2001年4月 第182号 2001年3月議会報告特集



 自治労座間市職員組合(第二組合)の元幹部らによる情報漏洩・脱税関与問題で、市会総務委員会は3月27日、本会議で調査結果を報告しました。

本会議で調査結果を報告総務委員会
 その中で、鈴木常雄前社会福祉課長(職組元委員長)、野島孝夫産業課長(職組元委員長)、平賀正直公園緑地課係長(前職組委員長)らは、架空の領収書をつくって、脱税をしたとされる市内入谷の農業者に渡したことを認めており、「私文書偽造」などに当たるとして、三人を刑事告発するよう促しています。
 総務委員会は、昨年11月以来18回の開催。約47時間の事務調査を行ない、その調査結果を報告したもので、報告書はA4版で21頁に及んでいます。この調査によれば、農業者から野島が平成2年から5年に、鈴木は平成5年から二人合わせて、組合資金として約4300万円、個人として約2千万円借用して使っていましたが、平賀も必要に応じて鈴木から引き出して使っていたというものです。そのため、鈴木は本人や家族名義の外に、老齢福祉年金受給者名簿の名前などを使って、129枚、計1億円以上の架空領収書をつくって渡しています。野島は本人と家族名義のもの4枚、80万円の領収書を数枚、平賀も本人と家族名義の領収書を3枚つくって渡していたことを認めています。この結果、調査報告では「刑事告発すべきものと考える」として、任命権者である市長に告発の判断を促すものとなっています。
 座間市は3月23日、関係者6人に対する処分を行ないました。それによると鈴木は懲戒免職、野島は停職3ヶ月のうえ環境保全課主管に更迭、平賀は停職1ヶ月。そして、道義的責任を取るとして星野市長は減給十分の一(3ヶ月)、安川助役も同じく(2ヶ月)と処分を行なっています。総務委員として積極的に調査に取り組んだ中沢議員は「市長は委員会報告にそって刑事告発すべきだ。また処分は野島、平賀に対しては軽すぎる。4月下旬の所得税法違反の東京高裁判決などを注視しながら引き続き市政の浄化に取り組んでいきたい」と党の立場を表明しています。

宮ヶ瀬系 県水今年度から受水
水道会計を圧迫し負担増に
 市営水道が今年度から宮ヶ瀬系県水受水を開始します。具体的には、2001年度、2002年度が日糧1万3500m3、2003年度は1万4300m3の受水となります。しかし、2001年度の一日平均給水量の予測は4万千482m3で自己水源(地下水)の給水能力は、4万5330m3ですから、ほぼ宮ヶ瀬系県水は余分ということになります。しかし、県水は使わなくても、1万3500m3の基本料金を支払うことになります。その受水の基本料金は1m3当たり67円75銭ですから年間3億3383万8千円を支払うことになります。このため、2001年度の県水受水費は前年度の約4倍になっています。
 そして2001年度の水道料金の販売単価が1m3当たり121円30銭なのに、給水原価が135円31銭になるため、給水をすれば給水するだけ1m3当たり14円1銭の赤字になります。市は赤字分については、向こう3年間内部留保資金を充当することによって料金値上げをしないとしています。しかし、水道会計が数年後には破産状態に陥り、大幅な水道料金の値上げを招来することは明らかです。そこで、党議員団は、宮ヶ瀬系受水費は需要を超えるダムを造ったという政治的政策的経費であり、一般会計で負担すべきであると提案しています。

介護保険 低所得者の保険料が減免
利用料軽減の声も高まる
 介護保険制度がスタートして1年が過ぎました。座間市の現状は1月末現在で、65歳以上の高齢者(第一号被保険者)の数が1万3913人で全人口に占める高齢化率は11.07%(全国平均は16%)です。認定者数は1388人(第二号被保険者78人を含む)で、そのうちサービス受給者数は1030人、内訳は在宅が755人、施設が275人となっています。
 第一号被保険者の保険料賦課状況(12月6日現在)は年金から天引きされる人(特別徴収)は1669人(約77%)、年金が1万5千円未満で市が直接徴収する人(普通徴収)3206人(約23%)になっています。そして普通徴収では約一割の人(昨年12月末)が滞納しています。そこで座間市は、10月から低所得者の保険料減免を実施するとして約387万円の予算を計上しています。具体的には収入金額等が生活保護基準以下の生活困難者などの保険料を減額、第一段階で23人、第二段階で375人が対象になるとしています。
 さらにサービス利用についても減免して欲しいという声が高まっています。そして待期者が百人を超え増え続けている特養老人ホームの増設が急がれています。

傍聴の目
 二組幹部らの脱税関与問題を調査してきた総務委員会は、事務調査の結果を本会議に報告し役目を一応終えた。それではどれだけ真相が解明できたのか、「ある程度」ということになる。事務調査というのは関係者を参考人として招致し委員の質問に答えてもらう方法をとる。従って、正解度は委員の質問力と答弁の誠実度にかかっている。本件の関係者は最初は質問に誠実に答えなかったが、農業者の弁護士によって彼らの検事調書が明らかにされるに至って、ようやく調書にそった事実関係がある程度明らかになった点である。一方、不明な点は、表向き鈴木にまかせながら、実質的に中心的な役割を果たしたと思われる野島の役割と彼が使った金額とその使途。そして、平賀の使った金額とその使途。以上は事務調査の限界から明らかにされなかった。しかし、刑事告発される中で司直の手によって明らかにされなければならない。四月下旬の東京高裁判決を含め、市民の監視が引き続き重要です。



