MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
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市議会会議録
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2008年3月議会 代表質問 2008.3.10

日本共産党水戸市議団の田中真己です。2008年3月定例議会にあたり、通告に従い代表質問を行います。
1.来年度予算について 
(1)くらし・福祉・教育優先へ転換を

はじめに来年度予算について質問します。市長はいま、市民生活の実態をどのようにお考えでしょうか。水戸市では一昨年来、住民税の値上げや下水道料金、介護保険料などの連続値上げで総額45億円もの負担増に加え、原油高騰や物価上昇で市民生活は大変です。生活保護世帯は5年前と比べ1.4倍、2000世帯を超えるなど、生活困窮世帯が増加の一途をたどっています。そういう中だからこそ、くらしを守り、福祉や教育を優先する予算への転換が求められますが、市長の所見を伺います。

市長
 日本共産党水戸市議団を代表されましての田中議員のご質問にお答えいたします。
 まず初めに、20年度予算につきましては、福祉社会の実現に向け、難病患者見舞金制度の創設や、高齢者の健康増進事業の充実を図るほか、健康で安心できる生活の実現のため、妊婦健康診査に対する助成の拡充、休日歯科診療の開始など、医療環境の充実をすすめるとともに、保育所定数の増加など大気児童の解消促進に努めところであります。
 また、教育につきましては、常磐小学校や第二中学校の改築等のほか学校施設の耐震化を推進するなど、教育環境の整備・充実を図り、また、幼稚園と保育所との連携による合同保育など、幼児教育の充実に努めております。
 さらには、市民の生活に密着した生活基盤の整備を図るため、下水道の重点的な整備を進めるほか、引き続き、生活道路、交通安全施設等の整備に努めたところであります。
 大変厳しい財政状況ではございますが、行財政改革のいっそうの推進に取り組みながら、今後とも生活者の視点にたった適性な予算配分に努めてまいります。

(2)国保税の総額約4億円の値上げ条例の撤回を
次に、国保税の値上げについてです。市長は本定例会に、国保税を6.4%、総額約4億円値上げする条例案を提出しました。一世帯当たり年8854円、一人当たり4916円の値上げとなり、応益割合を高めて、低所得者に重い負担となるものです。
今回の値上げ計画に対し「少ない年金ぐらしで国保税が高すぎる」「売り上げが減っている。これ以上値上げされたらとても払えない」という声が寄せられています。
水戸市は4年前(平成16年度)に10%、5億8500万円値上げしたばかりです。国保加入世帯の半分以上が年所得100万円以下、87%が300万円以下の低所得世帯であり、今でさえ高すぎる国保税が払えず、滞納せざるをえない世帯が3割を超えています。すでに水戸市はこれらの滞納者に対して短期保険証・資格証明書をあわせて855世帯(短期783、資格72)に発行しており、値上げでさらに滞納が増え発行が増えれば、いっそうの受診抑制を招き、命を脅かすものであり、正規保険証の交付を求めます。
国保は市内全世帯の5割が加入する市民の命綱です。水戸市が一般会計からの繰り入れをあと3億5000万円増やせば値上げは必要ありません。住民税の負担増分12億7800万円の3割を国保に回せばすむことです。増税分を市民に還元すべきであり、値上げ条例の撤回を求めます。

市長
 次に、国民健康保険税条例の改正についてお答えいたします。
 水戸市の国民健康保険は、平成16年度に累積赤字の解消とその後の安定運営を目指して9.2%の税率改正を行いました。ところが、収納率の低迷と医療費の増加により、赤字解消に至らず、平成18年度末には累積赤字が9億円を超えて、繰上げ充用を行ったところです。今後、このままの状況が続いた場合には、累積赤字額がますます大きくなり、財政状況がさらに悪化していくものと予想されるところであります。
 このような厳しい状況にある国保会計の健全化を図るため、また、制度改正に伴い後期高齢者支援金という新たな税率が設けられたため、全体の税率を見直す必要もあり、やむを得ず税率改正をすることといたしました。
税率改正については、水戸市国民健康保険運営協議会に諮問し、1月16日に答申をいただいたところです。
 今回の税率改正に当たっては、大幅な改正率となるのを避けるため、一定規模の一般会計からの繰入を行いながら、国保税については6.4%の税率改正をし、今後5年間で赤字額を解消することとする財政計画を作成したところです。
 一般会計からの繰入額については、平成20年度末の累積赤字見込額、15億5,700万円の2分の1の額とし、一般会計の厳しい財政状況も考慮し、5年間で分割して、毎年、1億5,570万円としたところであります。
 国保の加入者は低所得者や高齢者が多く、国保財政の基盤は極めて脆弱であるという構造的な問題を抱えていることから、一般会計から繰入をするものですが、特別会計を設けて経理する国保制度の性格、現在の厳しい市の財政状況や他の保険に加入している市民負担の公平性なども考慮しますと、これ以上の一般会計繰入額は難しいものと考えます。
 また、短期保険証、あるいは資格証明書の発行につきましては、負担能力があるにもかかわらず保険税を納めていない滞納者対策のために設けられた制度でありますので、これらの活用を図りながら、収納率を向上させ、今後の国保会計が計画に沿って健全なものとなるように努力してまいりたいと考えております。

(3)公共料金の値上げ計画の中止を
次に、公共料金の値上げ計画の中止を求めます。3ヵ年実施計画では来年度に「使用料・手数料の見直し」をするとしています。前回の05年度(H17)は、公共料金77項目、実に1億8千万円の大幅値上げでした。これ以上何をいくら値上げする計画なのでしょうか。市民生活を圧迫する公共料金値上げは認められません。中止を求めます。

