広域消防議会が発足 実態に見合った消防力の強化を
今年4月から、埼玉西部消防組合が発足しました。これに合わせ、各市から議員が選出され、広域議会が作られています。 狭山市からは小谷野議員、町田議員、栗原議員が参加し、小谷野議員は議会運営委員長に就任しました。
消防議会では、7月30日に定例会が開催され、補正予算などの審議や、構成市の議員が一般質問を行いました。
日本共産党からは、所沢選出の荒川議員が質問に立ち、広域化後に、消防力がどのように変わったのかを質しました。
数字のマジック
消防行政については、地域住民の命と財産を守る観点から、人口規模に応じた整備指針が定められています。
国や県は「広域化をすれば消防力が充実する」と説明してきました。しかし、これは数字のマジックにすぎません。
整備指針では、人口規模が大きくなるにつれ基準が引き下がる傾向にあり、人口5万人に4台必要だったポンプ車が、30万人になると14台でよい、となっており、例えば5万都市6つが広域化すると10台ものポンプ車が不要とされてしまうのです。 日本共産党はかねてからこの問題を指摘し、「本当の意味での消防力の強化にはならない」として、広域化には反対の立場をとってきました。
実態変わらないのに「充足」
荒川議員が「広域化後の消防力はどのようになったか」と質したところ、職員数で広域化前60〜74%だった職員数は68・1%に、消防ポンプ車では62〜80%だったのが、88・9%と、実態が変わらないのに数字だけが上がるという結果になっている事が明らかになりました。
職員数は、広域化の方針で「従前の予算規模を上回らない」とされているため、新たな増員計画はありません。一方、はしご車や化学車は基準を超えるため、「削減する」との方針が打ち出されています。これでは消防力の強化どころか後退になりかねません。
消防組合では、今後、財政計画と整備計画を発表するとしています。荒川議員は「市民の安全確保に不安がある。計画を見直して、実態に見合った整備を」と要望しました。
広域化後の消防力の変化
【職員数】
所沢 64・6%
狭山 67・6%
入間 60・5% →広域化後68・1%に
西部 74・8%
【消防ポンプ車】
所沢 64・7%
狭山 80・0%
入間 62・5% →広域化後88・9%に
西部 80・0%
【はしご車】
所沢・狭山・西部100%
入間 66・7% →広域化後160%になるため削減
【化学車】
所沢・狭山・入間・西部100% →広域化後150%になるため削減