MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
HOME プロフィール 市政レポート 市議会会議録 無料生活相談 ブログ かけある記 リンク

市議会会議録
<< 戻る

2010年6月議会 代表質問(2010.6.14)

 日本共産党水戸市議団の田中まさきです。2010年6月定例会にあたり通告に従い代表質問を行います。
1.国保行政―保険証の交付について 
はじめに、国民健康保険行政のうち、保険証の交付について質問します。市は4月切り替え時に、国保税を金額に関わらず5期以上滞納した世帯のうち、3478世帯に短期保険証を郵送交付せず、窓口に留め置きました。
4月28日、水戸生活と健康を守る会がただちに保険証を交付するよう申し入れ、市は4月30日に郵送しました。
5月半ば、私が相談にのった市内に住む50代男性は、4月すでに体調が悪かったとのことですが保険証がなかったため受診できず、5月に保険証が届いた時点で受診すると、医師から病状は深刻で肝硬変が進行し腹水まで溜まっており、即入院と言われたそうです。仕事は低賃金で不安定なため、国保税の支払いも医療費の支払いも難しいと訴えておりました。1か月の留め置きでもこういう事例が出たわけです。4月は子どもの保険証も含めて留め置かれました。 
厚生労働者は昨年12月16日、長期の窓口留め置きはやめるよう求める通知を出しています。保険証は市民の大事な命綱であり、10月の短期保険証の切り替え時も含め、今後留め置きはやめ、全員に郵送交付を求めますがいかがでしょうか。
A減免制度の拡充について
 次に減免制度の拡充についてです。4月1日から、倒産・解雇などで失業した人に対し、給与所得を100分の30とみなして国保税を減免する制度が実施されました。これにより国保税が減免された人は何人か、取り組み状況をお答えください。積極的な制度で歓迎しますが、対象はハローワークで交付された雇用保険受給資格者証に、解雇・雇い止めなどの離職理由が記載されている人に限られ、自己都合は対象外です。
しかし実際は解雇でも、自己都合による退職扱いとされる実態があり、失業者の負担を軽くするため市独自に減免すること、その際所得割だけではなく平等割・均等割も減免するなど拡充を求めますがいかがでしょうか。

(国民健康保険について 答弁者 加藤浩一市長)
 日本共産党水戸市議団を代表されましての田中議員の御質問にお答えいたします。 
はじめに,国民健康保険の保険証の交付についてでありますが,保険証の窓口交付につきましては,国保税の滞納世帯との接触する機会を設け,納税相談を促すことを目的とする措置でございます。
このうち,いわゆる高校生世代以下の保険証については,国の方針に基づき,郵送により交付してまいりますが,世帯主等の保険証につきましては,引き続き窓口交付を基本に,収納率の向上に努めてまいりたいと考えております。
次に,減免制度につきましては,先般の地方税法の改正により,今年度分から雇用保険の特例対象被保険者等に対する軽減措置が創設され, 5 月末現在で196件の申請があったところでございます。御質問の減免制度の拡充につきましては,国保会計の財政状況が非常に厳しい状況であることや,税負担の公平性の確保等にも留意して,慎重に検討する必要があると考えております。
 