市長
 次に、使用料及び手数料等の見直しにつきましては、市民からの公募委員や有識者等による審議会において十分に検討していただき、そのご意見等を踏まえながら、受益に見合った公平公正な負担となるよう見直しを図ってまいりたいと考えております。

2.後期高齢者医療制度について
次に、後期高齢者医療制度について質問します。4月から後期高齢者医療制度が実施になりますが、多くの人々から高齢者いじめであるとして強い怒りの声がよせられています。
厚生労働省は、団塊の世代が高齢化のピークを迎える2025年に、高齢者の医療費56兆円を48兆円に削減するとしており、制度の狙いはズバリ医療費の大幅削減です。
この制度に対し、全国の地方議会の約3割、512の議会、県内でも水戸市・日立市・筑西市・常総市などで、抜本的見直しや中止をもとめる意見書が採択されました。国会では共産党・民主党・社民党・国民新党の野党4党が廃止法案を提出しています。
後期高齢者医療制度は、戦前・戦後の大変な時代を生きぬき、家族をささえ、日本社会の発展に寄与してきた高齢者への冷たい仕打ちであり、長生きに罰則を科すものと考えます。 
市長は政府に対し、一部凍結ではなく中止、撤回をもとめるべきですが答弁願いますす。
次に、高い保険料の引き下げについてです。本市の後期高齢者保険料は一人当り年間平均9万円で、県平均よりも2万円以上も高いものです。茨城県の保険料が高い原因の一つは、保険料に医療費以外の経費、すなわち、レセプト審査支払手数料、健康診査に関する費用、葬祭費などが含まれており、これらを国・県が公費負担すれば保険料が軽減できます。茨城県後期高齢者医療広域連合に対し、保険料値下げを求める考えはないか、伺います。
 また、本制度は、年金が月1万5千円以下でも保険料は年1万1200円かかります。そこで、年金月15,000円以下の低年金者は市独自で保険料を免除することです。対象者は5,305人で、全額免除しても約6000万円(5941万)で実施できます。「高齢者の医療の確保に関する法律」第103条は「市町村は後期高齢者医療に要する費用に対し補助金を交付することができる」と独自減免が可能であると定めており、東京都では区市町村負担で実施し、年1万2000円保険料を値下げします。
 さらに、保険料算定は、世帯主の収入ではなく、本人収入で行うよう市として広域連合に求めることです。例えば息子が世帯主で一定収入がある場合、保険料の均等割の7割軽減をうけられず、年3万7400円となります。年金収入が月2万円でも後期高齢者保険料と介護保険料で月7000円が天引きされ、1万3000円しか年金が残りません。どうやってくらせというのでしょうか。
 次に、資格証明書についてです。これまで国民健康保険法(第9条第6項)は75歳以上の資格証明書発行を禁止してきました。しかし後期高齢者医療制度では、保険料を1年以上滞納すると保険証を取りあげ、医療費全額を病院窓口で支払う資格証明書を発行するとしています。保険医団体連合会の全国調査では、資格証明書の方の受診率は正規保険証の方に比べ、最大で2百分の1です。県広域連合は昨年8月27日、中庭議員の質問に「資格証明書は機械的に発行しない、実際の運用は市町村と個別対応をはかる」と答弁しており、市とし発行しないように主張すべきですが、いかがでしょうか。

市長
 次に、後期高齢者医療制度についてですが、平成18年度6月に高齢者医療制度関連法が制定され、本年4月に制度が施行されますので、ご理解願います。
 保険料は、昨年11月29日に開催された広域連合において、所得割率は7.6%、均等割額は37,462円に決定されたところであります。
 茨城県を全国平均から見ますと、所得割率、均等割額ともに下回っており、妥当な水準であると考えております。
 また、健診等に対する財政支援については、全国市長会や北関東3県の広域連合で国に対し要望しておりますが、今後とも国の動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。
 低年金者に対する本市独自の軽減策については、田市町村とのバランスの問題等もあり、実施は困難であると考えております。
 また、均等割額の軽減判定は、高齢者の医療の確保に関する法律施行令第18条第4項に基づいて、広域連合条例で規定されております。単身世帯以外の場合、世帯主と被保険者の所得の合計額が基礎となっており、世帯の所得水準に応じて、均等割額を7割、5割、2割減額する措置が実施されることとなります。
 次に、資格証明書の交付については、滞納者と折衝機会を持つ有効な方法であります。広域連合においても、市町村と連携しながら対応していくと聞いておりますので、ご理解願います。

