2011年10・11月 第222号 第3回定例会報告特集


市上・下水道料金

10月から約33%の値上げ

共産党は一貫して反対

 座間市の水道料金と下水道使用量が10月から値上げになります。市の試算によれば、4人世帯の家庭(口径20mm)が2ヶ月で20?使用した場合、水道と下水道合わせて約33%、1126円の値上げです。

 値上げの理由は給水収益が赤字であるからだと市は説明しています。10年度水道会計決算で、給水事業の採算状況を示す、供給単価が112円95銭、給水原価は131円87銭と、1?当たりの水道使用量ごとに18円92銭の赤字になっています。この赤字は、01年度宮ヶ瀬ダム関連の受水が始まってから10年間続いているのです。

 受水が始まるまでは、市営水道は99年度8円83銭、00年度11円63銭の黒字でした。日本共産党は宮ヶ瀬ダム建設計画段階の70年代から神奈川県の水道水は約180万?過剰になっており、この上、宮ヶ瀬ダムを建設し新たに130万?の水道水を造る必要はないと県・市議会で一貫して反対してきました。そしてダム建設の借入金は水道料金に上乗せされ、将来の県民負担増を招くとして警鐘乱打してきました。従って、この歴史的経過から受水費増高理由の水道料金の値上げは容認できないのです。

平成22年度の供給単価および給水原価




医療・介護体制の抑制、削減に強く反対する意見書採択

 市議会最終本会議で共産党が提出した「医療・介護体制の抑制、削減に強く反対する意見書」を賛成多数(反対は市政クラブなど4人のみ)で可決しました。
 意見書は、野田首相が所信表明演説の中で「社会保障・税一体改革成案」を推進すると表明したことを重視。「一体改革案」の最終目標を2025年、「団塊の世代」が75才以上になり高齢化がピークに達する年としているが、増やすべき病院ベッド数を増やさず、逆に7万床(4%)減らすことや、入院に必要な患者は、2025年に162万人になる見込みで、この内33万人を介護施設や在宅に移す計画にしている。
 一方、介護分野でも、特別養護老人ホームなどの施設が161万人分必要になる見込であるが131万人分に抑制するとしている、病院と介護施設に入る人を合計63万人減らすことになるので、強く反対するというものです。




原子力艦船の横須賀母港 撤回を求める意見書

不採択

 党市議団が提出した原子力艦船の横須賀母港の撤回を強く求める意見書は、賛成少数で否決されました。三浦半島にある活断層が震源となる大地震が30年以内に発生する確率は全国で5番目に高く、その震源域に横須賀港があります。地震による地盤の隆起と津波による引き波で係留している原子力艦船が座礁、転覆する危険があり、さらに原子力空母の原子炉を冷却するための施設などが地震と津波で機能喪失する危険もあります。
 座間市民を含む首都圏3千万人を原子力災害の危険から守るために、原子力空母と原子力潜水艦の横須賀母港撤回を求めています。




県央三市

消防司令業務共同運用

平成27年度開始

 社会経済の変化や災害が複雑化する中で、消防司令業務の高度化や経費の削減が期待される「消防指令業務共同運用」を座間市、海老名市、綾瀬市三市で立ち上げ、海老名市に共同指令センターを建設、協議会を設立し、三市34万人からの119番受付事務や災害出場指令業務などを三市の消防職員で行います。IP電話やEメールなど多様化する119番通報でも高機能指令装置の導入で位置情報が即座に把握できます。さらに、三市が保有するはしご車など特殊車両を効率的に運用できるようにもなります。
 共同指令センターの運用開始予定は平成27年度です。三市の共同運用事業費の座間市負担分(人口割)今年度分8024千円が補正予算に計上されました。




日本共産党市議団

役職が10月よりかわりました
中澤 邦雄

中沢邦雄(団長)

