労働総研ニュースNo.194号 2006年5月



目   次

・年報 『世界の労働者のたたかい─2006』(第12集)たたかいの特徴と共通性
・常任理事会報告他




年報

『世界の労働者のたたかい─2006』(第12集)
たたかいの特徴と共通性

藤吉 信博

 年報『世界の労働者のたたかい2006』―世界の労働組合運動の現状調査報告―第12集が発刊されました。

 この『年報』は、世界の労働者のたたかいが多くの点で共通していることを確認でき、日本の労働運動が直面している問題を研究するうえで、多くの示唆をあたえてくれます。そういう意味で、労働組合の幹部活動家はもとより、労働組合運動の発展に関心をもっておられる研究者には必読の文献といえます。

 『年報』でとりあげられている興味ある調査報告や評価については、後段で詳細な紹介をしますが、その前に『年報』の歴史と特徴についても紹介しておきたいと思います。この『年報』第1集が発刊されたのは、1995年で、今回で12集となります。10年以上にわたって継続出版されている「世界の労働組合運動の現状報告」は、英国で出版社が変わりながら出版されいる“TRADE UNIONS OF THE WORLD”(『世界の労働組合』、最新版は第6版)などを除けば、労働組合のナショナル・センターが労働運動の発展に寄与するために設立された研究所と協力して発行している『年報』としては、きわめてまれな事例に属すると思われます。

《調査の目的》

 調査の目的は、第1集から一貫した編集方針でつらぬかれたいます。それは、新自由主義的なグローバル化の進行のもとでアメリカの軍事的経済的覇権がつよまるなか、日本の労働者のたたかいと世界各国の労働運動の共通性を認識し、各国のたたかいの教訓を日本のたたかいに活かすことです。こうした要請にこたえるため、本『年報』は、2005年中にたたかわれた世界各国の労働者と労働組合の主要な闘争の実態を調査・報告しています。

 『年報』は、ケース・スタディ(事例調査)のかたちで各国別に個々の主要な闘争の事例を、(1)闘争課題(要求)について、(2)たたかいの組織・規模・戦術について、(3)それらのたたかいの到達点、についてそれぞれ調査・分析しています。

 また、各国の労働運動の動向を考察するうえで重要と思われる特徴的な事実や動向、背景についても大陸ごとおよび国ごとに可能な限り概観的に分析してしています。

《二つの新企画》

 本『年報』から、二つの新企画が開始されました。

 一つは、『世界の労働者のたたかい』というタイトルにふさわしく、日本も加えてほしいというつよい要請にこたえて、今回から日本の報告を新たに収録していることです。

 また、各国の調査報告の冒頭に新たに主要統計指標を掲載し、豆データブック的な機能をもたせていることです。

 これら新企画がはじまったことで、『年報』がより身近に感じられるようになったと思います。

《1地域・40カ国をカバー》

 本『年報』が調査・分析している地域と国は、以下のような、1地域(欧州連合、EU)と40ヵ国です。

アジア9ヵ国(日本、韓国、中国、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、インド)

オセアニア2ヵ国(オーストラリア、ニュージーランド)

北米2ヵ国(米国、カナダ)

中南米6ヵ国(ベネズエラ、ボリビア、コロンビア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン)

欧州1地域・20ヵ国(欧州連合=EU、英国、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、スウェーデン、エストニア、スロベニア、リトアニア、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランド)

東欧/独立国家共同体1ヵ国(ロシア)

《世界の労働者のたたかいの特徴と共通性》

 本調査報告で調査・分析している世界の労働者のたたかいには、いくつかの注目すべき特徴や共通性がみられます。

 『年報』を直接手にして、お読みいただくための一参考として、以下にその特徴と共通点について紹介します。

(1)[新自由主義的「規制緩和」攻撃反対のたたかい]

 アメリカ型新自由主義戦略・大企業の利益最優先政策(弱肉強食の「新自由主義」路線)は、「国際競争」に勝ち抜くことをスローガンにかかげて、国際的な企業競争を激化させています。

 それが起動力となり、大企業は国家の機能を活用して、労働者の働くルール、生活と権利を破壊する「規制緩和・自由化」戦略を強化しています。

 こうした路線・攻撃に対する各国の労働者のたたかいには、以下のような共通性と特徴がみられます。

 契約社員制度廃止要求(フィリピン)、医療制度改悪反対(タイ)、民営化反対闘争(インド)、解雇自由・スト禁止の労働法制改悪反対闘争(オーストラリア)、委託・外注化反対闘争(カナダ、メキシコ)、労働法改悪反対闘争(メキシコ)、労働時間弾力化反対闘争(EU諸国)、サービス労働者の労働条件を出身国に合わせることに対する反対闘争(EU諸国)、労働法制改悪反対闘争(EU諸国)、郵政事業民営化反対闘争(EU諸国)、年金改悪反対闘争(英国、ベルギー、ポルトガル)、新雇用法反対闘争(フランス)、日曜労働拡大反対闘争(スイス)、不安定雇用規制のたたかい(イタリア)、社会保険制度改悪反対闘争(ギリシャ)などです。

