労働総研ニュースNo.315 2016年6月



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 最高益のトヨタが、なぜ昨年の半額以下? 岡 清彦 
 『世界の労働者のたたかい2016』概観 斉藤 隆夫 
 理事会報告他




最高益のトヨタが、なぜ昨年の半額以下?

岡 清彦

 利益、内部留保がダントツのトヨタ自動車が、春闘で日本の賃上げの上限額を決めて20年ほどになる。16春闘でもトヨタの回答1500円が上限になった。日立やパナソニックの各電機労組、新日鉄住金労組など大手組合は1500円の横並びである。
 春闘で、大きな曲がり角に立たされたのが2002年春闘である。トヨタ労組の賃上げ要求がわずか1000円で、“たかが100円、されど100円”と100円玉の攻防を労使がくり返していた時である。トヨタの奥田碩会長(その直後に日本経団連会長に就任)が、「いつまで100円玉の争いをしている」と一喝してベアゼロに抑えた。
 他の大企業も軒並みベアゼロになり、“トヨタショック”といわれた。その後、13春闘までの12年間で、トヨタ労組が要求を放棄した7回をふくめベアゼロは実に9回にもなった。残る3回はわずか1000円の回答である。
 一方、トヨタが1〜2兆円を超える営業利益を上げたのは、実に8回を数える。そうしたなか、14春闘で4000円を要求して2700円、15春闘で6000円を要求して4000円の回答があった。100円玉の攻防は遠くなった…と思ったら16春闘のトヨタ労組の要求は、前年の半分の3000円になり、回答はその半分の1500円だった。
 2016年3月期決算で、トヨタは史上最高の2兆8000億円余の営業利益を上げたというのに。トヨタの労使協議会で上田達郎常務役員は、「賃金引き上げは1000円に及ばない」とのべ、完全に組合を抑えた。
 トヨタ労組の元幹部は、「デフレ脱却、経済の好循環というのなら最低でも昨年の6000円の要求をかかげるべきだった」と厳しく批判する。
 では、なぜ前年の半分の要求だったのか? 連合や金属労協が、16春闘を格差是正・底上げ春闘と位置付けた。格差是正・底上げは当然だが、トヨタ労組をはじめ大手労組が要求を引き下げる必要があったのか。3兆円近い利益、17兆円を超える内部留保のトヨタで、組合員の賃上げと非正規労働者や関連・下請けとの格差是正・底上げの両立は可能である。
 実際、非正規の期間従業員(2年目から組合員)の日給は、この3年間、200円、300円、150円と満額回答だった。人手不足で期間従業員が集まらないという事情が大きかった。
 要求を引き下げた結果、組合員の賃上げは抑えられ、大手労組の回答も1500円が上限になった。ふたたび100円玉の攻防の春闘にしてはならない。

(おか きよひこ・会員・ジャーナリスト)

『世界の労働者のたたかい2016 第22集
―世界の労働組合の現状調査報告』概観
労使関係の改悪に抗して
労働者・労働組合の権利を守れ

斉藤 隆夫

■ グローバル化規制のたたかい

 世界の各地域で進行中の「自由貿易・投資協定」(TTIP=「環大西洋貿易投資連携協定」、TPP=「環太平洋経済連携協定」等)交渉反対のたたかいが各国の労働組合や市民団体の連携の下に展開された。AFL-CIOはTPPについて、「多国籍大企業主導のTPPはグローバル規模での賃金と労働条件の『底辺への下降競争』を継続させる」、「国際的労働基準を強制し、ディーセント・ワークを創出するのではなく、世界中の労働者を保護し労働基準を引き上げる手段を奪い去る」として、各国、各地域の闘争との連帯強化を表明した。TUCは「TPPは国際的労働基準を強制し、公共サービスの民営化をすすめ、労働条件や賃金を押し下げ、雇用を流出させることを理由に反対している。そのほかドイツ、イタリア、オーストラリア、ニュージーランドなどでも反対のたたかいが広まった。
 4月18日には、広域自由貿易・投資協定に反対する国際行動が取り組まれ、世界45ヵ国、750ヵ所以上で反対行動が展開された。特にドイツでは、その日290ヵ所で行動が取り組まれ、さらに10月10日には「ベルリン大行動」も行なわれた。この行動の主催団体にはDGBと傘下の全組合(8産業別労組)のほか、アタック、グリーンピース、ドイツ環境・自然保護同盟、カトリック労働者運動など19の団体が名をつらね、大行動の「よびかけ」のなかで「われわれはグローバル化のための社会的・環境保護的ガードレールを必要としている。ところが、TTIPは(中略)自由貿易の価値を環境保護的・社会的規制の価値の上に置いている。TTIP(中略)は多国籍大企業を強め、中小企業そして農業を弱体化させる」と述べた。

