2019年12月22日発行 第237号


2019年座間市議会 第4回定例会

 2019年座間市議会第4回定例会が、11月28日から12月20日までの会期で開かれました。提案された議案は、専決処分の承認1件と工事請負契約の締結1件、2019年度一般会計、特別会計の各補正予算7件、条例議案3件、財産の取得、市道の路線認定、監査委員の選任、報告案件4件、陳情5件でした。党市議団は、提案された議案などに対する総括質疑と討論は星野議員、市政全般に対する一般質問は守谷議員、中沢議員、星野議員の3人が揃って行い、市民要求の実現に努めました。

<一般質問>(質問項目)

◇守谷浩一議員
1.基地対策について
(1)キャンプ座間の米軍ヘリコプターによる民家のガラスなどの破損事故について
(2)厚木基地周辺の騒音問題とオスプレイ拠点化問題について
2.店舗リニューアル補助事業について
(1)事業の趣旨と課題について
(2)小規模企業振興基本法に基づく事業展開について
3.相武台前駅南口道路の改善について
(1)ガードレール設置と車止めポールの撤去について
(2)今後の歩道拡幅の見直しについて
4.市営住宅の管理計画と長寿命化について

◇中沢邦雄議員
1.台風被害の教訓を生かした災害対策について
2.教育問題について
(1)教職員の働き方改革について
(2)いじめ問題について
(3)不登校問題について
(4)体育館へのエアコン設置について
(5)成人式のあり方について
3.公共施設再整備計画にかかわる保育園の民営化について

◇星野久美子議員
 平和行政について




台風被害の教訓を生かした災害対策を

 10月の台風19号による市内の被害状況は、倒木9件(市道6件、県道2件、芹沢公園1件)、土砂流出1件(栗原で道路上土砂流出)で都市部道路課で対応処置済。公共施設では、相模川グラウンドが浸水により破損、栗原遊水池スポーツ広場の冠水、広野プールの倒木とネット破損、ひばりが丘・相模が丘・入谷のプールで日よけ屋根等の破損がありました。また、栗原小学校など4校で樹木の枝折れ、座間中学校での倒木が発生しました。
 農業被害では、台風15号での被害で温室のガラスの破損が2件で合計約40万円被害で、いずれも原因は風によるものです。県の調べでは農作物も含めた被害額は約400万円ということです。そして、台風19号では、果樹園のネットの破損が1件、温室のガラスの破損が4件、合計約40万円の被害で、原因は風によるもので、農作物の被害額は未確定といいます。以上、市内では人的被害や家屋被害も無くて幸いでした。しかし、全国各地で起きた被害状況と課題を生きた教訓として、座間市の災害対策に生かしていくことが大切だと思い、一般質問で5点ほど取り上げました。
 まず、水道施設です。被災したライフラインの中でも電気や都市ガスに比べて水道関係の復旧は長引く傾向にあり特別対策が必要になっているからです。市内には、避難区域内の四ツ谷に1日に1万2千トン配水している配水管理所があり、相模川沿いに深井戸6本の水源があります。配水管理所の地下にある電源は、高台にある立野台の第一配水場に移す対策をとっているとのことでした。
 次に、特別養護老人ホームなどの高齢者施設や保育園などの福祉施設に入所している人の避難対策。そして、浸水などにより被災した家屋などから出る大量の災害廃棄物(ごみ)・家具や家電・畳・木クズ・タイヤなどの置場と処理対策。さらに、避難所問題としては、障害者の避難(車いす利用者)対策、車利用者の駐車場確保、ペット同行しての避難対策など平時からの対策の必要性を取り上げました。【中沢邦雄 記】




