はしもと亜矢議員の一般質問 戦後80年を迎える次年度の狭山市の平和事業について
日本共産党のはしもと亜矢議員は、12月議会の一般質問で狭山市の平和事業について取り上げました。
中学生の広島派遣 再開を
狭山市は1996年から2015年まで、8月に行われる広島市平和祈念式典へ、市内の中学生の派遣事業を行っていましたが、現在は中止されています。
はしもと議員は、2022年から中学生の広島派遣を始めた東京都杉並区の取り組みを示し再開の考えを問いましたが、「8月の酷暑の中での式典参加などで体調を崩す生徒もおり、負担が大きかったこと、宿泊施設の確保が困難な事により再開の考えは無い」との答弁でした。
来年は第二次世界大戦に敗戦し、80年となります。はしもと議員は「節目となる年に、新たな事業として、飯能市や日高市がここ数年の間に始めた小学生児童の広島派遣や、他の自治体の様に、『親子』を対象とした事業を行う考えは」と重ねて質問しましたが、同様の内容の答弁が返ってくるに留まりました。
市内の戦争の記録や記憶
続いてはしもと議員は「1945年5月25日に、市内笹井は空襲の被害にあった。このように、身近な戦争に関する記録を後世に残す取り組みはあるのか」と質しました。
担当部長は、「市内における戦時中の市民の生活、空襲や戦災の状況、戦後の混乱と復興については、狭山市史に記録するほか、戦争を体験された市民の証言映像を語り部の記録として残している。また、平和記念講演会を開催し、戦争の記憶を次の世代へ伝承する取り組みを行っている」と答えました。これに対し、「戦争を体験した市民の証言映像については、小中学校での平和学習に活用ということだが、一般にも貸出する考えは」と聞くと「今後は一般の方への貸出し等、より幅広い活用についても検討していく」とのこと。
更に、はしもと議員は「笹井空襲をはじめとした市内の戦災状況等の記録や記憶を本市における貴重な財産として活用していると答弁にあったが、笹井の白髭神社は、空襲による焼け跡が残っている場所もあり、市内にはかつて防空壕があった場所もある。それらをまとめて紹介するようなパンフレットはあるのか」と質しましたが、「パンフレット等でまとめた資料は無い」との答弁。
はしもと議員は、「笹井の空襲をはじめ、市内には先の戦争による被害を学べる資料が存在する。しかし、現在はそれらが点在し、まとめて見ることが出来ない。戦争を知っている人が少なくなっている今こそ、市の貴重な財産として、これらの資料をまとめて記録に残すことを強く要望する。ノーベル平和賞を、日本原水爆被害者団体公議会(被団協)が受賞したが、世界がまた再び核兵器の使用が行われるのではという恐怖を感じていることも受賞の理由の一つと言う。核兵器をこの世界に残してはいけないと伝える被爆者の思いや勇気から、また歴史から、私たちは過ちを繰り返さないように学ぶことが大切」と質問を締めくくりました。