狭山市議会・基地対策特別委員会協議会で報告
入間基地内から有害物質混入ドラム缶等125本
ドラム缶を一回り大きな缶に収容した図。
<北関東防衛局の資料を撮影>
1月17日に開催された狭山市議会基地対策特別委員会協議会で、昨年12月13日に防衛省北関東防衛局が発表した「入間基地災害対処拠点施設等の整備に関するお知らせ」についての報告がありました。
この報告は市議会基地対策特別委員会の12月開催が困難な状態であったところから、昨年のうちに資料だけは各委員に配布され、報告の場が今回になったものです。
発見5月も、報告は7ヶ月後
報告の内容は2018年(昨年)5月から航空自衛隊入間基地(入間市東町旧留保地)で、災害対処拠点及び自衛隊病院建設に係る造成工事を実施していたところ、伐木・伐採作業中に敷地内から廃棄物=ドラム缶=を発見したとのこと。
発見された廃棄物は200gのドラム缶125本、そのうち21本は空で、残りの104本には廃油と思われる物質が残存しているました。
ベンゼンとPCBが13缶
発見された廃棄物104本の内容物の成分分析試験は、埼玉県とも調整し「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の施工規則に基づき行なわれたとのこと。 結果はベンゼンで6缶、塩化ビフェニル(PCB)で8缶(1缶に両方混入あり)が基準値を超えているとのことで、それぞれ、埼玉県とも相談し、関係法令に基づき処分するとの内容でした。
協議会では「ドラム缶は米軍と自衛隊のどちらが廃棄したのか」との質疑がありましたが、担当課は「不明です」との答弁で、それ以上の答えはありませんでした。
日本共産党の猪股嘉直議員は「関係法令に基づき適正に処分するとは具体的にはどのように処分するのか」と質しました。
執行部からは「廃棄物は『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』と『PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法』等に基づき処分する」との答弁がありました。
ドラム缶の現在の状況は…
ドラム缶の現在の保存状況は、缶から内容物が漏れ出すことのないように、缶を一回り大きな缶に入れ全体をシートで覆い、現場で保存しています。
今後、ドラム缶は処分場で処分するとのこと。また、缶が発見された場所についても土壌汚染対策関係法令に基づき、調査を行ない、結果を公表するとしています。
塩川議員、当該地の全容調査と責任の所在の公表を要請
なお、日本共産党の塩川鉄也衆院議員はこの情報がもたらされた後の昨年12月21日に防衛相の担当者に、状況の説明をさせました。
その際、発見から7ヶ月後の発表であったこと、17年5月に報告のあった土壌調査が、28f全域の調査ではなく、広範囲が未調査のままであることが明らかになりました。
塩川議員は全ての範囲を調査すること、発見した容器の漏れや劣化状況、PCB等は誰が置いたのか等の調査を行い、公表することを要請しました。