MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
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市議会会議録
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2007年6月市議会 代表質問 2007年6月20日

 日本共産党水戸市議団の田中まさきです。ただいまから通告に従い代表質問を行います。

1.税務行政 住民税の大増税の中止を

 はじめに、住民税の大増税の中止を求め質問します。この6月、市県民税の大増税が市民を襲っています。「去年は12万5000円だった住民税が今年23万1000円に10万円も増税になった」「いまでも節約しているのにこの増税でくらしが成り立たない」いくらなんでもひどすぎる、という怒りの声がうずまいています。

 私達が行った市民アンケートには700通を超える返答があり「以前よりくらしが大変になった」と答えた方が68.6%、「負担を軽減してほしい」という方が82.2%にのぼっています。加藤市長はこうした市民の声をどううけとめるのでしょうか。収入も増えない中での相次ぐ負担増は、くらしをますます大変にします。住民税増税はやめるべきではありませんか。

 6月13日、水戸市は住民税増税の通知を6万481世帯に一斉に発送しました。翌日から電話や来庁しての問い合わせや抗議が殺到しているとのことですが、現状を伺います。また、水戸市における定率減税の全廃による影響額、モデルケースについて答弁願います。

 昨年は定率減税が半減され、さらに今年は全廃になりました。この2年間の増税は、住民税が17億7900万円、所得税が49億円で、2つをあわせると、2年間で66億4030万円、市民一人当たり2万5000円もの大増税です。この間水戸市は、国といっしょになって、税源委譲すなわち「住民税が増えた分は所得税が減るので、納税額はかわりません」と事実に反する宣伝をしてきました。これは定率減税の全廃による増税を意図的に小さく描くだけでなく、税源委譲だけでも増税になるケースを全く無視しています。

 6月13日の衆議院財務金融委員会で、日本共産党の佐々木憲昭衆院議員の質問に対し、総務省の岡崎浩己官房審議官は、税源委譲だけをみても「世帯あたり最大9万7500円の増税になることは事実」と答弁し、税負担がかわらないとの宣伝は虚偽であると認めざるを得ませんでした。つまり、昨年度と比べ所得が大幅に減った人は、所得税の減額は少なく、住民税は大幅に増えるため、税源委譲だけでも増税となります。その数は数百万人規模と言われています。

 こうした事実をほとんど説明せず、あたかも税負担は変わらないかのように虚偽宣伝し、一方で救済策は宣伝しないのは逆立ちしています。所得が大幅に減った人への特例減額措置が設けられましたが、本人の申告が必要です。救済策をきちんと周知すべきですが答弁願います。

 また、介護認定を受けた方は障害者控除の適用がうけられます。岐阜市では要介護認定高齢者6200人に「『障害者控除対象者認定書』の交付申請について」という書類を送付した結果、確定申告で3245人が減税になりました。石岡市でも要介護1から5までの2121人に申請書を発送し、申請者全員に障害者控除の認定書を交付しました。

 水戸市でも、要介護認定者6992人(19年4月)に対し、申請を促す文書を郵送し、障害者控除を広く適用すべきです。水戸市では現在この控除を受けられた方は77人しかいませんが、仮に岐阜市なみの適用になれば、3657人が減税になります。

<市長>

日本共産党水戸市議団を代表されましての田中議員のご質問にお答えいたします。

はじめに、税務行政についてでありますが、平成19年度の個人住民税につきましては、国の三位一体の改革に伴う税制改正により、所得税と住民税の税制が変わるほか、定率減税が廃止されたところであります。

今回の税制改正は、国税である所得税を減額し、その分を地方税の住民税として納めるものであり、個人が負担する両税の総額は基本的には変わらないものであります。

定率減税につきましては、景気対策のための特例として平成11年度に導入されましたが、経済状況の改善等を踏まえ廃止となったものであり、本年度の影響額は、約6億円と見込んでおります。