3.大型開発優先の市政の転換を
(1)大工町1丁目再開発について

 次に、開発優先の市政の転換を求めて質問します。大工町1丁目再開発は、ホテルオークラや、高さ86メートル137戸の超高層分譲マンション(23階建て)、320台の駐車場などに総額40億もの税金を補助するものです。
 昨年、本体工事の入札が相次いで不調となり、今年度予算6億9600万円が未執行のまま繰り越しもできませんでした。これ自体、事業がゆきづまっている証拠です。
 さて、市内のマンション建設はいよいよ頭打ちになってきました。旧ユニー跡の住友不動産による400戸のマンションは、事業計画の見直しを余儀なくされ建築の届出さえ出されていません。今年度、市に届出があったマンションは8ヶ所、430戸ですが、売れ残りが目立ち始めたため、届出後に着工を見合わせるケースが増えています。
 五軒町地下駐車場は5年連続で利用台数が減り、06年度は05年度と比べ4万7720台の利用減です。もはやマンション、ホテル、駐車場ともに供給過剰は明らかですが、事業採算性の見通しについて、市長の認識を伺います。
 加えて昨年11月から今年2月にかけて、当初は本体工事と一緒に行う予定だった解体工事を単独で実施した理由を伺います。その結果コストアップになり、補助がいくら増えたのか明らかにしていただきます。いきづまった事業をあたかも進んでいるかのように装うムダづかい工事でありました。
 市は保留床管理法人・フロンティア水戸へ2億6000万円を貸し付けるとして、すでに1億貸し付けましたが、事業が進まないのに何に使っているか、管理すべき建物が存在しない以上、ただちに返還させるべきではありませんか。大工町1丁目再開発には、来年度7920万円が計上されていますが、補助の中止を求めます。

市長
 次に、大型開発のご質問にお答えいたします。
 大工町1丁目地区の再開発事業については、集客性の高いホテルや商業・業務施設のほか、定住人口の増加に大いに資する都市型住宅の整備を行うこととし、去る2月末に、既存建物の解体工事が完了したところであります。
 一方、再開発ビルの建築工事につきましては、昨年6月に改正された建築基準法の新たな構造基準に適合するよう設計の見直しを行っているところであります。
 市といたしましても、本事業の早期実現が図れるよう、市街地再開発組合に対し指導を行ったところ、建築確認など必要な手続きを迅速に進め、本年7月までに建築工事の契約を締結し、確実に事業を実施することを記した確約書の提出があったところであり、今後の事業の実効性が担保されたものと考えております。
 また、事業の採算性につきましては、現在、組合において実施している設計の見直しと合わせ、昨今の建設資材の高騰などを的確に捉え工事費の設定に反映するなど、事業の採算が確実に成立するよう、十分検証を行っているところであります。
 なお、解体工事につきましては、建築工事が速やかに着手できるよう、先に施工したものであります。
 次に、フロンティア水戸に対する都市開発資金の貸付けにつきましては、再開発ビル完成後の初期段階における円滑な経営に資するため、国の制度を活用し、必要な資金の一部を貸し付けたところでありますが、今後とも債権保全に努めてまいります。
 平成20年度の予算につきましては、工事費の一部に対する補助金として、7千9百20万円を形状しております。
 
(2)泉町北地区再開発について−区域拡大の理由と事業費増大、特定企業優遇では。
 次に、泉町1丁目北地区再開発について、質問します。加藤市長は「来年度内の都市計画決定をめざす」と表明し、予算化していますが、どのような内容か伺います。
 特に計画区域が、旧京成デパートを中心とする一角に加え、西側の茨城トヨペットアートタワー水戸店、京成パーキングの区域を加える計画と聞いております。面積にして約1.5倍、事業費は倍近く増大すると見込まれますが、事業費見込みと区域の拡大理由を答弁願います。この再開発では、商業テナントビルやマンションをつくる計画と聞き、驚きました。
 そもそも、泉町南地区では伊勢甚が主体となった再開発組合が、伊勢甚デパート跡地に新京成デパートをつくり、そこに68億円も税金投入しました。今度は、反対側の旧京成デパートの土地建物を買い取った伊勢甚に、また再開発の名のもとでばく大な税金を投入することは、伊勢甚に対する二重の補助であり、あまりにも特定企業優遇ではないでしょうか。
 さらに、区域を拡大して京成や茨城トヨペットまで補助することはいきすぎであり、税金投入の中止を求めます。

市長
次に、泉町1丁目北地区の市街地再開発事業についてでありますが、これまで、地権者で構成する再開発準備組合において、事業の具体化に向けた検討を行ってきたところでありますが、昨年12月に、隣接する地区の地権者においても事業参加の合意が得られるところになりました。
 このことにより、これまで以上に魅力ある施設計画が可能となり、地域住民にとって不可欠な生活利便施設を始め、この立地にふさわしい施設のあり方について検討を進めているところであり、早急に事業計画をまとめ、平成20年度内の都市計画決定を目指すこととしております。
 また、総事業費や補助金等につきましては、現在のところ未定でありますが、引き続き行う施設計画や事業計画の検討の中で、精度を高めていくこととしております。
当地区は、権利者の事業意も高いため、市といたしましても、この機運を捉え、事業の早期実現に向けて準備組合の活動を支援し、積極的に事業を推進してまいります。
 
(3)内原駅北土地区画整理事業−新たな複合型商業施設への保留地譲渡について
 水戸市は中心市街地活性化といいながら片方で、内原駅北土地区画整理事業では販売区画をわざわざ大型化して、超大型店の誘致に躍起になってきました。今後、計画地西側の保留地に、のべ床1万3000平米の結婚式場やフィットネス、温浴施設などを含む新たな複合型商業施設が建設される見込みと聞いておりますが、譲渡先企業や今後の計画を伺います。
 この事業で建設された大型店、すなわちイオン水戸内原店、ケーズデンキほか2店舗と今回の大型商業施設の合計店舗面積は約7万1000平米です。これは中心市街地にある京成デパート、ダイエー跡のミーモ、水戸駅ビルエクセル、丸井水戸店の合計面積とほぼ同じです。
 内原駅北土地区画整理事業は、中心市街地活性化と明らかに矛盾します。中心商店街への打撃の深刻さを市長はどう考えているのでしょうか。内原駅北区画整理には来年度も5億400万円を計上していますが、これ以上の税金投入と大型店誘致は中止すべきですが、見解を伺います。

