MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
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市議会会議録
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2009年12月議会 議員定数の削減に対する反対討論 

12月議会に水戸市議会議員定数を現行30人から2人削減し、28人とする条例改正案が、11名の議員連名で提出され、本会議最終日の12月17日、田中議員が日本共産党水戸市議団を代表して反対討論を行いました。内容は下記のとおりです。採決の結果、反対5(共産3、社民1、無所属1)、賛成23で2人削減が可決されました。

 日本共産党の田中まさきです。通告に従い、議第26号、水戸市議会議員定数条例の一部を改正する条例について反対討論を行います。今回の条例改定は、現行30人の議員定数を2人削減し、28人とするものであります。以下5点の理由で反対いたします。
第一は、定数削減で市民の声を届きにくくするとともに、市民の政治参加を狭めることです。市議会は,本来,市民の声をできる限り反映することが議会制民主主義の基本であります。
水戸市議会はこれまで、昭和22年から平成14年までの55年間36人の定数でしたが、平成15年の選挙は33人、平成19年の選挙は30人とし、過去2回は繰り返し定数削減されたもとでの市会議員選挙でした。
しかも、前回は内原町との合併で16人いた町議会議員が議員ではなくなったもとで、水戸選挙区は28人、内原選挙区は2人として、すでに大幅な定数削減がされてきたわけであります。
その結果、水戸市議会議員一人あたりの人口は、平成14年当時は6854人だったものが、現在は県内最多の8,851人で、さらに2人削減すると9483人となります。これは、日立市・つくば市・ひたちなか市の約1.5倍、土浦市・古河市の1.8倍、那珂市・常陸太田市の約4.3倍、桜川市の6.4倍となります。市会議員を選ぶ一票の格差が県内自治体とくらべ1.5倍から6倍にのぼることを意味します。
また定数削減は、議員になる条件・門戸をせばめることにほかならず、政治を志そうとする市民にとって、立候補をしづらくし、市民の政治参加を制限するものです。
地方自治法第91条2項が定める水戸市の上限は38人で、現行はすでに8人少なく、さらに2人減らせば法定上限に対し、県内で一番削減することになります。地方自治法は人口20万から30万人の自治体の法定上限は38人と規定しており、人口1万人に1人の議員でよいというのは法的根拠がありません。市民には多様な意見があり、様々な要望があり、合併されたもとで、なおさら地域の声をすみずみからくみ上げることが大事となっています。これを市政に反映させるためにも30人の議員は必要であります。
第2に定数削減は議会の機能を低下させるものです。
議会は、一人一人の議員を通じて執行部に対し住民の要求を伝える役割、地方自治体という団体意思の決定を行う議決機関としての役割、執行部に対する監視機関としての役割があり、その機能を低下させることになります。議員は、住民を代表して審議決定するのですから、26万人をこえる市民を代表するにふさわしい数が必要です。
 2006年2月に発表された全国市議会議長会・都市行政問題研究会の「分権時代における市議会のあり方に関する調査研究報告書」では、「議会の役割として、政策提案や監視機能を十分に果たすためには、相応の議員定数が不可欠である。単に議員定数を減らしているのみでは議会改革足り得ず、削減ありきの議論ばかりでは、議会制民主主義の成熟にはつながらない」としています。
また同年3月の都道府県議会制度研究会による「改革地方議会のさらなる前進にむけて」の報告で、「議会の役割がますます重要になっている現状においては、単純な一律削減論は適当でない。競って定数削減を行うことは、地域における少数意見を排除する」として定数削減は問題だと指摘しています。
 地方分権時代において議会に求められているのは、議員定数の削減ではなく、住民の多様なニーズや意思を正確に反映できる議員の数であり、議会・議員の本来の役割が発揮できるよう質的向上をはかることとしております。
 第3に経費削減についてです。議員2人を削減すれば年間2,400万円を減らすことができるといいますが、それならば、報酬や政務調査費から議員一人月5万円をへらせば実現できることです。身を削る定数削減だと提案者は強調しましたが、報酬は削減せず、むしろもっと増やすべきとの主張もありました。これは到底市民理解を得られるものではなく、今回の定数削減は、身を削るのではなく「民意」を削るものであります。
第4に、審議がきわめて非民主的です。水戸市行財政改革及び議会改革等調査特別委員会では、第23回まで、ただの一度も定数について議題としたことはなく、いきなりの条例提案です。議員定数は、議会の構成にとって極めて重要であるにもかかわらず、本会議質問初日の9日に突然提案され、特別委員会のたった1回、1時間半の審議で本日の本会議で採決することは、議会制民主主義の破壊であり、強行採決と言わざるをえません。
第5に、議会改革と言うならば、定数削減ではなく、より市民に開かれた議会、活発な議論が保障される改革こそ行うときではないでしょうか。確かに市民の中に「議員が多すぎる」という声がありますが、これは市議会と議員活動の質を問う声であり、いま必要なのは、議会や議員に対する不信感を取り除くための議会改革をさらに前に進めることです。
現在本会議の質問は、議員一人当たり答弁も含め30分と制限されたため、時間が足りず十分な審議ができず、議会が早く終わる実態です。削減した質問時間をもとにもどし活発な議論をおこなうことが必要です。
 日本共産党水戸市議団はいままで議会改革の提案を積極的に行い、費用弁償の廃止を提案し、政務調査費の領収書添付の義務付けと公開、常任委員会、特別委員会の傍聴、インターネットによる本会議の中継など実現できました。
今後もさらに常任委員会の議事録の公開やネット中継、議員の公費による海外視察の中止、請願・陳情の本会議での討論、本会議場の一問一答方式の採用、公聴会の実施や積極的な議案提案などがもとめられており、その実現に奮闘する決意であります。
議会、議員がつねに自己研鑽を行い、市民のために働く議会にするための議会改革が必要であって、市民と市政のパイプを細くする定数削減は認められません。
 以上で反対討論を終わります。

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