モデルケースでもありますが、仮に、年齢で70歳で年金収入300万円の例をとりますと、所得税と合わせ15,600円の増額となります。

これらの制度につきましては、税制度全体での総合的な国の施策の一環でありますのでご理解をいただきたいと存じます。

次に、納税通知書発送後の状況についてでありますが、6月13日に郵送したところ、翌日から税額の計算方法や、制度の改正について多額の問い合わせがあり、市民税課はもとより、資産税課、収納対策課も協力し、税務事務所全体で対応しているところでございます。

議員ご指摘の救済策につきましては、平成20年度の措置となりますので、今後、詳細が明らかになり次第、広報等で周知を図ってまいります。

また、これまでの広報の内容につきましては、平成19年度から実施される税制改正の趣旨や税負担の変更について周知したものであり、定率減税の廃止についてもお知らせをしているところでありますのでご理解をお願いします。

次に、要介護と認定された方の障害者等認定申請についてでございますが、市民に対して広報紙及びお年寄り便利帳への掲載を行うとともに、居宅介護支援事業所などの関係機関に通知するなど、引き続き制度の周知を図ることで対応してまいりたいと考えております。なお、平成18年度の認定は77件となっております。

2.年金行政について 「消えた年金問題」と水戸市の対応について 

 次に消えた年金問題と水戸市の対応について質問します。連日国会でも審議され、マスコミで報道されている消えた年金問題は、5000万件の年金記録簿が宙に浮き、約20兆円もの年金の支給先が不明とされています。その後も1430万件の年金台帳がコンピュータ入力されていないなど、不明記録の数は底なしに増え続けています。長年にわたりずさんな管理を放置してきた厚生労働省の責任は重大です

 「過去に何度問い合わせても解決しなかった」「これではまるで国家による振り込め詐欺ではないか」「保険料を納めても将来きちんと年金をもらえるのか。信用できない」など、非常に強い怒りと不安が広がっています。

 私は先日、水戸北・南の2つの社会保険事務所を訪れてみましたが、平日の昼間にもかかわらず、老若男女問わず相談者が殺到し、イスが足りずパイプイスを外に出して、30名から40名が順番待ちです。窓口を5つに増やしているものの、1時間から2時間待ちとのことでした。

 5000万件という膨大な不明数をみれば、水戸市民の中にも年金が宙に浮いている方が相当いることが予想されます。国民の年金受給権を守ることが必要であり、水戸市も市民の不安解消に手立てをつくすべきであります。

 水戸市は、1961年(昭和36年)から2001年3月(平成14年3月)まで、国民年金保険料の収納事務を行ってきました。自治体によっては、その間の記録簿や台帳を破棄した例がありますが、水戸市における年金記録の保管状況をお答えください。

 また、社会保険事務所との間で、データをどのようにやりとりし、それぞれどのように記録を保有しているのか、実態について明らかにしていただきたいと思います。

 今回問題になっているのは、本来は同一人物であるにも関わらず、氏名の読み方や、生年月日が間違って入力された場合、結婚などで姓が変更になった場合に、本人の年金記録として統合されず宙に浮いているものです。

 そこで、97年(平成9年)の基礎年金番号統一時の市の対応について伺います。

 また、国保年金課の窓口で市民に積極的に年金記録の情報を提供することを求めます。香川県坂出市では6月13日から、年金納付記録の写しの無料配布をはじめました。 
希望者が運転免許証や年金手帳などを示して申請すれば、窓口や郵便で写しを無料で交付するものです。社会保険事務所に提示すれば納付の証明ともなります。大変歓迎されており、ただちに行うよう求めますが見解を伺います。

<市長>

次に、年金行政についてお答えいたします。

国民年金については、平成14年4月からは、市町村における保険料の印紙検認事務が廃止され、国が直接保険料を徴収することになりました。

本市が保険料の印紙検認事務を行っていた、昭和36年4月から平成14年3月までの納付記録情報は、現在マイクロフィルム及び一部紙台帳で保管してございます。

また、社会保険事務所との「国民年金保険料の納付記録」に関するデータのやり取りは、制度開始以来初期の頃は紙台帳で、その後、昭和60年代に入ってからは磁気テープで送付しておりました。

