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モノが言えない社会を作らせない!「共謀罪」許さない闘いを!
 安倍政権が今国会での成立を目指している「テロ等準備罪」法案。様々な理由をつけていますが、その中身は、犯罪行為がなくても意思の段階で犯罪とする、まさしく「共謀罪」です。
 神戸学院大学法学部教授の内田博文氏は、現代の治安維持法と例えられる「共謀罪」の問題点について、しんぶん赤旗の取材に応え、「政府は、『組織的犯罪集団だけが対象だ』と言うが、何の限定にもならない。刑法の犯罪は、(1)人の行為が(2)明記された構成要件に該当し(3)有害な結果が発生し、(4)当人に責任がある時、に成立するのが基本原則だが、共謀罪や治安維持法は、行為も結果もないものを処罰する。客観的な犯罪ではなくて、取り締まり当局が犯罪だと思ったものが犯罪になる」と指摘しています。

 普通の人に拡大適用も

 治安維持法の制定時も、政府が帝国議会で同じような説明をしています。しかし、現実には自由主義者や反戦主義者、新興宗教関係者へと対象を広げ、「普通の人たちの普段の生活」が取り締まられました。
 内田氏は「裁判所がチェック機能を果たさないのもポイント。当時も政府は『裁判所が厳格に適用して乱用を防ぐ』と言っていたが、沖縄問題を見れば政府言いなりの判決ばかり。共謀罪の厳格な適用を担えるか難しい。共謀罪は『テロリストが対象』と宣伝されている。多くの人が『私とは関係ない』と勝手に誤解しているが、『皆さん自身も対象になるんですよ』ということを理解してもらう必要がある」と述べています。

 刑事手続きとしても問題

 「共謀罪」は自白で立証することになるので、自白調書さえ取れれば有罪にできます。捜査機関による長期間の身柄拘束もあり得ます。
 内田氏は「新自由主義の政策で『自助・共助』として福祉が後退し、代わって『安心安全社会』の名で、刑罰が前面に出てくる。福祉でなく刑罰で国民をコントロールする『刑罰国家』化になる」と警鐘を鳴らします。

 国民が持つ武器は憲法

 戦前と同じ破滅に向かわないためにどうしたら良いのか?
 戦前と違うのは、私たちが「憲法」という武器を持っているということです。日本国憲法の下、反対する権利が保障され、デモや集会を開いたり、本を出したり投書することができます。 内田氏は「私たちはそういった武器をもっと十分に活用する必要がある。戦前の反省に基づいて、憲法が私たちに保障した武器ですから」と述べています。
 今、全国で「共謀罪を許すな」の闘いが広がっています。自分の出来ることから、ぜひ声を挙げていきましょう。

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