MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
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市議会会議録
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北関東通商株式会社に関する本会議質問 その1

小野寺グループ北関東通商株式会社に関する水戸市議会本会議の質問と答弁 その1

 日本共産党水戸市議団は、水戸市内の産廃業者である小野寺グループ北関東通商株式会社について、住民の苦情をもとにその違法行為を追及し、行政が毅然と対応することをくりかえし求めてきました。水戸市議会本会議での質問と答弁のやりとりを抜粋して紹介します。

<小野寺グループ問題をとりあげた本会議 その1>
@平成12年6月 田中議員
A平成12年9月 本田議員、田中議員
B平成12年12月 田中議員、本田議員

平成12年6月 定例会(第2回)06月15日
◆9番(田中真己君) 日本共産党の田中真己でございます。通告に従い,順次代表質問を行います。
次に,小野寺グループ北関東通商株式会社の問題と今後の対応について質問いたします。
 当業者は,水戸市の一般廃棄物の収集運搬許可業者で,かつ茨城県の産業廃棄物の収集運搬許可業者であります。この業者の引き起こしている問題を列挙しますと,大串町の営業所の焼却炉によるばい煙,国有地である,ため池の不法占拠,汚水の垂れ流し,市道の不法占拠,違法建築物など不法行為のオンパレードといった実態であります。現地住民の被害はおかまいなし,訴えにも耳をかさない業者に対し,行政の厳正なる対処が求められております。
 市議会総務環境委員会は,5月9日に現地視察を行い,同業者の違法性,とりわけ釜井戸ため池の不法占拠が確認されました。この前日に公明党の鈴木孝治茨城県議会議員が水戸市議会事務局に電話し,総務環境委員会の視察をなぜ行うのか,やめた方がいいなどと不当な介入を行いましたが,全会一致で調査を行いました。私たち日本共産党水戸市議会議員団は,5月11日,独自に現地調査を行い,住民の訴えを聞き,問題の深刻さを実感いたしました。そして翌5月12日,水戸市長と茨城県知事に対し,緊急の改善の申し入れを行ったところであります。茨城県の答弁は,小野寺グループ北関東通商株式会社が不法占拠をしている釜井戸ため池の原状回復命令を出すこと,焼却炉についてこれまで2回,警察官を伴った調査を拒否されたが,何が燃やされているかなど,必ず調査を行うとのことでありました。
 この業者はそのほかにもさまざまな問題を引き起こしております。第1に水戸市の消防車を10万5,000円で払い下げを受け,右翼とおぼしき団体が茨城県庁前でアピール行動に使いました。今でもこの元消防車は大串町の小野寺グループ北関東通商株式会社前の駐車場に置かれております。第2に廃棄物の処理及び清掃に関する法律,すなわち廃棄物処理法に違反し,水戸市の小中学校や幼稚園の可燃ごみ収集運搬業務を過去2年間にわたり,別の業者に再委託をした,いわゆる丸投げの件,いずれも文教福祉委員会で問題ありと指摘をされ,丸投げの問題では5月10日,教育長も,法に反する不適切な対応があったと謝罪したものであります。また,この3年間だけで溶接の火花がごみや古紙に燃え移るなど,消防隊が出動した回数は6回に上っております。さらに小野寺グループ北関東通商株式会社の北海道苫小牧支店で,1999年夏,不法滞在の外国人を働かせていたことで関係者が逮捕されたことも判明しております。
 日本共産党水戸市議会議員団の現地調査では,いずれの地域でも住民から,一般市民には法の遵守を求めながら違法行為を繰り返す業者は野放しという行政とは何なのか,こういう厳しい怒りの声が出されたところであります。
 岡田市長は,本年3月議会の冒頭,市政運営の基本方針として,「21世紀へ向けて環境を守る」として,「水戸の地のかけがえのない自然を守り,」「暮らす人にも,訪れる人にも,活動する人にも,豊かな自然と文明が享受できるまちにしていきたい」との所信表明を行いました。しかし私は,今回の一連の小野寺グループの問題を調べれば調べるほど,環境を重視するという岡田市長の所信表明とこれらの現実の余りの落差を痛感せざるを得ません。行政の長としてこれまで問題を先送りし,住民の被害を拡大してきた重大な責任を厳しく指摘するとともに,住民の訴えに耳を傾け,問題解決に真剣に取り組むことを求め,以下7点にわたり質問を行います。
 第1点目は,住民が最も苦痛を訴えている大串町の焼却炉のばい煙の問題であります。
 現場の写真をお持ちいたしました。これが5月11日の大串町の焼却炉から出るばい煙の写真であります。日本共産党水戸市議会議員団の現地調査の中で,現地住民から,目が痛い,鼻がつんつんする,布団が外に干せないなどの声が出され,悪臭で頭痛を訴える人,風邪でもないのに咳がとまらない人など健康への影響も心配されております。また,洗濯物やビニールハウスが黒くなる,煙で視界ゼロに近い日もある,畑の野菜の栽培をやめたという方など,訪れる先々で切実な訴えが寄せられ,焼却の即刻中止を強く求める声が出されました。
 第1に,この問題で,市は5月19日,立入調査を行い,小野寺グループに対し,焼却炉として認定しがたく,野焼きと同じ,メーカー名,型式,製造年月日もないとして,焼却中止の指導をしたとされていますが,どういう法律に適合しない焼却炉なのか,明らかにしていただきたいと思います。
 第2に,これまで焼却を放置してきた理由とその責任についてであります。今回,焼却中止の指導ができたなら,なぜもっと早くこれができなかったのか。焼却炉として認定しがたい焼却炉,これを使わせながら長年放置してきた行政の責任は重大であります。これまでの住民の再三の訴えにもかかわらず,市は焼却中止を求めず,日中のばい煙の苦情が出たら,夜に燃すように指導し,夜間の苦情がでたら,燃やすものを気をつけなさいという程度の実効性を欠いた指導にとどまっておりました。加えて焼却能力が1時間当たり200キログラム未満だとしても,水戸市公害防止条例施行規則によって届け出義務があり,届け出をさせて焼却炉の公害防止対策が行われているのかどうか調査すべきだったと考えますが,なぜ行わなかったのか,明快な答弁を求めます。
 第3に,市が焼却中止の指導をしたにもかかわらず,いまだに毎日燃しております。住民からは,なぜ市は直ちに焼却を中止させないのか,こういう声が出されております。さらに小野寺社長は,新聞の取材に対して,市が焼却中止を求めたことに対して,あと半年間は見てくださいと答え,すなわち半年間は燃やしたいと言っております。そうなれば,住民はさらに公害に苦しまなければなりません。もはや忍耐は限度だと住民は訴えております。小野寺グループの焼却するごみは,大洗,旭,水戸環境衛生組合で処理すれば,焼却する必要は全くありません。したがって,水戸市は直ちに焼却を中止するよう,再度文書で強力に指導することを求めます。
 第2点目は,国有地のため池の不法占拠の問題です。
 大串町2314番地の釜井戸ため池は国有地であり,ここに小野寺グループ北関東通商株式会社が古紙などのごみを不法に投棄し占拠した問題で,茨城県は5月29日までに公共物管理条例により撤去命令を出しました。これを確実に実行させるよう市も厳しく求めること,あわせて完全な原状回復をさせることを強く求めます。同時に,なぜこんな事態を長年放置してきたのか,これを明らかにする必要があります。
 第1に,釜井戸ため池のある場所は,当初,農村総合整備モデル事業として,農村公園にすることを決定していました。常澄村だった1987年,排水施設費を予算化し,ゲートボール場及び児童の遊び場として整備を図ること,そして池の半分近くを埋めることで整備を始めたわけであります。しかし,農村公園が完成しない1995年−−このときは水戸市でありますが,途中で事業が中止されております。その事業内容と断念の理由についてお伺いいたします。
 第2に,不法投棄が長期にわたって行われてきた中で,なぜ茨城県と相談し,不法投棄の中止を求めなかったのか,明快な答弁を求めます。釜井戸ため池は,常澄支所から700メートルの場所にあり,JA水戸常澄営農センターの事務所の真後ろであり,知らなかったでは済まされません。最初は釜井戸ため池にバラ線まで張ってきちんと囲いもしていたとのことであります。農村公園計画が断念されたとしても,釜井戸ため池の機能管理の責任は市にあります。事実上,暗黙のうちに不法投棄に目をつぶったのではないか。この責任は重大であります。香川県豊島の産業廃棄物不法投棄問題では,違法行為が行われていることを知りながら放置してきたことで,香川県の担当部署が懲戒処分にされることが報道をされております。
