2003年7月 第191号 2003年6月議会報告特集


有事法制とキャンプ座間
市民体育館に米軍駐留も?
どうする座間市長
 有事三法制が、共産党などの反対を押し切って成立しました。
 そこで注目されるのが、米軍司令部のあるキャンプ座間と座間市の関係です。
 キャンプ座間には、在日米陸軍兼第9戦域支援コマンド司令部や第17地域支援群司令部をはじめ実にさまざまな部隊が常駐しています。第9戦域支援コマント司令部は、米軍がアジア有事に備えた戦略予備部隊で、平時には司令部のみで実行部隊をもたず、有事には「五個師団以上とその支援部隊」を指揮することになっています。
 つまり、アジア有事の際、米本国から米陸軍の部隊が数万人、日本に派遣されて来た場合、本土の米陸軍基地等に分散駐とんするとしても、事の次第によっては施設が不足するとして、キャンプ座間に近接している市立体育館などを一定期間、1ヶ月、3ヶ月とか駐留施設としてその使用を求めてくるかも知れない。その時、座間市長は、市民の重要なイベント事業のスポーツ大会が予定されているから「ダメだ」と断っても、総理大臣の指示で体育館の使用を認めざるをえなくなります。
 こういう事態も想定されるわけで、地方自治体の首長としての責任が問われることになります。そこで、有事法制に対する星野市長の所見を議会で質したところ、市長は、「今後国民保護法制の制定の際、他の自治体ともに意見を国に述べていく」としています。しかし、市民の不安を解消させるためには、今後、有事法制を発動させない国民的運動が大事になります。

老朽校舎の改修促進
「トイレをきれいに」…
子どもの切実な声

 党市議団はこれまでも、トイレや老朽校舎の改修を重視し、99年3月と7月、02年7月には市民団体とともに学校を視察し要望を聞くとともに、議会ごとに改修促進を求めてきました。
 しかし、トイレの改修実績は、平成14年度で小学校で52%、中学校で55%にとどまっています。
 これは、トイレの改修を耐震補強工事と合せて行なってきたためで、耐震補強工事を行なっていない学校が未改修になっているためです。しかし、学校施設の改修工事に対する国の補助基準額が2千万円以上から、4百万円以上と下限額が引下げられた(平成13年度から)ことから、耐震補強工事を合わせて改修するという従来のやり方を改め、トイレ単独でも改修し、整備を促進させるよう6月議会で更に要望しました。
 又、障害児用トイレが小・中学校で8校に設置されていますが、1階あるいは2階に設置されているだけなので子どもの学校生活の実態に合わせた整備が必要だと指摘しました。
 耐震工事については、震災などの避難所にもなっている学校が老朽校舎で耐震性に問題がありながら、整備率が60%(平成14年度)にとどまっており工事の促進をはかるべきであることも合わせて主張しています。
 この他、給食調理室の整備など学校施設問題についてとり上げました。市長答弁は、「一番優先しているのが耐震工事であり、トイレや外壁修繕にも予算をつけながら、必要度に応じて限られた財源配置をして進めていく」旨の答弁にとどまっています。
 党市議団は、今後も現場の実態をみながら引き続き学校施設整備の促進を求めていきます。


暑中お見舞い申し上げます
公職選挙法により議員個人の暑中見舞いは出せません。ご了承下さい。




傍聴の目
 座間市は行政評価の内容を広報で公表した。
 行政評価は170の事業を対象に、助役を長とした職員による内部評価と、それを外部の専門家3人による外部評価とでできている。
 問題は公表されていない外部評価です。
 例えば、保育園の民営化、学校給食の民間委託、ゴミ収集体制の民間委託と有料化、コミセン使用の有料化、学校体育施設の有料化など徹底した民間委託と受益者負担を求めていることです。
 さらに、生活保護の打ち切りや青少年育成事業に治安的対応を求めたり、英語教育にキャンプ座間との交流を図れなどとしていることです。もしこのような提言が通るようでは地方自治体とは何か、税金を徴収している地方公共団体のあり方が根本から問い直されねばなりません。
 市長は内部で検討し、最後は自分で政策決定すると言明しています。
 市はインターネットでも公表し、意見を聞くとしていますので意見を積極的に市に提出していきましょう。



市民の要望を市政に反映
6月議会での共産党議員の一般質

6月議会の概要
 座間市6月議会は6月2日から6月24日までの会期で開かれました。議案は一般会計補正予算など11件、土地開発公社や財団などの報告7件、条例改正などの専決処分5件のほか請願・陳情などです。党議員団は議案に対する総括質疑を柏木議員が、専決処分については中澤議員が、報告については菊川議員が質問をしました。また市政全般に対する一般質問は菊川議員、中澤議員が各々行いました。
 また議案に対する討論は中澤議員が行いました。

