不安増大「住基ネット」

 白井市議会は「住基ネット」延期を求める意見書を政府に提出した、県内ただ一つの議会です。
 日本共産党市議団は、意見書採択を踏まえて、7月29日、市長あて「住基ネットの稼働を凍結するよう国に申し入れること、市はネットから離脱すること」を求める文書を提出、翌30日には市長に面会のうえ申し入れを行いました。(ミニニュース「こんにちは」2002年8月23日付けより)

●一般国民にはほとんどメリツトなし

 政府は来年8月から「全国どこでも住民票の写しがとれる」「引っ越し手続きは、転入時に一回、役所に行くだけで済む」ことを例にあげて「住民サービスが向上する」といいます。しかし、日常生活で住民票を取り寄せる機会はそう多くはなく、総務省によれば国民一人当たり住民票の平均請求枚数は年間0.7枚に過ぎません。そのうえ今でも全国どこからでも郵送で受け取ることができます。
 引っ越しについては生涯に何回あるかでしょう。確かに引っ越しは転入先の市町村に一回届けると住基ネットが処理しますが、転入先に事前に転入を文書で知らせる必要があり、今とは違った手間が生じます。
 市にしても住民の転出入を毎日国に連絡するなど、事務量・費用など負担が増えます。これでは市民・市ともにメリツトは少なく、結局は国の恩惑が一人歩きするだけです。

●議会の意思に反する・たよりない市長の態度

 7月30日の市長への申し入れは、薄井議員所用のため鳥飼議員が行いました。
 前目の申し入れ書と議会の意見書提出を踏まえて話し合いました。市長は「全国市長会も国に対して慎重対応を申し入れている」また「白井市個人情報保護条例で個人のプライバシー保護に対応していく」などと答えるばかりで、ネットからの離脱はおろか、国に対する意見表明も不明です。
 白井市民の個人情報が他市町村や事務委託の業者から漏れる恐れがあり、法整備も後回しの「住基ネット」導入に、こんな頼りない姿勢ではとても市民の人権を守ることはできません、市議会の決議を尊重すべきです。

●個人のブライバシーがもれる恐れ

 政府は「使用する個人情報は限定されており、情報漏えいには厳しい罰則を科している。不正侵入を防ぐために専用回線を使っている」などと安全性を強調しています。
 しかしコンピューターの世界では「絶対安全」はありえないのが常識です。
 白井市民の住民票が全国どこでも受け取れるということは、全国どこの市町村から情報が漏れても不思議はないということにもなります。全国数万人にのぼる住基ネットの担当者の中にたった一人の不心得者がいれば、情報漏えいは免れません。また情報漏れにつながる危険性の高いデータベース化など「目的外利用」には罰則もありません。専用回線といっても、一般の通信回線と使用方法が違うだけで、不安が残ります。

●「住基ネット」実施前に個人情報保護を

 99年の国会審議で、「住基ネット」から国民のプライバシーが漏れる恐れがある、または国家管理に歯止めをかける必要があるなど、国民の世論が湧き起こりました。その結果、当時の小渕内閣は「住基ネット実施の前に個人情報保護法を作ること」で住基法はやっと成立したのです。ところが、政府が先の通常国会に出した個人情報保護法案は、行政機関が個人情報を目的外に使うことには罰則がない一方で、報道・表現の自由を脅かす欠陥法案だったために、世論の反対にあって成立しませんでした。このように住基ネット導入の前提が崩れている以上、稼働凍結を図るのは当然です。

●「住基ネット」に不安・国民は支持していない

 民間調査会社マクロミルは8月19日、「住基ネツト」に関するアンケート調査の結果を発表しました。調査は稼働後の8月9・10日の両日、東京都や、千葉、神奈川、埼玉各県居住の20代から50代の男女1500人を対象に、インターネットを活用して行いました。稼働を「支持する」と答えた人は9.3%に過ぎず、「支持しな」人が56%、「どちらともいえない」は30.1%でした。情報が漏れることへの不安(複数回答)について、79.4%が「コンピユータへの外部からの侵入」を挙げ、「職員など自治体内部からの漏えい」の心配は77.7%に達しています。
 高知市では、配達されたコード番号の受け取りを拒否した人が、400人と伝えられており、今後は同様の動きが、全国で広がるものと思われます。
 日本共産党白井市議団は「住基ネット」の間題点を明らかにしつつ、今後も議会質問その他の活動を通して、市民のプライバシーを守っていく所存です。

住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の仕組み

 国民一人ひとりにつけた11ケタの「住民票コード」番号と氏名、住所、生年月日と性別、変更情報を記録し、市町村と都道府県・国が通信回線で結んで本人確認に利用するのが「住基ネット」です。
 住民票コード番号は8月中に通知され、来年8月から使用されます。

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