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日本共産党の江尻加那です。
提出議案のうち、第123号議案から127号議案の5件について質疑します。
これらの議案はいずれも、県施設の管理運営を委ねる指定管理者を選定することに基づき、県が支払う来年度以降の指定管理料について債務負担するものです。
現在、指定管理者制度を導入している県施設55カ所のうち、今定例会に26施設が提案され、選定が「非公募」は7施設。残り19施設が「公募」の結果、2団体から応募があったのは3施設で、あとは1団体のみ。そして、8施設は民間事業者に、18施設は公的団体が管理者候補に選ばれました。
指定管理者制度が導入された2006年度から、ちょうど20年になりますが、多くの施設を公的団体に委ねていることを見れば、「住民の福祉増進」という公の施設の目的を果たすために公的責任が欠かせないことは明らかです。
一方で、今回、茨城県科学技術振興財団が代表となって管理運営してきたつくば国際会議場について、次期管理者に県外の大手民間会社(株)コンベンションリンケージ(東京本社)が代表のグループ会社が候補になったり、県立聴覚障害者福祉センター「やすらぎ」が現行5年間のうち3年間で収支が赤字になったりと、一つ一つ施設ごとに課題や指定管理料を検証する必要があります。とくに、県施設において住民へのサービス向上より、運営費や人件費のコスト縮減が優先されていないかチェックが必要です。
そこで、以下3点について伺います。
一つは、現行の指定管理料の限度額に対して実際に支出された額の執行状況、及び、現行の指定管理料に比べて次期指定管理料は増えるのか減るのか、その理由についても伺います。
第二に、この間の水光熱費や労務費の上昇に対して、県施設のサービス維持・向上のためには高騰分に見合う指定管理料の増額が必要ですが、現行の指定期間中に上乗せは行われたのか。また、今後も物価高が続くことが予想されており、状況に応じて管理料を増額できる基準を明確にし、対応すべきと考えますがいかがか。
三点目に、公募制による管理者の選定において、県内事業所や団体の選定拡大と育成に対する県の考えを伺います。懸念するのは、コスト削減が目的化され、県外の大手民間会社に指定管理が流れることです。とくに、プロポーザルによる選定については、選定の過程や理由、審査項目ごとの配点や職員配置、及び専門人材の確保など事業計画書についても公表することが必要と考えますがいかがか。
以上の3点について総務部長に伺い、質疑を終わります。
【総務部長答弁】
江尻加那議員のご質問にお答えいたします。
第123号議案ないし第127号議案の令和7年度茨城県一般会計等補正予算についてです。議員から3点ご質問をいただきました。
まず、1点目の現行の指定管理料の執行状況及び次期指定管理料の増減についてです。指定管理者候補は、経費の縮減のみならず、県民の平等利用の確保や、施設機能の最大限の発揮といった基準に照らし、総合的に判断をして、事業者を選定しているものであり、決して経費の節減を目的としているものではございません。
今回の議案は、債務負担行為限度額を設定する23施設についてのものでございますが、これら23施設の、現行指定管理期間中における債務負担行為限度額の実績見込みにつきましては、約98パーセントとなっております。また、次期債務負担行為限度額につきましては、次期指定管理期間が現行期間と同じ18施設について比較をいたしますと、約17パーセントの増となっており、労務費や光熱水費などの上昇分を反映したものとなっております。
次に、2点目、指定管理期間における労務費や光熱水費などの上昇への対応についてです。昨今の労務費や光熱水費などの上昇傾向に適切に対応するため、今年度から、各施設の指定管理に係る基本協定書に、賃金水準や物価などの変動に伴う指定管理料の変更に関する条項、いわゆる「スライド制度」の条項を設け、これらの変動要因を当該年度及び翌年度の指定管理料に適切に反映させることといたしました。「スライド制度」の導入により、経済指標の変動に応じた指定管理料の変更が仕組みとして設けられたことから、より一層、適切かつ安定的な指定管理施設の運営が図られるものと考えております。
3点目の県内企業・団体の選定拡大及び指定管理者候補の選定結果の公表についてです。現在、指定管理者制度を導入している55施設のうち、県内事業者が指定管理者となっている施設は48施設である一方、県外事業者などが指定管理者となっている施設は、文化施設や流域下水道などの7施設であり、近年、同数で推移しております。
指定管理者の公募にあたりましては、公平性や透明性を確保するとともに、幅広く事業者を公募するという制度の趣旨を踏まえ、県の指定管理者制度実施要領において、法令上必要な資格や施設の性格上必要な要件を除き、公募の対象を制限するような要件を付さないこととしております。
また、県外事業者が県内事業者と共同事業体を構成する場合がございますが、その場合、ノウハウが県内事業者に還元され、住民サービスの向上が図られるものと考えております。選定結果につきましては、従来から、制度全般を所管する管財課が、県ホームページ上で、指定管理者候補の事業者名、応募団体数、選定基準、選定理由などを公表しているところでございますが、2024年度からは、これらの内容を各施設所管の常任委員会においても報告し、ご審議をいただいているところでございます。 |