2016年4・5月 第239号 第1回定例会報告特集


市民生活向上へ

地方行政のあり方を問う

国保税の値上げに反対

 国民健康保険税がこの4月から値上げになります。共産党は値上げに反対しました。反対の要旨を紹介します。国保税値上げの内容は、医療分、後期高齢者支援金分、介護分を合わせて所得割が11・54%の値上げ、均等割が2万9千5百円から3万2千円に8・47%の値上げ、平等割は2万8千2百円が2万9千6百円と4・96%の値上げとなっています。
 今でさえ払えないほど高過ぎる国保税を値上げするのは大きな問題であると指摘しました。座間市の国保財政の収支を試算してみると、国からの保険基盤安定分の増額を考慮すると国保財政の収支は16年度も17年度も黒字となり、あえて値上げする必要ないと指摘しました。国民健康保険は我が国の社会保障制度として重要な健康保険制度ですので、その財政負担は国が負うべきです。かつては保険給付の45%が国庫支出金でしたが今では25%以下に削減されているために、被保険者と地方自治体の負担が重くなっているのです。

税率改定に伴うモデル世帯の保険税比較表

マイナンバー制度
全国でトラブル相次ぐ

 今年一月から本格運用が始まったマイナンバー制度(共通番号制度)は全国各地でトラブルが相次いでいます。番号を国民に知らせる通知カードを受け取れない世帯が依然として数百万規模で残されているだけでなく、通知カードの紛失や番号が流出する問題が起こっているのです。座間市の状況は、昨年12月5日に129723人に通知カードを送ったが、2645人が受け取っていないこと、12700人からカード作成の申請があり、2463人に既にカードが渡っている、特にトラブルはおこっていないとのこと。マイナンバー制度の狙いは、政府が実態をつかみ、税や保険料の徴収強化と社会保障の給付制限を押し付けることにあるだけに、党は制度に反対です。

企業投資奨励金の十分な検討を

 党市議団は、企業投資促進に関する条例の一部改正に次の理由で反対しました。
 第一は、開発を抑制する市街化調整区域でも県知事の開発行為許可が得られたら条例の対象としている問題です。
 第二は、企業投資奨励金を本改正でロボット関連企業に増額する点です。企業投資額が条例の対象であれば、固定資産税と都市計画税を半減します。その減収分に対する市税の増収度合いや、市内産業の活性化に結びついているのか、十分な検討が必要ですが、その検討前に、投資奨励金の一部増額は納得しかねます。

待機児童解消に防衛補助の活用を

 本年度一般会計予算で、国からの特定防衛施設周辺整備調整交付金(防衛補助)が6289万3千円計上されていて、市は新消防庁舎に併設の防災啓発施設に充当するとのことです。
 党市議団は、待機児童解消が喫緊の課題となるなか、私立保育園だけ国庫補助があるが、かつて公立保育園の整備費と運営費に国庫補助があったと指摘。市は、耐震診断もせずに一部の園を民間移管する計画ですが、防衛補助の一部を公立保育所の耐震化や建て替え・増設などに充当し、待機児童解消に役立てるよう指摘しました。




新規・拡充された事業(抜粋)

民間保育所整備助成事業(拡充)  5638万円
児童ホーム管理運営事業(拡充) 1億4047万円
がん検診事業(胃がんリスク検診など拡充) 1億379万円
予防接種事業(モバイルサービスなど拡充) 3億3623万円
芹沢公園整備事業(拡充) 2億1510万円
小田急相模原駅西地区再開発事業(拡充) 2億5222万円
ひばりが丘地区遊水池用地取得事業(新規) 7500万円
新消防庁舎建設事業(拡充) 4億9737万円
放課後子ども教室推進事業(新規) 327万円
公民館大規模修繕事業(新規) 1716万円



日本共産党市議団

中沢邦雄

中沢邦雄(団長)

健康福祉常任委員
議会運営委員
議会改革特別委員
座間市農業委員
民生委員推薦委員
もりや浩一

もりや浩一

企画総務常任委員
基地対策特別委員会副委員長
都市計画審議会委員
二ツ塚線建設協議会委員
星野くみ子

星野くみ子

教育市民常任委員
広域大和斎場組合議会議員
青少年相談室連絡協議会委員
議会だより編集委員



第1回定例会概要

2017年4月開園に向け工事が進む芹沢公園
2017年4月開園に向け工事が進む芹沢公園

 第1回定例会は、2月25日から3月25日まで開かれました。平成28年度一般会計・4特別会計・水道事業会計・公共下水道事業会計の予算、平成27年度一般会計補正予算、市民文化会館条例の一部改正など53議案のほか、陳情等を審議しました。党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を中沢議員が行い、市政全般に対する一般質問は守谷、星野各議員が行い、決議1件、意見書1件を提出し、市民要求実現のために奮闘しました。