2.大工町再開発―特定業務代行方式について
次に、大工町再開発について質問します。共産党水戸市議団が行った市民アンケートでは、事業中止と再検討を求める声が76%にのぼり、先の3月議会では江尻議員は、市民目線での事業見直しを求めました。
4月27日、再開発組合は、事業を丸ごと委託する特定業務代行方式の相手として、長谷工・株木グループとの基本契約を結びました。その中で、ホテルオークラに委託する方針は変更もありうると発表されています。それ以外のテナントビルやマンション、駐車場などの計画に変更はないのか、明らかにしていただきたいと思います。
特に、再開発組合と長谷工・株木グループが結んだ、「特定業務代行基本契約書」について、市は確認もしていないとのことですが、約40億円もの税金補助を行う事業であり、事業を担保する契約について把握すらしないのは問題です。基本契約書をはじめ徹底した情報公開を求めます。
一括業務代行方式を採用した鹿嶋市の平井東部区画整理事業では、フジタ・マツムラ組が業務代行したものの、保留地が売れず破たん同様となり、フジタ・マツムラ組が買い取る契約を破棄し、区画整理組合が裁判に訴えましたが敗訴、市が出した補助金は、組合の借金返済にあてられるなど事業がゆきづまっています。また、広島県福山市の「東桜町地区・再開発事業」の特定業務代行基本契約書では、ホテル保留床の処分先を確保できないときは売買予約契約を結ぶとする一方、社会情勢経済情勢その他やむをえない事情により、事業推進が困難なときは契約解除もできる、としています。
特定業務代行方式を選定したからといって事業が確実に進む保証はありません。事実、長谷工コーポレーションは4月28日、子会社の株式評価損48億円を特別損失に計上、グループを取り巻くマンション市場が低調で厳しい状況が続く、と業績悪化を発表したばかりです。
そこで事業採算の見通し、破たんした場合の責任について、また、事業費総額はこれまで139億円とされてきましたが、103億円まで36億円減らすとしています。当然、約40億円もの税金による補助も圧縮されるものと考えますがその規模はどれくらいになるのかお答えください。
今回の発表は、基本的な部分は何も変更がないのが特徴です。財政が厳しいと言いながらなぜ約40億も税金を投入し、ホテル・マンション・テナントビルをつくるのか、大工町再開発は根本から見直し、補助の中止を求めます。 
(大工町再開発について 答弁者 加藤浩一市長)
 次に,都市計画行政についてのご質問にお答えいたします。大工町1丁目地区市街地再開発事業につきましては,去る5 月27 日に,再開発組合と特定業務代行者との間で,「特定業務代行基本契約」が締結されました。このことによって,長年の懸案事項が解決されるとともに,間違いなく事業が執行される確証を得たところであります。 
この契約を踏まえ,再開発組合では速やかに実施設計に着手するとともに,事業費や今後の事業スケジュールの詳細を確定していくこととしております。ホテルやマンションの導入については,これまでの計画を踏襲する考えにありますが,さらに,特定業務代行者の知識・経験等を十分活用し,事業採算性の一層の向上に努めるなど,より健全な事業を構築していくこととしております。
また,補助金につきましては,補助対象範囲が限定されていることから,今後,国や県とも十分協議してまいります。
私といたしましても,この事業は,中心市街地の再生と賑わい創出のため,極めて重要な事業と考えておりますので,引き続き,積極的に支援してまいります。

3.指定管理者制度―外郭団体に継続して指定し職員体制の拡充を 次に指定管理者制度について質問します。今年度で現行の指定管理者に対する指定期間が完了し、市は来年度からの指定管理者を公募するとの方針を示してきました。指定管理者制度は、効率性や経費削減を強調し、民間との競争をあおり、職員の待遇悪化や市民サービス低下につながりかねない制度です。
現在、指定管理者となっている外郭団体の社会福祉事業団、スポーツ振興協会、公園協会など、かつては市が直接行ってきた事業を引き継いできた公共性が高い団体です。設立経過、職員の処遇からいっても、来年度にむけた公募は行わず、継続して指定すべきですが、市長の見解はいかがでしょうか。社会福祉事業団は、作業所や入所施設など障害者や高齢者への福祉事業を行っていますが、利用者や職員から不安の声が出ており、そのこと自体が問題です。社会福祉事業団の職員体制は、正規職員93人に対し、嘱託・臨時職員が139人で非正規が増えています。市が外郭団体に対する支援を拡充し、正規雇用を増やすべきと考えますがいかがでしょうか。
(指定管理者制度について 答弁者 加藤浩一市長)
 次に指定管理者制度について,お答えをいたします。現在,指定管理者制度を導入している公の施設は,平成23 年3月に指定期間の満了となることから,新たな指定管理者の選定が必要になっております。
本市においては,候補者の選定に当たっては,原則公募を行うこととしてきたところではありますが,外郭団体については,これまで市派遣職員の削減など団体運営の自主・自立化に向けた取組みを行うとともに,施設管理のサービス向上に努めてきた一方で,多くのプロパー職員が在籍していることから,急激なスリム化を行うことが難しく,職員の処遇が課題となっています。外郭団体については,事業内容が関連する類似団体との統合など一層の経営改善を行うことを前提に,市と外郭団体が連携して検討し,統合の進ちょくや退職者の状況を見極めながら,指定管理者の公募が可能となった施設から順次公募を行っていくこととし,それまでの間は公募によらない選定も視野に入れなければならないと考えております。
 このようなことから,次の指定管理者の選定及び具体的な経営改善方策等外郭団体のあり方については,特別委員会に十分御協議を申し上げ,御意見を踏まえながら,適切な対応をしてまいりたいと考えております。
 なお,外郭団体の嘱託職員と臨時職員の活用につきましては,市と同様に,専門的な知識や経験を要するものには嘱託員を,補助的な事務については臨時職員を活用することにより,職務の内容に応じて適切な役割分担を図っているところでございますので,ご理解願います。

