日薬学術大会参加してきました
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第48回日本薬剤師会学術大会 報告

 11月22〜23日と鹿児島で行われた日本薬剤師会・学術大会に参加してきました。今回のテーマは「噴き上がれ! 湧き上がれ! 私たちの熱き思い─地域に求められる薬剤師として─」で、全国から約7千人の参加でした。
10月末に財務省から調剤報酬について厳しい改革内容が出された中での開催ということもあり、開会式では日本薬剤師会・山本信夫会長は、「薬局・薬剤師の職能や役割を再確認し、原点に立ち返る契機となるよう」、大会運営委員長の鹿児島県薬財師会・内野悟会長は、「昨今の厳しい状況を受けて、大会での講演や発表から将来のヒントを見つけてほしい」と述べました。また、来賓で薬剤師の渡嘉敷奈緒美・厚生労働副大臣は、かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師の議論に触れ、「国が提示したかかりつけの定義は、多くの薬剤師が日ごろから当たり前に行っていることだと認識している。薬剤師の果たしている役割が国民に浸透していないということはある」と、薬剤師の職能や役割に関して、認知度を向上させる必要性をのべました。
特別講演がいくつかあったり、分科会も16あり、ポスター発表も多く、機器などの展示などもあり、また会場が分散しておりすべてを回ることは到底出来ませんが、参加できたなかから2〜3紹介させて頂きます。
「医療情報と医療安全」の鹿児島大学病院の熊本一朗病院長の特別講演では、インシデントレポートの提出を促進し透明性を強め予防に役立てることや、調査報告書に再発防止策を書くと裁判の時に使われるジレンマや、これからは再発防止のみでなくレジリエンスといった見方も必要などのお話を
されました。私にとっては、レジエンスという言葉は初めて聞く言葉でしたが、医療現場では膨大な医療行為がされている中で、いろいろ問題があっても多くのものが事故を起こすことなく実施されており、それがなぜうまくいっているのかを検討することも必要ということでした。
「超高齢社会における地域医療のありかた」の産業医大・公衆衛生学の松田晋哉教授の特別講演では、慢性期の患者が増えていく中で薬剤師の役割として「医師には出来ない調剤業務(薬剤調整・指導・服薬状況把握など)で、薬剤師がプロフェッショナルとして本来果たすべき機能を再確認し、それに沿った制度設計を行うべき」とされました。
また、特別記念講演では、指宿にあるメディポリス医学研究財団の永田良一理事長より、陽子線によるがん治療効果なども紹介されました。