市民要求の陳情・決議・意見書

北朝鮮問題は6カ国協議で〜採択

 党市議団提案の「北朝鮮の核実験と事実上の弾道ミサイル発射に厳しく抗議する決議」が可決しました。
 北朝鮮による本年1月6日の核実験と、本年2月7日の事実上の弾道ミサイル発射の強行を強く非難。6カ国協議の共同声明に立ち返り解決をはかるよう求めた決議です。

待機児童解消を〜不採択

 党市議団提案の待機児童解消を求める意見書は、新政いさま・公明党が反対し可否同数で議長裁決により不採択となりました。
 公立保育所への運営費と整備費の補助復活、国有地などの貸し出し費用軽減、保育士の賃上げ等で待機児童解消を求めた意見書です。

陳情3本は全会一致で採択

(1)「介護従事者の処遇改善」
 過酷な労働環境・条件で働く介護現場のすべての職員の処遇改善及び労働環境の向上を国費で賄うことを求めた陳情。党市議団も同様の意見書を提出予定でしたので、陳情に積極的に賛成しました。

(2)「精神障害者の交通運賃割引制度」
 国の障がい者施策は身体・知的・精神の3障がい一元化が基本的な方向になっています。精神障がい者にも身体・知的障がい者に適用されている交通運賃割引制度の適用を求めた陳情。

(3)「軽度外傷性脳損傷などの相談窓口」
 学校や家庭においてまだ危険性が認識されていない、軽度外傷性脳損傷・脳震盪の周知と予防、その危険性や予後の相談窓口などの設置を求める陳情。
 以上3本の陳情は全会一致で採択されました。




総括質疑

座間総合病院の土地賃借料などを質す

中沢邦雄議員

 座間市平成28年度一般会計予算、それに特別会計等を加えた総額予算でも過去最高額になっている一方、国保税、下水道使用料、後期高齢者の保険料が値上げになっている予算の特徴について質した。固定資産税の代替的性格をもつ基地交付金と座間総合病院の土地賃借料1373万6千円を市が肩代りすることの妥当性について質した。今年4月から民間保育施設を認可し定員を45名増員することによる待機児童解消策を質した。ひばりが丘一丁目地区の雨水対策として遊水地を築造する事業で大和市側、国有地との関係、大和市内の引地川改修進捗を質した。来年4月の芹沢公園の完成に合せ、芹沢陸橋の赤い色塗装改修を行い市のシンボルとするよう求めた。



一般質問

県水配分水量の再協議を

もりや浩一議員

 座間の水道水は地下水と県水をブレンドしています。新年度は県水のブレンド率を15%から14%に減らすも4億9千万円近く受水費がかかります。党市議団が指摘し続けていますが、1978年10月12日の協定書による日量3万7300トンの配分水量の基本料金が約4億2千8百万円もあり、現状の日量5200トンに見合わない配分水量を再協議すべきと質問しました。市は、同じ状況の秦野市とともに神奈川県内広域水道企業団に対して毎年、県水受水費の低減要望を継続するとの答弁でした。
 他に、障害者医療費助成制度の年齢制限撤廃、国保税引き下げ、リニア新幹線の地下水への影響の対策、水道・下水道料金の福祉減免拡充などを求めました。



一般質問

介護家族を対象に、事業の必要性は

星野くみ子議員

 本年3月の座間市の高齢化率は24・1%です。加速度を増した超高齢社会、国・自治体の役割は大きく問われています。介護を社会全体で支えることを目的として2000年4月にスタートした介護保険制度は3年毎の制度改悪で、利用者やその家族への負担が重くなってきています。現在、介護にまつわる事件が多数起きています。悲しいことに、多くの場合、被害者も加害者も同じ家族です。介護についての正しい知識と周囲のサポートがなければ、家族にも本人にも取り返しのつかないことになります。行政として要介護者を持つ「家族」を対象としたレスパイトケア(レスパイト=小休止の意味)を重視した事業が必要ではないかと当局に質しました。




第1回定例会 主な議案等の表決結果