 第3に,埋め立てたものは何か,徹底して調査し,不法投棄物は撤去することを求めます。当初の農村公園計画では,釜井戸ため池は半分くらいしか埋めない計画でしたが,今は跡形もありません。水戸市が埋めた量,小野寺グループが埋めた量について,明確な答弁を求めます。釜井戸ため池の原状回復という場合,ごみの不法投棄の疑いがあり,上に占拠したごみの撤去だけで終わるものではありません。事実,不法投棄されている釜井戸ため池が,コンクリートで固められた部分があり,周辺の側溝には赤茶色で油の浮いた汚い水がよどんでおります。
 第3点目は,大串町の一連の施設について,周辺の水質調査を行うことを求めます。
 小野寺グループ北関東通商株式会社の排水施設は,手づくりの油水分離槽など極めてずさんであり,缶類のプレス場などから油が流れ出しております。付近の用水路にも油が浮き,過去3回も水路が燃え,1997年11月には1時間以上も火が消えなかったということもございました。焼却炉に散水をした水はそのまま側溝に流れており,ダイオキシンの心配もあります。
 第4点目は,市道常澄8−1432号線の不法占拠についてであります。
 大串町の施設では,事実上作業場の一部として小野寺グループ北関東通商株式会社がこの市道を使い,ごみなどを置いています。これは道路法第32条に違反する市道の不法占拠です。この間,コンクリートの一部をはがすなど若干の改善が図られていますが,いまだにいろいろなものが置かれ,通行に支障を来す状態であります。住民の生活道路としてきちんと使えるよう再度指導し,改善させることを求めます。
 また,通学路でもある市道を大型トラックが占拠して,依然として作業が行われており危険であります。直ちにやめさせるよう求めます。
 第5点目は,2カ所の違法建築物についてお伺いいたします。
 第1に,今まで述べてきた大串町の焼却炉,ごみ置き場,事務所など一連の施設についてであります。大串地区は市街化調整区域であります。ごみ処理施設は建てられないことになっています。茨城県県北地方総合事務所建築指導課によれば,市街化調整区域での建築物は,都市計画法第29条に基づく開発行為の県知事への許可申請が必要ですが,許可申請は一切出されておらず,違法建築であります。なぜ長期にわたってこれらの違法建築物を放置してきたのか,明快な答弁を求めます。
 小野寺グループに駐車場として土地を貸した複数の地主の方は,稲荷第一小学校への通学路でもあり,農民の生活道路を大型トラックが占拠し通行の妨害となっている,やむなく小野寺グループに駐車場として土地を貸した,しかし,そこへ勝手に建築物を建てられて,ごみ置き場や作業場にされた,あるいは許可なく軽油スタンド,修理工場にされた,再三やめるよう求めても一向に改善しないとのことであります。この点から言っても,撤去を指導すべきと考えますが,いかがでしょうか。
 第2に,森戸地区の違法建築物についてであります。森戸地区にある施設は,建築確認もとらず,ごみ置き場として使っており,森戸地区213名の住民から不法建築物撤去に関する請願が提出され,昨年9月議会で全会一致で採択されましたが,いまだに撤去されず,そのまま使われております。直ちに撤去させることを強く求めるものであります。
 さらにこの場所では,違法建築物の撤去だけでは済まない問題,すなわち産業廃棄物を埋め立てた疑惑が極めて濃厚であります。日本共産党水戸市議会議員団の現地調査でも,夜遅くまで重機が動き騒音がひどいとの訴えが寄せられました。ショベルカーが常設されており,近所の方々は大型ダンプが入れないよう,農道のわきに杭を打つなどの自衛手段を取ってきましたが,それにもかかわらず,建築廃材など産業廃棄物を積んだダンプが出入りし,深い穴を掘ってごみを埋めている現場を住民が目撃をしております。これが森戸地区の違法建築物の建物があるわきに常設されているショベルカーの写真と掘られた土の写真であります。
 自己所有地であっても,産業廃棄物を許可なく埋め立てることはできません。周辺にはジャガイモなどの畑が広がり,農家の方は農作物への影響にも不安を持っています。直ちに土壌調査を行い,不法投棄物があった場合は撤去させることを求めますが,市長の答弁を求めます。
 第6点目は,下入野地区の産業廃棄物安定型処分場の問題について,土壌調査,周辺の水質などの環境調査を,茨城県と協力して直ちにやることを求めます。
 現在,小野寺グループの古紙置き場として,大量の古紙が野ざらしにされている状態であります。この場所は,1991年9月に,茨城県が安定型処分場として受理した場所であります。廃プラスチック,金属くずの処分場という届け出でありますが,実際,現場を見ると,それ以外の建築廃材などが相当散乱をしております。廃プラスチック,金属くずはいわゆる安定5品目のうちの2つでありますが,この安定5品目ですら危険であることは,もはや常識であります。
 昨年10月に福岡県筑紫野市の安定型処分場で硫化水素ガスが発生し,作業員ら3名が死亡する事故が発生しました。6月1日の読売新聞では,これを受け,厚生省が全国約1,800カ所の安定型処分場の調査を行い,少なくとも11カ所で硫化水素ガスが発生しており,この数はさらにふえる見通しと報じております。厚生省は安定5品目以外の廃棄物を持ち込んでいるケースや混入が認められていた紙や木材くずなどが化学反応を起こした可能性があるとしています。
 第7点目は,小野寺グループ北関東通商株式会社の一般廃棄物収集運搬業者としての適格性についてお伺いいたします。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律は,その第7条の3で,「市町村長は,一般廃棄物収集運搬業者若しくは一般廃棄物処分業者がこの法律若しくはこの法律に基づく処分に違反する行為をしたとき,又はこれらの者が第7条第3項第4号イからチまでのいずれかに該当するに至ったときは,その許可を取り消し,又は期間を定めてその事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。」としています。その要件を定めた第7条第3項第4号ホでは,「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」,こういう規定がございます。また,水戸市公害防止条例第23条には,公害防止の「勧告に応じない者に対し,期限を定めて,当該施設の使用の停止,移転若しくは除去,作業の停止又は物品の撤去等の措置を命ずることができる。」とございます。小野寺グループ北関東通商株式会社は,この規定に該当するのではないか,市長の見解をお伺いいたします。
 この問題の最後に,市長の責任についてお伺いいたします。
 市の一般廃棄物収集運搬許可業者がこれだけの不法行為を行っていながら,事実上野放しにし,住民の被害を拡大してきたこと,本来なら国有地への古紙などの不法投棄は,茨城県に通報する義務があったのにこれを怠ったことなど,市長として一連の問題の責任をどう考えているのか,明確な答弁を求めるものであります。
 最後に,ごみの不法投棄についてお伺いいたします。
 森戸町の411番地から413番地,おおむね4万平米の地域において,これらの不法行為が繰り返されております。この地域は,さきに述べた小野寺グループの下入野町の安定型処分場と近接しており,茨城町との境に位置をしております。現在,この地域では,直径約60メートル,深さ12メートルから13メートルに及ぶ巨大な穴があけられております。ここに写真をお持ちいたしました。これがその現場の写真であります。
 私も6月2日,現場を目撃いたしましたけれども,土砂がショベルカーによってかき出され,ダンプカーが運び出しておりました。しかし,私が登記簿に示されたその場所の複数の地権者に問い合わせると,地権者は,何らの許可も出していない,業者からの土砂採取の許可を求める打診もないとのことでありました。すなわちこれは刑法に触れる土砂の窃盗行為であります。
 この地域は1970年から1971年にかけて,東京の研斗工業という会社が,いわゆる原野商法を行った場所であります。現地確認をさせず130名近い方に図面で土地を売りさばいた結果,地権者のほとんどが県外,関東一円に散らばっております。地権者が近くにいないことにつけ込んで,了解も得ず土砂を運び出しているのです。
 さらにひどいのは,大きく空いたその穴に建築廃材とおぼしき産業廃棄物やさまざまなごみが不法投棄されていることです。複数の土砂販売業者と産廃業者がかかわっている疑いが濃厚であります。