共にがんばります
党県政策委員会副委員長
むねた裕之
http://www.horae.dti.ne.jp/~muneta/


3月議会 市民要望の先頭に!
日本共産党の総括質疑、一般質問

3月議会の概要
 3月定例議会は、1日から27日まで開かれ、一般会計予算など38議案と陳情・請願などを審議しました。
 2001年度一般会計予算は、294億1100万(前年当初比1.9%減)。国保、老人保険、公共下水、水道、介護保険の五特別会計を含む当初予算総額は、544億1919万円余(同1.9%増)。
 新年度予算では、介護保険の保険料の減免措置を打ち出していますが、利用料の対応が不十分になっています。又、西部地域の開発を見直すとしながら具体性がない、あるいは、今年度から宮ヶ瀬系県水を本格的に受け入れる予算になっており、今後の水道事業の運営に与える影響が大きいなどの内容となっています。
 日本共産党は、38議案中10議案に反対、28議案に賛成。意見書など議員提案9件、請願・陳情18件で、総括質疑・討論を中沢議員。一般質問は菊川、柏木両議員が市民要求実現に向け論戦しました。

総括質疑 中沢 邦雄
 今日の経済情勢の市長の認識について。市税の法人市民税額の計上見込み、固定資産税の増額理由について。NLP中止に対する市長の見解、日米親善盆踊り共催事業の見直しを。ひばりが丘コミュニティセンター建設計画、芹沢公園の今後の建設計画について。福祉ミニバス運行について。介護保険―保険料の減免、サービス評価委員会・ケアマネジャーについて。学校給食に地元農産物の使用を。学校の公共下水道整備促進。消防庁舎の建設計画について。宮ヶ瀬系県水受水と水道会計。第二組合幹部の脱税関与と市長の政治姿勢について。


一般質問 菊川ゆり子
(1) 国保問題について
 介護保険法の発足により、国保税と介護保険料をセットで払わなければなりません。
 国保は、年収三百万以下の低所得世帯が七割を占めており、他保険に比べ保険料も高く給付内容も悪いのに、さらに低所得層に負担になるやり方を改めるよう、そして、申請減免制度を市民に知らせるべきであると求めました。
(2) 緑地保全について
 市内の緑や公園が減少している中で対策をどうすすめているのか、具体的提案をしながら
その実現を求めました。
(3) マンションなどの水道の直結給水方式の導入についてもとり上げました。

一般質問 柏木いく子
一、 老朽化した保育園を建て替えることと併せ、特に3歳未満児の定員を増やし見直し、待機児解消を図る。
二、公立保育園の子ども達が、安心して過ごせるためにも、耐久年数を超え、10年以上も使用しているストーブを早急に買い替えること。
三、コミセンに児童館機能を確保し、地域や児童ホームの子ども達が、気兼ねなく過ごせるために運営委員会の一員に児童ホームの職員を加えること。
四、30人学級の実現を図ること。
五、小学校の米飯給食に電気釜を購入し全面的に自校給食とすること。などを取り上げました。

反対討論の要旨
 2000年度予算の剰余金が12億円以上も見込めるのに、新年度の繰越金が4億5000万円と過少計上、総計予算主義の立場から問題がある。NLP騒音の効果的運動、日米親善盆踊りの中止など基地行政の転換をはかるべきなのにはかっていない。座間市西部地域整備構想ガーデンコンプレックスの見直しを本会議で市長は答弁したが、後に配布された後期基本計画では、住宅地などの整備など開発計画が引き続き掲載されており問題である。福祉ミニバスの運行は、様々な問題を残しての発車であるが、コミュニティバスなどの総合的なバス体系の早期確立が求められている。介護保険について生活困難者への保険料減免は一歩前進だが、サービス利用料の減免、老人ホームの増設など待期者の解消策がなされていない。宮ヶ瀬系県水の受水が始まり、その受水費が以前の約四倍にハネ上がったが、宮ヶ瀬ダム建設関連経費は一般会計で負担していかないと大幅な水道料金の値上げになり、水道会計が破綻してしまうので今回のやり方には反対である。

市民要求が実現した主な施策
(千円)
レスパイト事業(社会福祉協議会に委託) 17,458
子育て支援センターの開設(10月よりサンホープにて) 8,009
リサイクルプラザ建設に向けて準備始まる 4,200
学校施設耐震化事業(トイレ改修事業含む) 359,677
小学校パソコン教室改造事業 160,426
商店街空き店舗及び空き地活用事業 3,000
公共施設におけるバリアフリー化事業の推進 194,335
耐震性貯水槽60tの築造 66,792
芹沢公園の第3工区への整備 230,261
法律相談の夜間実施 -76.0
ダイオキシン類実態調査の強化 5,005
福祉ミニバス 6,750
介護保険料の低所得者減免 3,871

 主な意見書・決議・請願・陳情の採択結果表 (賛成○ 反対●)
      項    目 共産党 政 和 市政ク 公明党 市民の
自 民
明 政
無会派 可否
森首相の即時辞任 ○ 退3 ● 退1
えひめ丸衝突沈没事故
*米潜水艦訓練区域安全確保
*介護保険制度の改善
*デポジット制度の法制化
(請)建設労働者の賃金と労働条件改善 ○●
(陳)非核三原則の法制化
(請)は請願、(陳)は陳情、*日本共産党が発議したもの