■ 労使関係改悪にたいするたたかい

 5月の下院選挙で勝利したイギリス保守党は「破壊的かつ非民主的なストライキ行為から人々を守る」との公約に基づいて「労働組合法案」を提出した。メディアは「30年間で最大の労組弾圧を保守党が開始」と報じた。
 法案はストを含む全ての争議権確立の要件として、投票率50%以上の参加を投票成立要件とするとともに、医療・教育・消防・運輸などの公共サービス部門では投票権を持つ組合員の40%の支持を求めること、これを下回る場合のストを違法とすること、ストライキに参加する労働者の埋め合わせのため派遣労働者を利用すること、チェックオフ制度の禁止などを定めていた。組合は「政府の提案は合法的ストをほぼ不可能にするものだ」として、法案の廃案を求めてたたかいを開始した。同法案に反対する運動は広範な市民に広がった。有力人権団体も「庶民が雇用や生活、労働条件を守るため団結する権利を侵害する」と批判した。
 フランスでは、7月、「社会的対話と雇用に関する法律(通称「レプサメン法」)が成立した。法は中規模事業所(従業員50人以上300人未満)の場合、従業員代表委員、企業委員会、衛生・安全・労働条件委員会の3制度を統合し従業員単一委員会に一本化することなどを定めていた。オランド政府はまた、労働協約制度の見直しに着手し、そのための審議会を立ち上げた。審議会は、雇用、賃金、労働時間、労働条件の4分野について、従業員の過半数を代表する労組の合意があれば、企業レベルでの労働協約が産業レベルのものよりも優先可能にする制度改革を提言した。従来、産業レベルの労働協約よりも従業員にとって有利なものでない限り企業協約はそれから逸脱してはならないとされてきた原則が修正されようとしている。
 アメリカでは、中西部ウィスコンシン州で「労働権法」が成立し、同法を採用する州が全米で25州に達した。「労働権法」とは、労働組合のある職場に就職しても、労働者には労組加入が義務付けられないとする法律である。伝統的に確立してきたユニオンショップ制を破壊して組合を弱体化させるのがその狙いである。一方、組合の組織化では大きな成果がみられた。南部テネシー州チャタヌーガにある独フォルクスワーゲンの工場で、UAWが組織した職場支部が投票の結果、多数の賛成を得たのである。これによって同支部は工場の正式な労組となる見通しである。交渉権を持つUAWの支部が米国南部の外資系自動車会社の工場にできるのはこれが初めてのケースである。また、全米労働関係委員会(NLRB)は2015年8月、ファストフード業界のフランチャイズ店舗で不当解雇などの違法行為があった場合、事業を行なっている本社にも責任があるとする画期的な判断を下した。NLRBは、労働組合から団体交渉の申し入れがあった場合、本社は「共同雇用主」として店舗責任者とともに団交に応じるべきとしたのである。
 ギリシャでは、2010年の金融危機後、団体交渉制度を根本的に変更するいくつかの法律が制定された。うち主なものは次のとおりである。
―全産業・複数産業部門、部門別の交渉・協約の格下げ。各交渉レベルの特例(逸脱)創設・拡張。
―企業別協約の優位性の促進。
―労働協約の拡張適用制度の廃止。
 こうしたなかで、全産業部門で賃金水準が大幅に低下した。
 このほか、オーストラリアでは、労働組合の財務調査や政治資金の管理に関する調査などをとうして、強権的な手法で労働組合にたいする系統的な攻撃がつづいている。協約交渉の申し入れを行ったことで「脅迫」として逮捕される事例や、役職員に対する嫌がらせなども報告されている。コロンビアでは労働組合活動家などの殺害や人権侵害事件は依然として続いている。
 ベネズエラでは、スペインからの独立のたたかいを指導したシモン・ボリバールの政治思想を受継ぐ革新政権が国内外のさまざまな反政府キャンペーン、経済の撹乱策動などに直面し、2015年12月の総選挙で少数与党になった。

