2015年4・5月 第235号 第1回定例会報告特集 


市民目線による 予算の特徴と問題点

国の法人税減税

座間市の法人市民税を直撃

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完成した「相模が丘仲よし小道〜さくら百華の道」

 座間市の平成27年度一般会計予算の特徴の一つは、市の法人市民税が前年度比5・8%マイナスの9億7050万円にとどまったことです。これは、国の法人税減税の影響を直接受けたためです。日本共産党は、国の法人税減税は大企業優遇であり、中小零細業者には恩恵がほとんどないこと、しかも、国民には消費税を増税する一方で大企業には減税するのは問題であり、むしろ応分の税負担を大企業に求めるべきだと国会で主張しました。県内で法人市民税が前年度に比べて増えているのは、政令市を除き、海老名市、綾瀬市、厚木市など16市中6市です。これらの市は比較的中小企業が多く集積して法人税減税の恩恵をあまり受けていないためです。座間市では法人の均等割額は6億8663万円で対前年度比マイナス9・5%となっています。市内大手事業所の日産自動車では史上空前の利益を上げていると言われているのに、法人税が前年度よりマイナス計上になったことは、特徴的に法人税減税の影響が約5千800万円に及んでいる問題であるので、党市議団が一般会計予算に反対する大きな理由の一つとなりました。

1万2千円のプレミアム商品券

安倍政権は、7月1日から実施

 アベノミクスのマイナス分を補うために、個人消費のてこ入れと地方経済の底上げを図るための経済政策を盛り込んだ国のH26年度補正予算を2月3日成立させた。補正予算の目玉は商品券や灯油購入の補助などに使える交付金2500億円と人口対策などに対する交付金1700億円が主な狙いになっている。座間市は、この交付金を受け入れ6事業に着手するとして、地域消費喚起・生活支援型交付金1億866万2千円を含んだH26年度補正予算を成立させた。具体的には、プレミアム商品券、ふるさと名物商品券等を、商工会に補助金を委託し、執行するものです。これを受けて市商工会では、プレミアム商品券を「ざまりんプレミアム商品券」と名付けて7月1日から9月30日まで、加盟店舗で利用できるとしています。商品券は500円券24枚綴りでワンセット、1冊1万円で、1万2千円分の買い物ができる、4万冊発行する予定だ。しかし、過去にも小渕政権がH11年に地域振興券(額面が1千円、1人20枚2万円が限度)を発行したが思うような結果が得られなかった。過去の教訓を生かし、経済的効果が得られるよう施行上の工夫と努力を党として求めたところです。

介護保険料値上げするな

 本来の介護保険制度では、国がかかった費用の1割を利用者が払い、残りの半分は公費で、残りは保険料とされてきました。しかし、新年度予算の構成比では、保険料が17%のところ25%を占め、国庫支出金は17%と調整交付金の5%の計22%ないといけないのが17%で、支払基金交付金は33%ないといけないのが26%となっています。党市議団はこういう介護保険制度を抜本的に改善するよう指摘。また、介護保険料は12段階から第6期計画期間で16段階にした点を評価しつつ、介護保険料の値上げは問題であると指摘し、予算と関連条例に反対しました。

社会保障税番号制度を批判

 党市議団は日本で暮らす人に12桁の番号をつけて、幅広い個人情報を国が一元的に収集、利用する共通番号制の問題を指摘しました。税金の徴収事務を厳しくし、給付の削減や負担増を押しつけるのが狙いで、国による個人情報の管理と情報漏えいの危険性があります。メリットは行政側にあり、住民にとっては個人情報が悪用される心配、そして一度、情報が漏えいしてしまったら取り返しのつかないことになる、というデメリットが大きいということで、大変問題であると言わざるを得ません。

2015年度新規・拡充された事業(抜粋)

◆妊婦歯科健康診査事業(新規) 110万円
◆保育所運営費負担事業(拡充) 10億5,603万円
◆子育て支援センター管理運営事業(拡充) 3,902万円
◆安全安心まちづくり事業(防犯カメラ設置)(拡充) 543万円
◆北地区文化センター耐震化・エレベーター設置事業(新規) 8,168万円
◆東地区文化センター耐震化・エレベーター設置事業(新規) 5,856万円
◆ブックスタート事業(新規) 142万円
◆キャンプ座間返還地等道路整備事業費(拡充) 1億2,300万円
◆小田急相模原駅前西地区市街地再開発事業(継続) 5,230万円
◆市道38号線雨水災害対策事業(新規) 3,594万円




日本共産党市議団

中沢邦雄

中沢邦雄(団長)