 森戸・下入野地区の住民は,これらの土砂の窃盗や産業廃棄物など,ごみの不法投棄の事実,これを共通の認識として持っております。さらに,行政に行っても近寄らない方がいいといった程度のことしか言われない,一貫して及び腰だ,不思議なくらい何もしてくれない,こういう声をあちこちでお聞きいたしました。住民は豊かな自然が壊され,無法地帯となっていることを非常に残念がっております。また,何をされているのかわからないという不安の中で生活を送っています。
 そこで第1に,市としてこの問題にどう対応をしてきたのか,お伺いをいたします。地権者が散らばっているにせよ,一部固定資産税は徴収しており,地区住民の共通認識になっている問題です。住民は過去に何度も通報している以上,知らなかったなどという話は成り立ちません。また,事実を把握した上で不法行為を放置してきたとすれば,責任重大であります。市長の明快な答弁を求めます。
 第2に,市としても徹底した実態調査を行い,違法行為を取り締まるよう,関係機関に求めることです。
 私がこの地域を歩いて痛感するのは,ぜひとも何とかしてほしいという切実な訴えと同時に,行政に対する深刻な不信感が渦巻いております。言うまでもなくごみの投棄は,「何人も,みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と規定した廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第16条に違反する違法行為であります。特に,産業廃棄物の不法投棄は,3年以下の懲役または1,000万円以下の罰金,一般廃棄物は1年以下の懲役または300万円以下の罰金の厳罰に処せられます。改めて住民の訴えにこたえ,法律にのっとり,毅然とした対応を求めるものであります。
<答弁>
◎市民環境部長(平戸道雄君) 田中議員の代表質問のうち,環境行政についてお答えいたします。
 まず,当該業者の古紙回収事業における環境問題につきましては,去る5月9日の総務環境委員会の現地視察と御指摘を経て,立入調査及び行政指導を行ってまいりました。当該事業所の事業活動から生ずる廃棄物の焼却自家処理につきましては,これまでも焼却に伴う悪臭やばい煙などの住民苦情などを受け改善指導を行ってまいりましたが,廃棄物の処理及び清掃に関する法律に定める焼却炉の構造と焼却の方法に適合しているとは認められないことから,現在の焼却炉による処理を中止することを指導したところでございます。
 排水につきましては,本年度は毎月,水質検査を実施してまいります。
 次に,当該事業者が所有する下入野地区の産業廃棄物安定型処分場は,平成3年の県知事への届け出により使用されておりますが,当該処分場に関する指導が県所管のために県へ要望してまいります。
 当該業者のこれまでの古紙回収に伴って生じた問題につきましては,この間の立入調査や行政指導等により改善されつつありますが,本市の一般廃棄物収集運搬許可業者として廃棄物の処理及び清掃に関する法律を初めとする各種法令を遵守する立場にあることから,今後とも指導を継続してまいります。
 次に,森戸町のごみの不法投棄につきましては,森戸町における民間事業者による開発が頓挫し,各地権者の境界が定かではないため,所有者の土地管理がなされていないまま放置されたことから,昭和50年ごろからごみの不法投棄が見られるようになりまして,これまでにも県,保健所,警察署及び森戸・下入野地区代表者と協議をいたしまして防止対策を講じてまいりましたが,今後につきましても関係機関及び地元住民の方々と密接な連携をとり,不法投棄防止対策に努めてまいりたいと考えております。
◎常澄支所長(小野瀬茂雄君) 国有地釜井戸ため池の不法占拠問題についてお答えいたします。
 まず,農村公園の計画内容と断念の理由でございますが,農村公園計画は,農村地域のコミュニティ施設の一つとして計画されたものでございます。それらにつきましては,地元と協議し,同様の機能を有する児童公園や高齢者施設が周辺地域に整備されたことにより,振りかえたものでございます。
 次に,不法投棄が行われた経過等でございますが,国有地の財産管理は,国の法定受託を受けた県が,機能上の管理については市町村が行うこととされておることから,現在,県が中心となりまして当該業者からの事情聴取や原状回復について調査,指導をいたしておりますので,今後,これらの結果を受けながら,県と連携を図りながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に,埋め立てたものは何か,撤去すべきではないかという御質問でございますが,この不法占有については,埋め立ててあるのかまた投棄してあるのか,いずれに該当するか不明でありますが,現在,県が当該業者に行った原状回復措置要求に対する回答が間もなく県へ来るとうかがっておりますので,御理解を願いたいと思います。
 次に,市道常澄8−1432号線の不法占拠につきましては,既に撤去済みであります。
 以上でございます。
◎都市計画部長(脇山芳和君) 田中議員の代表質問のうち,小野寺グループが建築した建築物についてお答えをいたします。
 議員御指摘の大串町地内及び森戸町地内におきます建築物群につきましては,昭和50年代前半から現在に至るまでに建築されたものでございまして,いずれも法定手続を経ずに建築されているばかりではなく,都市計画法に基づく開発行為等の許可基準及び建築基準法に基づく構造規定等にも適合していない状況にございます。
 このため,森戸町地内の建築物につきましては,既に開発許可権者でございます茨城県と合同で是正指導を実施してございまして,今年4月18日付で,移転先での建築確認済み証が県より交付されたと聞いてございます。
 今後,大串町地内の建築物群につきましても,県と協議の上,是正指導等の適切な措置を講ずることにより,問題の早期解決を図るとともに,森戸町地内につきましても引き続き早期移転に係る指導等を実施してまいりたいと考えてございます。
<再質問>
◆9番(田中真己君) ただいま答弁をいただきましたが,再質問を行います。
 それぞれ問題が多岐にわたっておりますけれども,端的にお伺いをいたします。
 まず第1に,焼却炉の使用中止について,先日,市と県が現地に立入調査を行い,焼却中止の指導を行ったわけでありますけれども,それではなぜこれまでその焼却炉の使用中止ができなかったのか,これについてお答えを明快にお願いしたいと思います。
 また,釜井戸ため池の不法占拠の問題では,県の調査指導の結果を市が待っているような場合ではないと思います。常澄村時代から水戸市に合併する経過の中で,この古紙などの不法投棄がされたわけであります。その間に,市の機能管理の権利,これを十分果たさなかったのではないか,重大な疑惑があるわけであります。そして農村公園計画の当時は,村が何をどれくらい埋めるのか,こういう計画はあるはずであります。一方で,小野寺グループが埋めた分もおのずとわかるのではないでしょうか。こうした中身について明確に答弁を求めるものであります。
 それから,大串地区の違法建築物につきましては,直ちに,これは撤去を求めるべきだというふうに考えますけれども,再度答弁を求めます。
 そして,市長の答弁がいただけませんでしたけれども,これはぜひ市長にお答えをいただきたいと思います。水戸市公害防止条例では,第2章で市の責務を定めております。「市長は,公害を受け,若しくは受けるおそれのある者又は公害を発生させ,若しくは発生させるおそれのある者について調査の請求があったときは,速やかに調査し,必要に応じ,国又は県に対してその調査を請求し,その結果を当該請求者に通知するものとする。」とされております。市の一般廃棄物収集運搬許可業者がこれだけの不法行為,法律にして5つの法律,県と市の2つの条例に違反をしていることが明確であります。住民の被害を拡大してきたことなど,一連の市長の責任をどう考えているのか,改めて市長の答弁を求めるものであります。
 そして第2は,多くの問題で住民が苦痛を訴えている,焼却炉での焼却の問題であります。
 小野寺社長は,半年燃やすというふうに新聞の取材に答えておりますけれども,市はこれを容認しているのかどうか,明確な答弁を求めるものであります。
 最後に,森戸町のごみの不法投棄の問題でありますけれども,これまで監視活動を行ってきたというふうな話でありましたけれども,現在,道路の5メートルわきに何の囲いもなく深さ13メートルもの断崖絶壁の大穴があいている状態であります。子供たちはもちろん大人でも危険な状態であります。直ちに実態調査を行って,不法投棄物の調査並びに危険な状態を放置しないように求め,私の質問を終わります。
<答弁>
