ふれあい健康センター サピオ稲荷山「公の施設として存続」決定!!
多くの方が利用するサピオ稲荷山
2月12日に開催された狭山市議会文教厚生委員会協議会に、「ふれあい健康センター(以下「サピオ」)の今後のあり方について」が報告されました。
その中で、サピオについては「公の施設として存続させ、施設の改修と管理運営については、PFI事業(RO方式)の導入を検討する」との方針が出されました。
これまで「民営化」を目指し、「公の施設としては廃止する」としてきた方針を大きく転換した形であり、存続を求める粘り強い市民運動が実を結んだ形となりました。
民営化に応じる事業者「なし」
市はこの間、「民営化」に向けて、マーケットサウンディング調査を実施し、今年度は、より詳細な意向調査を17の事業者に実施しました。
しかし、譲渡については「土地を含めた保有はビジネスモデルの対象外」「将来的な土地利用の可能性が不透明である」「資産価値を見出せない」といった意見が大勢を占め、16事業者が「応じる可能性はない」と回答。また、貸与についても「利用料金制と会員制が必須条件」「公共的な制約が完全に無いこと」などが条件となるなど、市が求める基準では「民営化に応じる業者はない」という結果に至りました。
「健康増進機能の維持」を尊重
こうした結果を受け、市は「利用者や収支の状況などから、行政サービスとしての必要性が低いと判断し、民営化に取り組んだものであるが、これを見送るとした場合には、サピオの廃止について再び検討する必要が生じることも考えられる。しかし、健康増進機能の維持を前提として民営化するとの方針に至った経緯からすると、サピオは、公の施設として存続させ、当初想定していた民営化に近い形で管理運営することを優先すべきであると考えられる」との方針を打ち出したものです。
サピオについては「存続を求める会」から、これまでに1万筆を超える存続署名が提出されています。当初の計画通りなら、「廃止」としてもおかしくなかったサピオを「存続」にまで方針転換させたのはまぎれもなく粘り強い運動による市民の声です。
新たな課題も
一方で、施設の改修は課題として残っているとして、市は新たに「PFI事業(RO方式)の導入」を行うことを方針に盛り込みました。
PFI事業(RO方式)とは、施設の改修(リハビリテーション)と運営(オペレーション)を民間事業者に資金調達も含めて実施させる方式です。
既存の施設の改修になるため、責任の範囲やその後の管理についての検証が必要となりますが、具体的には来年度以降の調査となるため、現時点で詳細は不明です。
また、市は「現在の利用料金については、PFI事業(RO方式)の導入に併せて、民間事業者からの提案も参考にして見直しを行い、採算性の向上を図る必要がある」としており、今後、利用料金が値上げになる見込みです。
利用者からは「一定の料金値上げはやむを得ない」との声も寄せられていますが、大幅値上げになれば、高齢者や学生などが利用できなくなる恐れもあります。
報告を受けた日本共産党の大沢えみ子議員は「まずは公の施設としての存続となったことを高く評価し、市民のみなさんと喜びたい。しかし、RO方式はまだ不明な点も多く、本当に市民の皆さんが今まで通りサピオを利用していけるかは未知数の部分がある。引き続き、市の動きを注視していきたい」と語りました。