都市環境常任委員
議会運営委員
議会改革特別委員
座間市農業委員
もりや浩一

もりや浩一

健康福祉常任委員
基地対策特別委員
高座清掃施設組合議会議員
都市計画審議会委員
二ツ塚線建設協議会委員
星野くみ子

星野くみ子

企画総務常任委員会副委員長
議会だより編集委員
国保運営協議会委員



第1回定例会概要

 第1回定例会は2月26日から3月25日まで開かれました。議案は2015年度一般会計、特別会計の予算案など6件、2014年度一般会計補正予算案や協働まちづくり条例の一部改正や行政手続き条例の一部改正など36件、陳情1件を審議しました。
 党市議団は、議案に対する総括質疑を中澤議員が、討論を守谷議員がそれぞれ行い、一般質問には中澤、守谷両議員が立ち、意見書4本を提出し、市民要求実現のために奮闘しました。

意見書4本採択

テロは正当化されない

採択

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議員控室から見る谷戸山公園
と図書館前の“平和”の文字

 党市議団提案の「ISILによるテロ行為に関する意見書」はネットと無会派が退席しましたが他全ての賛成により採択されました。
 意見書では、シリアにおいてISILが2名の邦人に対し、卑劣極まりないテロ行為をいかなる理由があっても正当化されるものではないと指摘。国際社会との連携を強め、海外の在留邦人の安全確保に万全の対策を講じるよう求めています。

ヘイトスピーチ対策を

全会一致採択

 党市議団が公明党市議団と提案した「ヘイトスピーチ対策について法整備を含む強化策を求める意見書」は全会一致で採択されました。
 意見書では、国際連合の自由権規約委員会や人種差別撤廃委員会から、ヘイトスピーチに日本政府が適切に対処する措置をとるよう求める勧告が昨年あり、この勧告をふまえヘイトスピーチ対策の法整備を含む強化策を実施するよう求めています。

難病対策の充実を

全会一致採択

 党市議団が提案した「難病対策の充実等を求める意見書」は全会一致で採択されました。
 意見書では、昨年5月に難病法が制定されたが、大多数の小児慢性特定疾患治療研究事業の対象者が成人後に医療費助成を受けるすべがないと指摘。指定難病から除外される患者の救済措置、医療現場への疾病の周知徹底、難病患者の就労支援、地方自治体への情報提供などを求めています。

子どもの貧困問題への対策をもとめる

賛成多数

 近年、生活の苦しい家庭で育つ17歳以下の子供の割合が増えています。国には子供の貧困対策を実施する義務がある、と法律には明記してある。党市議団は、子どもが貧困によって不利益を被ることがないよう、学資援助や就学援助の拡充、新たな国庫補助の創設など公的教育支援の強化を国に求める意見書を提出しました。新政いさまは反対でしたが、賛成多数で可決されました。




一般質問

基地返還跡地の病院建設と人口減対策

中沢邦雄議員

 キャンプ座間返還跡地の病院建設について―来年4月の開院をメドに建設が進められているが、敷地面積1・5ヘクタールは国からの借地で、土地賃借料1137万2千円を10年間国に支払い、事業者の賃料の肩代わりをすることになった経過について質問した。
 市の人口減対策について―座間市の人口はこの2年間で925人減少。死亡者数より出生数が少ない自然減です。人口増が続いている海老名市など周辺4市は自然増です。この違いは中学校3年生までの医療費助成、中学校給食実施など子育て施策の座間市より進んでいることです。従って、座間市が人口減対策として行うべき施策は、子育て層が住みやすい福祉や教育環境であると質した。



一般質問

公立保育園の耐震化を

もりや浩一議員

 座間市では、床面積500平方メートル以上の公立保育園の耐震化を完了しています。しかし、緑ヶ丘と東原保育園とちぐさ保育園は民間移管予定や建て替え予定のためなのか、いずれも耐震診断をしていません。民間移管する保育園も公立で存続させる保育園でも児童の命はみな同じであり、保育園の耐震診断を早くすべきと求めました。福祉部長から耐震診断でないが日々の整備の中で確認していく旨の答弁がありました。
 他に、年少扶養控除廃止による保育料負担への対応、小規模保育施設への保育士完全配置、児童ホーム更新制廃止の中止や、危険な交差点への歩行者信号設置などを求めました。



企画総務常任委員会

市民目線の事業を求める

星野くみ子議員

特定政策推進室=「厚木基地NLP中止等要請事業費」要請の基準等を質疑。「基準は無く、厚木基地騒音対策協議会で相談し対応。座間市単独要請はしない」との答弁。市独自でも中止要請をするべきと指摘。
企画財政部=「社会保障・税番号システム整備費補助金」マイナンバー制度のメリット・デメリットを質疑。「作業の効率化、簡素化がメリット。デメリットは個人が特定しやすく、情報漏えいすると被害が大」との答弁。個人情報は重要であり、デメリットの方が大きいと指摘。
総務部=市職員対象の「心の健康に関する相談」メンタルヘルスチェック等が、全職員が対象か質疑。「正規職員のみ。非正規は対象外」との答弁。正規・非正規の差別のない健康管理制度が必要だと指摘。




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