2017年6月21日発行 第208号


2017年座間市議会 第2回定例会

 2017年座間市議会第2回定例会(6月議会)が6月2日から6月26日まで開催されました。提案され審議した議案は、専決処分の承認、17年度補正予算、報告案件など9議案でした。党市議団は、提案された議案に対する総括質疑と討論は星野久美子議員、市政全般に対する一般質問は守谷浩一議員と、中沢邦雄議員が行い、市民要求の実現に努めました。
〈一般質問〉(質問項目)
  ◇守谷浩一議員
  1.国民健康保険の都道府県単位化による議題と展望について
   (1)神奈川県国民健康保険運営方針の捉え方と活用について
   (2)国保税や窓口負担の減免制度の周知と活用
   (3)国からの支援金の活用と国庫負担額の必要性
  2.市作成の労働ガイドの活用と国庫負担額の必要性
   (1)労働ガイドの中学・高校や成人式での活用
   (2)若者向けだけでない労働ガイドを
   (3)過労死、過労自殺のない社会にするために
  3.リニア中央新幹線の地下水への影響と地下水総合調査事業について
   (1)地下水脈への影響と水質汚染の懸念
   (2)地下水総合調査事業で調べられる内容と活用の展望について
  4.来春開業予定の大型商業施設周辺の渋滞対策と今後の見通しについて
   (1)渋滞解消のための道路整備の見通し
   (2)交差点改良の課題と展望
   (3)周辺の交通安全対策
  5.相武台前駅南口道路のバリヤフリーと交通安全対策について
   (1)車止めポールとガードレール
   (2)業務スーパー前の歩道拡張の見通しと広報
   (3)車いすやベビーカーも通りやすい道に向けて
 ◇中沢邦雄議員
  1.基地行政について
  (1)キャンプ座間について
    ア、「覚書」の見直しについて
    イ.米軍「川上弾薬庫」から「キャンプ座間」への弾薬輸送問題について
    ウ.座間司令部等の建て替えについて
  (2)厚木基地について
    ア.米艦載機岩国移駐について   イ.厚木基地の爆音について
    ウ.多発する部品落下事故について エ.オスプレイ飛来について
  2.教育行政について
  (1)次期学習指導要領改定について
  (2)全国学力テストの評価について
  (3)教員の長時間労働・中学校部活動について
  (4)いじめと不登校問題について
  (5)図書館の学校史切り取り問題について
  (6)理科教育振興法に基づく整備率につて




米軍「川上弾薬庫」から「キャンプ座間」への弾薬輸送問題について

 川上弾薬庫からキャンプ座間への輸送の概略は、川上弾薬庫から民間業者のトラックで搬出し、広島貨物ターミナル駅で鉄道輸送に積み替え、横浜羽沢駅まで輸送し、そこから民間業者のトラックでキャンプ座間に搬入されているものです。実績は5トントラックで12回約60トンの弾薬が2015年、16年と輸送されています。川上弾薬庫のある東広島市には、年度4300万円の交付金が配分されています。しかし、座間市には一切の情報が無く、約60トンの弾薬がいつ搬入され、どこに保管され、どのように利用されているのか明らかにされていません。市民の不安を解消し、安全安心の町づくりを進めていくためにも、弾薬輸送の情報を米軍と政府に求めていくことは、市長の重要な責務だと一般質問で質しました。 (中沢邦雄 記)




<<よろず相談>>
○ 日 時 7月21日(金) 午前10時〜12時
○ 場 所 座間市役所 6階 日本共産党控え室
お気軽におでかけください。7月の担当は中沢邦雄議員です。



委員会審査報告〜市民に思いを寄せて

 平成29年座間市第2回定例会が行われ、私が所属する「予算決算常任委員会・民生教育分科会」と「民生教育常任委員会」6月15日に行われました。今回市から提出された議案は補正予算2議案と一件の請願、そして2本の陳情です。