◎市長(岡田広君) 小野寺グループの環境問題等につきましては,担当部長から答弁をいたしましたが,今後,法令等に基づきまして県などと十分協議をして,適切な対応をしてまいりたいと考えております。以上です。

平成12年9月 定例会(第3回)09月12日
◆11番(本田忠弘君) 日本共産党の本田忠弘であります。通告に従い,代表質問を行います。
 質問の第1は,小野寺グループ北関東通商株式会社の数々の違法行為と水戸市の指導とその結果についてであります。
 さきの第2回定例市議会で,我が党の田中真己議員がこの問題を取り上げております。その主なものは,1,焼却炉の不適合,2,建築基準法違反,3,国有地の不法占拠,4,廃棄物の不法投棄の疑い等の事実を示し,答弁を求めたものであります。
 市長初め各部長は,その違法性を認め,それぞれの対応策を示したのは御案内のとおりであります。
 その1。野焼き同然の焼却炉については,廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する焼却炉の構造と焼却の方法に適合しているとは認められないことから,現在の焼却炉による処理の中止を指導したと市民環境部長が答弁をいたしました。
 その2。都市計画部長は,大串町地内及び森戸町地内にある同社の建築物群が,いずれも法的手続を経ずに建築されているばかりではなく,都市計画法に基づく開発行為等の許可基準及び建築基準法に基づく構造規定等にも適合していない状況にあり,県と協議の上,是正指導等を講ずると答弁しております。
 さらにその3。市議会報には,「国有地釜井戸ため池の不法占拠は,国有財産法及び茨城県公共物管理条例に抵触するもので,今後の措置としては現在,県が中心となり業者からの事情聴取や原状回復について調査指導しており,市としても適切に対応したい」と記されております。
 また,常澄支所長は,不法投棄が行われた経過等でございますが,国有地の財産管理は,国の法定受託を受けた県が,機能上の管理については市町村が行うこととされておることから,現在,県が中心となって当該業者からの事情聴取や原状回復について調査,指導しておりますので,その結果を受けて適切に対応してまいりますと答弁しております。
 これらを受けて市長は,法令等に基づき適切な対応をしてまいりたいと答弁をいたしました。
 この市長及び執行部答弁がどう実行されたのか,今日までの指導の内容とその結果について伺うものであります。
 ところで,この答弁を受けた約2カ月後の8月9日,北関東通商株式会社小野寺和喜代社長から日本共産党水戸市委員会あてに内容証明の通知文が届けられました。
 その内容は,@不法投棄の事実はない,A国有地を無断で違法に占拠している事実もない,B焼却については水戸市の指導を入れて,近い将来焼却廃止の予定である,C違法建築物は存在しない,というものです。この内容は,県,市の見解を否定するものとなっています。
 みずからの違法行為を棚上げするどころか,水戸市が提出した総務環境委員会の指摘事項にかかわる対応策−−詳細に書いてあるものですが,これに一つ一つ挑戦しているのであります。
 これを裏づけるように,8月26日,停止したはずの焼却炉が再び使用されており,担当課長もこれを総務環境委員会で認めております。違法建築物も撤去されないため,県は新たな改善勧告を準備しているということであります。消防法違反も居座ったまま,それどころか,問題解決のために奔走した田中議員に対して暴力行為に及び,その無法ぶりはエスカレートするばかりであります。
 ここまで違法行為を続ける以上,これからの市長の対応はただ単に改善指導にとどめるべきではありません。
 小野寺グループ北関東通商株式会社が一般廃棄物処理業者として不適格であると判断する時期に来ていると考えるものであります。
 市長が第2回定例会で田中議員に答弁した,今後,法令等に基づき適切な対応をしてまいりたいという真意は,本当の意味は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条の3及び水戸市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例第25条を適用し,一般廃棄物収集運搬業者の許可の取り消しもあると判断してよいのでしょうか,市長の答弁を求めるものであります。
 次に,常澄地区のごみ収集について,これまでの民間委託をやめ,直営方式にすることを求めて,以下お尋ねいたします。
 まず,民間委託のあり方についてでありますが,民間委託の推進によって,サービスの質や住民自治が損なわれないことがその大前提でなければなりません。
 ところが,水戸市の民間委託化基本方針では,行財政の効率化のために費用対効果を分析し,経費縮減を図ることが第一の目的となっております。最後に申しわけのように配慮すべき事項として,市民サービスの維持向上と市民意向把握がつけ加えられているのであります。これは,目的と配慮が本末転倒であり,水戸市の民間委託方針がいかなるものかを物語っていると思うのでありますが,いかがでしょうか。
 さらに,水戸市ごみ処理基本計画の中では,民間委託による資源化,減量化がその目的の一つとして挙げられております。
 しかし,専門家は,ごみの収集量に応じて給与や委託料が支払われる民間の事業では,ごみの量を減らすことはあり得ない,100%委託すると,その後はごみの量もふえる一方であり,単価も独占価格で高くなる一方です,業者が損することはやらないというのが経済の法則だと指摘しておりますが,これを証明する具体的な例があります。
 御承知のように,常澄地区では,平成5年度から大串団地,涸沼台団地,東前地区の可燃ごみと不燃ごみの収集運搬業務を随意契約で民間に委託しております。これらの地区は,8年間で町内単位で見ると,人口が1.14倍増であるにもかかわらず,該当団地地区の可燃ごみは2.4倍にふえてしまっております。水戸市ごみ処理基本計画でもうたわれた民間委託の目的であるごみの減量化は,見事に覆されているのではないでしょうか。
 それだけではありません。私ども日本共産党水戸市議会議員団は,常澄地区を訪ね,市民の声を聞いてまいりました。涸沼台団地では,収集運搬時間が守られていないという苦情が圧倒的でした。とにかく決まりどおりやってほしい,苦情を言うにも恐ろしくて口がきけないというのであります。
 この委託業者は資源開発興業株式会社ですが,事務所も電話もそして役員の一部も北関東通商株式会社と一体関係にあり,その倉庫兼駐車場の一角には水戸維新党の看板がかけられております。大串町にはその街宣車,さらに東前の東水戸ビル内には青年自由党の事務所があり,森戸町にはその街宣車があるため,市民の一人は,右翼の車でどなられたらここに住んではいられないとおびえておりました。北関東通商株式会社の渡辺光運転手は,田中議員に暴力を加えた際,そのときに,俺は右翼をやっているとどなったということであります。こうした実情は,ごみ問題にとどまらない,人権侵害の無法状態と言っても過言ではないと思います。
 この委託業者については,市役所内でも,一部地区の住民が不信感を持っているので業者の業務自覚が必要だというモラルの問われる評価があるのは御存じでしょうか。委託契約書にも「作業員が作業に従事するときには,一定の服装で,言語及び態度等に留意して,市民に不快の念を与えないように心がける」と明確に記載されているのですから,市民の訴える人権侵害については,市長がその実態を調査し,公表し,指導することを求めるものであります。御答弁をください。
 次に,この業者と水戸市の間で結ばれた常澄地区不燃物収集運搬業務委託契約書や常澄地区不燃物収集運搬業務委託仕様書について重大な誤りがあることが明らかになりました。仕様書19行目「不燃物」と記入すべきところを反対の「可燃物」と記入して契約されております。この契約は,1993年から現在に至るまで8年間継続されていると聞いています。耳を疑いました。契約内容が全く違う以上,この契約書は無効として扱わなければならないと思います。しかし,本年に限ってみても,4月から7月まで,この契約のまま348万9,484円が業者に支払われております。
 また,契約では,大洗,旭,水戸環境衛生組合の清掃工場への搬入時間は正午までと規定しているにもかかわらず,1999年12月と本年1月の2カ月間を調べたところ,規定どおりに搬入されたのは60台のうちわずか10台にすぎず,83%が規定違反の状況でありました。これでも市は許容範囲として扱うのでしょうか。市はどのように対処するのか,お尋ねいたします。
 この地区のごみ収集運搬業務の民間委託事業の実態から見ると,契約を解除し直営にする以外方法がないと思うのでありますが,市長の見解を伺います。
