サピオ稲荷山に関する請願 不採択となるも 10対11の僅差
狭山市議会第3回定例会は、9月30日に閉会しました。
閉会日には議案の採決が行われ、市民の関心が高い「『ふれあい健康センターPFI(RO方式)事業の基本構想草案』を見直し、プール及びトレーニングルーム等の存続を求める請願」の採決も行われました。
採決に先立ち、新政みらいの内藤光雄議員、公明党の広山清志議員が反対討論、日本共産党の大沢えみ子議員が賛成討論を行いました。
サピオは宝 公の役割り大きく
賛成討論で、大沢議員は「この請願は、サピオ稲荷山の機能を残してほしいという市民からの真摯で率直な願い。現時点でもサピオ稲荷山が前世代型の交流施設として、多くの方に愛されている事が理解できた。一方で市側の示すプール等の存続は難しい≠ニ示す根拠が薄いと考える。受益者負担の捉え方が非常にあいまいで、修繕の費用負担が出来ない理由も明確ではない。請願者のサピオは市の宝であり、孫の代にもつないでいきたい≠ニ発言があった。大人から子ども、障害者も低廉な料金で水に親しみ、運動が出来る施設は近隣にはない。公の施設として大きな役割を担うと考える」と訴えました。
金子議員による緊急質問
採決の直前、創造の金子広和議員より緊急質問が出されました。金子議員は「請願の取り扱いに関し、市長が個別で議員に接触し、何らかの働きかけがあったのではないか。あったとしたらそれは議会の独立性への介入であり越権行為である。請願という市民が市政に対し、意見や要望を議会に提出できる制度の根幹を揺るがす行為である」とし、議員との接触について質しました。
市長は「あくまで議員へ議案内容の理解のための説明を行い、意見交換したのみで、法令違反には当たらない」と主張しました。
金子議員は「各議員と市長との接触について調査を」とする議事進行の発言を行い、休憩後、議長から調査結果として「2名の議員との接触があった」ことが報告されました。
市民の理解があるとは言い難い
議会は午後8時20分に再開し、採決が行われました。
サピオ稲荷山の請願に関しては、採決の結果、賛成10・反対11で不採択となりました(各議員の態度は上記囲み参照)。
日本共産党市議団は、「不採択とはいえ、賛否がここまで拮抗しており、プール等の廃止について市民からの理解が得られているとは言い難い。現行のサピオ稲荷山の機能を残す方法は議論尽くされていない。市民の声に耳を傾けるよう今後も市へ働きかける」と語りました。