4.教育行政 
(1)少人数学級の早期実現について

次に、教育行政について、少人数学級の早期実現を求めて質問します。現在本市の小中学校では、1クラスが40人を超える学級のクラス分けについては、5月1日づけが基準とされ、それを過ぎて児童が増えても学級は増やされません。転出・転入の動向次第で、ある学年は1クラス30人台になり、別の学年は1クラス40人以上になる状況があります。
先日、ある小学6年生の40人のクラスを見学したところ、子ども同士の机の間がほとんどなく、すし詰め状態で、授業参観に来る保護者は入りきれず廊下にあふれておりました。5月1日を過ぎても40人を超える場合はクラスを増やすべきではないでしょうか。
(2)小3・小4・中1の35人学級の学級編制の弾力化について
また茨城県では、これまで小学1~2年生に限られていた35人以下学級を、今年度から小学3〜4年生と中学1年生も対象とする学級編制の弾力化をはじめました、その効果、実情について見解を伺います。このことは歓迎するものですが、今のままでは小学5年生や中学2年生になれば、40人に戻ってしまうわけで、全学年に広げるべきです。
また弾力化のため、担任の先生が新たに必要となりますが、学校ごとの先生の総数は増えていないため、これまで教科担任などで配置されていた先生が担任をもち、先生の体制に余裕がなくなっています。弾力化でクラスが増えた分の先生はきちんと増やすことを求めます。
(3)教職員の事務負担の軽減について次に、教職員の事務負担の軽減についてです。文科省は2007年、教員勤務実態調査を行い、その結果教員の多忙な実態が明らかとなりました。翌2008年、市は基本方針を定め、先生が子ども達と向き合う時間を増やそうと呼びかけられ、事務負担軽減にとりくむべきとされました。
本市の取り組み状況について、先生の事務報告書の廃止・簡略化や出張を伴う会議・作品募集の削減など、軽減はすすんでいるのか実情をお答えください。
(教育行政について 答弁者 鯨岡 武 教育長)
 田中議員の代表質問のうち,教育行政についてお答えいたします。 
はじめに,公立の小・中学校における学級編制につきましては,「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」 において,学級編制の1学級の児童生徒数の基準は都道府県教育委員会が定めることとなっており,茨城県においては 5月 1 日を基準日とし,国の標準の4 0人編制を弾力的に運用した学級編制を行っております。 
今年度からの学級編制の弾力化では,「少人数教育充実プラン」の対象学年について,これまで小学校1, 2年生だったものを4年生まで拡大するとともに,新たに中学1年生を対象学年とし, 3 5人以下の学級編制を実施しております。 
この学級編制の弾力化につきましては,1つの学年において 3 5人を超える学級を 3 学級以上有する場合には,学級を増設し担任数論を1名配置するとともに,中学1年生では学級増となった学校に新たに1名の非常勤講師を配置しております。また, 2 学級以下の学年につきましても, 35 人を超える学級がある場合には非常勤講師を各学級に配置することにより,少人数指導を行うものです。
 今年度から対象学年が拡大されたことで,1学級の児童生徒数が少なくなり,担任としても児童生徒一人ひとりに目が行き届き,きめ細かな授業が展開できるといった効果が期待されており,実際に新年度開始から 2 ヶ月が経過した段階でございますが,「中1ギャップ」と言われる,小学校から中学校への進学後,環境や学習の変化になじめない生徒の精神的負担の解消に一定の効果があがっております。
 一方で,県全体での教員の総数は増えていない現状の中で,これまで少人数指導やティーム・ティーチングとして各校に配置されていた教員を,今回の弾力的運用のために,新たに担任教諭や非常勤講師として配置することとなったことから,これまで行ってきた,よりきめ細かな指導を行うための教員配置ができない状況も一部見受けられます。
これらの現状を踏まえ,各学校の実態に応じた弾力化に向けた適正な県費負担教職員の配置と,教室の確保等における財政的な支援を含め,全学年に学級編制の弾力化が拡大されるよう,茨城県市町村教育長協議会を通して,県教育委員会へ要望してまいります。
次に,教職員の事務負担の軽減についてお答えいたします。本市では,各小・中学校の実態調査をもとに,各学校からの報告文書の簡略化,教育委員会主催の会議回数や時間の縮減,教職員対象の研修の精選及び重点化,関係各課との連携によるポスターなどの児童生徒作品募集の軽減等を進めてきております。また,各学校への教員用校務コンピュータ導入による情報の共有化等,校務支援のための情報化の推進を行っております。
今後も,教職員が児童生徒とゆとりをもって向き合う時間を十分確保できるよう,校長会等の関係団体から意見をとりまとめたり,実態調査を継続的に実施したりするなど,改善に努めてまいります。

