デマンドバスに「市役所」追加
7月26日に、今年度二回目の狭山市地域公共交通活性化協議会が行われました。今回の協議会では、堀兼地区デマンドバス実証運行計画の見直し案、地域公共交通計画等が話し合われました。
狭山市では、昨年10月から堀兼地区デマンドバスを実験的に運行しています。
運行開始以来、チラシの配布や、地域イベントでPR活動を行うほか、地域の協力店と連携してプレゼント企画を行うなどして、利用の促進を図ってきました。
しかし、登録者数・利用者数の増加は見られるものの、伸び悩みが見えています。
利用者からは様々な要望が寄せられており、ほりかねデマンド・ラボでは、今年6月に地域でアンケート調査を行いました。
今回の協議会では、その結果をもとに、運行計画の見直し案が提案されました。
運行エリアに「市役所」を追加
協議会に提案された見直し案は、@運行エリアに「狭山市役所」を追加、利用料金1人1回500円(未就学児は無料)、A運行時間を「午前8時から午後4時まで」から「午前8時から午後6時まで」に延長すること、の2点で、協議会の委員によって承認されました。
狭山市の将来を見据えて
協議会では、地域公共交通計画(現況編)についても協議されました。
狭山市の人口は22年後には11万人ほどになると予想され、高齢化も深刻になります。
通勤・通学のための移動は、市内はもちろん、市外・周辺市町・東京都内への移動も見られますが、比較すると周辺市町から狭山市への移動のほうが多い傾向が見られます。
また、1世帯当たりの自家用車保有台数が減少傾向にあること、鉄道・路線バス・市内循環バスの利用者数は、新型コロナウイルス感染拡大期に一時的に落ち込んだものの近年回復傾向にあるとのこと。
これらの報告の後、協議会参加者からの意見が出されました。 委員からは、「自家用車の所有に関しては、地域差があるのでより詳しい分析が必要」「デマンドバスは、車いす使用者1人での利用は難しい。地域の中に身体的なハンディがある人が住んでいることに気が付いてほしい」「橋の混雑緩和が必要」などの意見が出されていました。
活性化協議会アドバイザーである福島大学の吉田樹氏は、「デマンドバスの見直しは、必要な時間・場所にきちんと届くのか、市民がどんなサービスがあると幸せになるかを追求することが必要。地域によって必要な手立ては違うので、地域内で分権・分業も視野に入れて計画をきちんと立てる必要がある」と指摘しました。