次に、平成9年1月から各年金制度共通の基礎年金番号を導入した後、年金番号を複数所有する被保険者は、基礎年金番号を一本化するよう、広報を行い、周知をはかったところであります。

次に、市民への情報提示につきましては、納付記録の照会があった場合には、社会保険事務所に納付記録を確認し、市の納付記録と照合の上、回答を行い、市で保管している納付記録簿の開示を求められた場合には、個人情報保護条例の規定に基づいて対応してまいります。

今回の社会保険庁における年金問題については、市民の老後生活安定に係る非常に大切な問題でありますので、市民からの照会、相談に対しまして、十分対処してまいりたいと考えております。


3.茨城町との合併中止と50万都市構想の破綻について

 次に、茨城町との合併中止と50万都市構想について質問します。加藤市長は今定例会の所信表明で、合併を推進し、50万都市・政令指定都市をめざすとしましたが、これはすでにはたんしたものであり、目標として掲げることはやめるべきだと考えます。

 水戸市と茨城町との合併の法定協議会は昨年5月29日の第5回法定協議会を最後に、1年以上も中断してきました。

 そして、今年4月の茨城町長選挙で合併に慎重な小林宣夫町長が当選しました。小林町長は、6月15日の茨城町議会における所信表明で「平成16年5月より水戸市との合併に向け協議・検討をすすめてきた」が、「合併の方向性を問う町長選挙において、町民の多数の方々が合併慎重論を選択した」として、民意を厳粛に受け止めると表明しました。

 つまり、水戸市とは合併しない方向が明らかになったものであります。

 昨日、茨城町の小林町長と佐藤勇議長が水戸市役所を訪れ、加藤市長に対し「水戸市・茨城町合併基本合意事項の取り下げと合併協議会の打ち切りについて」とする申入れを行いました。それは、今年12月8日に合併することなどを含む、基本合意事項6項目の取り下げと、合併協議会は打ち切りとする申入れでありました。

 加藤市長は、茨城町の申入れをどううけとめるのか、また茨城町との合併協議会はただちに廃止すべきであり、すみやかに廃止条例を提案すべきと考えますが答弁願います。

 茨城町との合併が破たんする中で、さらに大きな50万都市・政令指定都市をめざすとの目標は、まったく見通しのたたない破たんしたものであります。

 そもそも、合併に伴う財政的メリットは下がる一方です。

 当初「水戸市・茨城町合併計画書」の財政計画では、地方交付税の合併算定替えの特例期間を9年間見込んでいましたが、すでに法律の規定で今は7年です。再来年度には5年に減り、その後は一切特例措置がなくなります。ましてや、三位一体の改革の影響を受け、毎年度の地方交付税が減り続けており、合併は財政悪化をまねくことは明らかです。

 加藤市長が例に挙げた新潟市では、政令指定都市になったとたんに19%もの国保税値上げが提案され、市民の大きな反対運動がおきました。このように政令市になったからといって市民福祉が向上するというのはまやかしであります。

 逆に小さい自治体の方がきめ細かく行政サービスが提供できます。今水戸市に求められているのは、地に足のついた市民本位の行政運営であり、くらし・福祉・教育分野の充実であります。市民サービスを低下させる、50万都市構想・政令指定都市の構想はやめるべきと考えますが見解を伺います。

<市長>

次に、合併問題についてのご質問にお答えいたします。

昨年(6月19日に)、町長と議長が、水戸市との合併協議についての町の意見を伝えに参りました。

町の意思は、「水戸市・茨城町合併基本合意事項の取り下げと合併協議会の打ち切り」とのことでありました。

この申し入れに対する水戸市の対応につきましては、今後、議会とご協議して決定していく所存でありますが、私といたしましては、茨城町長選挙の結果等を踏まえ、茨城町の意思を尊重してまいりたいと考えております。

