原水爆禁止2024年世界大会開催 原爆投下から79年目の今年は広島会場
8月4日、全国の団体や学生、また世界の平和運動団体の代表が参加する「原水爆禁止2024年世界大会」開会総会が開かれました。
各国政府の代表の言葉
オーストリアのアレクサンダー・クメント大使は、「今、軍縮とは反対の方向へ向かっている。だからこそ、多くの人が対話するべき。核抑止は脆弱で不確実な安全対策で成功するか分からないが、失敗することは予想できる。核兵器禁止条約は重要。人々の議論と、市民の動きだけが止める力である」と励ましました。
駐日インドネシア大使館の、マリア・レナタ・フタガルン副大使は「この会場に人が集まっているのは、あの(原爆投下)からの復興の象徴でもある。核軍縮はインドネシアの大きな課題の一つ。批准していない全ての国へ参加を呼び掛ける」と力強く訴えました。
平和団体からの発言
アメリカの平和・軍縮・共通安全保障キャンペーンのジョセフ・ガーソン議長は「新たな冷戦と暑い戦争の中、人類は極めて危険な状態。日本も憲法を投げ捨てようとしている。それでも、市民の中に別の動きも見られる。希望とは、投票所で、学校で、職場で身近な場所で私たちの手で作り出すもの」と語りました。
韓国からは、オム・ミギョン全国民主労働組合総連盟副委員長が参加。「地獄のような苦しみの中で被爆者は生きてきた。第二次世界大戦の戦争責任を背負い反省をしないといけないのに、安倍政権下、岸田政権下で自衛隊の役割が大きくなっている。朝鮮半島ではまだ戦争は続いている。南北の対立を高めている現政権に韓国国民の怒りが向いた」と報告しました。
ロシアのフィンランド湾南岸公共評議会のオレグ・ボドロフ議長は「原発が破壊された場合、核兵器を使用した場合より影響が長期期間に渡るかもしれない。チェルノブイリ周辺は復興できていない。地球のどこで戦争をやっても、多くの原子力発電所があるから勝てる国はない。ウクライナ人・ロシア人・パレスチナ人・イスラエル人の殺人をやめよ!」と、原発の危険性と現在行われている争いに反対の声を上げました。
閉会日の様子
8月6日、広島に原子爆弾が落とされた日から79年目のこの日に、閉会総会が開かれました。
東京の岸本聡子杉並区長は「日本が核兵器禁止条約に背を向けているのは残念。緊迫した世界情勢だが、今世界の小さな国々が手を取り合って核保有国を核兵器禁止条約を発効させている。大国ではなく、為政者でもなく、世の中を動かすのは市民。地域に戻り、世界市民の一人として奮闘しましょう」と連帯の挨拶を行いました。
また「日本を戦争で金儲けをする国にしてはいけない。日本のブランドは戦争放棄だ」と元グーグル日本法人代表取締役社長の辻野浩一郎さんは訴えました。
会場の発言は、共通して今核兵器使用の危険性が高まっている事、核抑止論は根拠が破綻している事、唯一の被爆国である日本の核兵器禁止条約参加を訴えていました。
また、「核兵器は絶対悪。世界から廃絶しなければ」「2度と原爆被害を出してはいけない」と被爆者の声もありました。
最後に、高校生の参加者からは「私たち一人一人が平和を作る主役です」「沖縄に基地も核兵器もいらない!」と希望ある訴えが行われました。