中小業者の相談窓口を
菊川ユリ子
1、中小業者問題
 長びく不況の下で銀行の貸し渋り、貸しはがしの嵐が吹き荒れ、中小、零細業者が大変になっています。そうした業者団体の必死の声でできた国の「借換保証制度」は、いくつもある借金を一本化して日々の返済額を軽くするものですが、借換の条件がきびしい中で、市独自の制度融資を復活すべきであること。
 又、中小業者の相談窓口の設置がどうしても必要であると質しました。
2、交通安全対策
 交差点での事故が多く、子どもやお年寄りが犠牲になっている現状から、(1)相武台横浜銀行や城南信用金庫の信号をスクランブル方式に(2)相武台前南口周辺の安全な歩道の整備を急げ(3)県道、座間大和線マルカワ前の安全対策、について質しました。
3、学校施設整備
(1)耐震工事やトイレ改修工事の促進を(2)給食調理室の整備を。

市長の所見を問う
中沢 邦雄
一、有事法制とキャンプ座間─アジア有事の際、米軍駐留のため体育館等の使用も考えられる市長の所見は。
二、行政評価─専門家3人による外部評価が民間委託と受益者負担の徹底を求めている。
 地方自治体の役割とは何かが問われている。
 市民の意見が大事だ、市長の所見は。
三、介護保険事業計画
─平成19年度までの第二期計画が策定された。しかし、在宅サービスの基盤整備が示されていない。老人ホームなどの施設整備も不十分、市長の所見は。
四、市長交際費─座間市は県下の中でも透明度が悪い上に、内容の改善も求められている市長の所見は。
五、電子投票制の導入
─一定の予算をともなうが、開票時間の大幅な短縮と投票率の向上になることは先進地の実績で示されている。
 座間市も来秋選挙に導入を、市長の所見は。

イラク特措法案反対など
共産党提出意見書全て可決
 座間市議会は、6月24日の本会議で、共産党提出の「自衛隊派遣のためのイラク復興支援特別措置法案に反対」「日米地位協定見直し」「教育基本法『改正』反対」「労働基準法改正案反対」の意見書を、いずれも賛成多数で可決しました。
 賛成は共産、市政ク、無会派の11人。反対は政和会、明政会の6人、公明の4人も日米地位協定見直しの意見書以外は反対しました。

イラク特措法案反対
 この意見書は、「自衛隊の活動は、米英占領軍の戦闘行動と不可欠で憲法違反の武力行使に該当する」と批判。「日本がイラク支援でなすべきは、自衛隊派遣ではなく……国連を中心に医薬、食糧などの人道支援や復興支援をすることだ」と強調しています。

「教育基本法の
『改正』反対」

 この意見書は、新日本婦人の会座間支部から要望書が市議会議長あてに提出されたものを党議員団が具現化したものです。
 内容は、中教審の答申が「新しい時代を切り拓く心豊かでたくましい日本人の育成を目指す」などとして教育基本法を根本から変えようとしている。よって「現行教育基本法の理念にそった教育」を政府に求めるものとなっています。

日米地位協定の
見直しを求める
 この意見書は、相次ぐ「海兵隊員による事故」や秦野市での米軍ヘリコプター不時着など、「県民・市民の不安は増大している」と指摘。そして、「日本が裁判権を持つべき米軍人等の被疑者の拘禁や起訴前引き渡しができるよう明記すること」など6項目の具体的見直しを求めています。

労働基準法改正案に
反対する

 この意見書では、法案が有期雇用の上限延長や裁量労働の手続き緩和が労働者の雇用と暮らしに大きな不安をもたらしているとして、反対理由を明らかにしています。


介護保険事業計画
特養老人ホーム整備
350床では不十分

 座間市は、この4月から65歳以上の介護保険料を148円上げて月平均2997円にしました。この保険料改定を含め平成15〜19年度までの介護保険事業計画(第2期計画)を策定し4月に公表しました。
 そこで、党市議団は、6月議会でその問題点を指摘し改善を求めました。
 その一つは、介護サービスの計画目標は数値で示されているが、それを保障する基盤整備の数値が示されていない。従って、具体的確保策を示すように求めました。
 第二は、特別養護老人ホーム施設目標量を現状の150床を平成19年度に350床にするとしています。
 しかし、待機者が現在でも400人近くいるなかで計画目標は不十分であります。従って、施設整備を市が責任をもって拡充するよう求めました。
 第三は、介護保険の財源を、国が当初25%負担するとしながら実際は約21%です。
 もっと国が責任を果すよう求めるべきだと指摘しました。

基地返還など防衛庁に要請行動
基地対策特別委員 柏木 育子

 座間市議会は市内に在日米軍司令部のあるキャンプ座間が所在していることから、基地対策特別委員会を設置、各会派から委員が出て、議会ごとに開催される。審議の中で、マスコミ報道について報告されるが、事件のないことがない。
 3月以降では米軍のヘリコプターが秦野市の上智短大に不時着したほか、大和市内などで米兵による交通事故が3件発生している。
 委員会は、キャンプ座間や厚木基地の米軍飛行機騒音など毎年基地に関する要望をまとめ防衛庁に手渡している。
 私は委員の一人として改めてキャンプ座間の役割の重大さを学ぶと同時に米空母艦船が横須賀を母港としている限り、厚木基地の騒音問題はなくならないことを実感。米軍基地の全面返還が1日も早く実現するよう議会内外で頑張る決意を新たにしました。