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石綿訴訟の早期解決を 市議会が意見書

(イチョウ・諏訪神社で4日)
(イチョウ・諏訪神社で4日)

 加須市議会は12日、12月市議会最終日の本会議で、建設労働者から提出された請願の採択に伴って、「アスベスト訴訟の早期解決及び被害者全員の早期救済を求める意見書」を多数で可決しました。以下は、その要旨です。


 発がん物質のアスベスト含有建材によって、建設業に従事する従業員が、アスベスト疾患による重篤な中皮腫(ちゅうひしゅ)や肺がんなどでなくなっています。

 中皮腫による死者は2015年に1,500人を超え、肺がんによる死者は年間約3,000人と推定されています(「毎日」2016年10月7日付電子版)。中皮腫を発症する潜伏期間が20〜60年とされ、石綿輸入のピーク時を考えると、患者はさらに増えると見込まれています(同)。

 アスベストによる最大の被害者は建設業の従事者です。しかし、賠償の制度はありません。現在、建設従事者とその遺族が原告(645人)となって、国とアスベスト建材製造企業を被告とする訴訟を行っています。
(サンシュユの実・諏訪神社で)
(サンシュユの実・諏訪神社で)

 この訴訟には、市内の建設労働者も原告として参加しています。しかし、原告が死去し、その遺族が故人の遺志を受け継ぎ、人間の尊厳をかけて訴訟を継続しています。

 また、市内の建設労働者が労災認定を受けながら死亡。建設労働者の健診では、アスベスト被害である中皮腫の所見が7%にのぼる、といわれています。

 請願は、加須市議会に対し、「アスベスト訴訟の早期解決と被害者全員の早期救済を強く求める意見書の提出」を求めています。

 市議会は、12月市議会の最終日・12日の本会議で請願を多数で採択しました。そして、衆・参両院議長、安倍首相、厚生労働・国土交通・環境の各大臣に提出する意見書を多数で可決しました。市民の代表機関である加須市議会は、市民の願いにしっかり応えました。


 意見書に反対した議員は以下の5人(敬称略)…森本寿子(公明)、鈴木久才(南町)、吉田健一(騎西)、新井好一(飯積)、小坂裕(鴻茎)。森本議員は、本会議で反対討論を行い、「今後の動向を見守りたい」と発言しました。つまり、アスベスト疾患で苦しんでいる建設労働者に対し、“我慢しろ”“苦しむのはやむを得ない”ということでしょうか…?

 請願を審査した産業建設委員会(7日)に、私が紹介議員として出席し、請願の趣旨を説明しました。そのとき、鈴木久才委員(南町)は「アスベスト被害がなくても救済しろというのか」と、非常識で的を外れた質疑。森本寿子委員(公明)は「市内にも被害者がいるのか」と勉強不足の質疑でした。この2人は、委員会でも請願に反対しました。

 なお、意見書の全文は以下のとおり。



「建設アスベスト訴訟の早期解決及び被害者全員の早期救済」を求める意見書

 株式会社クボタのアスベスト被害が大きな社会問題になって11年が経過した。この間、石綿健康被害救済制度の給付者は、平成18年の制度発足以降、1万人を突破し、労災認定者を含め2万人を超えている。平成27年度のアスベスト疾患による労災認定数は、建設業で543人となり、全産業の52.6%を占めている。
画像

 建設産業は最大のアスベスト被害産業である。アスベスト含有建材を使用した建物約280万棟の解体工事が今後ピークを迎えることから、建設従事者並びに市民に対する被害の拡大が大変懸念されている。

 大阪泉南アスベスト訴訟の最高裁判決(平成26年10月9日)を受け、厚生労働省は石綿工場で働いていた元労働者や遺族に対し、和解による賠償金支払いの枠組みをつくった。

 ところが、アスベストの最大の被害者である建設業従事者に対する賠償の制度はなく、現在、建設従事者とその遺族が原告となり、国とアスベスト建材製造企業を被告とする訴訟が、東京・福岡・大阪の高等裁判所及び札幌・東京・横浜の地方裁判所で行われている。

 アスベスト原因の疾患は、重篤で完治はありえず、原告のなかで訴訟後、多数の被害者が亡くなっており、首都圏建設アスベスト訴訟における東京地方裁判所の第1審判決(平成24年12月5日)を踏まえ、さらに建設業従事者の深刻な被害に対する補償に向けて、立法府及び関係当局における真剣な検討を望むものである。
 よって、下記の事項について、強く求めるものである。


 建設アスベスト訴訟の早期解決及び被害者全員を早期救済すること。

   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
埼玉県加須市議会
2016/12/14

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