(2)[最賃など最低基準の改善・向上のたたかい]

 アメリカ型新自由主義戦略の強行は、労働者の落層化・低賃金労働者層を拡大しており、賃金切り下げ反対とともに、最低賃金制など労働条件の最低基準確立、改善が労働運動の重要な課題となっています。

 韓国、タイ、ベトナム、ニュージーランド、英国、ドイツ、スイス、スウェーデン、エストニア、リトアニア、スロバキア、ポーランドなどで、最低賃金制のたたかいが発展していますが、各国における労働運動の歴史と伝統の差異により、最低賃金制が法律によるか協約によるかの差異が存在しています。

 そうした状況にもかかわらず、スイスの最賃闘争は以下のような点で注目に値すると思われます。それは、最低賃金月額3,000スイス・フラン(約27万円)は協約最賃ですが、貧困ライン=3,000スイス・フラン、最低年金=3,000スイス・フランと連動し、ナショナル・ミニマムの主軸となっているということです。

(3)[組織拡大]

 アメリカ型新自由主義路線は、労働者保護諸立法を利潤追求の障害物とみなし、それを「規制緩和」する政策をつよめています。アメリカ型新自由主義路線は、非正規・不安定労働者を大量に創出する政策を各国に押しつけている結果、労働組合の組織率が全体として各国で低下傾向にあります。

 労働組合はこうした傾向に歯止めをかけ、労働組合の社会的地位を高めるために、非正規・不安定労働者の組織化と組織拡大を、各国で本格的に取り組みはじめています。

 たとえば、貧富の拡大・「二極化」の解消と非正規労働者の地位向上・組織化にとりくむ韓国や、農村からの都市出稼ぎ労働者を「労働者階級の新しい構成員」と位置づけて、組織化に取り組んでいる中国などです。

 そのことと関連して、未組織の組織化を含む組織化方針をめぐってAFL-CIOから脱退した組合で結成した米国第2のナショナル・センターである「勝利のための変革連合」(Change to Win、CtW、構成員600万人)の今後の動向が注目されます。

 大衆行動を重視する組織へと変革をめざし、「組織化アカデミー」の創設、「ユニオン・アカデミー」の創設、若年労働者の組織化をめざす「教室のなかの労働組合活動家」を開設するなど、英国の動向も注目されます。

 03年に成立した30号法により増大する、不安定・非正規労働者の組織化、請負・アウトソーシングに反対するイタリアのたたかいと経験も注目されます。

(4)[困難をはねかえしたねばりづよい運動]

 要求実現にむけての運動が、困難をはねかえし、ねばりづよくすすめられていることを、この『年報』はリアルに報告していますが、要求を実現するために結成され、運動する労働組合運動の原点とのかかわりで、わたしたちは、あらためてこの点に注目する必要があることを『年報』を読んで痛感しました。

 反動勢力による労働組合運動指導者の拉致・拷問・殺害などの攻撃をうけるという厳しい状況で、労働者の生活と権利のために戦闘的に活動しているコロンビアの活動に、注目する必要があると思います。

 また、2年越しの交渉による基本協約改定に合わせて賃金協約の改定も実現した公共部門をはじめ、ストライキを含む長期のねばりづよい交渉で賃金協定を実現している鉄鋼、印刷、建設のドイツの労働組合のたたかい、イタリアの3大ナショナル・センターに加盟する金属機械部門の3労組のストライキを含む、ほぼ1年間にわたる賃金協約闘争、それと同様な食品、公務、鉄道でのたたかいなども注目しなければならないと思います。

 さらに、イタリアの金属労組の交渉は、全員投票による信任を得て開始され、妥結承認のための組合員投票など、組合民主主義の徹底を土台に展開されていることです。3週間にわたる工場別・地域別に分節化されたたかいが展開されていることなども、注目に値すると思います。

(5)[企業の社会的責任を求める運動と新たな国際的共同]