◎補正予算について

一般会計の補正予算は「災害弔慰金等支給事業費」の16万円の増額です。これは、当初予算で組んであった16万円が、多発した市内での火災による被災者への見舞金支給で使用され、新たな予算が必要になったためです。災害弔慰金の金額は、
全焼・全壊又は流出→1人世帯 30,000円、2人以上世帯50,000円、半焼又は半壊→1人世帯 20,000円、2人以上世帯30,000円、床上浸水等は10,000円(それぞれ一世帯当たり)となっていますが、この要綱が制定されたのは1974年10月で、既に43年が経過しています。見舞金額の見直しも必要なのではないでしょうか。
 国民健康保険特別会計の補正予算は一般管理経費13,469千円の増額で、これは国保の都道府県単位化に伴うシステム改修の委託料です。財源は国庫補助金で100%賄われ、市の持ち出し分は無い、とのことですが、都道府県単位化に向けての市民の負担増等の懸念はぬぐえません。

◎請願・陳情

 民生教育常任委員会に付託された請願は、「義務教育に係る国による財源確保と、35人以下学級の着実な実施・進行を図り、教育の機会均等と水準の維持・向上並びに行き届いた教育の保障に関する請願」です。これは義務教育費国庫負担制度の存続・拡充や、教職員の定数改善等を求めたもので、賛成多数(賛成6共産・公明・大志・明進・無会、反対1自民)で採択されました。
 陳情は第2号「介護従事者の勤務環境改善及び処遇改善の実現について国への意見書提出を求める陳情」、第3号「安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善について国への意見書提出を求める陳情」で、ともに医療や介護の現場労働者の環境改善を求める陳情です。医療・介護の夜勤交代制労働の条件改善を求めた3号は全員賛成で採択でしたが、介護現場で働く労働者の処遇改善を求めた2号は賛成少数(賛成2共産・無会、反対5自民・公明・大志・明進)で不採択になりました。同じ労働環境改善の陳情なのに何故なのでしょう。介護従事者の処遇は医療従事者に比べると格段に低いのが実情です。質の良い介護を保障するためにも、介護従事者の処遇改善は待ったなしであり、地方議会から国へ声を上げていくことが必要です。
 本会議でも委員会でも、市民の心に寄り添うことが一番大切ではないかと考えます。  【星野久美子 記】




〜過労死・過労自殺のない社会に〜
労働ガイドのさらなる活用を

写真 本年6月13日、市作成の労働ガイドの活用と今後の発展について一般質問を行いました。働く人の権利を知らずに大変な生活をされている方がいるなか、これまで働く人の権利を紹介する労働ガイドの活用を求めてきました。2010年1月の成人式で初めて、神奈川県若者労働ガイドが置かれ、ほしい人が労働ガイドを持っていけるようになりました。その後、座間市独自の労働ガイドが作成され、今年はリニューアルもされました。

○中学・高校や成人式での活用を

 労働ガイドの成人式での活用部数をきくと、50部ほど新成人に渡ったとのことでした。そこで、成人式会場で配られる式次第と一緒に手渡すか、あるいは成人式の開催通知と郵送する提案をしましたが、当局は検討しないという答弁でした。
 また、中学卒業で社会に出て働く人やアルバイトする人もいることから、働き出す前にこれらの労働ガイドの一部でも知っておくことは重要と思います。そこで、中学校の職場体験や高校での労働ガイドの活用を提案したところ、教育長から「有効と思うので進路指導でいかしたい」との答弁でした。また、環境経済部長から「市内の高校3校に300部ずつ届けたほか公民館などに配架」との答弁でした。

○過労死・過労自殺のない社会にするために

 日本の労働時間が、ドイツやフランスと比べて約500時間も多くなっていて、過労死や過労自殺がなくならないのは、労働時間の上限規制や、仕事終業から始業まで11時間あけるインターバル規制などEU(欧州連合)で存在するルールが日本に存在しないからと考えます。市長に、労働ガイドの評価を伺うとともに、過労死や過労自殺のない社会にするために必要な施策を質問したところ、「労働ガイドはわかりやすくまとまっている。必要な施策は、残業時間の上限規制やインターバル規制、メンタルヘルス対策」との答弁でした。
 今後も、過労死・過労自殺のない社会を求めていきます。(守谷浩一 記)



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