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質問・発言

●2026年第2回定例会 議案質疑 2026.6.8

 日本共産党の江尻加那です。第82号議案 外国人の不法就労活動の防止に関する条例について質疑します。
 在留資格がない等によって起こる「不法就労」をなくすにはどうすればいいか。知事は差別や相互監視を助長するものではないと言いますが、外国人への嫌悪や「不法就労=犯罪者」という一面的なレッテル貼りを広げないと言えるのか。すでに国連総会決議で人道的立場から、「不法」という表現を公的文書で使用しないことを各国に要請されているのに、日本の入管法が定義しているからと条例の名称にしたり、知事が「優秀な外国人材」との言葉を使って優秀かそうでないかと人を線引きする姿勢も問われます。また、現在、政府が在留資格や経営・管理要件を次々に厳しく狭めている下で、働けば「不法」とされる外国人が増える懸念の一方、都合良く働かせる入管政策や産業政策は何ら是正されていません。
 そこで、本条例の制定が防止や解決の道になるのか。そもそも国の入管法や技能実習生等の制度が「不法就労」を生みだしていると考えますが、その認識と対応について伺います。
 本条例は第5条で「県民の責務」として県の施策に協力することを求め、第8条で県職員の調査に根拠を与えるものとなっています。そこには当然、県民の理解が不可欠であることは言うまでもありません。しかし、条例案のパブリックコメントに474人・617件という異例の多さで反対の意見や懸念が寄せられたのに対し、県は考え方を一方的に示すだけで当事者・関係者との協議や調整を行っていません。また、日本語でしかパブコメにアクセスできなかったことも課題です。そして、人権が守られているか監督する第三者機関の設置について「そんな心配は必要はない」として取り合っていません。
 そこで、なぜ条例がなければ不法就労活動を防止できないのか制定の必要性及び規定する内容の有効性や公平性、住民やNPOとの協働性が発揮できる条例になっているかなどについて、民意が十分に反映されていないと考えますがいかがか。
 また、5月に開始した不法就労通報報奨金制度について、「条例を直接の根拠としていない」と県は説明していますが、ガイドラインや実施要綱だけで行うのはゴミの不法投棄やキョンの通報制度と同じ扱いなのでしょうか。廃棄物でも動物でもなく、人権に関わる施策であり、どんな情報があったか件数さえ一切公表しないとしているのも問題です。県の施策や調査への協力の一つが通報制度であり、条例とは関係ないと言い切る根拠はどこにあるのか。合理的説明になっていないと考えますがいかがか。以上、3点について産業戦略部長に答弁を求めます。

【産業戦略部長 答弁】
 江尻加那議員のご質問にお答えいたします。
 第82号議案の茨城県外国人の不法就労活動の防止に関する条例についてでございます。議員から3点ご質問をいただきました。
 まず、1点目の出入国管理及び難民認定法や技能実習生等の制度が不法就労を生みだしていることへの認識と対応についてでございます。入管法や技能実習生等の制度は国の所管であるため、不法就労との関連性についての県の見解は差し控えさせていただきます。
 一方、不法就労が多い要因について、本県の不法就労者数の約7割を占める農業分野では、機械化しにくい葉物野菜などの季節性のある品目の作付けが多く、繁忙期には集中的に多くの人手や労力を要することなどが挙げられます。こうした中で、不法就労を斡旋するブローカーの存在や、事業者同士の不法就労者の紹介、SNSなどを通じた不法就労者を雇用する事業者情報の流通など、不法就労を助長する一定の環境が整ってしまっていることが考えられます。加えて、不法就労の防止のための対策をより効果があるものにするためには、外国人が職場でのトラブルや賃金未払い、ハラスメントなどを原因として、不法就労につながることがないよう、事業者による適切な雇用管理の徹底を図ることも大変重要であると考えております。
 そのため県では、国と連携しながら、職員が事業者を個別訪問して、入管法や労働関係法等の法令遵守などについて啓発を行うとともに、国に対して、出入国在留管理庁や警察による事業者への立入り権限の付与や取締り強化、事業者への監督指導の徹底などを要望しているところです。
 次に、2点目、民意の反映や、あるいは当事者、関係者との協議・調整についてでございます。本条例は、そもそも違法行為である不法就労活動の防止に向けた県の姿勢を示すとともに、県民や事業者に県施策への協力をお願いするものであり、そこに特定の当事者や関係者と協議・調整する余地はないものと考えております。
 なお、県では、本条例の上程にあたって、事前に市町村への説明、意見交換を行ったほか、県民へのパブリックコメントを実施するなど、広く意見を聴取したところであります。さらに、本定例会において承認いただいた際には、市町村や業界団体とも連携しながら、本条例の周知広報にも力を入れて、県民や事業者の皆様のご理解とご協力を求めてまいります。
 3点目の条例における通報報奨金制度に係る考え方と合理性についてでございます。この制度は、本県の他の事業と同様、議会において審議をいただき、承認をいただいた事業予算に基づき実施するものであります。また、そもそもこの制度は、違法行為である不法就労を助長する事業者に係る通報を受け付けるものであり、外国人の人権侵害にあたる余地がなく、そのような懸念や不安には一切及ばないことを県民に十分に理解いただくために、制度の趣旨や内容について、知事自ら記者発表したほか、県ホームページでも見解を公表するなど丁寧な説明を尽くしたところです。今後も県民や事業者のご理解をいただきながら、制度の適正な運用に努めてまいります。
 県といたしましては、この条例をさらなる契機として、県を挙げて、不法就労の防止に向けた取組を推進し、外国人を含む全ての県民が安心して働き、生活できる、秩序ある共生社会の実現を目指してまいります。


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