 アメリカ型新自由主義戦略にもとづく国際的巨大企業間の競争を背景とした「産業空洞化」への対応として、企業の社会的責任(CSR)を求める運動と結合した、さまざまな課題で、国境を超えた労働組合間の新たな協調行動、国際連帯が展開されはじめていることも注目すべき運動だと思います。それらの事例を具体的に紹介しておきます。

 EUレベルのホテル・レストラン産業の労使間で調印された「企業の社会的責任(CSR)」に関する共同声明文書、フランスの化学多国籍企業Rhodiaと国際化学・エネルギー・鉱業・一般労連(ICEM)の間で調印された「グローバル社会的責任協定」、ドイツに本拠を置く自動車部品、電子機器メーカーのGebruder Rochlingと同社の欧州労使協議会、欧州金属労連(EMF)、ドイツのIGメタルで調印された「社会的責任の諸原則」協定、などです。

 ベネズエラ、アルゼンチンなどを中心に、中南米では、新自由主義政策のもとで経営破綻した企業・工場を再建する「企業再建運動」が、労働組合を中心に展開されていることも注目すべき運動だと思われます。05年10月、ベネズエラで、「企業再建をめざす労働者の全国集会」と「第1回工場再建ラテンアメリカ集会」が開催されました。後者の会議は、ベネズエラ、ウルグアイの労働組合組織と共同で開催したもので、中南米各国の235占拠事業所から400人、20の労働組合ナショナル・センターの代表が参加して経験交流しています。

 スイスの労働組合(Unia)とイタリアのCGILが05年5月、北イタリアと国境を接する南スイスのテシーン州に出入りするイタリア人労働者(年間3万5000人)の保護と、この地域における賃金ダンピング防止を、当面の目的とする協定を結びました。これはヨーロッパで最初の協定だといわれています。

 イタリアでは、05年3月、トリノで労働研究財団などが主催して「自動車の将来に関する欧州会議」が開かれました。この会議には、欧州の主要な労働組合、関連自治体などが参加しました。会議では、自動車産業の現状と展望について論議され、生産能力過剰問題に対応するラジカルな見直しと、自動車産業に今後の発展方向を長期的・歴史的展望にたって模索した点などで注目されます。

 スウェーデンLOとラトヴィアのLBASの間で、ソーシャル・ダンピング(両国間の格差を乱用した賃金・労働条件切下げ)との闘争を目的とした協力協定が締結されました。

(6)[外国人労働組合の結成]

 外国人(出稼ぎ)労働者の組織化がはじまっていることも注目すべき動向だと思います。

 韓国で、はじめての外国人労働組合である「ソウル・京畿・仁川移住労働者労働組合」が結成総会を開き、委員長にバングラデシュ人のアノアル・フセイン氏を選出しました(参加者20人、韓国の不法滞在外国人労働者は約20万人とみられる)が、当局は委員長を連行・拘束し、労組不認可を決めました。

 ドイツでは、ヨーロッパ出稼ぎ労働者連合(EVW)が建設労組の協力で04年、当初の組合員9人で発足したが、05年10月の建設労組の大会では、それが約1,000人になったことが報告されています。組織されているのは、ポーランド、ルーマニア、ハンガリーからの出稼ぎ者です。

(7)[女性幹部の増大]

 ナショナル・センターの議長就任をふくめ、女性労働者の幹部進出とその比重が増大していることも共通した特徴となっています。

 過去6年間で17%以上組織人員を増やし、30万人の組合員を組織する労働組合に成長した「ニュージーランド労働組合評議会」(NZCTU)大会は、議長、書記長が留任し、マオリ系副議長にはシャロン・クレア氏、もう一人の副議長にケリー氏を選出しました。議長以外は全員女性の3役となりました。AFL-CIOを脱退した7労働組合で結成したナショナル・センターである「勝利のための変革連合」(CtW)創立大会で、アナ・バーガーSEIU国際部長を議長に選出しました。女性がナショナル・センターの議長に選出されるのは、米国の歴史で初めてのことです。「英国労働組合会議」(TUC)大会は、組合史上初めて、黒人女性グロリ・ミルズ氏(UNISON出身)を議長に選出しました。

(8)[労働組合の変革]

 (9)と密接に関連していることだと思われますが、ナショナル・センター、労働組合の変革過程がはじまっていることも共通した特徴として注目したいことです。

 ベネズエラでは、チャベス政権下ですすめられる「ボリーバル革命」、国の主権擁護、国民本位の社会変革の運動に参加する過程で、労働組合運動の革新的変化がすすんでいます。

 米国では、イラク戦争反対、米軍の撤退を求める運動で、労働組合の全国的反戦ネットワーク「戦争に反対するアメリカ労働者」(USLAW)の運動が着実に発展しています。これは、米国の歴史でもはじめてのことであり、米国労働運動の質的変化として注目されます。