■ 賃金・最低賃金引き上げのたたかい

 インドネシアでは、2016年の最賃決定に先立つ10月27日、第三次経済政策パッケージが発表され、インドネシアの新たな最賃決定制度が発効した。これにより翌年の最低賃金は、インフレ率とGDP成長率に基づいて上昇幅が自動的に算出されることとなった。これまでは政労使による賃金協議会が毎年、生活必需品60品目に基づいて適正生活費を算出し最賃を決定していたが、今後、適正生活費の改定は5年に1度行なわれることになった。労働組合は、最賃決定の過程から排除されたとして反発を強めている。
 米国では、「オキュパイ運動」に端を発する「15ドルをめざすたたかい」が広まっている。2012年、ニューヨークのファストフード労働者らが時給の引き上げを求めて初めて「ストライキ」に立ち上がったが、それは厳密な意味でのストではなく、既存の労働組合や貧困問題に取り組む地域団体の支援を受けて、マクドナルド等繁華街の店舗の周辺でいっせいに集会やデモを行い、低賃金と劣悪な労働条件の解消を求めるものだった。彼らはこの運動を「15ドルをめざすたたかい」とよび、フェイスブックなどを駆使して全米各地に広めていった。それは2015年4月15日には「世界同時行動」へと発展し、全米で230都市、11月10日には史上最多となる270都市に広まった。参加したのはファストフード産業だけではなく、小売、清掃、介護サービスなどで働く労働者や学生たちだった。8月には、ブラジル・サンパウロに世界各地から代表が集まり、第1回ファストフード労働者世界会議が開催された。
 イギリスでは、生活賃金制が法制化された。これはもともとロンドン市の市民団体、労働組合、学生、宗教団体などのネットワークである「ロンドン・シチズンズ」が2001年から推進してきたものであるが、政府は2015年夏季予算案に最低賃金より高い額を25歳以上の労働者に支払う事を法制化し、拘束力を持たせようとしたものである。また、全国最低賃金については、政府は6.5ポンドから6.7ポンドへの引き上げを行い、最低賃金を支払っていない113社の名前を公表した。全国最低賃金を下回る賃金を支払うなど、英国版「ブラック企業」を告発し、賃上げや労働条件の改善を求めるたたかいも進んだ。ガーディアン紙12月9日付けは英国最大のスポーツ小売チェーンの「スポーツダイレクト」が全国最低賃金の時給6.7ポンドを下回る6.5ポンドしか支払っていないことを明らかにした。記事によると、時間通りに出勤しても賃金を引かれたり、退社が遅れても残業代が支払われていなかった。
 ポルトガルでは、10月4日行われた選挙のあと形成されたコスタ政府(与党社会党、左翼ブロック、共産党、緑の党の三党が閣外協力)は,施政方針表明で「経済成長、雇用、平等の増大」をトリプル目標としてあげ、早速、経済成長の再スタートは家計を賄うに足りるだけの所得向上を必要としているとして、最低賃金の現行505ユーロ(月額)から今後4年間での600ユーロへの引き上げ飲食店利用の付加価値税23%の13%への引き下げ、緊縮政策期に予定されていた2016年の公務員賃金削減の引き上げ逆転などに着手した。
 ニュージーランドでは、成人の最低時給が14.25NZドル(約1075円)から14.75NZドル(約1115円)に引き上げられた。訓練期間に適用される若年最低賃金も40セント引き上げられて11.80NZドル(約892円)となった。しかし、組合はこの引き上げ額はあまりに低く組合の調査によれば、生活できる賃金として時給19.25ドル(約1455円)が必要であること、生産性が2009年から13年にかけて10%以上上昇しているのに、同期間の賃金上昇が1.5%にとどまっていることを示しなから一層の引き上げを求めた。
 主要輸出品である原油の価格下落による税収減などの影響で経済の落ち込みから脱していないロシアでは、2015年の労働組合の集会や抗議活動の数は、ここ数年のなかでももっとも多かった。アムール州の「パストーチヌイ(東方)」宇宙船発射基地の建設現場での賃金未払いに抗議する作業中止、沿バイカル地方の教師たちによる常態化した賃金の遅配に対する抗議行動、ハカシア共和国の「ハカシア鉱山」の労働者による3ヵ月分の未払い賃金の支払いを求める無期限ストなどがそれである。

