2002年10月 第188号 2002年9月議会報告特集


北朝鮮による拉致事件に抗議
真相解明と責任補償を要求
本会議で決議

  日本共産党市議団は、九月二十五日の本会議に決議案と意見書案を五本提出しました。「北朝鮮による拉致事件の真相解明を求める決議」「米国の未臨界核実験に強く抗議する決議」「地方交付税の充実確保に関する意見書」は全会派一致で、「米国のイラク攻撃に反対する決議」は自民明政会の二人を除き賛成多数で可決され、各々、政府関係機関に送付されました。

 しかし、「介護保険の保険料、利用料の減免を求める意見書」は市民、公明、無所属の一人は賛成しましたが、政和、市政ク、明政、ネットの反対で否決されました。
 北朝鮮による拉致事件の決議では、国交正常化交渉の再開が合意されたことは一歩前進としながらも、「拉致事件は日本の主権が侵害された許すことのできない国際犯罪であり、厳しい抗議の態度を表明する」として、「拉致事件の真相解明と北朝鮮政府の責任で、補償の要求に尽力するよう」政府に強く求める内容になっています。
 この決議は、内閣総理大臣をはじめ総務、外務、法務の各大臣あてに九月二十七日に送付されました。

米国のイラク攻撃に反対する決議
  決議では、「国連憲章は、侵略が発生した際の自衛の反撃以外には個々の加盟国による武力行使を堅く禁じている。ブッシュ米大統領が宣言している先制攻撃は、それ自体が国連憲章を根本から蹂躙(じゅうりん)するものである」として、「米国に外交努力と自制を求めるとともに、米国のイラク攻撃に強く反対する」としています。
 この決議は、九月二十七日に内閣総理大臣をはじめ、総務、外務の両大臣、駐日アメリカ合衆国大使あてに送付されました。



日本共産党市議団
金利削減の繰り上げ償還に賛成
―――修正案には反対
(補正予算)
  九月の一般会計補正予算の歳入は、地方交付税の追加配分三億一千万円を財源として三億三千四百七十二万五千円を補正計上しています。そして、支出では健康センター建設費の借金の繰り上げ償還分に一億五千六百七十七万八千円と、高座清掃施設組合のダイオキシン対策九千四百二十四万八千円などを主に予算執行するものです。
 これに対して、市民の党は補正予算の委員会審議が終了し、本会議で委員長報告が終わった後、修正案を動議で提出しました。その内容は健康センター建設費の繰り上げ償還を取り止め、全額一億五千六百七十七万八千円を予備費に計上するというものです。
 これにたいして共産党は、総務常任委員会に岡田議員を出しておきながら、委員会に修正案を出さないで、審査が終わり委員長報告が終わったあと提出しても他の賛成はえられないし、提出の正当性が疑われると指摘しました。
 市民の党は、原案の繰り上げ償還では五百万円余の金利節約にしかならないが、市が起債しようとしている臨時財政対策債を償還分だけ削減すれば二十年間で金利が約二千六百万円節約できるとしていますが、市は臨財債の元利償還は政府が交付税で措置してくれるので市の金利負担は無くなるとしています。
 共産党は、予備費に計上しても市長に予算編成権がある以上、修正の意味を持たず、修正案は、ただ単に繰り上げ償還に反対の意味にしかならないと指摘しました。そして、党は原案に賛成し、修正案に反対しました。



傍聴の目
 座間には公・私立合わせて17園の認可保育園があり、保護者の就労保障と子どもの豊かな成長にとって必要な施設です。小泉内閣は働く婦人の増加に伴い「待機児ゼロ作戦」を提言し「入所基準の緩和」「民間企業の参入を認める」など、福祉の後退につながる施策を打ち出しました◆国の方向にそって政和会の山本愈議員が「公立保育園を計画的に民営化すべき」と議会で発言しています。私立に比べ公立保育園の保育コストが高く、民営化することにより、人件費や園児一人あたりのコストも安くなると主張しています。公立では若い人から経験豊かな保育士まで年齢層に幅があり、それぞれ経験を生かして、保育に取り組んでいます◆「民間活力や競争原理を導入すれば質の高い保育が実施できる」という人もいますが本当でしょうか。子育てをはじめ、福祉は営利を目的に運営すべきでないと思います◆いま必要なことは、公立保育園の民営化ではなく、子ども達が健やかに育つような公的な保育・福祉の充実です。



9月議会での共産党議員の質問や討論
市民の要望を市政に反映
健全な水道事業を!──水道決算

9月議会の概要
  九月定例市議会は、九月二日から九月三十日までの会期で開かれました。議案は二〇〇一年度水道決算認定など十五件、議会人事、請願、陳情等です。党市議団は、議案に対する総括質疑には中沢議員が立ち、市政全般に対する一般質問には柏木、菊川、中沢の全議員が行いました。水道決算認定の反対討論には、菊川議員が立ちました。党議員の常任委員会など議会人事が一面のとおり決定されました。