◎市長(岡田広君) 日本共産党水戸市議会議員団を代表されましての本田議員の御質問にお答えをいたします。
 初めに,常澄地区のごみ収集業務の民間委託を直営とすることについてお答えいたします。
 本市においては,厳しい行財政環境の中,経営感覚を重視した簡素で効率的な行財政運営と市民サービスの向上を目指して,平成11年2月に策定した水戸市新行政改革大綱及び実施計画に基づき行政改革を推進しているところでございます。同大綱においては,基本的に民間委託化が適当な事務事業については積極的,計画的に民間委託していくこととしております。
 ごみ収集につきましては,平成11年に策定いたしました水戸市ごみ処理基本計画におきましても,収集運搬経費の抑制という観点から,収集運搬の効率化をより一層図るほか,委託収集について検討していくものとしております。
 したがいまして,適正な管理監督を行いながら,現行の体制で引き続き行ってまいりたいと考えております。
◎市民環境部長(平戸道雄君) 本田議員の代表質問のうち,小野寺グループの違法行為と今後の対策についてお答えいたします。
 焼却炉につきましては,7月1日以降使用が中止されましたが,8月に一時使用したことが確認されましたので,さらに文書による焼却炉の使用停止と早期の自主撤去を指導しております。
 次に,一般廃棄物収集運搬業の許可取り消しにつきましては,当該事業者は,再資源化事業のほかに,本市の許可を得て一般廃棄物収集運搬業を営んでおります。
 御指摘の違法行為問題等と一般廃棄物収集運搬業の許可取り消しとの関連につきましては,過去の行政事例等を参考に調査してまいりたいと考えております。
 次に,ごみ収集の民間委託を直営とすることについてのうち,業者に対する苦情処理等についてお答えいたします。
 常澄地区のごみ収集業務につきましては,大洗,旭,水戸環境衛生組合の施設完成当時から一部地域を委託方式で行い,これについては合併後も継続し,残りの地域については直営方式で現在に至っております。
 このような状況の中,ごみ収集委託業者による収集作業などの際,住民に不快の念を与えているのではないかとの御指摘でございますが,数年前には住民からの苦情があり,その都度,業者指導を行ってまいりました。
 その結果,ここ一年の間には苦情の申し出はありませんが,今後とも適宜,業者に対して適切な指導監督を行い,市民サービスの向上に努めてまいります。
 次に,常澄地区不燃物収集運搬業務委託契約につきましては,仕様書の中に受け入れ施設への搬入時間が示されておりますが,年々ごみ量が増加し,時間内の搬入が困難な状況になってきたために,仕様書を含めた契約内容について,双方協議の上,見直しが必要と考えております。
 次に,委託料の支払いにつきましては,業務完了報告書及び可燃物と不燃物運搬集計表並びに組合合計量伝票を確認して支払ったものでございます。
 なお,業務委託契約書に関する仕様書に不明な点があったことにつきましては,今後このようなことがないように事務執行をしてまいります。
◎都市計画部長(脇山芳和君) 本田議員の代表質問のうち,小野寺グループの違法建築物についてお答えをいたします。
 御指摘の建築物のうち,森戸町の違法建築物につきましては,本年6月の本会議に答弁申し上げましたとおり,都市計画法及び建築基準法に違反していることから,違反是正のための措置を県及び市が協力して講じてきたところでございます。
 その結果,昨年7月に提出された是正計画書に基づき,本年4月に移転先における建築確認が交付されるなど,建築物の移転準備が進められてきたところでございますが,その後,是正期限を経過した本年8月においても移転先での着工及び森戸町の違法建築物除却のいずれも行われていないことから,現在再度事情を聴取し,その結果を踏まえ,県とともに除却勧告等の行政処分を講ずることとしております。
 また,大串町,その他の建築物につきましても,違反の有無等について既に現地調査を実施してございまして,引き続き,県及び関係部署と協力しながら是正に向けた指導を行うとともに,事業主における対応状況を踏まえ,その後の対策について協議してまいりたいと考えております。
◎常澄支所長(小野瀬茂雄君) 小野寺グループの違法行為と今後の対策についての本田議員の代表質問のうち,釜井戸ため池の原状回復についての御質問にお答え申し上げます。
 国有地である釜井戸ため池の財産管理者である県が,茨城県公共物管理条例に基づいて指導を現在行っているところであります。
 現在までの経過につきましては,現地立入調査の実施を行うとともに,業者に対しましても,釜井戸ため池の不法占用物の撤去を申し入れているところであり,大半の占用物は撤去されましたが,一部占用物が残っているため,再度撤去するよう県において指導しているところでございます。
 県では,今後とも引き続き必要な指導を継続していくこととしております。また,県の指示により市といたしましても,適正に対応してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。
◆11番(本田忠弘君) それぞれ答弁をいただきましたが,北関東通商株式会社の問題とごみ収集業務の民間委託について再質問をいたします。
 市長が答弁されたのをまず初めから再質問したいと思います。
 私は,先ほど常澄地区のごみ収集業務の民間委託の問題点を指摘いたしました。公的な仕事を民間に委託するには,自治体の側に委託契約の能力と業者を管理する能力が備わっていなければならない。当然ですね。この能力がなければ市民に迷惑をかけることになるからです。
 資源開発興業株式会社との間に結んだ契約書は無効ではないか。搬入する時間は違反しているのではないか。この無効,違反の状態を8年間という長きにわたって見逃していたのですから,この委託契約能力と業務管理能力を疑われても仕方がないと思うのであります。業者の側にも,いわゆる遵法精神に問題があるといわざるを得ません。
 具体的に委託契約能力について言えば,1回の契約の伺いを立てれば,決裁のときには大体15人ぐらい決裁をします。市民環境部,財務部,常澄支所です。これまで契約を8回やってきたわけですから,延べ120人の職員が決裁をいたしました。その決裁者のうち1人もこの問題に気づかなかったと。これではどういうふうに委託契約能力を発揮したのかという疑いは消えないんですよ。委託契約能力が問われるゆえんだと私ははっきり言います。同時に,搬入時間が80%も契約どおりやられていないというのも,これは業務管理能力の欠如でしょう。
 少なくとも,この分野での民間委託は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律の市町村責任原則や公平なサービスを受ける市民の権利から見ても,当然直営方式に改めていくべきである。契約を見直せばいいという,そういう水準のものではないということを申し上げて,改めて市長の見解を求めるものであります。
 次に,北関東通商株式会社の問題については,もどかしさを感じていると思います。県と市が国有地釜井戸ため池地内のドラム缶,パレット,古紙等をほかに移動させた根拠,これをお尋ねしたいのであります。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第5条の清潔の保持,つまり何人も公園,広場,道路,河川,その他の公共の場所を汚さないようにしなければならない,こういうふうになっております。この条項に該当するのではないでしょうか。さらに,知事や市長はみずからが管理する土地の清潔を保つようにしなければならない,そのような条項にも該当する。つまり,市長は,こうした清潔の保持義務,さらに廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条を含めて,清潔保持の義務をきちんと果たそうとしていると,このように私は正しく,温かく認識をしているのですが,市長の見解を伺います。
 さきの6月議会で,市長は,法令等に基づき適切な対応をすると答弁しました。そして議会に対し,北関東通商株式会社が法律と条例に違反ないし抵触している状態と改善の方針を明細に報告したわけです。その後,事態はどうなっておりますか。改善どころか悪化しております。問題は,今後の方針であります。はっきりと,法令に基づき一般廃棄物収集運搬業者の許可取り消しについて具体的検討作業に入ると−−調査をするというのではなくて,具体的に検討作業に入ると,明確に答弁すべきではないか,このように思います。
 答弁を求めて再質問を終わります。
◎市長(岡田広君) 本田議員の再度の御質問についてお答えいたします。