企画総務常任委員
議会運営委員
農業委員
議会調査検討会会長
柏木 育子

柏木いく子

健康福祉常任委員
基地対策特別委員会副委員長
高座清掃施設組合議員
菊川 ユリ子

もりや浩一

教教育市民常任委員会副委員長
議会だより編集委員
国保運営協議会議員
二ツ塚線建設協議会委員



市民要求実現に

第3回定例会概要

 第3回定例会は9月2日から9月29日まで開かれました。議案は、水道事業会計決算や一般会計補正予算、道路の路線認定、NPO法人への寄付金控除など16件のほか、専決処分2件、請願と陳情を審議しました。党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を中沢議員が行い、市政全般に対する一般質問は中沢、柏木、守谷の各議員が行いました。意見書を2本提出し、市民要求実現のために奮闘しました。




特定の電気自動車の購入補助制度にするな

環境対策全般に活用を

 本市では今年度、電気自動車の普及を目的に購入1台につき10万円、合計10台分の補助をするという予算を設けていました。現在、国内の電気自動車は日産のリーフと三菱のi―MiEVの2車です。
 8月に広野台に所在する日産リーフの電池をつくる会社、オートモーティブエナジーサプライ(株)から自社の開発した電池を搭載する電気自動車の購入補助にあててほしいと一千万円の寄付がありました。そこで市は、低炭素社会実現のための基金を創設し、一千万円を基金に積んで、日産リーフの購入者に基金から40万円の補助をするという補正予算を9月議会に提出してきました。
 しかし、特定車輌購入者のみ上乗せの補助金になってしまうとの追及に対して市当局は「寄付した会社の電池を搭載した電気自動車が他に出てくれば補助対象となる」と答弁せざるをえませんでした。
 党市議団では、寄付された会社の言うままに購入補助をするのか、環境対策全般として寄付を活用するのか本市に問われていると指摘し、後者を選択するよう強調し、基金の広い活用を求めました。




一般質問

給食食材の放射線量を測定せよ

柏木育子議員

 各地で野菜、牛肉や海産物など、放射線に汚染されたものが市場に出回ってしまったことから学校や保育園の給食の食材の放射線量を測定するように求めました。WHO世界保健機構などの国際機関は、低線量被爆はいくら小さくても発がん性につながり、発がん性のなくなる限界値はないといっています。日本の食品安全委員会はこれを採用していませんが、市長も教育長も「国が食品衛生法上管理している。市場に出ているものは出荷元が検査しているので測定はしない」という答弁でした。
 このほか子育て支援については、児童ホームの充実などを求め、さらに中学校給食では、業者弁当方式(デリバリー)は食育にふさわしいのか疑問であると質しました。



一般質問

公共施設に太陽光発電パネル設置を

もりや浩一議員

 太陽光発電パネルをプールの庇や、かまぼこ型屋根に設置した事例を紹介。加えて、第四次座間市総合計画のまちづくり指標では「学校の太陽光発電・緑化ウォール等の設置率」を平成27年度には20%、32年度には50%にするという点を指摘。
学校教育の一環としても、広域避難所の災害対策としても、公共施設に太陽光発電パネルを設置すべきではないかと質問しました。市長から「太陽光発電の関心の高まり等を踏まえ、今後課題を整理し、実施計画に計上する」と答弁がありました。
 また、被災者生活再建支援法の内容周知、都市計画と地域防災計画の関連、消防職員や消防水利の充足率の向上、相武台前駅南口道路に横断歩道やバス折り返し地点の設置などを質問しました。



一般質問

原子力空母の撤去を

中沢邦雄議員

一、基地対策について

 キャンプ座間の返還候補地5・4ヘクタールの返還に関する基本合意が日米合同委員会でできないで遅れている事情について質す。米軍水源の早期返還とキャンプ座間全体での市営水道を利用することの重要さを指摘。原子力空母、原子力潜水艦の基地となっている横須賀は三浦半島活断層群と隣り合わせであり、一旦地震が起れば東電福島原発と同様の事故になりかねず、首都圏三千万人が被害を受けることになる。横須賀の原子力空母の母港化の撤去を提言。

二、住宅リフォーム助成事業の創設

 全国では4県と382市区町村で実施し経済的効果をあげている。県内でも3市3町で実施され海老名市も予定している。座間市でも早期実施をと。


表 議案及び意見書・陳情の表決結果