(9)[労働運動と政治変革との結合]

 アメリカ型新自由主義戦略に対するたたかいは、必然的に労働と生活を向上させるたたかいと、国の経済的自主権確立のたたかいとを結びつけてすすめられざるをえません。こうしたたたかいは、政治変革を前進させる国民的な闘争と結合して発展しはじめているところに特徴があると思われます。

 中南米とインドとにおけるたたかいは、この闘争のハイライトといえると思います。

 アメリカの裏庭といわれていた中南米における変化は劇的です。中南米では、アメリカの政治・経済的な支配、搾取と収奪に反対する労働運動、国民諸階層の運動は、米国の経済的、軍事的、政治的支配を拒否し、自立した経済・社会をめざす運動としてたたかわれています。

 2000年ベネズエラでチャベス大統領再選、03年アルゼンチンでキルチネル大統領当選、04年ウルグアイでバスケス大統領当選、05年ボリビアでモラレス大統領当選と、毎年のように新しい国民本位の政治を志向する大統領が当選しています。このように、複数の国で同時期に自立、国民本位の政策をかかげる政権が民主的な選挙をつうじて成立していることは、中南米の歴史ではじめての事態であり、世界史的にも注目されています。

 インドの7つの全国労組中央組織は、05年2月に開いた会議で、国民会議派主導の統一進歩連盟=UPA政府の総選挙の公約違反=前政府と同じ反労働者的・反国民的な経済政策に対して抗議し、2月から9月までの7ヵ月ねばりづよい準備期間を経て、16項目の「緊急要求」の実現めざし、「段階的闘争強化計画」にもとづき、運動のレベルをつぎつぎに引き上げ、9月22日のゼネラル・ストライキにむけて闘争エネルギーを総結集し、6,000万人が参加した空前のゼネラル・ストライキを成功させました。このゼネラル・ストライキの詳細な報告は中南米のたたかいとともに、05年における世界の労働者のたたかいの白眉をなすものとして記録されるでしょう。

 これらの具体的な運動については、本『年報』を読んで、研究を深める必要があると思います。

(10)[社会主義をめざす国の労働者のたたかい]

 中国とベトナムなど社会主義をめざす国の労働運動には、以下のような特徴があると思われます。

 中国では、「広範な労働者を結集・動員して5ヵ年計画実現のため貢献」し、「中国の特色をもつ社会主義の労働組合の発展の道を堅持する」とともに、「労働関係調整の強化、労働者の適法な権利・利益の確実な擁護、社会主義調和社会構築を推進する」ことを中華総工会の方針として決議し、就業、社会保障、賃金、労働安全・衛生などの問題解決のために努力することを強調しています。その具体策のひとつとして、農村からの都市出稼ぎ労働者の組織化、在中国の外資企業や私営企業での労組づくりと労働契約の明確化、賃金、労働時間での権利侵害など、「労働組合法」違反の根絶のために努力することを強調しています。

 ベトナムでは、ドイモイ(刷新)路線の一層の前進をめざし、労働組合も参加して取り組まれている飢餓撲滅・貧困削減運動は、OECDが評価するほどの成果をあげていることです。貧困基準の改定、国内経済部門の最低賃金引き上げなど、国民の生活水準向上の面での前進、外資系企業のスト頻発の要因となっている、口頭契約労働者の社会保険未加入の問題についても取り組みがはじまっています。

 これらは、「市場経済」を通じての社会主義建設の新しい課題の挑戦として、注目されるところです。

 以上、『世界の労働者のたたかい2006』について、日本の労働組合運動が直面している困難な問題や課題を念頭におきながら、研究を深める問題点を中心に紹介してきましたが、ぜひとも現物を手にとってお読みいただくことをおすすめいたします。

 より立ち入った研究をするため、5年間くらいの『世界の労働者のたたかい』を比較検討されるならば、問題点がより鮮明に浮かび上がってくるに違いありません。

 なお、03年版、04年版、05年版は全労連のホームページに掲載されています。

 『世界の労働者のたたかい−2006』の執筆者は、以下の労働総研・国際労働研究部会メンバーです(50音順)。

岩田幸雄 (労働総研常任理事、全労連事務局次長・国際局長)
岡田則男 (会員、ジャーナリスト)
面川 誠 (会員、ジャーナリスト)
加藤益雄 (全労連国際部長)
小森良夫 (会員、国際労働問題研究者)
斎藤隆夫 (当研究部会責任者、常任理事、群馬大学教授)
坂本満枝 (会員、国際労働問題研究者)
猿田正機 (会員、中京大学教授)
島崎晴哉 (理事、中央大学名誉教授)
筒井晴彦 (会員、国際労働問題研究者)
平井潤一 (会員、国際問題研究者)
藤吉信博 (労働総研事務局次長)
布施恵輔 (会員、全労連青年部書記次長)
宮前忠夫 (会員、国際労働問題研究者)