 常澄地区のごみ収集業務の民間委託化につきましては,適正な管理,監督を行いながら,現行の体制で引き続き行ってまいりたいと考えております。
 北関東通商株式会社の問題につきましては,法令等に基づきまして,県などとも十分協議し,厳しく適正に対応してまいりたいと考えております。
 以上です。

平成12年9月 定例会(第3回)-
◆9番(田中真己君) 日本共産党の田中真己でございます。ただいまから通告に従い,順次,一般質問を行います。
次に,小野寺グループ北関東通商株式会社の違法行為と今後の対応について質問いたします。
 この問題については,さきの6月議会の代表質問で私が取り上げ,今議会でも我が党の本田議員が代表質問をしております。私は個別の問題について4点,立ち入って質問を行いますので,具体的な答弁を求めます。
 まず第1は,違法焼却炉の撤去にかかわる指導についてです。住民にとって最も深刻な被害を出した焼却炉については,小野寺社長は6月30日をもって焼却中止を文書で市に約束しましたが,8月26日,約束を破り,夕方に焼却しました。約束不履行の焼却炉は直ちに撤去を求めるべきだと考えます。本田議員への答弁では,文書で指導したとのことですが,指導に対する業者の姿勢はどういうものでしょうか。約束を破ってきた実績からして,期限を切った指導が必要だと考えますが,答弁を求めます。
 第2は,国有地である釜井戸ため池の不法占用物の撤去の問題です。国有財産法違反であり,県が茨城県公共物管理条例に基づいて撤去命令を出した後,確かに主なごみの山は撤去され,一時的にはきれいになりました。しかし,現在はこのとおりであります。これは9月12日朝の状況であります。従来からのコンクリートの敷設は残っているばかりか,最近新たにコンクリートで固めた面積が広がっていることがこの写真で明らかであります。すなわち,指導を拒否して不法占拠の固定と拡大をしております。そのほかにもコンテナ4台,トラック2台,フォークリフト1台,ごみの塊も多数積まれ,散乱しております。隣接する工場と一体の作業場のようであります。再度これらの不法占用物の即時撤去,とりわけコンクリートを撤去させる具体的指導を求めますが,いかがでしょうか。
 さらに重大なのは,産業水道委員会の執行部の答弁で,旧常澄村は,当時,農村公園として池の半分を建設残土で埋め,残り半分は池として残したことが明らかとなっています。しかし,この写真のとおり,今は跡形もないわけであります。周辺の水路は赤茶色に汚濁し,異臭を放っており,住民からは小野寺グループが不法投棄を行い,埋めてしまったとの指摘が多く寄せられております。少なくとも行政が全部埋めたのではない以上,埋められているものを調査し,撤去する責任が市にあると考えますが,やる気はありませんか,伺います。
 第3は,違法建築物の撤去についてです。森戸地区の違法建築物の撤去は,住民からの請願書が市議会及び県議会で全会一致で採択され,撤去期限は2000年7月中でありましたが,今なお撤去されていません。また大串町や栗崎町にある同社の建築物も違法建築物であることが市より報告されました。本田議員への答弁では,森戸地区の違法建築物について勧告,除却命令を用意しているとのことでありますが,住民は具体的な指導の前進を切望しております。一刻も早く除却命令を出すべきであります。大串町,栗崎町などの違法建築物については,都市計画法上の立地制限は県の所管であり,県と一体となって早急に再調査し,撤去に向けた是正計画書の提出を指導するよう求めるものですが,答弁をお願いいたします。
 第4は,大串町にある同社の軽油スタンドの問題です。8月28日の文教福祉委員会で,軽油スタンドの上に勝手に違法建築の屋根を伸ばし,油と水を分離させる油水分離槽にポンプを入れており,消防法及び建築基準法違反の状態であることが執行部から明らかにされました。その際,市消防本部が屋根を撤去させず,防火壁をつくるよう指導したのは,違法状態の追認ではないかとの指摘がなされ,文教福祉委員会の総意として次の意見を執行部に伝えました。「今回の北関東通商株式会社に対する給油取扱所の不備欠陥事項の水戸市消防の指導対応については,違反状態を是認するともとられかねない対応であり,かつ,その後の業者側の対応も誠実さを欠いていると言わざるを得ず,まことに遺憾である。今後については,早急に期限を切って上屋の撤去を図り,消防法違反の状態を解消し,近隣住民の行政に対する信頼回復を求めるよう強く要望する。なお,期限内の履行がなされない場合は,当該施設の仮使用許可を取り消し,消防法第12条の使用停止の措置をとられるよう,我々文教福祉委員会は求めるものである。」との厳しい指摘であります。消防法及び建築基準法違反の上屋を直ちに撤去させ,周辺側溝への油の流出や早朝から夜間にかけた作業時間の制限など,周辺住民の苦情や改善要望を市としても受けとめて,厳しく対処することを求めますが,いかがでしょうか。

◎市民環境部長(平戸道雄君) 田中議員の一般質問のうち,小野寺グループ北関東通商株式会社の公害問題についてお答えいたします。
 違法焼却炉につきましては,7月1日以降,焼却炉の使用はありませんでしたが,先月,一時使用したことが確認されました。このため,その時点において再度の焼却炉の使用停止を強く指導しておりますが,さらに文書による焼却炉の使用停止と早期の自主撤去を指導いたしました。そのような中で,本日朝,焼却炉の撤去作業が進行していることを確認いたしましたので,近日中に撤去が完了するものと考えております。
◎都市計画部長(脇山芳和君) 田中議員の一般質問のうち,小野寺グループの違法建築物の撤去についてお答えをいたします。
 森戸町の違法建築物につきましては,県及び市の指導により,昨年7月に是正計画書が提出されましたが,是正期限である7月を終えた現在に至るまで,違反是正に関する工事等はなされておりません。
 したがいまして,遅延の理由,移転の意思及び今後の移転スケジュール等について,再度事情を聴取した上で,その結果を踏まえ,都市計画法及び建築基準法に基づく除却に係る勧告または命令等の行政処分を講じてまいります。
 一方,大串町の違法建築物につきましては,現地調査結果に基づき,事業主に対する是正指導を行っているところであり,今後,事業主における対応状況を踏まえ,適切な措置を講じてまいります。
 さらに,これら以外の小野寺グループ所有の建築物についても,違反建築物の有無について調査を行い,県と協議の上,今後の対策について検討してまいります。
◎常澄支所長(小野瀬茂雄君) 田中議員の一般質問のうち,小野寺グループの釜井戸ため池での不法占用物の撤去についてお答えいたします。
 これまで,県が国有財産法に基づく法定受託事務として茨城県公共物管理条例に基づき実施しているところであります。原状回復命令後の状況につきましては,議員御指摘のとおり,一部不法占用物が残っておりますので,引き続き県が中心となり,市とともに当該業者に原状回復を指導してまいりたいと考えております。
 次に,釜井戸ため池への不法投棄についての調査及び撤去を求めることについては,財産管理者である県では,水戸市で調査している周辺水路の水質検査等の推移を見きわめながら,引き続き適切な対応を講じてまいりたいとうかがっておりますので,御理解のほどお願い申し上げます。
◎消防長(加藤一郎君) 田中議員の一般質問のうち,消防法違反の危険物施設についてお答えいたします。問題の施設につきましては,給油取扱所における位置,構造,設備の無許可変更などの消防法違反であり,消防法等に基づき期限を明示させ,消防法令に適合するよう厳正なる是正措置をしてまいりたいと考えております。
◆9番(田中真己君) それぞれ御答弁をいただきましたけれども,小野寺グループの問題について2点,再質問をさせていただきます。
 第1に,都市計画部長に違法建築物について再度伺います。
 日本共産党に対し,違法建築物は存在しないという通知文が小野寺社長から送られ,日本共産党の活動に対して,これ以上続ければ損害賠償や抗議行動に及ぶとまで言及しております。念を入れて質問いたします。違法建築物については,県と協議して対処するとの答弁でありますけれども,そもそも業者側,小野寺社長は違法性について認識しているのでしょうか。指導に対する業者の対応と行政指導の具体的内容について,再度答弁を願います。
 第2に,常澄支所長に釜井戸ため池の問題でお伺いいたします。埋められているものについて調査せよとの質問に,答弁がありませんでしたので,再度,答弁を求めます。