宮ヶ瀬ダム関連受水費
水道会計を圧迫
二〇〇一年度水道決算
  宮ヶ瀬系県水が初めて導入された二〇〇一年度水道決算によれば、十二万六千人の市民全体の一日平均使用水量が約四万、その内、宮ヶ瀬系県水が六千二百(十五%)、自己水源(地下水)が約三万八千(八五%)となっています。しかし、この配水割合は前年度と同じですが、県企業庁に支払う受水費は三億五千二百万円余で、前年度の約四・五倍にふくれあがりました。このため、一当りの給水原価が百三十三円三十二銭、供給単価が百二十円六十九銭となり、一当り十二円六十三銭の赤字となりました。前年度は十一円七十一銭の黒字だったことを考えれば大変なことです。
 市は、この赤字分を内部留保資金を取り崩して、当面やりくりし、水道料金の値上げを避けるとしていますが、このままでは水道会計が破綻することは目に見えています。この受水費の高騰は全県的に、宮ヶ瀬ダム建設関連事業費約一兆円の内の借入金約六千億円の返済を水道料金に転嫁してきているからです。
 党は過剰な水需要予測にもとづく、宮ヶ瀬ダム建設に計画段階から反対してきました。
 それは、過大となる建設費が水道料金として将来県民の負担になると予見していたからです。

反対討論
宮ヶ瀬系県水が導入
受水費が四・五倍に!
 共産党は二〇〇一年度水道決算認定に反対しました。菊川議員の反対討論の要旨は次の通りです。
 ?当年度宮ヶ瀬系県水が導入され、その受水費用が約三億五千万円と前年度比四・五倍にはね上がりました。使わない県水の分まで払わされているからです。これは、一般会計で対応すべきであり、水道料金だけでまかなうとすれば、値上げにつながり反対であること。
 ?水道工事の契約における落札率が、他の土木や建築などと比べ10%も高く、特定業者によって独占的になっている水道工事請負事業を改善すべきこと。
 ?非常用飲料水貯水槽を水道会計で設置させてきたものを、無償で一般会計に譲渡することについては問題であると指摘。同時に、水道部が使っている庁舎の使用料をとっていることについて、無償にすべきであること。
 ?地下水保全条例に基づく地下水の利用計画が十三年策定になっているのに、いまだに策定されてなく問題であること。
 ?漏水および不明水量がふえており、これを減らすことが水道料にかかわりをもつだけに解明に努力すること。

一般質問
教育・保育について  柏木 育子議員
  教育問題について、公立小・中学校の普通教室の冷房化を国の補助を受け進めること。
 学校図書館に学校司書を配置すること、学校図書館の蔵書を増やし、整備率を上げること。教育委員会が主催し平和教育の向上のため、市民講座の開催や毎年広島・長崎で八月に行われる平和祈念式典に親子で派遣するなど、平和の大切さを学ぶ機会をつくる事などを質問。また公立保育園問題は保育時間延長に伴い帰宅時間が遅い子に夕方の補食を保障すること、土曜日に登園する子の殆どが夕方6時を過ぎることから、給食が軽食でなく平日と同様なものを提供できる職員配置をと質問しました。

介護・住基について  菊川ユリ子議員
  介護保険制度の保険料や利用料減免など数点について質問。
 とくに、問題なのは保険料が所得に占める割合が、低所得の人が高く、所得の高い人ほど保険料が安くなっており、二段階(世帯全員が非課税)を五段階(所得が二五〇万円以上の人)の割合で計算すると、六千三百円余となり、四分の一ですむことになります。
 低所得の人がいかに高い保険料をとられているか、抜本的に改善すべきであり、生保基準以下の人の保険料を安くすべきであると追及。又、住基ネット問題、地域経済振興、職員の労働条件改善と雇用問題など質問しました。

防災・環境について  中沢 邦雄議員
  星野市長は、福祉、環境、防災を市政の三本柱としている。七月に「一般廃棄物処理基本計画」「座間市地域防災計画」と環境、防災に関する重要な計画書が公表された。この二つの重要な計画書を元に環境、防災について質問を行った。
(一)防災対策について
 南関東地震対策、広域避難所の具体的運用、学校体育館耐震化促進、自主防災組織リーダーの育成、中仙町との応援協定、消防庁舎の建替え問題等々の質問。
(二)環境対策について
 地球温暖化対策、ごみ50%削減計画の目標数値設定とその具体的推進、ごみ有料化失敗の教訓等々の質問。

共産党が発議した決議及び意見書に対する各党の態度
意見書名 共産党 政和会 市政クラブ 公明党 市民の党 明政会 ネット 無会派 可否
北朝鮮による拉致事件の真相解明などを求める決議について 可決
米国のイラク攻撃に反対する決議 × 可決
米国の未臨界実験に強く抗議する決議 可決
地方交付税の充実確保に関する意見書の提出について 可決
介護保険の保険料・利用料の減免を求める意見書の提出について × × × × 否決

第38回赤旗まつりにいきましょう
歴史と伝統のある日本共産党の一大イベント、赤旗まつり。
今年は11月2日(土)、3日(日)、4日(月)
江東区「夢の島公園」で開催されます。
ごいっしょに参加しませんか。問い合わせは党議員まで。
座間から11月3日(日)にバスで参加します。