(全労連発行、頒価=1,000円、送料別)

*購入希望者は全労連国際局へ申し込んでください。

全労連国際局:
〒113-8462
 東京都文京区湯島2-4-4全労連会館
Tel:(03)5842-5611 Fax:(03)5842-5620
E-mail:zenintel@zenroren.gr.jp
(ふじよし のぶひろ・事務局次長)


第4回常任理事会報告

 労働総研2005年度第4回常任理事会は、06年5月13日13時30分から17時まで、労働総研2階会議室で、牧野富夫代表理事の司会でおこなわれた。

 常任理事会の冒頭研究会で、伊藤圭一全労連調査政策局次長から「焦点絞られてきた労働政策審議会議論について」の報告をうけ、討議された。

I

 報告事項:(1)ナショナル・ミニマム問題整理プロジェクトの進捗状況、およびプロジェクト・研究部会代表者会議に先立っておこなわれた研究例会「ナショナル・ミニマム大綱」について、(2)労働総研・全労連労働組合調査担当者会議(3月26日)について、(3)『世界の労働者のたたかい2006』発刊について、(4)全労連との協力共同(全労連のパート・臨時などではたらくみんなのアンケート調査、全労連「もうひとつの日本闘争本部」と「小さな政府」論批判、労働法制中央連絡会、年金者組合シンポジウム、通信労組結成25周年)について、藤吉信博事務局次長が報告した。大木一訓代表理事が、プロジェクト・部会代表者会議(3月31日)について、報告した。藤田実常任理事が編集委員会活動について報告した。最後に、牧野富夫代表理事が人事委員会の活動の現状について報告した。
 各報告をうけて、討議され、承認された。

II

 協議事項:入会申請について、事務局次長が報告し、異議なく承認された。
 大須眞治事務局長より、「2006年度新規研究部会研究申請書」の提出状況の報告がされ、「2005年度の活動経過についての総括」の草案と「2006年度の活動方針の柱について」の事務局長提案をもとに、自由な討議がおこなわれた。出された意見を考慮して次回常任理事会に総会方針案を提出する事が確認された。
 事務局長より、全労連との共同調査『労働組合調査報告書』を全労連大会前までに刊行すること、および『ナショナル・ミニマム問題整理プロジェクト報告書』を『労働総研クォータリー』06年春季・夏季合併号で発表するとの提案があり、承認された。
 事務局長より、2006年度定例総会を7月29日とするなど、今後の日程が提案され、確認された。


4−5月の事務局日誌

4月13日 労働法制中央連絡会事務局団体会議
22日 編集委員会
通信労組25周年記念レセプション
25日 沖縄県労連「もう一つの日本をめざすシンポジウム」(藤吉)
29日 拡大事務局会議
5月9日 労働法制中央連絡会事務局団体会議
13日

第4回常任理事会
人事委員会

20日 労働者教育協会第46回総会へメッセージ
27日 自治体問題研究所第46回総会へメッセージ

4−5月の研究活動

4月6日 国際労働研究部会―「世界の労働者のたたかい」について
10日 賃金最賃問題研究部会―賃金システムの変化に対する労働運動の取組の課題
17日 労働運動史研究部会―ヒアリング
20日 女性労働研究部会―戦後女性労働問題理論の発展〜裁判闘争を中心に
24日 労働運動史研究部会―ヒアリング
29日 関西圏産業労働研究部会―現代賃金論の構想に向けて
5月8日 賃金最賃問題研究部会―中小企業における業績・成果を重視した企業動向の実態
22日 労働運動史研究部会―ヒアリング
25日 女性労働研究部会―次年度以降の研究テーマと体制について
26日 中小企業問題研究部会(公開)―東京の商店街動向とまちづくりの課題



労働総研中小企業問題研究部会

公開研究会のお知らせ

テーマ 東アジア経済と日本の中小企業―『中小企業白書』を斬る
報告者 相田 利雄 会員(法政大学教授)
日 時 7月11日(火)午後6時〜
場 所 全労連会館3階全労連会議室
<お願い> 参加者は『中小企業白書2006年版』又は同要約版をご持参ください。要約版は中小企業庁のHPに掲載されています。

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