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質問・発言

●2025年10月 茨城県議会第3回定例会 江尻かな議員の最終日討論(要旨)

 日本共産党の江尻加那です。このあと採決される議案及び意見書と請願の計31件のうち10件に反対し、ここでは4件について反対理由を討論します。

 まず、第110号議案・茨城県植物園の整備にかかる工事請負契約の変更についてです。知事肝いりで宿泊や温浴施設を備えた植物園リニューアル工事ですが、来月11月29日のオープンが迫った今になって、汚水処理設備と変電設備、防火水槽をつくるために工事費を3億9千万円余を増額するものです。
 県は議案を審議・可決する前に、「予算の流用」を行って請負会社と仮契約し、工事を始めました。事業を所管する農林水産部林政課にある「森林湖沼環境基金積立金」を流用し、県の財務規則に則って手続きされたとのことです。
 一方、追加の中身は、排水や電気、防火設備など施設に不可欠な基本インフラであり、初期の設計段階から見込むべきものと考えます。それができなかったのは、民間のノウハウを活用するとしてプロポーザル方式を採用し、設計・施工・管理を一括発注した結果です。入札方法の検証が必要です。さらに、工期についても、当初今年4月が完了予定でしたが、11月に延期したとはいえスケジュール自体に無理が高じたのではないかと考えます。
 民間主導で設計・施工が行われ、今後20年間の管理運営もリゾート運営会社主体の特別目的会社に委ねられます。以上の点も踏まえ、県植物園整備の工事請負契約の変更に反対いたします。

 次に、第96号議案・令和7年度茨城県一般会計補正予算(第3号)のうち、全額国庫補助で行われる医療施設経営強化緊急支援事業による病床削減を迫る支援金の補正予算には賛同できません。 国は、多くの医療機関に赤字を押し付け、現場は必要な医師や看護師等を確保できず、経営が深刻化しています。緊急支援というなら、病床削減に関わらず財政支援が求められます。
 なお、県の施策による医療機関の赤字補てん支援金は、対象範囲があまりに狭く、日立総合病院と西南医療センターの2カ所にしか補助されません。他にも多くの病院が赤字であり、公平性からみれば対象を広げるべきです。

 次に、議員提案による「防災・減災、国土強靭化対策の更なる推進を求める意見書」について、国への要望6項目のうち、1項目めの内容に賛同できません。
 本年6月に閣議決定された「第1次国土強靭化実施中期計画」を前提にしていますが、その根拠である国土強靭化基本法は、事前防災や首都機能の維持などを口実に、リニア中央新幹線等の高速交通ネットワークで東京・名古屋・大阪の三大都市圏を結ぶ「日本中央回廊」の形成を新規に追加するなど、大型開発事業が優先されています。
 「中期計画」でも「陸海空の交通ネットワークの連携強化」といった従来型事業に予算が振り向けられかねません。計画は5年間で20兆円程度の事業規模とされていますが、国民のためのきめ細かい対策や、市町村が求める身近なインフラ整備補助金の増額等は、国の根幹をなすものとして通常予算に組み込むべきであり、今後も別枠予算に頼ることは適切ではないと考えます。

 最後に、請願7年第1号・所得税法第56条廃止を求める意見書採択に関する請願を、不採択とすることに反対します。
 女性の地位向上や所得と税の公平性を求める改正を一向に進めようとしない日本政府の象徴とも言える、世界から遅れた税法の規定が残されています。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国など、多くの国が家族経営における自家労賃を経費として認めています。
 商工団体連合会婦人部等から繰り返し議会に請願が出され、否決されても学習や議員との懇談を重ね、内容を精査し、毎年署名活動を継続しています。
 全国では11県を含む579自治体議会で採択され、全体の3割を超えました。県内でもつくば市など6つの市・町議会で可決しており、茨城県議会が採択すれば大きな弾みとなります。議員各位の賛同を求めて討論を終わります。


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