2009年7・8月 第213号 2009年6月議会報告特集


核兵器のない世界を

歴史的なオバマ演説

 オバマ大統領は、4月5日、チェコのプラハで「米国は核兵器のない平和で安全な世界を追求していくことを明碓に宣言する」と演説しました。

 そして、演説の中で「核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、米国は行動する義務的責任がある」と述べ、米国大統領として初めて、核兵器廃絶に向けた責任について語り、核兵器のない世界の実現に、世界の諸国民に協力を呼びかけました。

オバマ演説を歓迎

 この地球上から核兵器の廃絶を、世界で唯一の被爆国、日本国民と共に求め続けてきた日本共産党は、オバマ演説を歴史的な意義を持つものとして心から歓迎しました。そして日本共産党の志位和夫委員長名でオバマ大統領に書簡を送り、「核兵器廃絶のため国際条約の締結をめざしてイニシアチブを発揮するよう」要請しました。

 これに対して、オバマ大統領から返書が届き、大統領が核兵器廃絶に真剣な姿勢と熱意を持って臨んでいることをうかがい知ることができました。

市長は核兵器廃絶の先頭に

 市長を会長とする座間市原水爆禁止協議会は、今年で設立52年目を迎え半世紀を超えました。市原水協はこれまで核兵器廃絶による恒久平和の実現をめざして市民ぐるみで活動してきました。

 そこで、党市議団は6月議会の中で、遠藤市長に対して、オバマ演説の評価をたずねるとともに、歴代市長がそうであったように、市原水協の会長として核兵器廃絶のために市民の先頭に立つように求めました。これに対して遠藤市長は「先輩諸兄が築いてきた市原水協の会長として、私も先頭に立って取り組みます」と決意を明らかにしています。

 また、定例議会後の「核兵器廃絶に向けて」の共産党との懇談にも応じ、この中で「核兵器のない世界を」という来年ニューヨークで開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議に提出する国際署名にも快く署名してもらいました。なお、この国際署名には小俣博副市長、金子槙之輔教育長、山本愈市議会議長にも賛同していただきました。

党市議団提出の決議と意見書全会一致で採択

 党市議団が提出した「核兵器廃絶に向けて政府が世論と運動の先頭に立つように強く求める意見書」と「朝鮮民主主義人民共和国の核実験に強く抗議する決議」はいずれも全会一致で採択されました。なお、決議には政和会も共同提出者になりました。




住宅用太陽光発電設備

助成制度復活

党市議団の要求実現

 座間市は、環境にやさしい自然再生エネルギーの活用を推進するため、住宅用太陽光発電設備を設置しようとする人に、予算の範囲内でその費用の一部を助成するとして、その補正予算241万円を6月議会に提出し全会一致で承認され7月から施行されています。助成内容は、最大出力1KWあたり2万円(上限8万円)で、これに県の助成1KWあたり3万5000円(上限12万円)がもらえます。さらに、国の助成1KWあたり7万円(上限24万5000円)を加えることができます。

 市、県、国を合せた上限額総額は41万2千500円になります。

 一般家庭での発電設備用量は3・3KW程度といわれていますが、その設置経費は約200万円前後で、助成制度を利用すれば約160万円前後の経費で済むことになります。そして、自家発電の余剰電力を電力会社に買い取ってもらう買取価格が1KWあたり24万円が50万円に引き上げられました。

 この助成制度と買取制度を利用すれば発電設備の償却は20年以上といわれていたものが10年以内で元が取れることになります。

 座間市は太陽光発電設備に対する助成制度を平成16年から19年の4年間実施していましたが、国が助成制度を打ち切ると20年度に廃止してしまったのです。党市議団はこの廃止に強く反対し、一貫して復活を求め続けてきました。それだけに今回の復活を歓迎し、この制度を多くの市民が利用されることを期待するものです。

 党市議団は、二酸化炭素排出量の90%がエネルギーに由来することに着目し、エネルギー対策の要として、太陽光発電の推奨に努めてきたところです。この立場から、党市議団が求めた市の公共施設に設置し、いっそうの普及と啓発をはかるべきだとの提言が実り、昨年から入谷小学校、建設中の栗原コミュニティセンターや座間中学校一号棟、水道施設などに設置されることになりました。




第二回定例会概要

 第二回定例会は、5月29日から6月19日まで開かれました。議案は条例改正が2件、補正予算と専決処分など10件、土地開発公社や財団などの報告8件のほか、請願と陳情を審議しました。

 日本共産党市議団は、専決処分に対する質疑と、議案に対する総括質疑と、報告に対する質疑と討論を中沢議員が行いました。一般質問には3人全員が立ち、決議を1本、意見書3本を提出し、市民要求実現のために奮闘しました。




党提案の意見書採択

高校授業料援助
母子加算の復活

 第二回定例会で、党市議団提出の「高校の授業料及び諸費に公的予算を拡充するよう強く求める意見書」が全会一致で可決となりました。

 また、「生活保護世帯の母子加算の復活を強く求める意見書」は、公明党・明政会は反対しましたが、賛成多数で可決されました。

 貧困と格差が広がるなか、新日本婦人の会による緊急高校アンケートの内容にふれながら、母子加算復活を求める声や、授業料が払えず高校に通えないという声を取り上げたものです。