市長
 次に、内原駅北地区画整理事業についてお答えいたします。
 内原駅北土地区画整理事業は、第5次総合計画において内原駅周辺における拠点の形成を図るとの位置づけをして、商業、文化、レジャーなど複合的な機能を持つ拠点の整備をすすめておるところでございます。
 その中で、地区の西側の大区画の保留地につきましては、地区の東側と西側に2つの核を作ることで賑わいの効果を高めること、あるいは事前に行った企業等からの聞き取りを通じて、大区画を希望する声が高かったことなどから、17,575平方メートル、約5,300坪の特定保留地として整備をしたものであります。
 この保留地につきましては、良好なまちづくりを誘導する観点から、9月に事業予定者の公募を行い、特定保留地事業予定者選定審査委員会を設置し、審査を経て、事業予定者を選定いたしました。
 現在は事業予定者と土地の売買契約に向けての事業実施協議を行っているところであります。
 私は、中心市街地の活性化も、拠点としての内原駅周辺の整備もどちらも重要であると認識しておるところでありますので、第5次総合計画に基づき、それぞれ事業の推進を計ってまいる所存であります。

4.生活道路関連予算−市道整備・側溝・狭あい道路・交通安全対策予算の拡充を
 次に、生活道路関連予算の拡充を求めて質問します。
 来年度、水戸市道の新設改良予算は今年度と比べ1億4800万円削減されています。狭あい道路の整備延長は1762メートルで、05年度とくらべ663メートルも減っています。今の整備のペースでは15年から20年は待たなければならないと言われています。そこで狭あい道路の未整備路線、いわゆる待機路線数とその延長を明らかにしていただきたいと思います。
 カーブミラー設置は来年度わずか78基で17年度(125基)と比べ、50基も減らされています。歩道新設100メートルも少なすぎます。市民要望の高い、市道や側溝・狭あい道路の整備、交通安全対策予算の拡充を求めますがいかがでしょうか。

市長
 次に、道路行政についてお答えいたします。
 側溝や狭あい道路といった市民生活に密着した生活道路の整備やカーブミラー、歩道といった交通安全施設の整備は、市民生活における快適な生活環境の実現及び利便性の向上を図るうえで、必要不可欠な社会資本の整備であると認識しております。
 狭あい道路整備事業につきましては、生活道路の改善という観点から、早急な整備が望まれているところでありますが、18年度末において、105路線、延長約27kmの整備が待たれている状況となっております。これらの路線を整備するには、概ね十数年を要する見通しでありますが、引き続き地元の皆様方のご協力をいただきながら、計画的に事業に取り組んでまいります。
 また、カーブミラー設置の実績については、平成20年2月末までに約113基の要望がなされ、既に71基について設置が完了したところであります。
 道路新設改良を始めとする生活道路などの整備については、3ヶ月実施計画に位置づけ、計画的に進めているところでありますが、依然として厳しい財政状況においては、大幅な予算の拡大は極めて困難なものでありますので、引き続き可能な限り予算を確保し、重点的かつ効果的な整備に努めてまいります。

5.高金利の市債の借り換え・繰り上げ償還にともなう金利削減について
 次に、財務行政について質問します。公債費負担軽減対策として国は、借り換え・繰上げ償還を補償金なしで認めることとし、水戸市の来年度予算でも63億の借り換えによる繰上げ償還が予算化されています。
 日本共産党は、異常に高い金利の借金の返済を低利に借り換え、繰り上げて償還するよう繰り返し求めてきました。今回の借り換えによる金利削減額はいくらになるのか伺います。
 また、国の対策は07年度から09年度の3年間限定で、年利5%以上の地方債に限るとしています。しかし、本市の金利3%から5%までの市債合計は07年度末で100億円(100億5168万1000円)にのぼっており、これらを今回同様に借り換えれば大幅な負担軽減となります。そこで借り換え期間を延長し、5%未満の市債も認めるよう国に求めるべきです。 
 さらに、国は地方への配慮として4000億円の地方交付税を「地方再生対策費」として配分し、水戸市には来年度3億9200万円が交付されます。この制度も「当分の間」とされており、恒久化を国に求めるべきですが見解をうかがいます。

市長  
次に、財務行政についてでありますが、公的資金の借り換えによる影響額につきましては、19年度及び20年度の実施分で、企業会計まで含む全体で約29億3千万円の利子を削減できるものと見込んでおります。
 また、地方交付税の地方再生対策費については、約3億9千万円と見込んでおります。
 公的資金の保証金免除繰上償還は、21年度までの特例措置でございますが、公債費負担の軽減のためには、期間延長や対象金利の引き下げが期待されるところであり、また、地方再生対策費につきましては、引き続く交付税削減の中で、その充実が望まれるところであります。今後とも、国の動向を注視してまいりたいと考えております。