 私はここに「常澄村史 地誌編」という本を持ってまいりました。平成6年3月31日,水戸市教育委員会の発行であります。ここに常澄地区の航空写真が載っております。国土地理院に確認しましたら,平成4年に撮った写真であるということでありました。この写真を見ますと,釜井戸ため池が半分埋められて,半分水があることが見てとれるわけであります。これは執行部が農村公園をつくる計画のときに,池の半分を建設残土で埋めたという産業水道委員会での答弁と符合をしております。
 しかし,現在はこの私の撮った写真のとおり,池が跡形もないわけであります。現在,小野寺グループ北関東通商株式会社が同社の敷地のように利用していること,コンクリートを敷設していること,そして入口は同社側しかないことから,それだけ見ても,残っていた池を埋めたのは同社であるという地元住民の指摘は,極めて説得力があると思います。あるいは埋められたものが有害物であるかもしれないわけですから,廃棄物の処理及び清掃に関する法律第5条による県と市の清潔保持義務を果たす責任,それから国有地ため池の市の機能管理責任から言っても,コンクリートをはがさせて埋められているものを調査し撤去する,もとの形に戻すこと,これが原状回復であると考えますけれども,執行部の見解をお伺いいたします。
 なお,私どもが県と交渉した際,担当の用地課は,市はどこまで埋めたかわからないと言っているということで,これでは県ではわかりようがないと言っておりました。ある意味そのとおりであります。市がそういう不明朗さを残しているから,県は原状回復はもう終わりとの認識でありました。しかし,私どもが写真を示して,まだ全然原状回復は終了していないという指摘をして,撤去命令の完全履行まで厳しく指導せよと求めたわけであります。市が県と協議してとか,県主体で対処するという答弁は言い逃れではないでしょうか。県と市の指導の譲り合いをやめていただきたいと思います。
 農村公園を断念したとき既に池はなくて,公園になりようがなかったのではないかと私は思います。再度,コンクリートの撤去と埋まっているものの調査について答弁を求めまして,私の再質問を終了いたします。
◎都市計画部長(脇山芳和君) ただいまの田中議員の小野寺グループ北関東通商株式会社の違法性に関する再度の御質問にお答えをいたします。
 違法性は先方において認識しているのかということでございますが,当然のことながら市及び県による調査,そして事情聴取,そして是正指導等を,違法状態であることの説明の上で行っているところでございます。
 したがいまして,違法性について,小野寺グループ等相手方におきましては十分に承知しているということで認識してございます。
◎常澄支所長(小野瀬茂雄君) 田中議員の再度の御質問にお答え申し上げます。
 財産管理上の問題でございますが,国有地の財産管理は県というようなことになっておりまして,機能管理は市でございますので,県とよく協議,調査の上,今後対処してまいりたいと考えております。

平成12年12月 定例会(第4回)12月13日
◆9番(田中真己君) 日本共産党の田中真己でございます。通告に従いまして一般質問を行います。
 次に,小野寺グループ北関東通商株式会社の違法行為について伺います。
 この問題については,6月,9月議会に続いて3度目の本会議質問となります。同社は,水戸市の一般廃棄物収集運搬許可業者であり,社長は市が年間1億8,000万円も委託料を払っている再資源化事業協同組合の副理事長を務めているにもかかわらず,違法行為のデパート状態,これは依然として解消されておりません。そこで今回は2点にわたり質問をいたします。
 第1は,国有地釜井戸ため池の不法占拠の拡大と行政指導についてです。
 最近,大串町の同社営業所に隣接する国有地釜井戸ため池はどういう状態でしょうか。驚くことに,県が撤去命令を出して久しいにもかかわらず,国有財産法違反の不法占拠を続けているだけでなく,その範囲を拡大しています。
 そこで,市として業者に対し,9月以降どういう指導を行ったのか。また,さきの撤去命令は口頭でしたけれども,即刻,文書をもって撤去勧告を行うことを求めますが,いかがでしょうか。
 市は,釜井戸ため池の機能管理権を有しており,これに基づき,堂々と境界に杭を打ち,壁をつくるなどの措置をとる責任があると思いますけれども,やる気はありませんか,伺います。
 特に,この問題は旧常澄村時代の農村公園計画の撤回から引き継いでいる問題であります。常澄支所の責任は大きく,いつまでに解決する考えか,時期を明示することを求めます。
 次に,森戸町の違法建築物の撤去指導についてです。
 この違法建築物の撤去は,住民からの請願書が市議会及び県議会で全会一致で採択され,2000年7月が撤去期限でありました。さきの9月議会で都市計画部長は,期限を過ぎても違反を是正する工事はなされておらず,都市計画法及び建築基準法に基づく除却に係る勧告または命令等の行政処分を講じると答弁しました。その後,現地はどうなったでしょうか。奇妙なことに,違法建築物は撤去されないまま,屋根の上にシートがかけられました。地元住民は,一体行政はどういう指導をしているのか,いつになったら撤去されるのかと訴えております。
 そこで,9月以降,市はどういう指導を行ったのか,依然として違法建築物が撤去されておらず,一刻も早く文書による除却勧告,命令を行うべきと考えますが,答弁を求めます。
◎常澄支所長(小野瀬茂雄君) 田中議員の一般質問のうち,小野寺グループ北関東通商株式会社の国有地釜井戸ため池の不法占拠の拡大と行政指導についてお答えいたします。
 9月以降の指導経過でございますが,敷地内(山際)雨水排水のための無断掘削や古紙等の置き場として一時使用が見受けられたことから,県,市で業者に対し占有物等の撤去方等を現地で継続的に指導を行っているところでございます。
 さらに,市では周辺水路等の水質検査を定期的に実施し,監視を行っているところでもあります。
 次に,国有地の範囲の明確化のための杭,さく等の設置につきましては,財産管理者である県と協議してまいりたいと思います。
 今後の問題といたしましては,引き続き県と連絡調整を密に行いながら,適正な対応を講じてまいりますので,御理解のほどお願い申し上げます。
 以上でございます。
◎都市計画部長(脇山芳和君) 田中議員の一般質問のうち,森戸町における違法建築物の撤去指導の状況についてお答えをいたします。
 御指摘の違法建築物につきましては,本年9月の本会議で答弁いたしましたとおり,都市計画法及び建築基準法に違反していることから,違反是正のための措置を県及び市が協力して講じているところでございます。
 具体的には,9月以降も引き続き建築主に対し,是正計画書に基づき本年7月までに行う予定であった移転工事の遅延理由,移転の意思及び今後のスケジュール等について事情聴取を行うとともに,早期是正に向けての指導を行ってまいりましたが,依然として是正について明確な返答が得られていないことから,近日中に県とともに除却勧告を行う予定となっております。
 なお,現在,当該違法建築物はシートでおおわれておりますが,調査いたしましたところ,既存の建築物の構造等に変更がないことから,引き続き既定の違反是正方針にのっとり適切な対応を講じてまいります。以上です。
◆9番(田中真己君) それぞれ答弁をいただきましたが,2点について再質問をさせていただきます。
 第1点目は常澄支所長に,北関東通商株式会社の国有地不法占拠の問題について,第2点目は教育長に,公民館の管理運営問題について伺います。
 まず第1点目ですけれども,小野寺グループ北関東通商株式会社のこの釜井戸ため池の不法占拠問題は,既に指導が始まって以来,相当経過をしております。先ほどの答弁の中で,県と協議して指導していくと,こういうお話でありましたけれども,私は,これまでの指導が通用しないのだから,境界をはっきりさせる手段をとったらどうかと具体的な提案をしているわけであります。これをやると,市が県にこれを積極的に提案して断固やるという答弁を再度求めます。
 もう1点は,期限を切って解決するという要求をいたしました。私は,常澄支所の廃止には反対でありますけれども,執行部はそういう方針であります。旧常澄村時代からの持ち越し課題でもあることから,少なくとも今年度中に解決させると,こういう明快な答弁を求めるものです。
◎常澄支所長(小野瀬茂雄君) 田中議員の再度の質問にお答えいたします。
 国有地の境界等の明確化につきましては,財産管理者であります県と今後十分協議しながら,杭等の設置等について県の方と協議してまいりたいと考えております。
 次に,早期の解決でございますが,これまで数回にわたり県との調整を常澄支所の方で図っておりますので,できるだけ早い時期に解決に向かって努力してまいりたいと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。 以上でございます。