5.消防・防災行政について 
(1)駅南・下市地区の連続不審火について

次に、駅南・下市地区の連続不審火について質問します。5月18日の茨城新聞は、下市地区で不審火が相次いでいると報道しました。
5月25日には、私の住む元吉田町の近くの住宅地でも、火の気のない物置の火災があり、周辺住民からは強い不安の声が出されたところです。そこで、これまでの不審火の発生及び被害状況はどうなっているのかお答えください。
水戸市では、回覧板などでの注意喚起をしているとのことですが、多くが住民が寝静まった夜中の2時や3時台の深夜に発生しており、不安は広がるばかりです。したがって消防や警察が連携したパトロール強化など安心できる環境づくりの対策についてお答えください。
(2)自主防犯組織への支援策について
次に、自主防犯組織への支援策についてです。私は吉田地区住民の皆さんと、北茨城市の市民による防犯活動を見学する機会がありました。北茨城市では、約130名の市民が防犯連絡員協議会をつくり、JR磯原駅西口の防犯パトロールステーション「セーフティいそはら」を拠点に、10グループが朝夕、児童の通学時間帯などにパトロール活動しています。市は青色回転灯のついたパトロールカーを配備し、講習を受けた会員が運転もしています。
水戸市でも市内各地域において、防犯協会や自警団などの組織が、自主的にパトロール等の活動を展開していますが、パトロールカーなどは一部の市民の善意で提供され、万一の時の保険の問題やガソリン代など、維持には課題も多いのが現状です。安定した活動を支えるために北茨城同様の支援が求められると考えますがいかがでしょうか。
(消防・防災行政について 答弁者 加藤浩一市長)
 次に,消防防災行政のうち,駅南・下市地区の連続不審火について,お答えいたします。
駅南・下市・元吉田地区の本年の火災件数は,6月上旬までに19件発生し,不審火は11件となっております。内訳と致しまして,建物火災5件,ゴミ等が燃えたその他火災6件となっております。
被害の状況といたしましては,建物火災で全焼が 9棟,部分焼が4棟,ぼやが7棟で,3名の方が煙を吸うなどして負傷されました。
本市の放火,放火の疑いなどのいわゆる不審火の対応として, 家の周りに燃えやすい物を置かないなどの対策を,広報みとやホームページヘ掲載,また,町内にチラシの回覧をするとともに,婦人防火クラブの集会,企業の自衛消防訓練などの機会をとらえて住民周知を図っているところでありますが,最も効果のある対策は,地域ぐるみで放火されない環境を,つくる事が不可欠であります。
 現在,下市地区においては,地域住民が自警団を結成し,巡回等を実施している状況にあり,引き続き地域を守る活動にご協力をお願いするとともに,消防署・消防団による夜間の特別警戒を強化し,火災の早期発見,放火の抑止など一層の警戒に努めてまいります。
さらには,警察署と情報の共有化や連携を図り,地域住民が安心して暮らせるような,火災の予防対策を図ってまいります。
次に.自主防犯組織への支援策についてお答えします。青色回転灯を装着した車両による防犯パトロールについては,防犯協会や自警団など現在市内で 16 団体,車両台数は 27 台が登録されており,着実にその成果を上げ,また市内全域への広がりも見せている状況であり,徒歩による防犯パトロールを含め,こうした活動を昼夜を問わず行っているボランティアの方々に大変感謝しているところです。 
使用する車両に関しては,こうしたボランティアの方々の自家用車のほか,貸し出し用として水戸地区防犯協会が専用のパトロール刀一を所有しており,交替で運行している状況ですが,使用頻度が高く,使用希望に添えないことが多いと伺っておりますので,引き続き増車を働きかけてまいります。 
また,現在市や防犯協会が行っている団体への活動支援策を継続して行うほか,警察署並びに防犯協会との連携を強化し,自主防犯組織のさらなる活発化を図ってまいりたいと考えております。