6.子育て支援について 待機児童の解消と保育士の増員を
 次に、子育て支援のうち、待機児童の実態と相談・支援の充実について質問します。
 水戸市の待機児童は今年2月1日時点で343名おり、県内でダントツの多さであり、県内2番目のつくばの2倍です。(つくば1/1現在166人)
 申し込んだ保育園に入れないからといって、母親が働きに出ずに待っていられるほど現実は甘くありません。親に無理を言って子どもを預かってもらったり、無認可保育園に預けてでも働くお母さんがたくさんいます。私がお聞きした美容室や生命保険会社で働くお母さんは、「従業員の休憩室に0歳の子どもを寝かせ、母乳をあげ、遊ばせておくしかない。なんとか保育所にいれてほしい」と訴えられました。市長はこの実態をどうお考えですか。
 待機児童の解消はまったなしです。待機児童の実態と4月でどれだけ解消できる見込みかお答えください。
 また、市の窓口において、認可保育所に入れないで待っている家庭への相談体制や情報提供が不十分と考えます。無認可保育園についても、保育時間や保育料、各保育園がつくっているパンフレットの配布などの情報提供に努めるよう求めます。無認可の保育料は所得に関係なく月4万から5万と高く、給食もないため弁当の持参など保護者の負担は大きくなっています。したがって所得に応じた保育料の差額を市が補助すべきではないでしょうか。 
 保育所の増設、改築による定員増をはかる以外に待機児童は解消されません。しかしながら、3ヵ年実施計画では老朽化した市立河和田保育所の改築でさえ毎年先延ばしされています。その結果、白梅保育所など他の公立保育所の改築も具体化せず、いつになるかわからない状態です。先延ばしせずむしろ前倒しすべきですが見解を伺います。
 次に臨時保育士の時給についてですが、現在は880円で、県平均900円を下回っています。県内では日立市・ひたちなか市など7自治体が1000円以上です。保育所の所長の先生に伺ったところ、水戸市の時給が低すぎるため、募集しても応募がなく、採用に苦慮しているとお聞きしました。少なくとも時給1000円以上にすべきですがいかがでしょうか。
 また、公立保育所の全保育士約180人のうち、臨時職員は約90人で半数が臨時職員で、その割合は増え続けています。その原因は、加藤市長になってからの5年間連続で保育士の正規職員の新規採用がゼロ(平成15年から19年)だからです。
 今年度末に退職者が5人出ますが正職員は採用しません。退職者不補充を繰り返すのはやめて、臨時職員は正職員化し、順次保育士をふやす考えはないのか答弁願います。

市長
 次に、子育て支援について、答えいたします。
 待機児童につきましては、平成19年4月1日現在で112人、平成20年3月1日現在で377人となっております。
 このため、本年4月には、民間2保育園で合わせて60人の定員増を行うとともに、保育室の面積に余裕のある公立6保育所に新たに保育士を配置して受け入れ人数を増加することとしており、現時点においては、待機児童数は前年を下回るものと見込んでおります。
 次に、認可外保育施設の情報提供につきましては、施設名、所在地、問い合わせ先、定員、開所時間等を記載したパンフレットを作成し、お知らせしておりますが、保育料等の詳細な内容の掲載については、各施設の考え方等もございますので、今後検討してまいりたいと考えております。
 また、認可外保育施設の保育料補助につきましては、現在、運営費のうち児童や職員の健康診断費用と職員の検便費用の一部を補助しており、平成20年度からは、このうち児童の健康診断、職員の検便費用の県補助がなくなりますが、本市としては引き続き補助をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解願います。
 次に、河和田保育所の増改築につきましては、市営河和田住宅の建替時期に合わせ、移転増改築を行うこととしたものであります。
 また、他の保育所につきましては、老朽化した保育所から順次、増改築を行い、保育環境の改善と待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
 次に、臨時保育士の賃金については、正職員の初任給や県内及び類似都市等の実態を調査するなどして決定しております。
 今年度の県内自治体の臨時保育士の平均時給は、約900円であることから、平成20年度においては、現在の880円から20円増額となる時給900円としたところであり、今後とも適正な賃金水準確保に努め、質の高い人材の採用を図ってまいりたいと考えております。
 次に、臨時保育士の正職員化と保育士の増員につきましては、保育所の運営において、国の基準を踏まえるとともに、効率的な運営を図るため、保育士の資格を持つ臨時職員を活用しております。
 今年度の臨時職員の割合は、延長保育等の特別保育の保育士を除き、おおむね2割であり、来年度においても、待機児童対策のため、臨時職員の更なる活用を図ることとしております。
 いずれにいたしましても、今後とも子育て支援の充実に努めることとし、市民の保育ニーズに適切に対応できるよう、効果的・効率的な保育所運営に努めてまいります。