平成12年12月 定例会(第4回)
◆11番(本田忠弘君) 日本共産党の本田忠弘であります。通告に従いまして一般質問を行います。
 次に,水戸市一般廃棄物収集運搬の市直営事業の存続について質問をいたします。
 先月の27日,行政改革及び政治倫理等に関する調査特別委員会で,市長側から事務事業民間等委託化計画(案)が説明されました。ごみの収集運搬業務については,本年度から平成18年度までの7年間で,収集車11台,職員22名分を民間等に委託するという計画であります。この計画がいかに理不尽なものであるか,水戸市職員組合現業評議会が労働協約の事前協議制に違反したとして予備交渉を申し入れているにもかかわらず,市長はこの申し入れに何ら回答をしておりません。回答前の提案はまず撤回すべきでありましょう。
 清掃行政の委託部門がどのような状況になっているか,さきに述べたとおりであります。受託業者との違法状態を長期にわたって続けた上に,民間等委託化を進めることは何を物語るのでありましょうか。行政改革の名をかりて業者の利益を優先すると言われても仕方のないことではないでしょうか。
 昨年の9月議会に,北関東通商株式会社の不法建築物撤去に関する請願が提出され,全議員一致で採択されました。次いで今年の5月,総務環境委員会の現地視察によって,この会社の違反行為の現状が明らかになりました。北関東通商株式会社は,田中真己議員への暴力行為,さらに廃棄物処理法,国有財産法,都市計画法,建築基準法,消防法,道路法と実に7つもの法律違反をしている業者であります。水戸市の都市計画部長や消防長,市民環境部長などの熱心な行政指導も受け入れず拒否をして,その後10カ月も経過しているにもかかわらず,現在も違法状態が続いているのであります。
 この業者の小吹清掃工場への搬入実績は,他の業者を寄せつけず,1998年度ですが年間3,530トンと第1位であります。その上,水戸市再資源化事業協同組合が水戸市から受注する金額は,1999年度1億8,450万円にも上り,清掃事務所で扱う収集運搬と中間処理の委託費の約4割を占めております。
 この北関東通商株式会社の社長は,水戸市一般廃棄物協同組合の副組合長を務め,さらに水戸市再資源化事業協同組合の副理事長も務めております。水戸市の清掃行政に深く広くかかわるこの業者が違法まみれで,市長や知事の指導を受け付けない状況を放置してよいのでしょうか。
 さて,この間の清掃行政においてさまざまな問題点が指摘されてまいりました。小中学校の可燃ごみ収集運搬業務の再委託の誤り,常澄地区の資源開発興業株式会社の受託契約の違反,地方自治法違反及び契約書の誤記,誤りの記載を指摘しました。委託をめぐっての市の関係部・課,清掃事務所の委託行政の誤りもかなりの状況であります。
 こうした中で,市直営の収集運搬業務は,市民の信頼のかなめを担っているのであります。公務員として市民のサービス向上に徹し,民間と同じ清掃車1台に運転手1名,作業員1名の厳しい条件で働いております。多くの市民は,直営現業公務員を窓口として率直な意見を寄せ,市民を主人公にした清掃行政が保証されているのであります。今はむしろ市直営の収集運搬業務をてこにして,今まで述べた違法状況の委託行政を立て直すことこそ市のとるべき施策ではないでしょうか。
 したがって,事務事業民間等委託化計画(案)の清掃事務所のごみ収集運搬業務委託の撤回を求めるものであります。 
◎市民環境部長(平戸道雄君) 本田議員の一般質問のうち,清掃行政についてお答えいたします。
 まず初めに,いわゆる家電リサイクル法につきましては,小売業者による引き取り及びメーカーによる再商品化が法の趣旨,基本であり,小売業者等が義務外として引き取らないものに限り,市において扱うことを検討しております。
 市民の負担する費用は,既にメーカーから公表されております対象家電品目ごとのリサイクル料金と,収集及び指定引き取り場所までの運搬料金となりますが,市がかかわる場合の収集運搬料金及び市民が直接小吹清掃工場に対象家電品を持ち込んだ場合の受け入れ体制につきましては,水戸市廃棄物減量等推進審議会においてただいま審議をいただいておりますので,答申内容等を踏まえた中で定めてまいりたいと考えております。
 次に,家電品の不法投棄対策でありますが,不法投棄を防止するためには,市民意識の高揚を図ること,土地所有者,管理者などの自衛措置とともに,周辺住民等による監視体制の強化が必要と考えておりますので,先進都市の事例なども参考として,本市のいわゆる監視員制度の創設に向け検討中でございます。
 次に,ペットボトルリサイクル事業についてでありますが,ペットボトルの分別収集につきましては,水戸市廃棄物減量等推進審議会におきまして,その方向づけを審議していただいておりますので,その答申内容等を踏まえ,平成13年度の実施に向けて対応してまいりたいと考えております。
 次に,資源ごみ回収業務委託契約書の再委託の制限条項及び契約の解除等につきましては,今後整理をしてまいります。
 次に,一般廃棄物の収集運搬について市直営を存続すべきであるとの御意見ですが,ごみの収集運搬業務の民間等委託化につきましては,なおも厳しい行財政環境の中で効率的かつ効果的な行財政運営を行うため,民間等への委託化が適当,あるいは民間でできる事務事業については委託化を推進するという基本的な方針に従い,事務事業民間等委託化計画(案)に掲げたものであります。
 したがいまして,実際に民間等委託化する場合には,行財政運営が効率化するか,市民サービスが維持向上するかといったことを含め,総合的な見地からさらに詳細な検討を行うこととしておりますので,御理解をいただきたいと思います。
◆11番(本田忠弘君) それぞれ答弁をいただきましたが,一般廃棄物収集運搬業務委託契約の問題について再質問をさせていただきます。
 再委託の禁止という廃棄物処理法の規定に違反する再委託の制限という現在の契約書について,また契約書の解除について廃棄物処理法施行令第4条第1項第8号の要請にこたえるという問題について,今後整理するという答弁でございましたが,どのように整理するのか,改善をするのか,具体的に答弁をいただきたいと思います。
 1つは,再委託の禁止は,先般,文教福祉委員会で小中学校の可燃ごみ収集運搬業務の再委託の事件が発覚して,北関東通商株式会社が平成10年度,平成11年度,再委託をしたということで報告があり,一応の問題解決になったと聞いておりますけれども,この事件は,本来,私の考えでは廃棄物処理法第26条の罰則の適用を受け,契約の解除となるべきものだというふうに考えております。私は,このような再委託の禁止条項をきちんと書き加えて改善をすべきと考えますが,答弁を求めます。
 もう一つは,廃棄物処理法施行令第4条第1号,第2号,第3号を加える事柄についてであります。実は,収集運搬処理等に関する委託契約書16通のうち1通だけ,この項目が入った契約書が発見されました。したがって,当局は知らないで削っていたのではない,承知した上でこの適用を削ったというふうに理解される。したがって,私はあえてその理由をこの際はっきりさせ,改善の方向を改めて求めるものであります。
 最後になりますが,清掃事務所のごみ収集運搬直営事業の民間等委託の問題でありますが,市長が本議会において,実際に適用する場合には法律上の観点,清掃行政の公的責任の観点,そして市民サービスの維持の観点,そして労働者の生活と人権を守る観点を総合的に勘案しなければ実際には実行できない,こういうふうに言っているわけでありますが,私が1回目の質問でも触れましたように,この委託行政の違法状態というのは非常に重大なものを含んでおります。したがって,市長の公的責任を果たすためにも,あるいは市民サービスを向上させるためにも,何よりも違法状態の正常化が最優先されなければ,とてもとても問題にならないし,コスト削減だけを目的にした行政改革は筋違いというものであります。したがって,事務事業民間等委託化計画(案)の撤回を改めて求めるものでありますが,再答弁を求めます。
◎市民環境部長(平戸道雄君) 本田議員の再度の御質問にお答えいたします。
 現在の契約書は,契約的な要件は充足しているものの,再委託ができるものと誤解を招くおそれがあるので,今後適正に処理してまいりたいと思います。
 また,ごみの収集運搬業務の民間等委託化につきましては,実際に民間等委託化する場合には,総合的な見地からさらに詳細な検討を行うこととしておりますので,御理解をいただきたいと思います。

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