大沢議員の一般質問 高齢者の日常の足の確保を
日本共産党の大沢えみ子議員は、6月議会の一般質問で、市民から切実な声が寄せられている「交通政策」について取り上げました。
気軽に乗れる足の確保は急務
狭山市における2014年10月1日時点の高齢化率は26・7%で、急激な高齢化が進む地域の一つとなっています。
大沢議員は「高齢者支援の観点から、狭山市の交通政策における課題をどう捉えているか?急激な高齢化を迎える狭山市において、買い物、通院、社会参加など、高齢者の日常生活の支援には、気軽に乗れる足の確保が急務ではないか」として、市の方向性を質しました。
シルバーパスの実施へ
高齢者の外出支援の具体的な方法として、大沢議員は、東京都などで実施しているような「シルバーパス」(一定金額で乗り放題)の実施について、市として具体的に検討を始めるよう提案しました。
西武バスではこの4月から「1ヶ月1万円で、西武バス管内の全線乗り放題」というサービスを新たに始めています。大沢議員は「この機会に具体的な交渉を」と質し、担当部長は「本年度中に、ダイア4市でアンケートを実施する予定であり、それをふまえて検討していきたい」との答弁を行いました。
高齢者への外出支援については、県や国でも取り組みが始まっています。
埼玉県では、「出歩きやすいまちづくり〜バスでつなぐ・人がつながる〜」事業と題して、バス停近くの公共施設をはじめ、コンビニ、商店の軒先など、休憩スペースを貸してもらえる事業者に「バス待ちスポット」というパネル(左上参照)を表示してもらい、高齢者などに休憩所として利用してもらう仕組みを作っています。
大沢議員は「こうした取り組みを狭山市でも早急に実施できないか」と質問。担当部長も「当市でも普及啓発に向けて検討してきたい」と答えました。
ベンチ付きの道路備品の整備を
ベンチタイプのツリーサークルの一例
このほか大沢議員は、高齢者など、長時間歩くのが困難な方が途中で休憩できる場所を作るため、ベンチ機能を持ったストリートファニチャー(道路備品)を積極的に取り入れることを提案しました。
花壇など緑地の一部を後退させて人が座れるようにすることや、ベンチ機能を持った車止めやツリーサークルなど、基本的には別の目的で道路に設置されるものですが、デザインの中に人が座れるような設計が盛り込まれている道路備品が、今、あちこちで注目されています。
大沢議員は「これから道路や公園の整備を行うにあたっては、こうしたベンチ機能付きの道路備品を積極的に取り入れて行くことも必要」と提案。担当部長は「今後の研究課題とさせていただきたい」と述べました。
茶の花号のルートの改善や、デマンドバスなど新たな交通政策の検討など、高齢化率を考えても、高齢者の日常の足の確保は早急な対応が必要です。
大沢議員は、これらの交通政策について、現在検討が行われている「第4次狭山市総合計画」の中に、具体的に位置づけることを要望しました。