7.霞ヶ浦導水事業について 
(1)那珂川取水口(那珂樋管)の工事強行は中止を 

 次に、霞ヶ浦導水事業の那珂川取水口の工事強行中止を求め何点か質問します。国土交通省は、霞ヶ浦と那珂川を結ぶ那珂川取水口の建設を強行する構えであり、先日の一般競争入札で五洋建設が受注するなど、重大な局面をむかえています。かつて国交省は「漁協の同意がなければ工事はありえない」と表明していた約束を投げ捨てて、漁業権を一切無視し、「実物大施設での試験」などと詭弁を弄して工事を強行しようとしています。
 これに対し、茨城の那珂川第一漁協をはじめとする3漁協に加え、栃木の4漁協あわせて7漁協、すなわち那珂川の河口から那須の源流までのすべての漁業者が、「先祖から受け継がれてきた清流と漁業を守り、子や孫たちにしっかりと引き継ぎたい」と大同団結して、取水口絶対反対で立ち上がっています。市長は、漁協の皆さんの強い反対の意思をどう考えているのか、答弁願います。
 3月1日、城里町で行われた集いに私も参加してきました。公民館に170人、漁協関係者はもちろん釣り愛好家、栃木や横浜からも幅広い市民の参加で立ち見も出るほどで、「那珂川の清流を守りたい」との熱気あふれるシンポジウムでした。那珂川のアユの漁獲高は全国一で、全国のアユの漁獲量に占める割合は24.1%にもなります。春にはアユ、サクラマス、ウナギ、秋にはサケが遡上する自然豊かなかけがえのない川です。
 この那珂川に幅50メートルにわたって取水口をつくり、那珂川の総水量の12%の取水をするとしています。国は、アユなどの「魚類迷入防止対策」と称して、試験検討委員会なるものを立ち上げましたが、2月14日の初会合で西村仁嗣委員長は、調査する前から「導水事業はやったほうがいい」と推進表明しました。検討委員会とは形ばかりで建設先にありきです。漁協からも強い怒りの声が上がっていますが、市長は、委員会の中立性・客観性に問題があると考えないのか答弁願います。 
 日本共産党の塩川鉄也衆院議員は、2月27日の衆院予算第8分科会で、霞ヶ浦導水事業について質問し、特に、霞ヶ浦に那珂川の総水量の12%を送水することによるアユの成育への影響をただしました。農林水産庁の重政府参考人は和歌山県の日高川の調査結果から「10月に雨が多いと翌年のアユの遡上率が向上する。これは雨により河川から栄養塩が海沿岸部(浅海域)に供給され、珪藻などが増加し、アユのえさとなる動物プランクトンが増えるため」と答えたのです。河口付近で育つアユにとって那珂川の水が減ることはエサが減ることと同じです。この問題についての市長の見解を伺います。
 問題は仔アユの吸い込みだけではないのです。国土交通省の甲村参考人は「那珂川河口部における沿岸部の調査は行っていない」と答弁しました。少なくとも市長は、国交省に河口の調査を求めるべきですが、その考えがあるかどうか答弁願います。

市長
 次に、霞ヶ浦導水事業に関するご質問にお答えいたします。
 霞ヶ浦導水事業につきましては、霞ヶ浦や桜川の水質浄化に加え、渇水時における既得用水の安定化や河川環境の保全、新規都市用水の確保などを目的といたしまして、昭和59年度から国の直轄事業として進められている事業でございます。
 国土交通省におきましては、事業開始以来、関係者の方々と話し合いを行い、那珂川の水産資源への影響や河川環境への影響など、懸案事項の解決に努められてきたところでございますが、これまでの机上の検討や模型実験等では、関係者の方々のご心配やご不安をぬぐいきれないと判断し、まずご心配されている迷入防止対策について、より科学的に、より精度良く評価するために、現地での実物大施設による取水試験を実施することとなったものでございます。
 先般、那珂桶管新設工事の施工業者が決定したところでございますが、国土交通省におおきましては、外部の専門家による委員会を設置し、迷入対策効果試験の結果について、科学的に評価していただくこととしており、委員会により迷入防止対策の効果が確認されるまで、本格運用には入らないとしております。
 また、この委員会の中では、那珂川の水産資源を保全する上で必要となる河川環境や生態系への影響などについても、幅広く検討することとしており、この委員会での議論を通じて、那珂川の水産資源保全対策等についてご理解がいただけるよう、引き続き、関係者の方々への参加を呼びかけるとともに、話し合いの努力を継続すると伺っております。
 いずれにいたしましても、霞ヶ浦導水事業につきましては、本市にとりましても、桜川や千波湖の水質浄化に加え、水の安定的な供給を確保するためにも重要な事業でございますので、国におきましては、今後とも、取水口の建設工事についてご理解が得られるよう努めていただくとともに、実際に対策の効果等を確認いただきながら、関係者の方々のご心配やご不安を払拭した上で、事業の推進に努めていただきたいと考えております。
 なお、議員ご指摘の検討委員会委員長のご発言につきましては、あくまでも個人的なご見解であり、今後、科学的知見によりご議論がなされた後に、検討委員会としての公式なご見解が示されるものと認識しております。

(2)霞ヶ浦導水事業によると水余り問題、安定水利権と水道料金の値上げについて
 次に霞ヶ浦導水事業による水開発と水あまりについて質問します。導水事業の目的は、都市用水の確保、すなわち水道水などの水源開発とされていますが、水戸市が昨年10月にまとめた「水道事業経営改革プラン」では「人口減、節水の普及により今後の水需要は低迷を続ける」と指摘し、これ以上の水開発の必要性はないことを、市長みずから認めております。
 水戸市の自前の給水能力は日量13万750トンであり、現在でも6万人分の余裕があります。にもかかわらず、市は県中央広域水道から高い水を買い続けてきました。現在の契約水量は日量4742トンであり、使わなくても払う基本料金を年間1億3770万円支払っています。実際の使用量はその52%にすぎません。(使用量2459トン)
 これが、霞ヶ浦導水事業が完成すると安定水利権の名のもとで、県中央広域水道から水戸市にわりあてられる契約水量はさらに増え、3万400トンにもなります。現在の使用量の12倍も契約させられ、基本料金だけで今より年間7億5000万円も余計に払わなければなりません。
 水道事業会計を圧迫し、水道料金の大幅値上げにつながることは明らかです。市長は、そのことをわかっていて霞ヶ浦導水事業を推進しているのですか。必要もない水開発を推進し、そのツケを市民に回す水道料金値上げなど許されません。明快な答弁を求めます。

