2018年10・11月 第248号 第3回定例会報告特集


最低ラインの基準に疑問

条例改正案に反対

工場敷地の緑が減少

 今定例会に提出された条例改正案「座間市工場立地法第4条の2第1項の規定による準則を定める条例」は用途地域ごとの工場敷地面積に対して整備すべき緑地及び環境施設の割合等の準則を改定するものです。神奈川県の準則では、敷地面積に対する緑地の割合は100分の15以上に対し、本市の条例案では100分の5以上と少なく、同様に、環境施設面積の敷地面積に対する割合は、県準則100分の20以上に対し、本市の条例案では100分の10以上となっています。これでは、緑地面積も環境施設面積も減少するという指摘に対し当局は「工場に緑を減らさないよう要望を出していく」という答弁でしたが、本条例が改正されれば工場はその要望に応える義務は無くなります。このままでは「座間市緑の基本計画」に記されている「多様な緑を感じて暮らし続けるまち 座間」に反すると云わざるをえません。

公共の公園を守れるか

 「座間市都市公園条例の一部を改正する条例」は都市公園法施行令の一部改正等に伴い、条例を改正するものです。これは、国会において2017年4月に、都市緑地法、生産緑地法、都市公園法、都市計画法、建築基準法等の一括改正で「都市緑地法等の一部を改正する法律案」が賛成多数で可決されたものでした。日本共産党は、重大な問題を3点指摘して反対しました。まず、公募選定された民間営利企業に、都市公園のリニューアル実施、収益施設と併せて広場整備等を条件に、公園内にカフェ、レストランその他の『公共還元型収益施設』(建ぺい率2%を12%へ緩和)の設置・管理を認める点。また、民間開発事業者が、都市公園を都市開発の一部として自由に使用することが懸念される点。さらに、災害時の避難場所など都市公園の機能を損なう恐れがある点です。同じ懸念が本市の条例改正にもあることから、党市議団はこれら2つの条例改定案と合わせ、「座間市下水道条例の一部を改正する条例」(別枠掲載)に反対しました。
 なお、「座間市職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」は早期退職募集制度導入に関する条例改正であり、賛成しました。

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2017年度に開園した「こまつばら公園」=小松原一丁目地内

2017年度上・下水道会計決算と来年度からの下水道使用料値上げに反対

 2017年度、水道の1トンあたりの供給単価は128円53銭で、給水原価が129円27銭で差し引き0円74銭の逆ざやとなりました。問題は宮ケ瀬ダムからの県水を日量約5000トンしか使っていないのに、日量3万7300トンで契約して受水費(給水原価の約24%)を支払っていることです。
 下水道事業で、雨水整備率は33・6%でしたが、もっと整備率をあげるべきです。また、都市計画税の支払いがない調整区域に公共下水道事業を進める方針には検討が必要です。
 来年度から一般汚水の基本使用料を815円から895円にし、従量使用料も増額、平均改定率9・81%の値上げとなります。党市議団は一般会計からの繰入れで下水道使用料値上げを回避すべきと反対しました。




被災者の生活再建支援制度の改善を求める意見書 採択

 本年全国規模で発災している自然災害等により被災された方々の救済は急務です。しかし、現行の「被災者生活再建支援法」は全壊もしくは大規模半壊にのみ適応され、それ以下の被害には支援がありません。本意見書は、支給額の引き上げや、被害状況に応じた支援の拡充をもとめたもので、賛成多数(賛成14【共産・公明・大志・明進・無会】反対7【自民いさま】)で採択されました。




日本共産党市議団
役職が10月よりかわりました

中沢邦雄

中沢邦雄(団長)

民生教育常任委員
広域大和斎場組合議会議員
都市計画審議会委員
もりや浩一

もりや浩一

企画総務常任委員
議会運営委員
議会報告会開催委員
二ツ塚線建設協議会委員
星野くみ子

星野くみ子

都市環境常任委員
基地政策特別委員
議会だより編集委員



第3回定例会概要

市民要求実現へ奮闘

 第3回定例会は、8月29日から9月28日まで開かれました。提案され審議した議案は2018年度一般会計補正予算など3件、2017年度一般会計決算議案など6件、条例議案4件、財産の取得1件、市道の路線認定1件・6本、教育長や教育委員の任命、人権擁護委員の推薦各1件、報告案件3件、陳情2件でした。
 党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を守谷議員が行い、市政全般に対する一般質問は星野、中沢、守谷各議員が揃って行い、意見書1件を提案し、市民要求実現のために奮闘しました。