■ 解雇・不安定雇用・民営化反対のたたかい

 石油価格の下落・世界的な経済危機は中南米でも解雇や雇用の不安定化をもたらした。メキシコでは、原油価格の下落のなか原油生産が25年ぶりの低水準に落ち込んだ。そのためメキシコ石油公社(従業員数15万3000人)は2万6000人の解雇案を発表した。
 ブラジルでは、工業生産の4分の1を占める自動車産業で、外資系各社が売り上げ不振を理由とする人員削減に乗り出し、激しい抗議活動がおこった。サンベルナルド・ドカンポのフォルクスワーゲン工場では800人の解雇案に対し10日間わたるストライキが起こった。同社タウバテ工場では100人の解雇案に対し、無期限ストを決行。10日間のストと労使交渉の結果、50人の解雇撤回をかちとった。メルセデス・ベンツ、GM、トヨタ、フォード、ボルボでも同様のたたかいが起こっている。
 ベネズエラのGMVでも解雇反対闘争が起こっている。
 一方、欧州では、重化学工業の組合センターであるインダストリオール・ヨーロッパ労働組合(industriAIEU)は12月、労働組合間の協調・連携および労働者権の拡大・強化をめざす企業政策会議を開催した。会議でトライアングル副書記長は「多国籍企業は、依然として、非常に頻繁に、短期の財政的(金銭的)見通しに駆り立てられており、その破壊的な社会的影響は労働者とその代表者のみが負担させられてはならない。雇用が失われているだけでなく残っている雇用の多くは不安定であり、雇用の安定を提供していない」として、EUレベルでの緊急行動の必要性を強調した。また、ピーターセラーETUC副書記長は、「雇用の量と質を確保するために、地方、国、欧州レベルと同時に、企業の取締役会の労働者代表も、早期かつ十分な情報をうけとり、代替案を提示する立場に立つ必要がある」と述べた。
 スウェーデンでは、過去8年間において中道右派政府がさまざまな減税を実施することでいくつかの福祉の分野、たとえば、病気のために部屋やアパートを確保できなくなった高齢者の介護などで資金不足が生じている。主に中道右派政権によってスウェーデンの社会サービスと教育の多くが民営化されたが、社会民主党はそのプロセスの大半を徐々に受け入れている。