次に、50万都市構想についてでありますが、私は、所信において申し述べましたとおり、政令指定都市を展望し、50万都市構想の実現をめざしてまいる所存であります。

私の政治の理念であり、目標でもある、地方の自主権を確立し、真に自立した地方自治を進めていかなければならないと考えているからであります。

現在、非常に厳しい地方財政状況に加え、日本の総人口が減少する中で、一つの市町村がすべてを賄うことは難しい時代となってきております。市町村は互いに競っているばかりでなく、都市間の協働を推進し、あらゆる分野でのネットワークづくりが必要であると考えるものであります。

水戸市は、従来から、周辺市町村と水戸地方広域市町村圏協議会や一部事務組合などを設置し、共同で事務処理を行っておりますが、効率的な行政運営という視点からはより一層の連携、広域化が求められてまいります。そして、行政運営にとどまらず観光や産業、市民運動など、あらゆる分野での協働が進んだとき、その到達する先には、政令指定都市を展望した50万構想の姿があるのであり、市民生活の視点から言えば、行政界そのものも不要になってくるものと思っております。

その都市間の協働を進めていくためにも、広域的な視点に立ち、10年、15年先、そして政令指定都市を展望した都市づくりに向けての将来ビジョンを共通の目標として、しっかりと手を携えあって、つくりあげてまいりたいと考えるものであります。

そして、周辺市町村の有する個性や魅力を有効に生かし、全体の魅力として高めていけるようなビジョンを描き、現実のものとしてまいりたいと考える次第であります。

4.都市計画行政 大工町1丁目市街地再開発事業の問題点について 

 次に、大工町1丁目市街地再開発事業の問題点について質問します。この再開発は40億円も税金を補助し、11階建て・101室のホテルオークラ、23階建・137戸の高級マンション、347台の駐車場などを建設する計画です。

 私達の行った市民アンケートでは、再開発について「お金があるならもっと福祉にまわしてほしい」が52.4%、「ビルを建てれば人が集まる時代ではない」が43.5%、「地元商店街の振興にもっと力を」が38%。これが市民多数の声であります。

 それなのになぜ、莫大な税金を補助して高級ホテルやマンションを作らなければならないのでしょうか。水戸駅北口から大工町までの上市地区だけで、過去5年間に14ヶ所のマンションが建設され、さらに今後2年間で1200戸以上計画され、そのうちユニー跡地だけで355戸の計画です。6月5日の茨城新聞は「市内の需要は年間250戸程度であり1000戸を超える計画は供給過剰、販売競争は激化する」と市内不動産業者の声を伝えています。ホテルもこの2年間で駅南を中心に595室増え、あるホテル関係者も「供給過剰で経営難」と嘆いています。大工町再開発の目と鼻の先にあるビジネスホテルは、一泊4980円の格安料金を売りにして、一番人気といわれています。

 こうした状況を見れば、高級ホテル・高級マンションをよびこむ大工町再開発は、採算も取れず、破たんの運命だと私は考えます。そうなれば莫大な市民の血税がムダに消えることになり、税金投入は中止すべきです。一体、市長は、この事業が本当に成功すると考えているのか、そうであるならその根拠を答弁願います。

 6月10日の読売新聞は「入札不調の繰り返しで 県都再開発めど立たず」と報道しました。2回にわたり入札が流れてしまい、建設工事の業者が決まらないという前代未聞の事態になっております。経過と原因を明らかにしていただきたいと思います。

 工事を請け負うスーパーゼネコンが、談合事件の相次ぐ摘発で指名停止となったため、建設業者が現れないとも説明されています。これは40億円も補助しながら地元業者の仕事増やしにならず、大手ゼネコンのための事業だと市みずから認めたものです。
 
 しかも、耐震基準の見直しによる設計変更を理由にして、工事予定価格を見直すとしています。それを口実に価格を上乗せし、補助金を引き上げることは絶対に許されません。見解を伺います。

<市長>


次に、大工町1丁目地区の再開発についてお答えいたします。

大工町1丁目地区市街地再開発事業の施設計画につきましては、ホテル、都市型住宅、商業施設、駐車場等を計画していますが、いずれも中心市街地の西の核を形成する上で重要な施設であると考えております。

