ハラスメント対策というが…「任期付き職員」運用に懸念も
狭山市議会12月定例会に、新規条例として「一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例」が提案されています。
狭山市の職員制度は大きく分けて「正規職員」と「会計年度任用職員」がありますが、ここに新たに「任期付きの正規職員」という制度が作られることになります。
根拠法は2002年に制定され、全国の自治体で危機管理や徴税業務などに県職員、警察官、自衛隊のOB等を採用している例があるようです。
根本的な解決になるのか?
2日に行われた本会議では「想定される職種と採用人数」についての質疑が出され、担当部長は「例えば、近年社会問題となっているカスタマーハラスメント対策の一環として、トラブル対応に関する豊富な知識と経験を有する人材の任用を検討している。人数は1〜2名程度」と述べました。
カスタマーハラスメント(顧客からの暴言や不当な要求など)は確かに社会問題となっていますが、自治体の窓口における対応は単純ではありません。
そもそも住民は、共に市政を担う「主権者」であり、単なる「顧客」ではありません。暴力や不当な要求があってはなりませんが、仮に警察官OB等による取り締まりなどをイメージしているのであれば、根本的解決にはならないと考えます。
不安定雇用を生み出す危険性
条例では特に専門性を必要とする職種(特定任期付職員)として弁護士や医師などを想定し、最大で月額72万円もの賃金を支払う内容となっています。
しかし、期間限定の業務や専門的アドバイスについては、これまでも弁護士事務所等との委託契約をはじめ、アドバイザリー契約や非常勤特別職として契約するなどの対応を行っており、高度な専門職をわざわざ正規職員として採用する必要があるのかは疑問です。
また、有期雇用の形態としてはすでに「会計年度任用職員」という制度があります。
日本共産党の大沢えみ子議員は「これまでの制度とどう違うのか」と質問。担当部長は「特定の分野における専門的知識を活用して正規職員と同じ立場で業務にあたることから、業務の性質や任期の点で位置づけが異なる」と説明しましたが、正規職員と同等の仕事をしているのに有期雇用なのは問題です。
条例には、その他の専門職(特定業務等従事任期付職員)を想定した給与体系も規定されており、全国では保健師や図書館司書などがこの制度によって採用されている例もあります。
大沢議員は「この制度が乱用されれば、『正規職員だが期間が来れば終わり』という不安定雇用を生み出す危険性がある。どれくらいの任期を想定しているのか」と質し、担当部長は「業務の性質によって違うが、2〜3年程度、最大で5年まで延長している例がある」と答えました。