事故のない平和な空を

◎米軍ヘリによる民家のガラス破損事故の原因解明を
 本年10月28日午後3時頃、米軍キャンプ座間のヘリポート近く(相模原市内)の住宅地で、家屋内に吹き込んだ強風により、ガラスの破損や多数の調度品が破損する事故がありました。当時、屋外にいた家主は「ヘリ2機が轟音とともに下りてくるのが見えた。快晴でほぼ無風だったが、突然、土埃と落ち葉が舞い、1分間以上周囲が何も見えない状態が続いた。基地側の窓から強風が吹きこんだと見られる」と述べています。相模原市によると、同じ時間帯に同地区にある騒音計が65秒間連続する騒音を計測、最高音は82.3デシベルでした。相模原市は「激しい飛行と住宅への影響があったと推測される」と表明しています。
 その後、11月29日に在日米陸軍からの回答があり、発生時間のヘリ飛行を認める一方、米陸軍ヘリが被害原因であると証明できる警察の検証がない限り、いかなる対応もしかねるという内容でした。
 そこで、事故の事実関係の確認と調査報告の公表は米軍がすべきではないか、事故の原因が明らかになるまで米軍ヘリコプターの飛来中止を求めるべきではないかと質問しました。市長室長から「被害の原因が明らかになっていないので座間市としては何も対応しない、防衛省が行うべき」という趣旨の答弁でした。基地を抱える住民の不安にもっとこたえるべきです。

◎厚木基地をオスプレイの整備拠点にするな
 各地で墜落している輸送機オスプレイは、エンジンフィルターの問題や、オートローテーション(自動回転)機能が欠落などの欠陥が指摘されています。しかし、日本に配備中のオスプレイ機体は改善がされないままです。
 そんな中、2017年に千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地内にオスプレイの整備拠点が設置されました。米海軍は、オスプレイの新たな整備拠点の設置を検討、今年2月20日に開催した企業説明会には日本飛行機など5社が参加したとのことです。厚木基地に隣接する日本飛行機が新たな整備を請け負うことになれば、厚木基地周辺で修理や整備中のオスプレイが飛ぶことになり、厚木基地が整備拠点になりかねません。オスプレイ整備拠点募集の進捗状況をどのように捉えているのか質問しましたが、防衛省から情報なしとの答弁でした。今後も事故のない平和な空を求めていきます。【守谷浩一 記】




核兵器廃絶〜あきらめずに声を上げ続けよう

 2019年第4回定例会の一般質問で平和行政、核廃絶について取り上げました。

◎フランシスコ教皇からのメッセージ
 11月に来日したローマカトリック・フランシスコ教皇は核兵器の廃絶に対して強い決意のメッセージを残していきました。「核兵器や大量破壊兵器を所有することは、この平和や安定の最良の答えではない」「軍備拡張競争は貴重な資源の無駄使いであり、核兵器の保持、使用、開発は途方もないテロ行為である」「紛争の正当な解決策として、核戦争の脅威による威嚇をちらつかせながら、どうして平和を提案できるでしょうか」と核抑止論にまで言及しました。

◎市長の姿勢
 フランシスコ教皇のメッセージを市長はどのように受け止めたのかを質しました。市長は「あくまでも個人的な所見である」と前置きをしたうえで、「宗教者として素晴らしい、勇気ある発言だと受け止めた」としながらも、「核に関して双方が疑心暗鬼になっている状態で、片方が一方的に廃棄をするということはいかがなものか」結局は核廃絶に関しては見解の相違がある、現在の段階においては核抑止論からの脱却は不可能であるという内容の答弁でした。

◎高校生平和大使
 1998年にNPT不参加のインド・パキスタンによる相次ぐ核実験強行に危機感を募らせた長崎の平和団体が、被爆地ヒロシマ・ナガサキの声を世界に伝えるために、未来の希望である若者を「高校生平和大使」として国連に派遣することを決め、以来毎年国連を訪問し、核兵器廃絶と平和な世界の実現を訴えてきました。また、民間では初めて核軍縮会議でスピーチも行い、2018年、19年とノーベル平和賞の候補にもなりました。現在では広島・長崎に限らず広く全国から大使の募集を行っています。若者の未来を守り、核兵器廃絶に大きな貢献となっている「高校生平和大使」の応募を、市としてバックアップすることについて見解を求めたところ、市民部長から「高校生平和大使は平和団体が高校生を募集し選考して活動していると聞いているが、本市としてその活動を支援する考えは無い」という、冷たささえ感じさせる答弁でした。

◎私たちにできること
 私たちにできることは、日本政府に対して核兵器禁止条約の批准をすること、核抑止論から抜け出すことを求めていくことではないでしょうか。また、核保有国に対して「核兵器は絶対悪である」という声を上げ続け、核兵器が廃絶されるまであきらめないことです。共にがんばっていきましょう。【星野久美子 記】




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