水道事業管理者
 田中議員の代表質問のうち、霞ヶ浦導水事業についてお答えいたします。
 県中央広域水道用水供給事業につきましては、安定した水源を確保するため、関係市町村とともに県に対しまして、水道法に基づく広域的水道整備計画の策定の要請を行い、昭和59年3月に市議会の議決を得まして、県が事業化したものであります。
 また、平成12年4月に施行された地方分権一括法に伴い改正されました水道施設設計指針では、水道事業者の自己責任において各自治体の地域性や独自性を踏まえ、需要増大期や緊急の渇水、さらに災害時にも対応し得る、ゆとりある質の高い施設整備が求められていることに対し、責任を持って対応していかなければなりませんので、長期的に安定した給水を確保するためには、県受水を含めた現在の施設能力は適切であると考えております。
 次に、協定水量での契約に関するご質問でございますが、現在、協定水量と契約水量に差が生じていることや、霞ヶ浦導水事業が平成27年度完成となったことから、関係市町村で構成しております協議会において、十分検討し、将来的な協定水量等について県と協議してまいりたいと考えております。
 また、水道事業経営改革プランにおける算定期間は、平成19年度から23年度までの5年計画であり、霞ヶ浦導水事業完成に伴う協定水量での受水は見込んでおりません。今後も、経営改革プランに位置づけした各種施策に加え、新たな施策についても積極的に行うなど、経営改革を不断に実行し、更なるお客様サービスの向上及び財政収支状況の改善に努めながら、経営基盤の強化を図ってまいりたいと考えております。

(3)渡里用水の桜川・千波湖への導水実績について
 次に、桜川・千波湖の水質浄化と公共下水道の整備促進についてうかがいます。これまで県と市は88年からの19年間、農業用水の渡里用水を使って、那珂川の水を桜川・千波湖に導水してきました。その費用は、県と市が負担して渡里土地改良区に支払っています。
 ところが、導水量は年々減っており、89年とくらべ06年は48.7%で、半分以下しか導水していません。その原因について県は「財政難を理由に委託料を減らした」と回答しました。
 那珂川の水量が足りないわけでも、農業用水による制約でもなく、単純にポンプを動かす電気代や人件費にあてられる委託料が減ったため、導水量が減ったということです。
 当然、半分を負担する市の負担金も年々減っています。市の千波湖導水関係の予算は最高時4400万円でしたが、来年度は786万2000円で過去最低です。加藤市長は浄化を進めるといいながら予算を削っています。
 国・県・市が一体となって桜川の水質浄化目標を定めた「桜川清流ルネッサンスU」では、2015年度(平成27年度)までに千波湖のCOD、すなわち化学的酸素供給量を現在の11%から8%以下にするとしています。そのためには89年度に渡里用水で導水した量をいれれば目標達成できるとしています。
 つまり今ある渡里用水を利用して、委託料を増やして導水量を増やせば、目標達成は十分できるということを国・県・市がみずから認めております。桜川・千波湖の導水にとっても、霞ヶ浦導水の那珂川取水口をつくる必要はないのであります。

市長
 次に、平成18年度の渡里用水による桜川への導水の実績につきましては、導水日数115日、導水量は約660万立方メートル、日量約5万7,000立方メートルとなっております。
 また、桜川から千波湖への導水につきましては、導水日数325日、導水量は約1,660立方メートル、日量約5万1,000立方メートルとなっております。
また、千波湖の水質につきましては、横ばいの傾向にあり、年平均で1リットル当たりCOD11ミリグラムとなっております。
 さらに、千波湖の水質目標につきましては、桜川清流ルネッサンスUの中で、良好な水環境を達成するため、国土交通省、茨城県、水戸市、流域団体懇談会の関係機関が協力し、総合的な水質量等改善施策を実施することにより、平成27年度における水質目標を1リットル当たりCOD8ミリグラム以下とすることとしております。

(4)公共下水道の整備推進について
 桜川・千波湖の水質浄化といっても薄めるだけでは根本的な解決にはなりません。
 私は、生活雑排水の流入などを絶つことが、最も有効で必要な対策であると考えます。
 そこで、これまでの下水道整備に伴う水質浄化の経過をお答えください。また、来年度末に那珂久慈流域下水道水戸幹線が完成見込みであり、昨年度末の普及率57.6%から74%に一気に上がる見込みですが、それに伴う桜川・沢渡川・逆川流域の公共下水道整備の見通しについてうかがいます。
 漁協の皆さんは、建設差し止めの訴訟を提起し中止を求める方針です。
 ムダづかい、環境破壊、水道料金の値上げにつながる霞ヶ浦導水事業は、中止させるしかありません。国交省の強行姿勢は言語道断です。市長は那珂川取水口建設中止を求めるべきでありますが、答弁を求めます。 

市長
 次に、公共下水道の整備推進についてお答えいたします。
 下水道の整備につきましては、平成20年度末市街化区域概成を目標に重点的に事業推進中であり、平成20年度末に完成予定の那珂久慈流域水戸幹線に接続することにより、下水道普及率は、約74%となる見込みであります。このため、今後、桜川流域では河和田地区の一部や小吹地区など、沢渡川流域では渡里・堀地区や赤塚地区の一部など、逆川流域では米沢・吉沢地区の各河川流域で、新たに下水道普及が図られ、それによって雑排水の河川への流出が改善され、河川の水質改善に大きな効果があるものと期待しております。
 私は、水へのこだわりからも、河川・湖沼等の水に清らかさを取り戻したい、そして、自然環境を復元していきたいという強い気持ちをもっており、特に、水戸のシンボルでもある千波湖を昔の面影にあるような透明度の高い美しい湖面の復元を実現したいと考えております。そのために、下水道整備はもとより、霞ヶ浦導水事業の促進、さらには、市民、国、県と一体となった桜川清流ルネッサンスU事業など、千波湖の水質浄化に向けたあらゆる取り組みに全力を尽くし、「水の都・水戸」の実現を目指してまいる所存であります。