現在、中心市街地においては、ホテルやマンションの建設が進んでおり、中心市街地再生に向けての動きが出てきているものと考えております。水戸市といたしましては、今後とも中心市街地における再開発を積極的に支援し、賑わい創出に向けた取り組みを推進して参ります。

次に、工事入札につきましては、1月及び3月に施設建築物工事の入札広告を行いましたが、落札に至らなかったところであります。公告した内容の工事について、落札できる業者がなかったということであり、今後、適切な対策が必要なものと考えております。

このため、水戸市と組合で協議を行い、6月20日の建築基準法の構造に関する規定の改正を受けて、改正後の建築基準法に適合するよう、設計の見直しを行っているところであります。

今後、構造計算を再度行い、建築確認申請など必要な手続きをすすめてまいりますが、コストアップとならないよう建築物の軽量化などについて検討を行うこととしております。

工事費や補助金につきましては、現在予定する補助金額を超えることのないよう対応してまいります。

水戸市といたしましては、一日も早く施設建築物工事が着工されることとなるよう、引き続き、組合に対し適切な指導・助言を行ってまいります。


5.保健行政 自治体健診の来年度からの制度変更と市の準備状況について

 次に、自治体健診の来年度からの変更について質問します。国の医療制度改革により、自治体が担ってきた市民むけの基本健診が廃止され、40歳から74歳を対象にするメタボリック症候群などを調べる特定検診に制度が大きく切り替わることになりました。
この制度変更については、医療費削減が目的の中心になっていること。検診の目的が幅広い病気の早期発見・治療から、メタボリック症候群の発見に絞られることに対し、懸念の声が出されています。水戸市が市民の命と健康をどのように守っていくのか、大きく問われています。
 
 そこで第一に、水戸市では保健センターから国保年金課に担当が移りますが、制度変更に向けた準備状況をうかがいます。昨年度(平成18年度)実績では、基本検診の受診者は1万9342人、その91.7%、1万7729人が要指導・要医療とされ、早期発見・早期治療の役割を果たしてきました。また他市町村と違い、医療機関で受診でき、受診期間が6月〜2月までと長く受けやすいとされており、こうした役割を後退させず拡充すべきですが見解を伺います。

 第二は、受診率向上と保健指導の対策です。昨年度の基本健診受診率は42%ですが、メタボリック症候群の特定検診では5年後(平成24年度)までに65%にすべきとされています。どのようにして達成する考えでしょうか。

 また、健診でメタボリック症候群と診断された人に対する「特定保健指導」が義務化されます。これは個々人の状態に合わせ食事や運動をきめ細かく指導し、3ヶ月〜6ヶ月にわたり追跡調査するものです。介護保険のケアプラン作成と同じ大変な仕事です。体制の拡充なくして実行できません。保健師を大幅に増やす必要がありますがいかがでしょうか。

 第三に、特定検診の対象から外されてしまう75歳以上の方の健診はどうなるのでしょうか。一般的には、後期高齢者医療制度に移行するとされていますが、任意の努力義務で、実施するかどうかは各広域連合まかせです。茨城県の後期高齢者医療広域連合は実施する考えなのでしょうか。これまでどおりの健診項目で、引き続き無料とすべきです。

 また、特定健診では行われない、胃がん・肺がん・子宮がんなどの各種がん検診についても、負担は増やさず継続すべきと考えますが見解を伺います。

 さらに、18歳から39歳が受診するリフレッシュ検診を医療機関で受診可能とすることです。現在、平日に公民館で行う集団検診でしか受診できないため、対象者4万9000人に対し、受診率はわずか6.2%です(18年度)。しかしそのうち所見ありが71.5%、2179人にのぼります。働く世代が平日の公民館でしか受診できないのでは不親切です。受診率アップが即、早期発見・早期治療につながります。改善を求めます。