■社会主義をめざす国でのたたかい

 中国共産党中央委員会と国務院(内閣)は2015年3月、「和諧的労働関係構築に関するガイドライン」を発表した。この文書のなかで現在の中国の労働関係について「労働争議が高止まりし、一部では農民工の賃金未払いなど労働者の利益を損なう現象が依然かなり突出し、集団的業務停止や群集事件が折にふれて発生」していると述べている。
 こうしたなか、総工会は、2015年企業・事業所での団体協約締結を促進し、2015年に締結済み件数は266万5000件に達した(就業者総数は約7億7千万人。労働者の経済的損失を取り戻した金額は8946万元に達した。農民工の労組加入を促進し、1年間に約1500万人を加入させた(農民工の総数は2億7747万人)。農民工が集中している採掘、建設、製造、運輸、飲食などの企業で経営側と賃金団体交渉を行い、全国28の地区で最低賃金を平均13%増額させた。だが、こうした成果も問題の一部を改善したに過ぎない。「人民日報」は、現行の労働関係法が現実の要求に沿いきれず改定されるべきだとして、法的強制力がない、労働紛争の処理が複雑で労働争議の解決に時間がかかるなど現行法の問題点を挙げている。
 ベトナムの労働者の賃金体系は、2013年8月に発足した国家賃金評議会が決定し、政府に勧告する区域別最低賃金にもとづいて、毎年1月1日から改定される。2015年の区域別最低賃金は国家賃金評議会が3回の会議を経て9月3日の会議で決定した。当初、ベトナム労働総連合は16.8%の引き上げを要求したが、後には14.4%に要求額を引き下げた。一方、経営側のベトナム商工会議所は10%の引き上げを主張し、両者の合意は成り立たなかった。最終的に評議会議長の提案について採決が行なわれ、13/14の賛成で決定された。平均の引き上げ率は12.4%だった。組合はこの決定に不満を表明し、首相あてに書簡を送った。2015年に発生したベトナム全国のストライキ件数は245件であつた。前年比で24件の減少である。国営「ベトナムの声」放送は「2015年のストライキ件数の減少は、国家賃金評議会の活動の成果である」としている。
 ベトナムは環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に参加する立場でこの間、交渉を進めてきた。TPP協定が発効すれば、労働組合の「グローバル基準」の履行が求められ、各企業内にこれまでのベトナム労働総連合傘下の基礎組織とは異なる「労組」が発足する可能性が話題になっている。労働総連合副議長は「ひとつの企業に二つの組合組織が現れる場合には、当然、どちらが労働者の代表としての役割をより良く果たすかで、自分の方に労働者をひきつけることになる」として、「わたし達の労働総連合はこれまで、労働者の代表者としての役割を発揮して、労働者の権利を守ってきた」と述べている。
(さいとう たかお・常任理事・国際労働研究部会責任者)
*全労連編集・発行の年報『世界の労働者のたたかい2016〜世界の労働組合運動の現状調査報告第22集』が刊行されます(発売・学習の友社03-5842-5641)。執筆には、労働総研国際労働研究部会のメンバーが協力しています。

2014〜15年度第2回理事会報告

 2014〜15年度第2回理事会は、2016年5月14日全労連会館会議室にて開催された。冒頭、藤田実事務局長が第2回理事会は規約第28条の規定を満たしており、会議は有効に成立していることを宣言した後、熊谷金道代表理事の議長で議事は進められた。
 藤田宏事務局次長より、2016〜17年度定例総会方針案の骨子について提案された。討論がおこなわれ、理事会での討議をふまえて、常任理事会において文章化して議案を完成させ、定例総会に提案することが確認された。
 続いて、研究所プロジェクト「現代日本の労働と貧困―その現状・原因・対抗策」の第2次案について、小越洋之助代表理事、および担当者よりそれぞれ報告され、論議した。今後、各理事から出された意見をふまえ、最終報告案をまとめることを確認した。最終報告案は、定例総会に提案し、出された意見をふまえ最終報告をまとめ、『労働総研クォータリー』2016年秋・冬合併号にて報告書を発表することとした。

研究部会報告

労働組合研究部会(4月16日・5月16日)
4月は、『戦後民主主義と労働運動』(赤堀正成著、お茶の水書房)の「第3章1990年代新自由主義東京の労働運動」について生熊茂実氏がコメントし、自由討議となった。討議では、主に(1)高野路線と大田―岩井ラインのとの関係、(2)60年代後半〜70年前半の総評労働運動の評価、(3)労働運動における「基軸」と「周辺」との関係などが中心となった。
5月は、地方組織アンケートの単純集計概要が、各担当者から報告され、疑問点など出し合った。また今後の作業日程について確認した。
女性労働研究部会(2月10日・3月9日・4月6日・5月18日)
この間は、労働総研プロジェクトの「第5章 女性の貧困と政府・財界の『女性の活用論』」についての内容骨子案、第1次案・第2次案の原稿の検討を中心に論議をした。あわせて、2月には岩崎明日香さんが「就業構造基本調査の男女(各総数)の比較分析」、3月は上田裕子さんが「国連女性差別撤廃委員会の傍聴・ロビー活動など」、4月は大西玲子さんが「国連女性差別撤廃委員会総括所見」、5月は大西玲子さんが「女性労働者にかかわる最近の動きとして育児介護休業法改正と省令・指針」について報告し、質疑・論議した。

5月の研究活動

5月12日 労働組合運動史研究部会
  16日 労働組合研究部会
  18日 女性労働研究部会
     中小企業問題研究部会
  31日 経済分析研究会

5月の事務局日誌

5月1日 メーデー
  10日 労働法制中央連絡会事務局団体会議
  14日 第2回理事会
  31日 企画委員会