8.教育行政
(1)学校給食給食申込書の撤回を。就学援助制度の適用と手続きの改善について

 次に、教育行政のうち、学校給食問題について質問します。
 水戸市は学校給食費の滞納対策として、新年度を前に小中学校の全保護者に「学校給食申込書」を配布し提出を求めてきました。申込書には「滞納の状況によっては、特別な事情がない限り、水戸市が学校給食の提供を中止することについて異議ありません」と明記されています。
 これに対し「子どもに給食を出さないということを教育現場でやっていいのか」と多くの保護者から疑問の声が出されています。
 そもそも学校給食法成立時の文部大臣は「学校給食は食という体験を通じて子どもに生きる力の原点を学ばせる教育の一環である」と趣旨説明しました。学校給食は教育であり生命の尊さや大切さを学び取る人間づくりの原点です。この点の周知こそ足りないのではないでしょうか。
 学校給食実施基準の第2条でも「学校給食は、学校に在学するすべての児童または生徒に対し実施されるものとする」としています。
 文部科学省の給食費調査結果をみると、水戸市でも99%、圧倒的多数の保護者はきちんと支払っています。約1%の滞納者のうち、3分の1は経済的理由が原因です。ごく一部の滞納を取り上げ、全保護者に誓約を求める市の対応はいきすぎです。滞納者には実情を丁寧に把握して対応することが必要であり、教育的な配慮が大事ではないでしょうか。
 昨年1月24日文部科学省は、学校給食の重要性を保護者に周知することと合わせ、滞納者の中には「生活保護や就学援助の受給対象資格を有しながら、申請を行っていない保護者がみられる」ため「就学援助制度の活用を奨励することが求められる」と通知しました。
 水戸市における就学援助の受給率は6.9%で、全国平均12.8%と比べ約半分です。受けやすくするために、所得基準を明確にして、民生委員による調査がなくても受けられるようにすること、また支払いは口座振り込みにするなど、就学援助の積極的な適用を求めます。

教育長
 田中議員の代表質問のうち、学校給食についてお答えいたします。
 「学校給食申込書」につきましては、来年度から、保護者の皆様に提出していただくことにいたしました。これは、ごく一部ではありますが、給食費を収めない保護者がおり、その対応に苦慮していることから行うものです。申込書提出のお願いに当たっては、食材費のみを保護者にご負担いただき、施設・設備費や光熱水費、人件費などの費用は市が負担するという、学校給食法などの規定に基づいた本市の給食費用負担の基本的事項を保護者の皆様に改めて説明しており、このことにより、給食費の納付についてご理解いただけることを期待するものであります。今後も、市と学校とが連携・協力し、給食費の未納解消に向けた取り組みを進めるとともに、生活困窮により支払いが困難な世帯においては、就学援助の制度を活用してまいります。
 次に、就学援助制度につきましては、経済的理由によって児童生徒の就学が困難にならないよう、国の事務処理要領に基づき、民生委員等の意見を伺いながら、生活の実態に即した適切な認定を行っております。
 また、就学援助費につきましては、各学校において学用品費等を支給する際、直接保護者と面談し、就学援助制度の趣旨説明を行っております。

(2)小中学校の耐震化の促進を。「水戸市耐震改修促進計画」の100%達成目標について 
 最後に、小中学校の耐震化の促進を求め質問します。06年1月26日の耐震改修促進法の改正法施行に伴い、本市は「水戸市耐震改修促進計画」(案)を公表し、パブリックコメントで市民意見を募集しています。計画は市が所有する建築物は「平成27年度に耐震化率をおおむね100%にすることを目標とする」としています。
 しかし、市内小中学校の耐震化率は、昨年9月時点で54.4%にすぎず、あと8年で100%耐震化する計画になっていません。学校改築・耐震化の年次計画の前倒しが必要ですが、見解を伺います。

以上で第一回の質問を終わります。答弁によりましては再質問させていただきます。

教育長
次に、小中学校の耐震化の促進についてお答えします。
学校施設については、これまで、水戸市第4次総合計画及び第5次総合計画の位置づけに基づき、計画的に耐震化を進めており、県内では最多の耐震補強工事を実施している状況です。
 また、18年度には、対象となる全ての後者及び屋内運動場について、施設の経年・階数・構造・コンクリート強度等から耐震性を分析し、優先的に耐震化を図るため緊急度を見極める判断資料となる耐震化優先度調査を行ったところです。
 これまでの耐震化の方法は、改築工事のほか、耐震補強と老朽改造を併行して実施する大規模改造工事の2通りでございますが、この大規模改造については、プレハブ校舎が必要であること、施工期間がプレハブ校舎建設を含めるとほぼ10ヶ月を要することなど、学習環境や財政面での負担が大きい方法でございます。
 そこで、従来の方法に加え、耐震補強工事のみを優先して実施する方法も採用することにより、より多くの学校の耐震化を図り、水戸市耐震改修促進計画に基づき、平成27年度までに耐震化率100パーセントを目指してまいります。

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