<市長>

次に、保健行政についてお答えいたします。

先ず、自治体健診の来年度からの制度変更と市の準備状況についてお答えいたします。

昨年の医療制度改革により、糖尿病等の生活習慣病の有病者・その予備群の減少を図るため、特定健診・特定保健指導が平成20年度から健康保険組合、国民健康保険等の各医療保険者に義務付けられたところであります。この制度は、これまでの40歳以上の一般市民を対象とした、基本健診に変わるものとなりましたが、特定健診の実施率を平成24年度には65パーセントを目標とし、また、保健指導によりメタボリックシンドローム予備群を減らすことが求められております。

現在、特定健診の実施方法、特定保健指導の対象者の推計など、関係課において協議しながら、実施計画の作成を進めているところであります。

また、新たな特定健診・保健指導者は、健診結果により保健指導対象者の階層別の選定を行い、生活改善指導等のきめ細やかな保健指導を行うなど、疾病の早期発見・早期治療にも役立つものと考えております。

次に、受診率の向上につきましては、実施年から5年後の目標値が65パーセントでありますので、特定健診の必要性を多くの市民に呼びかけながら、受診率向上に努めてまいりたいと思います。

また、特定保健指導の体制につきましては、特定健診・保健指導実施計画のなかで、適正な人員確保あるいはアウトソーシング等を考慮してまいります。

次に、75歳以上の方の健診につきましては、茨城県後期高齢者医療広域連合が、実施の主体者となりますので、広域連合と協議してまいります。

次に、各種がん検診につきましては、がんの早期発見、早期治療ができるよう胃がん健診をはじめ、各種がん検診を実施するとともに、日常生活における予防対策のための健康教育を開催するなど、総合的な予防対策に努めております。平成20年度以降につきましても、健康増進法に基づく事業として継続して実施する計画でおり、今後も、がん予防の推進に積極的に取り組んでまいります。

次に、リフレッシュ健診につきましては、これまで、40歳以上を対象とした基本健診の集団検診と同時に実施してきた経緯がございますので、平成20年度以降の特定健診の実施に併せて、健診の実施体制の見直しを行う中で、検討してまいりたいと考えております。

6.企画行政 デマンドタクシー制度の導入について

 次に、市民の足をどのように確保するのか、公共交通のあり方について水戸市の見解を伺います。今、市内でも路線バスが減り続け、周辺部では日常生活に不便をきたす住民が増えています。茨城県は今年4月、「茨城県公共交通活性化指針」を発表しました。
県民アンケート結果の分析として「県民の約8割が公共交通は必要と考えているが、運賃や利便性の面で不満を持っている」こと。公共交通に対して「行政が支援すべき」と考える県民が69%にのぼっている、と紹介しています。

 4年後の2011年度(平成22年度)までに、県内すべての44市町村で「公共交通計画」を策定するよう目標を定めています。水戸市の実施方針について答弁願います。

 私は、今年3月議会で城里町「ふれあいタクシー」を紹介し、水戸市での導入を求めましたが、改めてデマンドタクシーの導入を要求したいと思います。デマンドタクシーは玄関先から目的地まで、いわゆるドアツードアで移動できる低料金の乗り合いタクシー制度です。この要望は非常に強くなっています。

 私は先日、県内で最初にデマンドタクシーをはじめた東海村を視察しました。東海村のデマンドタクシー「あいのりくん」は、1回200円で利用でき、登録者は約5000人。1日につき約150人が利用し、スーパーマーケットや病院、福祉センター、駅への利用が多いとのことです。利用者の86.2%が60代以上で、女性が85.6%を占め、女性の高齢者に非常に重宝されております。

 東海村の担当者は、デマンド交通運行委員会を結成し、関係機関の協議をすすめ、社会福祉協議会に委託する形で実現したと話しておりました。予算は年間3900万円で、多額な費用が必要なわけではありません。水戸市では年間約2億円がみこまれます。水戸市でもデマンドタクシーの実現にむけ、先進地や需要調査、関係機関の意向調査を行い、導入に向けた運行委員会を立ち上げるよう求めますが答弁願います。

<市長>

次に、「茨城県公共交通活性化指針」の水戸市での実施方針及びデマンドタクシーの導入に関するご質問にお答えいたします。

茨城県公共交通活性化指針は、高齢者の移動手段の確保や環境への影響などの観点から、県民、地域、交通事業者、行政が一体となって公共交通の維持、活性化に取り組むための指針として、茨城県が本年4月に策定したものでございます。