米軍再編交付金

九年間で計10億円予定

 在日米軍再編の交付金は、在日米軍再編への自治体の協力度合いによって国が支給するもので、座間市の受け取る総額が08年度から16年度までの9年間で約10億円に上る、と市は試算しています。

 市は、米陸軍キャンプ座間への第一軍団前方司令部移駐に反対していたため、全国の自治体の中で唯一、支給対象から外されていました。しかし昨年七月に容認に転じたことで、防衛省は座間市を新たに支給対象に追加したものです。

再編交付金充当事業費の内訳

(08年度分)
ガン検診事業費

64、123千円

(09年度分)
(1)道路橋りょう塗装補修事業費

14、880千円
(2)市民体育館大規模修繕事業費 6、195千円
(3)市営プール施設改修事業費 5、286千円
(4)市民文化会館大規模修繕事業費 37、762千円
(5)小学校家庭科室改修(5校)事業費
 (座間小、栗原小、旭小、相武台東小、ひばりが丘小)
63、802千円

(09年度分) 計127、925千円



一般質問

非常勒・臨時職員に手当改善を

柏木いく子議員

一、障害児担当などの臨時保育士に専門の研修の充実をするとともに、障害児保育や定員以上の入所児のための加配など専門的・恒常的な保育士の正規化を。

二、座間市の臨時・非常勤は合計459人で、全職員の3分の1に当たり、その内の8割が非常勤職員。

(1)非常勤職員に期末手当に相当する給与を支給するよう人事院が通知を出している。座間市の非常勤に期末手当の支給を。

(2)臨時職員72名のうち33名が10年以上も勤務しているが退職金が出ない。東村山市では常勤と認め退職金を支給。裁判になったが適法と認められた。座間市の臨時職員に退職金の支給を。

三、小学校や保育園のアレルギー対応給食について

四、地域問題についてなどを質問した。



一般質問

多重債務者の行政対応を行政情報端末の活用を

もりや浩一議員

一、サラ金業者が罰則のない高金利に設定する、いわゆるグレーゾーン金利の問題を取り上げ、特定調停で解決し過払い金を返還させ滞納解消につなげている自治体の例を紹介。サラ金問題の冊子の作成、多重債務解決の全庁的な意識向上を求めたところ「サラ金の内容等も含めた冊子を作成する、全庁的な対応マニュアルの検討をしたい」と市長等の答弁がありました。

二、失業者、特に若い人達の仕事確保を援助するため、市役所等にある情報端末を利用できるよう求めたところ、「対応したので市民に周知する」と総務部長の答弁がありました。

 その他、ふるさと雇用再生特別交付金等の活用、二ツ塚線と行幸道路の整備、青年の遊び場設置等を質問しました。



一般質問

基地・平和・まちづくり

中沢邦雄議員

一、キャンプ座間問題(覚書番と確認書) について―市は覚書の履行を国に求めているが、確認書と覚書は一体のものであり、覚書不履行の場合、自衛隊の使用を取り消すという確認書をもっと重視するよう求めました。

二、核兵器廃絶と座間市原水爆禁について―オバマ米大統領が初めて核兵器廃絶の演説を行った。市原水協の会長として、市長が核兵器廃絶の先頭に立つよう決意を求めました。

三、歴史的事実を表現して「深みのあるまちづくり」について―市外からの転入者が人口の九割を超える状況下では地域の結びつきも弱まっている。地域の歴史を表現し、まちづくりに活かすことで地域に対する愛着を取り戻す方策を提言した。




新型インフルエンザ米軍基地対策を!

党市議団市長に申し入れ

 党市議団は5月8日、新型インフルエンザ問題で、市の対応、とりわけキャンプ座間への対策強化を遠藤市長に申し入れました。市長が出張中のため小俣副市長が対応。秘書室長、保健福祉部長が同席しました。党市議団は市の対策の現状を質すとともに、党神奈川県委員会が外務大臣に対し、米軍基地の対策強化を申し入れたことを紹介、キャンプ座間に対する市の対策強化を要請しました。

 これに対し、市は市長を本部長とする市健康危機菅理庁内対策本部を2回開催し(1)市内での感染者発生に備え、消毒体制、マスク・防護服準備状況の点検と確認(2)庁内の連絡や相談体制の確立(3)市民周知への手段と方法の検討(6)市民向けチラシ約2万枚配布し、公共施設にもチラシを置き、ポスターを掲示するなどの対策をとったと説明。

 さらに、小俣副市長は、キャンプ座間には4月30日、今副秘書室長らが出向き基地での対策を求め、情報の共有を確認したとし、そのうえで、党が外務大臣に申し入れた、(1)米軍人の出入国状況や基地での検疫体制の実態把握、(2)感染拡大防止対策の強化―の2項目は「特に大事」と述べ基地内に出入する関係者に対する対策の必要性を強調しました。