります。
高齢者の6割は年金だけで暮らされている現状を見るとき、狭山市議会としても市民の暮らしを守るために、年金の引き下げを取りやめるように国に意見書を提出するのは、時宜にかなったことと考えます。本請願を採択すべきとの立場から賛成の討論とします。