この指針の中で、公共交通の利用促進に関する目標のひとつとして、平成22年度までに、市町村における総合的な公共交通計画の策定が挙げられております。

本市といたしましても、鉄道やバスなどの公共交通の必要性を認識しているところであり、今後、ドア・ツー・ドア、いわゆるデマンドタクシーなど、公共交通のあり方等について、潜在的な需要や将来の需要予測等に加え、国・県の支援などを的確に捉え、都市交通の円滑化に向けた総合的な研究を行う中で調査・検討を進めてまいりたいと考えております。

7. 教育行政 小中学校の耐震化について 

 最後に、水戸市立の小中学校の早期耐震化を求めて質問します。学校は子どもたちが長時間すごす場であり、地域の防災拠点でもあります。耐震化が最も急がれる施設であることはいうまでもありません。

 6月8日、文部科学省が発表した「公立学校の耐震調査結果」によると、耐震化率の全国平均は53.6%、茨城県は44.8%で全国42位でした。昨年9月議会で教育長は、私の質問に対し、水戸市の小中学校の耐震化率は2005年度末(平成17年度末)で55.6%と答弁しましたが、最新の状況をお答え願います。 

 文科省調査では、耐震偽装事件で使用禁止となったマンションと同程度の強度しかない学校が全国で4328棟もあり「大規模な地震で倒壊、崩壊する可能性が高い」とのショッキングな結果も明らかにされました。一体、水戸市の学校に倒壊の危険のある建物は含まれているのでしょうか。この問題では、耐震診断の中身が問われています。水戸市が実施している耐震補強の優先度をしらべる簡易診断だけでは倒壊の危険の有無さえわかりません。細部にわたる本格的な診断が必要でありますが、水戸市の実施方針を答弁願います。

 また、診断結果を公表している教育委員会は全国で22.2%で、文部科学省はもっと公表するよう求めています。水戸市は公表していませんが、公表する考えがあるのか伺います。

 第5次総合計画では、教育委員会が02年度に策定した当初の教育施設整備計画と比べ、小学校13校、中学校4校が2015年度以降に先送りされた経過があります。現時点で、校舎も体育館も耐震化されていない小学校が7校、中学校は1校あるとされています。

 これらの学校の改築計画を前倒しして、耐震化を促進すべきでありますがいかがでしょうか。以上で第1回の質問を終わります。答弁によりましては再質問いたします。

<教育長>

田中議員の代表質問のうち、教育行政についてお答えします。

先般、文部科学省により発表された平成19年4月1日現在の「公立学校施設の耐震改修状況調査」においては、全国の小中学校の耐震化優先度調査を含めた耐震診断実施率は89.4パーセント、耐震化率については、58.6パーセントという状況になっています。

県内の市町村の耐震診断実施率は平均72.4パーセントに対し、本市では90.2パーセントとなり、改築により耐震化を図る公舎を含めると100パーセントの成果を納めています。

また、耐震化率については、県平均44.8パーセントに対し、本市では、これまで県内では最多の耐震補強工事を実施していることもあり、53.6パーセントとなり、耐震診断実施率と共に県平均を上回っております。

次に耐震診断の調査内容でありますが、平成18年度には、施設の経年・階数・構造・コンクリート強度等から耐震性を分析し、優先的に耐震化を図るため見極める判断資料となる耐震化優先度調査を行ったところであり、さらに精度の高い耐震二次診断については、今年度も2校1園で実施いたします。

耐震診断の結果の公表については、文部科学省の指導もあることから、今後は、耐震二次診断の結果内容について公表することを検討してまいります。

また、水戸市第五次総合計画では、小学校においては増改築9校、大規模改造6校、中学校は増改築2校、大規模改造3校を位置付けしておりますが、より耐震化を促進する観点から、耐震補強工事のみを優先して実施するなどの検討を行い、学校施設の耐震化を推進してまいります。




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