6.市長の政治姿勢ー農地法、都市計画法等の法令順守、適正な課税について
次に市長の政治姿勢について質問します。広報みと6月1日号の市長の元気だよりで加藤市長は「政治は誰のためのもの」と題し『私は、政治家にとって必要不可欠なものは正義感と責任感であり、これは行政に携わる者にとっても同様』と強調されましたが、これについて市長の所見を伺いたいと思います。
 皆さんご承知の通り、この間、現職の農業委員もつとめる市議会議員が、農地法や都市計画法に抵触するとの報道が相次ぎました。議員の責任と同様に、「見逃し行政28年」「不当に低い課税」など、行政も厳しく批判されたのであります。はじめに、農地法、都市計画法などの法令違反が長期にわたっていたことについて、法令順守の責任者として市長はどのように考えているのか答弁ください。以下、農業行政、建築指導行政、税務行政のそれぞれの角度から市長および農業委員会会長の見解を伺います。
第一に、農地法第4条は、農地を農地以外のものにする農地転用には許可が必要と定めています。これは農地を守るための規定です。
しかし、今回問題となった事務所ビルは、隣接する農地に約半分がはみ出して建設され、農地転用はうけず無許可転用が28年続いてきました。明らかに農地法第4条違反でありますが見解はいかがか。
さらに昨年11月、実際は事務所ビル用地のため駐車場にはなりえない土地を、駐車場にするとの農地転用が申請され、農業委員会は許可しました。なぜ実際と違う申請を許可したのか、手続きに問題はないのかお答えください。
この件については、虚偽の転用申請と報道されました。農地法第51条は、違反転用者に対する処分として「偽りその他不正の手段により第4条の許可を受けた者」に対し「原状回復等を命ずることができる。」としています。また第64条は、第4条に違反した者は「3年以下の懲役、または300万円以下の罰金に処する」とも規定しています。
制度を熟知した現職の農業委員が行った転用申請であり、責任は重大です。少なくとも農業委員はすみやかに辞職すべきではないでしょうか。
農地法4条に違反し、長期間の無許可転用、虚偽の転用申請。農業委員会は、違法状態を追認することなく、きぜんとした原状回復命令を出すべきと考えますが見解を伺います。
第二に、都市計画法第29条は、市街化調整区域では既存宅地にのみ建築物を建てることができると定めておりました。事務所ビルは、既存宅地をはみ出して農地に建設されており、都市計画法29条違反でありますが見解を求めます。建築計画概要書どおりなら南側道路から1メートルの場所に事務所が建つはずでしたが、実際は6メートルの場所に建っています。
ビルを登記申請する際、法務局に虚偽の図面が提出され、問題の農地には建っていないように装っていたこともわかっており、公正証書原本不実記載罪の可能性があることや、不動産登記法違反の疑いもあると報道されました。
市に提出される建築計画概要書と実際の建築が違えば、課税上も、農地法など他法令にも抵触する恐れが出てきます。そこで、建築指導行政において、こうした事案を未然に防ぐ体制はないのかお答えください。
第三に、適正な課税は行政に対する信頼の根幹です。多くの市民が大変な中で固定資産税を払っています。厳しい取り立ての一方で、不当に低い課税があれば、批判が起きるのは当然です。今回のケースは、第一に農地に事務所ビルが建てられたため、本来は宅地課税なのに農地の課税のままだった。第二に庭の場合、本来は宅地課税なのに農地課税のままだった。第三に雑種地であるべき駐車場が道路の課税のままだったことが明らかとなりました。
