T4練習機 墜落事故を受けて 原因究明と飛行中止を申し入
申し入れを行う塩川議員(左)と党議員団
航空自衛隊所属のT4練習機の墜落事故を受け、入間基地に隣接する自治体の党議員らが5月28日、塩川てつや衆議院議員と共に防衛省ヒアリングを行い原因究明とT4の飛行中止を求める要望書を手渡しました。
狭山市からは平和委員会の猪股嘉直氏と党市議団の大沢えみ子議員、はしもと亜矢議員が参加しました。
塩川議員は冒頭に「今回の事故で亡くなられたパイロットとご家族にお悔やみを申し上げる。入間基地では同型のブルーインパルスが展示飛行を行っており、近隣住民から不安の声が出ている。状況を確認したい」と述べ防衛省に説明を求めました。
飛行再開は未定
今回の飛行は、F15戦闘機の定期修理に伴い、機体を県営名古屋飛行場に搬入した後、宮浮フ新田原基地まで帰投するための要務飛行としてT4練習機が随行していたもので、帰投のため名古屋飛行場を離陸した直後にレーダーから消失しました。
その後、愛知県犬山市の農業用入鹿池に墜落したとして、搭乗員2名の死亡が発表され、現在も機体の引き上げ等について地元との協議が行われています。
今回の機体にはフライトレコーダーが設置されていなかった事も明らかになり、原因究明は難航することが予測されています。
参加者らは「原因が明らかになるまでは飛行を中止すべき」と申し入れ、防衛省側は「現在(5月28日)飛行は中止し、安全点検を行っている。再開の有無や時期は未定」と回答しました。
航空祭での展示飛行は中止を
自衛隊機による墜落・不時着事故は毎年のように起こっています。T4練習機はブルーインパルスを含めて約200機が運用されており、入間基地にも約10機が配備されています。
塩川議員が「入間基地の周辺でトラブルが起きた場合、退避場所はあるのか」と質したところ、「基本的には一番近い基地に緊急着陸することになる。間に合わない場合は機長が判断する」とのことで、具体的な場所や基準等については示されませんでした。
大沢議員は「安全点検やパイロットへの訓練で回避できることもあると思うが、バードストライクなどをはじめ、予測できない突発的なトラブルは起こりうる。入間基地は四方を住宅街に囲まれており、緊急時に住宅街に被害が出る可能性は大きい。狭山で99年に起きた事故では基地にたどり着かず河川敷に墜落。今回の事故でもパイロットはできるだけ被害の少ない場所にと、ため池(入鹿池)に機体を誘導した可能性が高い。安全に待避できる場所がないところでの飛行はパイロットの命も危険になる。任務飛行や訓練が必要なのは理解するが、少なくとも住宅街上空での展示飛行は必要ない。入間基地では毎年11月に航空祭が行われているが、T4ブルーインパルスの展示飛行は中止してほしい」と要望しました。