2003年10月 第192号 2003年9月議会報告特集


米軍水道施設返還させ
水源史跡公園として活用を
 座間市はキャンプ座間の米軍水道施設の地元への返還を求めていますが、進展していません。米軍は二年前から県水を導入し、水道施設は半ば遊休化しています。返還を求めている水道施設は、貯水施設と送水管施設などで面積は合計で約二万四千m2です。党は全面返還の早期実現を強く求めるとともに、返還交渉打開のため、栗原中学校東側で芹沢公園に近接している第二、第三水源地(一万一千四百m2)の返還を手始めとして求めるよう提言しました。その内容は、芹沢公園に近接しているので公園用地として返還を求め、市の歴史的文化的な水源史跡公園とし活用するというものです。この水源は一九三七年陸軍士官学校開校当時、陸軍の水源として設置されたものを戦後、米軍が接収し、使い続けてきたものです。また、座間市が水道事業を開始して、〇五年で五十周年になります。一九五五年当時座間町が、水道事業を開始するに当って、この水源をお手本として芹沢に水源を開設した歴史的事実があります。座間の昭和の一時期を語る歴史的重要文化財だと言えるものです。これを市の歴史的文化的水源史跡公園として活用するということであれば、返還を求める利用計画として説得力をもち、返還手続き的にも政府の米軍基地返還方針にも合致し、行き詰まっている返還交渉を打開することにもなります。水源が返還されれば、災害時などの非常用水源としても活用できます。
 そのためには、井戸を枯死させないために毎日必要最小限の水を汲み上げる必要があり、また、それを芹沢公園の「水せせらぎコーナー」の水として利用することも可能です。
 これに対して市長は「あらゆる段階、機会をとらえ、米軍や国に話をしていきたい」と答弁しています。党は七一年の自衛隊共同使用当時の「覚書」に返還を約束させるなど以前から積極的に返還を求めてきています。

宮ヶ瀬ダム受水費
市水道料金を圧迫
 座間市の水道水は、「夏は冷たく、冬は暖かくておいしい」と喜ばれています。これは地下水(自己水源)が約八五%、ダムの水(県水)が約十五%と、地下水の割合が高いからです。昨年度は一日平均配水量が四万一千百m3で、内訳は地下水が三万四千九百m3、ダムの水が六千二百m3です。この〇二年度水道会計決算が九月議会で審議されました。
 審議で明らかになった問題は、〇一年度から宮ヶ瀬ダムの県水を導入していますが、その受水費が市の水道料金を圧迫していることです。水道決算は結果的には約一億二千万余円の純利益を計上していますが、市民に給水している給水原価が一m3当たり百二十六円七十四銭なのに供給単価百十九円六十六銭と、七円八銭の赤字、コスト割れになっていることです。これは使用水量だけでなく、使ってもいない基本水量として一万三千五百m3分の受水費が三億五千二百五十万円と、宮ヶ瀬系県水導入前の約四・五倍になっているからです。
 党は、過剰な水需要予測にもとづく宮ヶ瀬ダム建設には、計画段階から反対し、過大となる建設費が水道料金として将来県民の負担増になると指摘してきました。この立場から党は受水費の基本契約の見直しを求めながらも、水道料金に転嫁するのではなく、一般会計で支払い水道事業を守るよう、主張しているのです。




市民要求実現・市民生活を守る市政を!

 9月定例市議会は、9月2日から26日までの会期で開かれました。
 議案は02年度決算認定など17件と議会人事、請願、陳情等です。党市議団は、議案に対する総括質疑と討論には中沢議員が立ち、市政全般に対する一般質問には柏木、菊川、中沢の全議員が行いました。

学区撤廃など
柏木いく子議員

一般質問

 公立高校受験学区を撤廃すべきではないという見地から教育長の考えをただした。
 教育長は「中学校卒業生が進学していくので大変な関心を持っている。改正方針の中では学区撤廃が無条件で望ましいとしているものではない。総体的に妥当なものであろうと思う」と答弁。さらに不登校の問題、三〇人学級実現について、学校に扇風機が設置された。ひき続きエアコンの設置をと質問。老朽化した公立保育園の建て替えで待機児の解消を。中原地域に児童ホームを設置し、待機児解消を、区画整理と切り離しての入谷駅周辺整備を、又ごみ収集作業車買替え年数や危険な収集場所についてなど質問しました。


高校学区撤廃反対の意見書提出
政和会などは反対

 県教育委員会は少子化を理由に二〇〇五年の入試から県立高校の「学区を撤廃する」方針を発表しました。
 県教委は、生徒の高校選択の幅が広がるとしていますが、受験があり選ぶのではなく、選ばれる制度には変りません。その為、希望する学校に必ずしも行けず、受験競争はさらに激化、学校間格差も広がり問題です。
 一方身近な学校を希望しても、行けない状況も生まれ、地域の中の学校とはほど遠い存在になります。
 党議員団は、この様な状況は看過できないとし、県知事および県教育長に学区撤廃に反対する意見書を提出したところ、政和会、公明、ネット等の反対で否決されました。

クーラー設置予算化
栗原小学校に

 九月議会で、相模野小学校に続いて市内二校目となる栗原小学校に、クーラー設置が予算化されました。
 工期は、〇三年十月から〇四年九月迄の二ヶ年。工事費用は、一億五千万円余で、具体的な設置工事は〇四年の夏休み期間中です。
 激しい飛行機騒音が続き、また、最近の夏場の三〇度を超える暑さで、子どもたちの勉強への集中力も限界だっただけに、クーラー設置に期待が寄せられています。
 党市議団は、子どもたちの教育環境整備の充実を引続き求めていきます。


介護保険料を安くせよ!
菊川ユリ子議員

一般質問

 座間市では、平成十五年度の介護保険料の見直しで、すべての所得階層が値上げされました。ところが、海老名市は非課税世帯である第一段階と第二段階の保険料を、それぞれ年間で六千円、二千円引下げました。
 介護保険料は、所得に占める保険料の割合が低所得の人ほど高く問題なのに、なぜ座間市では安くできないのか、問題があると追及。
 市長答弁は「海老名市との所得構成の違いや国の定める基準で行なっている」と、国の方向にそった対応を強調するにとどまりました。他に、保険料の減免要件の緩和問題や老人医療の高額医療費払戻し制度など質問。

水源史跡公園に
中沢邦雄議員

一般質問

○住基ネットについて
 住基ネットがこの八月から本格稼働し、個人情報の漏えいと不当使用や悪用の恐れ、また、莫大な費用がかかる割には市民の利便性が少ない。市長は、住基ネットの問題点を国に改善を求めながらも、個人情報保護などのため条例改正を行うべきだと追及。
○基地問題について
 キャンプ座間の基地面積行政分の誤り是正、米軍水道施設を返還させ歴史的文化的水源史跡公園として活用整備すること、飛行機騒音解消のために原子力空母配備に反対を。
○東名綾瀬インターについて
 住民合意の尊重、設置の構造や事業費等の問題の見きわめを。

共産党が発議した決議及び意見書に対する各党の態度

決議意見書
共産党

3人

政和会

5人

市政クラブ

4人

公明党

4人

自民朋政

2人

ネット

1人

無会派

3人

可否
アメリカ合衆国の臨界前核実験に強く講義する決議
可決
「池子の森」への米軍住宅増設に強く反対する意見書

2人

3人
可決
就学援助に対する国庫補助の増額を強く求める意見書
可決
安定した雇用をふやすための雇用対策を強く求める意見書
可決
県立高校入試における学区撤廃に反対する意見書

1人

2人
否決
○賛成 ●反対 △退場