1u当たりの評価額は宅地1万7542円に対し、農地は48円で365分の1です。本来課税すべき額と実際に納められた差額は約300万円との試算もありますが実際はいくらなのか。
市の追徴課税は過去3年から5年分のみで、最大でも15万円程度との報道もありましたがどう対応するのか。また、課税の根拠及び調査体制、現況と課税を適合させる具体的な取り組みをお答えください。今回のような違法行為をなくし、再発を防止する市の対策について答弁を求めます。
(市長の政治姿勢について 答弁者 加藤浩一市長)
 次に,政治姿勢についての御質問にお答えいたします。私は,政治の道を歩む中で,常に,政治は誰のためのものなのか,そのために成すべきこと,最善の道は何なのかということを自問自答してまいりました。  
私が導き出した答えは,一つには,市民が何を求めているかという視点,いわゆる「市民の目線」 に立って物事を考えるということであります。一つ目には,市民生活を向上させていこうという「情熱」 をもって取り組むということであります。そして三つ目には,「公平公正」 な判断,決断を下すということであります。私は,政治家として自らに課すこれらの責務を果たしていく上で,なくしてはならないものは「正義感と責任感」 に尽きると考えております。
広報みとの元気だよりにおいても申し上げましたとおり,ニュースでは,政治とカネの問題をはじめとする国の問題について繰り返し報道されておりますが,政治家が「正義感と責任感」 をなくしたら何も残らないとさえ考えております。このことは,行政に携わる者,公務員にとっても同様であります。
 私は,この信念を持ち続け,水戸市長として,市民の生活を第一に考え,将来にわたって子々孫々まで安心して暮らせるまち,住んでいてよかったと思えるまちの実現に取り組んでまいる所存です。
(法令遵守―農地法、都市計画法違反、適正な課税等について 答弁者 加藤浩一市長)
次に,法令遵守についてでありますが,この問題につきましては,既に,関係部署においてそれぞれ関係法令に基づき適正な対応を図っているところであります。
都市計画法に関しましては,既存宅地の確認を受けた土地から,建物の一部が隣接地に出ており,この部分が都市計画法第2 9 条に抵触している状態であることから,現在,出ている部分を解消する方法や,現行の基準に適合させる改造などについて,協議を行っているところであります。
また,このような問題の未然防止につきましては,建築主の申請に基づき行われる,完了検査の受検促進に向け,更に普及啓発を図ることや,現在,年2 回市内全域を対象に行っているパトロールの充実を図ることで,今後,このようなことがないように努めてまいります。
次に,固定資産税の課税についてでございますが,税額等の課税内容につきましては,個人の税に関するものですので,回答は控えさせていただきますが,更に,実地調査等を十分に行い,公正な評価と適正な課税に努めてまいります。
いずれにしましても,市民に信頼される行政運営という点からも,各部署とも事務の執行にあたっては,法令を遵守し,適正な事務処理に努めてまいります。