2017年度一般会計決算の問題点〜自動交付機廃止・公共施設縮減方針など

 第一は、住民票1枚当たりの発行単価(維持管理費等を発行枚数で割ったもの)は、自動交付機では229円、窓口交付では490円、コンビニ交付では1450円にもかかわらず、自動交付機の廃止が決定されたことです。ラクアル・オダサガ設置の機械は今年3月末廃止、市庁舎1階設置の機械は来年3月末廃止です。思惑はコンビニ交付で必須のマイナンバーカードの普及にあります。マイナンバー制度の狙いは、税や保険料の徴収強化と社会保障の給付削減で、同制度は中止すべきです。
 第二は、公共施設の使用料の一部値上げの方針と、再整備計画で「公共施設30%縮減方針」を打ち出したことです。
 第三は、かつてキャンプ座間の下水処理施設の問題から継続してきた水質調査を、1973年の日米合同委員会で「汚染が発生したときに立ち入り調査を米軍へ要請」とあるからと調査を中止したことです。
 さらに、小児医療費助成制度は中学3年生までの拡充を求めていましたが当該年度は実現しませんでした。就学援助制度の入学準備金の前倒し支給はされませんでした。

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ざまりんのラッピングが施されたゴミパッカー車(写真:座間市提供)



一般質問

災害に強いまちづくり

中沢邦雄議員

 災害に強いまちづくりについて―大阪北部地震と西日本豪雨の教訓をいかすとして6項目の質問を行い改善を求めました。
(1)危険ブロック塀等地震対策―小学校プールのブロック塀倒壊による小学校4年生女児の犠牲を教訓に対策を求めた。
(2)ライフライン復旧対策―生活に欠かせない電気・水道・都市ガスの中で復旧に時間を要する都市ガス対策を求めた。
(3)急傾斜地崩壊危険区域の対策―南栗原4丁目地先の崖崩れの対策を求めた。
(4)ダムの緊急放流による浸水対策―城山ダムの緊急放流による相模川の浸水対策を求めた。
(5)避難所生活の環境整備―長期に亘る避難所生活で病気にならない対策を求めた。
(6)災害弱者支援の個別計画の策定を求めた。



一般質問

米軍ヘリ窓落下事故の再発防止策を

もりや浩一議員

 基地対策として(1)一昨年2月の山中湖村と昨年12月の沖縄での米軍ヘリ窓落下事故に続いて、今年7月27日に厚木基地でも窓落下事故があり、原因究明と再発防止策を求めました。(2)市内の米軍水道施設の返還に向けて、日米地位協定第2条第3項では「使用していない施設を返還」とあることから配管の現状把握を求めました。(3)米軍のキャンプ座間への弾薬輸送問題で、火薬類取締法にもとづく情報が県警にはあるのに関係自治体に情報がない現状、住民の安全を守る市の対応を求めました。
 また、芹沢公園で大雨の時、鉄砲水が流れたように、湿性植物園付近の水路に泥が大量に堆積した問題の対応策として、地下の一部に浸透貯留槽の設置を求めました。



一般質問

若者の学びの場、そして、いのちを護るためにすべきこと

星野くみ子議員

1、自殺対策について=WHOの報告によれば、世界中で年間約80万人が自死により命を落としている。日本においては15歳から34歳の死因のトップが自死であり、自殺死亡率も最も高い。これは憂慮すべきことであり、ゲートキーパー研修の対象を広げ、自殺対策の強化を求めた。
2、教育行政について=(1)小中学校体育館へのエアコン設置について。年々暑くなる夏に備え、すべての児童生徒が一年を通じてよりよい環境で学べるよう、また、万一の災害時の避難場所である体育館の整備を進めることは必要であることから、体育館への空調設備の設置を求めた。(2)就学援助について。中学校給食費が就学援助で賄えることの周知徹底を求めた。