学校給食費無償化に関する学習会 西東京市民の会の運動について
2月2日に、学校給食費無償化を求める狭山市民の会主催で、学習会が開催されました。「西東京市民の会の運動に学ぶ」と題し、西東京市から平野(坂井)希さんを招いて、給食費無償化の運動の経験を話していただきました。
開会にあたり、代表の秋山淳子氏は「学校給食の問題は、命にかかわる問題。1人の命は限られているが、それは続いていくもの。多くの人に訴えたい」と語りました。
きっかけは市議選
2022年に行われた西東京市議選挙では、【給食費無償化】を公約に掲げた候補者が多く存在しました。
平野さんは、同じ考えの議員が増えると感じて、2023年5月に準備会を発足。その後、保育園児の保護者が代表を引き受けてくれ「市民の会」が発足しましたが、市民運動や代表など初めてのこと。
平野さんは「市民運動が盛んな西東京市で、長年地道に活動してきたベテラン世代が共に活動してくれたことが心強かった」と語りました。
給食無償化は人権を守ること
様々な世代が集まり、活発な議論の末にまとまった『給食費の心配なく、栄養のバランスのとれた給食をみんなで食べられることで、どんなにか子どもたちの心が満たされることでしょう』という署名の文面に全てのメンバーの思いを込め、2023年7月から署名を開始しました。
「市民の会」では、署名と合わせて学習会も開催。千葉工業大学准教授の福嶋尚子先生を招いた学習会では、「給食を含む公教育の無償化は【目的】ではなく、子どもの権利を保障するための【手段】。生存権や学ぶ権利を保障されて育った子どもは、大人になったら必ず全ての人の権利が保障される社会をつくる人となる」という話を聞き、「給食の無償化は、全ての人の尊厳や権利を守るための運動だと学ぶことが出来た」と語りました。
この学習会には、党派を超えた西東京市議会議員が9名参加し、運動の広がりを見せたそうです。
「運動で勝ち取る」大切さ
その年の10月には5千筆を超える署名を提出、翌年2月には7千筆を超えた署名を提出しました。市はその日に4月からの給食費無償化を公表しました。
平野さんは運動を振り返り、「西東京の運動での特徴というならば、世代を超えた共同ができ、互いの世代の良い面を尊重し合えたこと。そのことで運動が盛り上がった。市長や与党への『お願い』ではなく、『運動で勝ち取ること』にこだわり、市議会でも全会派への働きかけを徹底した。そのことで『自分たちが運動の主人公』と実感することができた」と語りました。
狭山市でもぜひ実現を!
学習会の後半では、これまで狭山市内で取り組まれた署名の現状や、これからの予定などが発表されました。
その後、参加者がグループに分かれて意見交換を行い、「若い世代に運動に参加してもらうにはどうしたら良いか」「まともな食事がとれない子どもが狭山にもいる。貧困対策だけでなく、誰もが安心して給食を食べられるようにしたい」など、活発な意見が出されました。
参加者らは「近隣市でも無償化が進んでいる。今日の学習会を力に、狭山市でもぜひ実現させたい」と話っていました。