(農地法違反について 答弁者 笹沼恭一 農業委員会会長)
 田中議員の代表質問のうち,法令順守に関する農地法についてお答えします。無断転用とのご指摘の件につきましては,国・県の指導に基づき,許可取り消し等の処分行為が困難であるとの判断により,是正されておりますので,ご理解を賜りたいと存じます。
今後につきましては,再発防止を図るため,関係委員及び事務局・関係機関との連携を密にするとともに,申請に対する確認体制について,再検討して参ります。

(3)道路認定と開発について 
最後に、道路認定と開発について質問します。水戸市には、私道の寄附を受け入れて、市の道路とする場合のルールを定めた要項があります。第2条、受け入れ基準には、幅員4.0メートル以上、起点・終点が公道に接続するか、起点が公道で袋路地上の場合は延長35メートル以上、私道路用地に面して所有者の異なる住宅等が3軒以上あること、などの決まりです。
私は、今定例会の道路認定議案のうち、寄付道路である寿245号線の現地を見てきました。その結果、寄付の要件を満たしておらず、なぜ認定できるのか疑問をもちました。寿245号線には、たしかに1軒の家と2つの事務所が接してはいます。しかし3軒とも反対側の既存道路を出入り口として利用し、寿245号線を利用する必要がありません。
ではなぜ寄附をするのか、現地に行けば一目了然、宅地分譲のため山林を開発し、そのために新たな道路・寿245号線をつくったものです。本来なら開発行為を申請すべき宅地分譲ですが、開発行為の場合、道路幅は6.34メートル、公園も必要になります。寄付道路なら幅員は4〜5.5メートルでよく、公園も必要ありません。寄付道路で一旦市道にして開発コストを下げ、大きな利益を生み出すことが目的の開発行為逃れと指摘する専門家もあります。
また、柳河212号線ですが、平成20年6月議会で寄付道路として市道認定されました。この道路を利用する家は1軒しかありませんが、寿245号線と同様、必要としない家2軒も含めて認定し、当時は舗装もされていませんでした。
現在、水戸市が側溝や舗装など、すべて税金で工事している最中です。不可解なのは地元の人でさえ「ほとんど人が通らない道路をなぜこんな立派に舗装するのか。その周りの道路が狭く路面もひどいが全然直してくれない」と話していることです。順番を待つ市街地の生活道路が山ほどあるのに、2年前に寄付されて人が通らない道路、それも宅地分譲目的と思われる道路が先に工事される、これは不公平ではないでしょうか。
寄付道路は本来、位置指定道路など周辺に家が張り付き、共有名義の道路の管理が負担なため、その救済のため市が受け入れて管理するのが本来の趣旨であります。制度を悪用して、税金で道路をつくり、宅地分譲を市が手助けするようなことはあってはならないし、乱開発の最終的な被害者は市民であり、市はルールにのっとった道路認定と開発とする責務があります。
市長に対し、公正公平な行政を強く求め、第一回の質問と致します。
(道路認定と開発について 答弁者 加藤浩一市長)
 次に、道路認定と開発についてのご質問にお答えいたします。
議員ご指摘のように,宅地の造成等に伴って新たに造られた道路が,私道路用地として寄附される際に,舗装されていないなど未整備な状況の道路があることも事実であり,寄附受け入れ後の整備に財政負担を生じる場合もあることなどから,これまでにも寄附の予定者に対して,整備した後に寄附することを行政指導してまいったところであります。
 本来,私道路用地の寄附受け入れに関する要項は,位置指定道路のように,既に市民生活が営まれている道路について,関係住民の生活環境の保全や向上のために,水戸市道として認定し管理していくことを念頭に設けたものでございます。
このようなことを踏まえ,市道路線認定等の制度については,より公平で効率的なものとするよう,様々な状況を勘案しながら見直しに取り組んでまいります。

<< 戻る

〒310-0836 水戸市元吉田町2291-28
TEL&FAX:029-247-3714
Copyright(c)2007,MASAKI TANAKA
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。